VOL.29 965 CHEMOTHERAPY S-4 新 ら し い 合 成 抗 菌 薬1-Ethyl-6-fluoro-1,4-dihydro-4-oxo-7-(1-piperazinyl)-3quinolinecarboxylicacidの (I)中 枢 神 経 系,末 大 久 保 秀 夫 ・瀬 川 一般 薬 理 作用 梢 神経 系 に 対 す る作 用 満 ・平 山 隆 士 ・西 納 啓吾 杏 林 製薬 株 式 会 社 中 央 研究 所 AM-715の 安 全性 研 究 の一 環 と して 中枢 神 経 系,末 梢 神 経 系,臓 器 運 動 に対 す る作 用 を検 討 した 。 AM-715の30∼1,000mg/kgの 経 口投 与 は マ ウ スお よび ラ ッ トにお け る一 般 症 状 観 察,自 発 運 動 量, 協 調運 動,チ オペ ン ター ル睡 眠,酢 酸 ライ シ ング,正 常 体 温,発 熱 ウサ ギ体 温,条 件 回 避 反応 に影 響 せ ず,鎮 痛 作用,筋 弛 緩 作 用 も示 さな か った 。 AM-715の10,20mg/kg静 脈 内 投 与 は急 性 お よび慢 性 植 込 電 極 ウサ ギ の 自発脳 波 パ ター ン,脳 波 覚醒 反応 に影 響 を与 え な か った 。 ま た,10mg/kg静 脈 内 投 与 は脊 髄 ウサ ギ に お け る単 お よび多 シナ プ ス反 射 電 位 に対 して ほ とん ど影響 を与 え なか った。 AM。715の10-4g/mlは 摘 出 した モル モ ッ ト回腸,気 管 平 滑 筋,ラ ッ ト輸 精 管 の緊 張 お よび 各種 ア ゴニ ス トに よ る収縮 ・弛 緩 反 応 に影 響 を与 え なか った が,妊 娠,非 妊 娠 ラ ッ トの子 宮 自動 運 動 の振 幅 をそれ ぞれ37%,25%抑 制 した。3x10-4g/mlは させ た。 AM-715の10mg/kg静 脈 内投 与 は ウサ ギ の生 体 位 胃 小腸 運 動,膀 をお よぼ さな か った 。 ま た,1,000mg/kg経 以上,AM-715は ウサ ギ摘 出 回 腸 自動 運 動 の 振幅 お よび 緊 張 を増大 胱 運 動,子 宮 運 動 に対 して影 響 口投 与 はマ ウス の腸 管 輸 送 能 に影 響 を与 えな か っ た。 いつ れ の項 目に お い て も著 しい作 用 を示 さず,一 部 で観 察 され た作 用 も抗 菌 作用 が認 め られ る用 量 をは るか に超 え る用 量 で あ った 。 近 年,合 成 ペ ニ シ リンや セ フ ァ ロ スポ リン系 な どの 抗 Fig. 生 物 質 に 耐 性 を有 す る 菌 種 が 臨 床 材 料 か ら高 率 に 検 出 さ れ る よ うに な り,そ 1 Chemical structure of AM- 715 の う ち で も,Pseuabmonas,Serratia な ど が増 加 し治 療 面 か ら 問 題 と な っ て い る 。 杏 林 製 薬 株 式 会 社 に お い て 新 ら し く開 発 中 の1-Ethy1-6-fluoro-1,4dihydro-4-oxo-7-(1-piperazinyl)-3-quinolinecarboxylic acid(AM-715)はFig.1に 示 す 化 学構 造 を有 す る 合 成 抗 菌 薬 で あ る が 上 述Pseudomonas,Serratiaを 含 むグラ 1-Ethyl- 6-fluoro- 1,4- dihydro- 4- oxo- 7-(1- piperazinyl)quinolinecarboxylic 3- acid ム 陰性 桿 菌 の み な ら ず グ ラ ム 陽 性 菌 の 臨 床 分 離 株 に 対 し て もす ぐれ た 抗 菌 活 性 を 示 し,類 dixicacid(NA),piromidic (PPA),miloxacin(MLX)よ 縁 化 合 物 で あ るnali- acid(PA),pipemidic acid り も 強 い 抗 菌 活 性 と広 範 囲 スペ ク トラ ム を 有 す る の み な らずNA耐 性 菌 に対 して も有 効 で あ る こ とが 明 ら か とな っ て い る1)。 