徳川美術館 第4展示室 武 家 の 式 楽 ― 能 ― 平成29年1月4日(水)~4月9日(日) A:1月4日(水)~2月5日(日) B:2月7日(火)~3月7日(火) C:3月8日(水)~4月9日(日) さるがく 足利将軍家は、猿楽=能を庇護し、高度に洗練された舞台芸能に育てあげた。大名たちにも大いにもてはや ぶがく く げ しき がく され、公式行事に演能は欠かせぬものとなった。江戸幕府もこの伝統を承け、舞楽が公家の式楽であったのに けいじ 対して、能を武家の式楽と定めた。御殿の広間の前庭には能舞台が設けられており、慶事や公式行事の際に うたげ は必ず能が演じられ、それを見ながら宴は進められた。そのため大名家には能役者が召抱えられ、各種の曲目 しょうぞく うた に応じられるように、いろいろな装束・能狂言面・小道具が備えられていた。正月2日(後に3日)には幕府で「謡 いぞ 初め」が行なわれ、大名家でも年中行事とされた。大名自身も謡い、時には自ら舞うことも必須の教養とされて いた。 作品名 作者・所用者・寄贈者等 時代 凡例:⦿は国宝 世紀 期間 1 能面 白式尉 伝元休満総作 江戸 18 A 2 能面 天神 江戸 18 B 3 能面 近江女 焼印「天下一是閑」 是閑吉満作 桃山-江戸 16-17 A 4 能面 増(泣増) 焼印「出目満真」 出目満真作 江戸 18 B № 指定 【特集展示】唐人相撲装束 5 喇叭 江戸 17 AB 6 鐃鈸 江戸 17 AB 7 太鼓 江戸 17 AB 8 笙 江戸 17 AB 9 唐団扇(皇帝用) 江戸 17 AB 10 唐団扇(通辞用) 江戸 17 AB 11 毛皮・萌黄地金襴唐人頭巾 江戸 17 A 12 白ビロード地 萌黄地金襴唐人頭巾 江戸 17 A 13 色替羅紗地唐人頭巾 江戸 17 B 14 緋茶羅紗地唐人頭巾 江戸 17 B 15 髭 五枚の内 江戸 17 AB 16 茶ビロード地龍の丸文唐人相撲装束(皇帝用) 江戸 17 B 17 萌黄地龍の丸に牡丹唐草文唐人相撲装束(通辞用) 江戸 17 A 18 萌黄地牡丹唐草文金襴唐人相撲装束 江戸 17 B 19 白茶地龍鳳凰段唐人相撲装束 江戸 17 A 20 赤ビロード地鳳凰牡丹唐草文羽織(通辞用) 江戸 17 A 21 黒羅紗地唐人帽子(通辞用) 江戸 17 A 22 花色毛織地唐人帽子 江戸 17 A 23 白茶地金襴・縞木綿唐人頭巾 江戸 17 B 24 薦(皇帝用) 二枚の内 江戸 17 B 25 剣 江戸 17 AB 26 茶地花折枝文唐人相撲装束 江戸 17 A 27 花色地花繋文唐人相撲装束 江戸 17 A 徳川美術館 第4展示室 № 指定 作品名 作者・所用者・寄贈者等 時代 世紀 期間 28 猩々緋羅紗唐人相撲装束 江戸 17 A 29 花色地唐花文・紅地金桐文散唐人相撲装束 江戸 17 B 30 薄鼠地菊花文唐人相撲装束 江戸 17 B 31 萌黄地唐草文唐人相撲装束 江戸 17 B 32 紅紗地唐花文金箔置傘 江戸 17 AB 33 幟 江戸 17 AB 34 長柄唐団扇 一対 江戸 17 AB 35 鉾 江戸 17 AB 追加 大格子熨斗目 江戸 19 A 追加 萌黄地立涌に輪宝文金襴袷狩衣 江戸 17-18 B 【特集展示】祝言能の世界 36 能面 猩々 焼印「出目」 伝出目満永作 江戸 17 C 37 能面 邯鄲男 焼印「児玉」 伝児玉作 江戸 18-19 C 38 百番謡本 高砂 観世黒雪筆 平戸松平家伝来 岡谷家寄贈 江戸 17 C 39 百番謡本 老松 観世黒雪筆 平戸松平家伝来 岡谷家寄贈 江戸 17 C 40 百番謡本 白楽天 観世黒雪筆 平戸松平家伝来 岡谷家寄贈 江戸 17 C 41 透冠 江戸 19 C 42 金地桐鳳凰図中啓 江戸 19 C 43 松竹鶴亀図中啓 江戸 18-19 C 44 赤地霞に菊蝶文唐織 江戸 18 C 45 緋大口 江戸 18-19 C 46 白・納戸細格子と茶・花色・黄・赤・白横縞腰替熨斗目 江戸 18 C 47 紺地飛雲・巴文金襴袷狩衣 江戸 18 C 48 萌黄地瑞雲に宝尽文法被 江戸 18 C 49 黄地亀甲に若松鶴亀文直垂 江戸 18 C 以上 唐人相撲装束 「唐人相撲」は、唐土に渡った日本の相撲取りが、皇帝はじめ唐人たちと相撲を取るあらすじの狂言であ る。相撲取りに手も足も出ない唐人たちや、闘おうとするものの逃げ腰な皇帝の滑稽な姿も魅力であり、 唐人たちがさまざまに着飾る装束や大量に用いられる中国風の道具が見どころとなっている江戸時代以 前の唐人相撲の装束がまとまって遺っている例は全国的にごく稀で、当館には装束と道具合わせて、四 十四件が伝存している。特に、十五領揃いで伝えられた装束には桃山時代から江戸初期にかけて輸入 きれ されたと考えられる裂も用いられており、能楽史上はもちろん染織史上においても重要な作例である。 大 名 の 雅 び ― 奥道具 ― 国宝 初音調度の美 ⦿ 初音蒔絵硯箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正 江戸 室)所用 寛永16年 <1639> A ⦿ 初音蒔絵枕香炉 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正 江戸 室)所用 寛永16年 <1639> B ⦿ 初音蒔絵香盆 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正 江戸 室)所用 寛永16年 <1639> C
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