55±5%,照 明 時 間:午 前8:30∼ は次 の通 りで あ る。 マ ウ ス(JCL-ICR,日 2. 被 検 薬 の調 製 た。AM-715を I. 実 験 材 料 お よ び 方 法 mlと 1. 使 用 動 物 実 験 動 物 は 購 入 後 一 定 条 件 下(温 度: 経 口投 与 は原 則 と して つ ぎ の方 法 で 行 な っ 蒸 留 水 に 懸濁 させ,体 重100gあ た り2 な る濃 度 に調 製 した。 ま た,静 脈 内投 与 の 場合 に はAM-715の 度:24±2℃,湿 本 ク レア),ラ ル モ ッ ト(Hartley,日 本 医 科),ウ サ ギ(日 本 在 来 白色 種,日 本 医科)。 AM-715の 用 を検 討 し た の で 報 告 す る 。 一週間以 上 予 備 飼 育 した の ち実 験 に 用 い た。 動 物 の 種 お よび 系 統 ッ ト(Wistar,日 本 医 科),モ 今 回,著 者 らはAM-715の 安 全 性 研 究 の一 環 と して 一般 薬 理 試 験 の う ち 中 枢 神 経 系 ,末 梢 神 経 系 に 対 す る 作 午 後5:45)で 塩 酸塩 を生 理 的 食 塩 水 に溶 解 して用 い た。 摘 出 標 本 の実 験 に おい て はAM-715に1N NaOHを 加 966 DEC. CHEMOTHERAPY えて溶 解 し過 剰 の ア ル カ リを1N HCIで 中和 した もの を 用 い た。 に 直腸 温 変 化 を測 定 した 。 対 照 薬 に はchlorpromazine. HClを 用 い た。 3. 一 般症 状 観 察 (2)発 1)マ 雄 性 ウサ ギ(2.78∼3.42kg)を1群5匹 ウス 雄 性 マ ウ ス(25∼30g)を1群5匹 口投 与 後,IRWINの 2)ラ と し,被 検 薬 の経 変 法2)に よ り一 般 症 状 を観 察 した 。 ット 使 用 した。 観 察 験 当 日は絶 食 させ た。TTG-2号(藤 内投 与 し発 熟 さ せ た。TTG投 使 用 した。 実 沢 》15μg/kgを 静脈 与15時 間 後 にAM-715 lsalicylicacidを 用 い た。 4)自 は マ ウスの 場 合 と同様 に行 な っ た。 4. 中枢 神 経 系 に対 す る作 用 発 運 動 にお よぼす 影 響 雄 性 マ ウス(28∼32g)を1群3匹 痛作用 (1)圧 熱 ウサ ギ体 温 を経 口投 与 し直腸 温 変 化 を測定 した。 対照 薬 に はacety- 雄 性 ラ ッ ト(180∼230g)を1群3匹 1)鎮 と し,1投 与量 当 り 6群 を使 用 し た。 被検 薬 経 口投 与30分 後 にhome 雄 性 マ ウ ス(25∼32g)を1群10匹 使 用 した。 被 検 薬 匹 の マ ウ ス を 移 し,10分 間 の 自発 運 動量 をAMMEX を経 口投 与 し,高 木 らの圧 刺 激法3)に よ って鎮 痛 作 用 の activitymeter(Farad 有 無 を測 定 した。 μAで 測 定 した。 実 験 は 室温25±1℃,一 雄 性 マ ウス(26∼32g)を1群10匹 定 照 明下 で行 間 でt-検 定 を行 な った。 使 用 した。AM-715 お よびacetylsalicylic acidの 蒸留 水 懸 濁 液 を 体 重10g あ た り0.2ml経 Electronics)に よ りsensitiviTY30 な った。 結 果 は6群 の平 均 値 で 示 し,薬 物 無 処理 群 との 酸 ラ イ シ ン グ法 口 投 与 し た。 薬 物投 与30分 後 に0.7% 酢 酸 を体 重10gあ cage か ら測 定 用 プ ラ ス チ ッ クケ ー ジ(17×27×13cm)に3 刺 激法 (2)酢 1981 た り0.1ml腹 5)協 調 運 動 に対 す る作 用 雄性 マ ウ ス(26∼32g)を1群10匹 腔 内 注射 し,そ の5分 rodは 直径2.3cmの 使 用 し た。Rota 木 製 で,こ れ を8回 転/分 させた。 後 よ り10分 間 のstretching数 を測 定 し,酢 酸 ライ シ ン グ 回 転 方 向 と逆 向 きに マ ウ ス を乗 せ5分 間 訓練 し,落 下 の に対 す る抑 制作 用 を調 べ た。 多 い動 物 は 除 外 し,さ らに被検 薬 投 与 前 に2分 間 試行 さ 2)抗 け いれ ん作 用 (1)ペ せ 一度 も落 下 しな か っ た もの を本 実 験 に供 した。投 与後, ン テ トラ ゾー ル けい れ ん 雄 性 マ ウス(28∼32g)を1群10匹 各測 定 時 間 ご とに2分 間rota rod上 用 い た。AM-715の 経 口投 与30分 後 にpentetrazol 60mg/kg(体 0.1ml)を3秒 重10g当 noneの 反 応 と して抑 制%で 表 現 した。 また,そ 発 現 す るま で の時 間(latency)を or れ らが 測 定 し被 検 薬 の影 響 を 検 討 した 。対 照 薬 にはdiazepamを (2)ス り 間 で静 脈 内 投与 し,間 代性 けい れ ん,強 直 性 け い れ ん お よ び 死 亡 発 現 の有 無 を観 察 し,all 用いた。 chlorpromazine・HC1を 6)筋 動 物 お よび 方 法 は ペ ンテ トラ ゾー ル けい れ ん 試験 と同 静 脈 内 に投 与 し た。 撃 けいれ ん 雄性 マ ウ ス(27∼329)を1群9匹 用 い た。 雄 性 マ ウス(28∼35g)を1群10匹 お よび 対 照 薬chlorpromazine・HClは 使用 した。AM-715 試験30分 前 に経 口投 与 した。 (1)傾 斜板法 に静 かに マ ウス を置 き,10秒 以 内 に滑 り落 ちた場合 を筋 垂法 直 径1mmの 使 用 した 。AM-715 の中央 弛 緩 作 用 陽性 と した。 (2)懸 (3)電 の間 に 弛 緩 作用 38度 角 に傾 け たす りガ ラ ス(34.4×50.7cm)上 トリキニ ー ネ けい れ ん 様 で あ る。Strychnineは0.75mg/kgを に乗 せ,こ 落 下 した場 合 を協調 運 動 失 調 と判 定 した。 対 照 薬 に は 針 金 を床 上50cmの 高 さ に水 平 に張 り, マ ウ スの 両 前肢 を懸 け させ る。5秒 以 内 に後肢 を針 金に を経 口投 与 し,30分 後 に生 理 的食 塩 水 で ぬ ら した マ ウス 懸 け る こ とが で き るか 否 か を測 定 時 間 ご とに3回 観 察 し, の 両眼 に矩 形 波 電 気 刺 激(100Hz,140V.1msec)を 3回 とも5秒 以 内 の反 応 が み られ な か っ た 場 合 を筋弛 緩 0.3秒 間 与 え,強 作 用 陽 性 と した。 直性 けい れ ん お よび 死 亡 発 現 の有 無 を 7)チ 調 べ た。 3)体 (1)ラ 温 に お よ ぼす影 響 雄 性 マ ウス(27∼32g)を1群10匹 ッ ト正 常 体温 雄 性 ラ ッ ト(205∼245g)を1群6匹 オ ペ ン ター ル麻 酔 にお よぼ す影 響 経 口投与30分 後 にthiopental sodium 使 用 した。 実 験 用 い た。 被 検薬 の 40mg/kgを2mg/ kg/secの 速 さで 静 脈 内投 与 し てAM-715の 影 響 を検 討 当 日は絶 食 させ,体 温 変動 の少 な い ラ ッ トを選 択 した。 した。Thiopental AM-715を 復 す る ま で を睡 眠 時 間 と し た。 対 照 と し てchlorpro- 経 口投 与 し,サ ー ミス タ温 度 計 に よ り経 時 的 soidum投 与 終 了 時 か ら正 向反射 が回 VOL.29 3-4 mazine・HClを 8)レ CHEMOTHERAPY 用 い た。 を分 離 露 出 した。 露 出 した神 経 は流 動 パ ラ フ ィ ンに よ り セル ピン作 用 に お よ ぼす 影 響 プー ル を作 製 し保 温 に留 意 した。 雄性 マ ウ ス(29∼35g)を1群10∼15匹 AM-715の 967 使 用 し た。 経 口投与30分 後 にreserpine 2.5mg/kgを 尾 静脈 内に投 与 した 。1時 間 間隔 で 直 腸温 をサ ー ミ スタ温 単 シナ プ ス反 射(MSR)は 脛 骨 神 経 の 中枢 側 を 刺 激 し, そ の 末 梢端 よ り記 録 し,多 シ ナ プ ス反 射(PSR)は 度計 に よ り測定 し,被 検薬 を処 理 す る前 の体 温 か らの 変 電 気 刺激 は電 子 管 刺 激装 置(MSE-3,MSE-40)を 動値 を求 め薬物 無 処 理群 の それ と比 較 した(t-検 定)。 ま 0.2Hzの た,各 測定 時間 ご とに マ ウ ス をケ ー ジ外 へ 出 し,眼 瞼 裂 V)の を全 開=4点,半 (VC-7)上 開=2点,閉 眼=0点 とし,眼 瞼 下垂 使 用 し, 頻 度 で,0.1msec,supramaximal電 圧(1∼4 矩 形 波 刺激 を用 い た 。 記 録 は オ ッ シ ロ ス コー プ に掃 引 し,加 算 平 均 装 置(ATAC-201,以 に対す る影響 も検討 した 。対 照薬 にはimipramine・HCl 日本 光 電)に よ り20回 加 算 平 均 し た 後,XYレ を使用 した。 実 験 は室 温23±1℃ (WX-4401,渡 9)脳 で行 な った 。 波 間 後 よ り,gallamine triethiodide非 動,人 工 呼 吸 下 に 行 な っ た。AM-715は 雄性 ウサ ギ(2.9∼3.4kg)3羽 triethiodide5mg/kgの を使 用 した 。Gallamine 筋 肉 内注 射 に よ り非 動 化 後,た だちに気 管 内挿 管 を施 し人 工 呼 吸 を行 な った。 つい で, 耳 介静 脈 よ り投与 した。 11)条 件 回避 反 応 にお よ ぼ す影 響 体 重150∼180gで 購 入 したWistar系 雄性 ラ ッ トを4 ether麻酔 下 で東 大脳 研 型 脳 定 位 固 定 装 置 に 固 定 し, 日後 か ら訓練 し た。 装 置 は 自製 のpole SAwYERら4)の 脳 図譜 に した が っ て海 馬(HPC,P:3.0, (30×30×50cm)を L:40,H:5.0)お よび扁 桃 核(AMY,A:2.0,L:7.0,H: -5.0)に ステ ン レス製 双極 同芯 電 極 を刺入 して脳 波 を誘 導 した。 皮 質脳 波 は 運動 野(MC,motor area of the cortex)の 硬膜 上 に ネ ジ電 極 が密 着 す る よ うに 頭 蓋骨 に 植え込 み,誘 導 した。 実 験 はether麻 酔 停 止 後 約4時 間 を経過 した の ち筋弛 緩 剤 非 動 化 の も とで行 な った。 を 使 用 した 。Pento- 酔 下 に慢 性 電 極 の植 込 み を行 な っ た。 前項急性実 験 と同様 に,皮 質 脳 波 は 運動 野(MC)上 骨上 に双極 型 コルチ コ電極(DWS)を 円電極(D:東 部頭 固定,導 出 し,深 よび 扁 桃 核(AMY)に 中継 同 芯 海 医理 科)を 刺 入 して 固 定,導 出 した 。 こ 条件 刺 激(UCS)に は電子管刺 本 光 電)に よ る床 面 ステ ン レス製 グ 訓練 期 間 中 は 最長5秒 間 のCSを CS+UCSを box はブザ ー音 リッ ドへ の通 電(50Hz,0.5msec,40∼60V)を 与 え,最 与 え た。 これ を1日5試 び1群10匹 雄 性 ウサ ギ(2.9∼3.3kg)3羽 部脳波 は海 馬(HPC)お (EB-23,松 下 電 工)を,無 激 装 置(MSE-3,日 climbing 用 い 条 件 刺 激(CS)に 合 計7日 行 ない,CSの (2)慢 性 電極 植 込 ウサ ギ脳 波 barbitalsodium麻 上 コー ダ 辺 測器)上 に描 記 させ た。 実 験 はether麻 酔 停 止3∼4時 (1)急 性 ウサ ギ脳 波 腓腹 神 経 お よ び脛 骨 神 経 を刺激 し,総 腓 骨 神経 よ り記 録 した。 用 い た。 長10秒 間 の 行,2∼3日 間隔 で み で確 実 に反 応 す る ラ ッ トを選 を実験 に供 した。 実 験 日に は ラ ッ ト をbox内 に 入 れ30秒 間 放 置 後CS の み を最 長10秒 間提 示 し,こ の間 に反 応 しな か っ た場 合 に はひ き続 い て 最 長5秒 間 のCS+UCSを 与 えた。 各 測 定 時 間 ご とに これ を1試 行 ず つ 行 な い,10秒 間 のCS のみ の提 示 で反 応 の な か っ た場 合 を回避 反応 抑 制,つ づ く5秒 間 のCS+UCS提 示 期 間 内 に も反応 し な い 場 合 れ らの リー ド線 を ミニ チ ュ ア ソケ ッ トに接 続 し歯 科用 セ を逃 避反 応 抑 制 と した。 ま た,刺 激提 示 開始 か ら反 応終 メン ト(ユ ニ フ ァ ス ト)を 用 い て 頭 骨上 に固 定 した 。 実 了 ま で の時 間 を反応 潜 時 と し,反 応 潜 時 が15秒 以上 の場 験は術 後約1ヶ 月 を経 過 したの ち,安 定 した脳 波 が記 録 合 は15秒 と して計 算 し,薬 物 無 処 理群 との間 でt-検 定 を できるよ うに な って か ら開始 した。AM-715は 行 な っ た。 対 照 薬 に はchlorpromazine・HClを 耳 介静 脈 よ り投 与 し た。 脳 波 は9素 子脳 波 記 録 計(EU/5D)に 5. 末 梢 神 経 系 に 対 す る作 用 描記 させ,音 1)摘 刺 激 に よ る 脳 波覚 醒 反 応 には 音 刺激 装 置 (SSS-1101,以 上 日本 光電)を 使 用 し2KHzの 純 音 を8 秒間与 えた。 出臓器 ルモ ッ ト腸 管,気 管 平 滑 筋 お よ び ラ ッ ト輸 精 管標 本 10)脊 髄 反 射 にお よぼ す影 響 雄性 ウサ ギ(2.9∼3.3kg)6羽 (1)モ 用 いた。 雄 性 モ ル モ ッ ト(350∼440g),ま を使 用 した。Ether麻 酔 下に気 管 カニ ュー レ を 挿入 し,gallamine triethiodide による非 動 化 を行 ない 人 工 呼 吸 を施 し,脳 定 位 固 定 装置 に固定 した。 椎 弓切 除 に よ り脊 髄 露 出後,胸 椎 一腰 椎 間 (370∼440g)の に 目的臓 器 を摘 出 し,温Tyrode液 Magnus槽 た は 雄性 ラ ッ ト 頭 部 を殴 打 後,瀉 血 致 死 せ し め,た だ ち 中 で標 本 を 作 製 し に懸 垂 した。 気 管 筋 標本 はTAKAGIら 法5)に した が っ て作 製 した 。 栄養 液 はTyrode液 の方 を用 い, で脊髄 を切 断 し,低 位 脊 髄 標 本 を作 製 した。 つ い で脊 髄 95%O2,5%CO2を 通 気 した。 槽 内温 度 は31±1℃(輸 反射記 録 のた め に脛 骨 神 経,総 腓 骨 神 経 お よび腓 腹 神 経 精 管 は34±1℃)と し,反 応 はヘ ー ベ ル を 介 し等 張 性 に 968 煤 煙 紙 上 に描 記 させ た。 (2)妊 また,妊 1981 挿 入 し,そ れ らの運 動 を圧 変化 と して と らえ た。 これ ら 娠,非 妊 娠 ラ ッ ト子宮 自動 運 動 に対 す る影 輯 の圧 変 化 は圧 トラ ン スデ ュー サ(MPU-0.5)を 非 妊娠 子 宮 自動 運動 の実 験 には処 女 ラ ッ トを用 い た。 娠 子 宮 標本 は次 の よ うに して 作 製 し た。12∼ 13週 令 の処 女 ラ ッ トを 交 配 し て,妊 娠14∼16同 目に使 用 した。 子 宮 角 先 端(卵 巣 も一 部 つ い た状 態)か ら 約2 cm位 DEC. CHEMOTHERAPY の子 宮 を摘 出 し,子 宮 内 の胎 児 お よび 胎盤 その 他 表 面 に 付蒋 す る組 織 を除 去 し,Magnus槽 に 懸垂 した。 介 し,ま た,一 部 の標 本 で は 胃 ・腸 管筋 電 図 を ステ ン レス製 双極 針 電 極(直 径0.25mm,極 縫合 固 定 し,input 間距 離1mm)を boxを 漿 膜 下 に刺入, 介 して ポ リグ ラ フ(RM-85) 上 に導 出記 録 した。 2)膀 胱 運 動 に お よ ぼす 影 響 雄 性 ウサ ギ(2.7∼3.3kg)6羽 を使 用 し た。 胃 ・小腸 で 空 気 を通 運 動 の実 験 と同 様 に麻 酔,固 定 し,勝 胱 を露出 させた。 気 した。 収 縮 運 動 は ヘ ーベ ル を介 して等 張 性 に煤 煙 紙 上 尿 道 を結 鷲 して 閉鎖 したの ち膀 胱 体 部 に 小切 開 を加 え カ に描 記 した。 安 定 した律 動 性 の 自発 運動 が得 られ る よ う テ ーテ ル を挿 入,50∼60mlのLocke-Ringer液(37℃) 栄 養 液 はLocke-Ringer液 を用 い,36±1℃ に な って か ら実 験 を開 始 した。 な お,被 検 薬 は約10分 の を膀 胱 内 に注 入 し,こ れ を圧 トラ ン スデ ュー サ(MPU- 間 隔 でcumulativeに 0.5)に 接 続 して 内圧 変 化 を測 定 した。 薬物 は耳 介静脈 よ (3)ウ 槽 内 に 加 え た。 り投 与 した。 サ ギ腸 管 の 自動 運 動 に与 え る影 響 雄 性 ウサ ギ(2.1∼3.6kg)を6匹 回 盲 部 よ り吻 側20cm付 使用 した。 撲殺 後, 近 の腸 管 を 摘 出 し,腸 脂 肪 組 織 な どを除 去 した の ち,約2cmの 通 気 し,36±1℃ に保 っ たTyrode液 間膜 や 標本 を空 気 を を満 した 槽 内 に懸 3)子 宮 運 動 に お よぼ す 影響 体 重2.5∼3.5kgの 雌 性 ウサ ギ に1匹 estradiol benzoateを1日1回,2日 そ の うちで 子 宮 に肥 厚 の認 め られ た もの4羽 を実験 に用 垂 した。 腸 管 の 自動 運 動 はヘ ーベ ル を介 して 等 張性 に煤 い た。Urethane 煙 紙 上 に描 記 した。 2)ネ コ瞬 膜 にお よぼ す影 響 に 固定 した の ち下 腹 部 に約5cmの 体 重2.4∼3.7kgの Urethane1g/kgの 当 り0.06mgの 間皮 下投 与 し た。 1g/kg腹 腔 内投 与 に よ り麻 酔 し,背 位 正 中切 開 を加 え 腹窓 を作 った 。 子 宮体 部(卵 巣 か ら約2cmの ネ コ6匹 を雌 雄 の別 な く使 用 した。 腹 腔 内投 与 に よ り麻 酔 を行 な い,気 管挿 管 後,gallaminetriethiodide 5mg/kg静 ィン でつ まみ 糸 で 吊 り上 げ て 筋 張 力 計(SB-1T,以 本 光電)に 接 続 し た。AM-715お 脈内投与に よ り非 動 化 し,人 工 呼 吸 を施 した。 つ い で,頚 部 交 感 神 経 の節 前,節 後神 経 を周 囲 組織 か ら分離,露 出 し,両 神 部位)を セル フ は 耳介 静 脈 か ら投 与 した。 4)マ ウス 腸 管輸 送 能 に お よ ぼす 影響 雄 性 マ ウス(28∼34g)を1群10匹 使 用 した。18時 間 経 を それ ぞ れ 白金 双 極 電極 上 に固 定 した。 節 前線 維 刺激 絶 食 させ た マ ウ ス にAM-715ま に は20Hz,1msec,2∼5V,15sec,節 sulfateを 経 口投与 し,そ の30分 後 に10%ア 後線 維 刺 激 に は 20Hz,1msec,7∼10V,15secを5分 間隔 で使 用 した。 瞬 膜 の収 縮 は 筋張 力 計(SB-1T)を ラ ビァ ゴム 口投 与 し た。 で の小 腸 を取 り出 し,小 腸全 長 お よび移 動 炭 末 の先端 ま を使用 した。Urethane II. 実験 結 果 1,59/kg皮 下 投 与 に よ り麻 酔 し背 位 に固 定 した の ち,前 脛 骨筋 を剥 離 し,腱 性 炭 末 を0.2ml経 で の長 さ を測 定 し移 動 率 を求 め た。 経 骨格 筋 標 本 にお よ ぼす 影 響 雄性 ウサ ギ(2.8∼3.1kg)3匹 溶 液 に懸濁 した5%活 た は対 照薬atmpine 30分 後 に動 物 を殺 し開腹 して 幽 門部 か ら盲 腸 開 口部 ま 介 しポ リグラ フ(RM- 85)上 に記 録 した。 被 検 薬 は浅 僥 骨 静 脈 よ り注 入 した。 3)神 上 日 よび 対 照薬oxytocin 1. 一 般症 状 観 察 を 糸 で結 紮 し,筋 張 力 計(SB-1T) に接 続 した。 つ ぎに,総 腓 骨 神経 を露 出 切 断 し白金 双 極 1)マ ウ ス にお け る一 般 症 状 変化 AM-715の30,100,300,1,000お 電極 上 に固 定 した 。 刺激 は電 子 管刺 激 装 置(MSE-3,以 よび2,000mg/kgを 上 日本 光電)を 用 い,0.1Hz,4∼5V,0.5msecのsub- 1回 経 口投 与 した の ち一般 症 状 を観 察 した と こ ろ,300 maximal刺 mg/kg以 激 を行 な った 。 なお 露 出 した神 経 お よ び 筋 下 で は変 化 はみ ら れ な か った。1,000ま を覆 うよ うに流動 パ ラ フ ィ ンに よ る プー ル を作 製 した。 2,000mg/kgを 被 検薬 は耳 介 静脈 よ り投 与 した。 動 のわ ず か な低 下 が認 め られ た(Table 6. 臓 器 運 動 に対 す る作 用 2)ラ 1)胃 AM-715の30,100,300,1,000mg/kgを1回 小 腸 運 動 に お よ ぼす 影響 雄性 ウサ ギ(2.4∼4.0kg)を 用 した。Urethane1.5g/kg皮 各用 量 につ い て5∼6羽 使 下 投 与 によ り麻 酔 し背 位 に固 定 した。 開腹 後,胃 幽 門部 お よび 空腸 にバ ル ー ンを たは 投 与 した 場合 に 自発 運動 の低 下 と探 索運 1)。 ッ トにお け る一 般症 状 変 化 経 口投 与 した の ち一 般 症 状 変 化 を観 察 した とこ ろ,変 化 は認 め られ なか った。 CHEMOTHERAPY VOL.29 S-4 Table Notes↓: Shghtly a): No. of 1 Behavior check inhibited mice inhibited/ No. of mice used of AM- 715 969 in mice CHEMOTHERAPY 970 DEC. 2. 中 枢 神 経 系 に対 す る 作用 1)鎮 も酢 酸 に よ るwrithingに (1)圧 痛作用 (Table 口投 与 で は30,60, (2)酢 ntetrazolが 2)。 (Table よ び1,000mg/kgを Table 2 Influence 経 口投 与 し て of AM- 715 ASA: *: Table tonic Latency: latent Each ***: group Influence threshold トリキ ニー ネ けい れ ん by pressure method in mice , p< 0.05 of AM- 715 on acetic acid- induced writhing in mice Acetylsahcyhc acid Significantly different from the saline group , P< 0.01 4 T. E.: 3 経 口投 与 し て もpe- 惹 起 す るけ いれ ん に 影 響 を 与 え な か っ た 4)。 (2)ス on the pain *:Significantly different from the before threshold Table ン テ トラ ゾ ー ル け い れ ん AM-715の100,1,000mg/kgを 酸 ライ シ ング法 AM-715の100お けい れ ん作 用 (1)ペ 120分 い ず れ の測 定 時 点 に おい て も 閾値 圧 の有 意 な 変化 は 認 め られ な か った(Table 対 して影 響 を 与 え な か った 3)。 2)抗 刺激法 AM-715の100,1,000mg/kg経 Influence extensive time consisted of AM- 715 on pentetrazol- induced convulsion from of pentetrazol 10 injection (Mean•} S. E.) mice. Significantly diffenent from 1981 the saline group, p< 0.001 convulsions and death in mice VOL.29 CHEMOTHERAPY S-4 Table T. E.: 5 Tonic Latency: Each Influence extensive Latent group consisted 6 strychnine 10 induced convulsion and death in mice injection (Mean•}S. the saline group, p< 0.01 of AM- 715 on electro- schock extensive Influence E.) mice. different from Influence 7 from of T. E. C.: Tonic Table on strychnine- convulsion time **:Significantly Table of AM- 715 971 convulsion and death in mice convulsion of AM- 715 on normal a):Time afterdrug administration. *: Significantly differentfrom control, p< 0.05 body temperature in rats Fig. 2 DEC. CHEMOTHERAPY 972 Antipyretic rabbits action of AM- 715 in AM-715を100お febrile ろ,1,000mg/kgに よび1,000mg/kg経 口投 与 した と こ おい てstrychnineけ い れ ん の死亡 発 現 まで の時 間 の 延 長 が認 め られ た(Table (3)電 1981 5)。 撃 けい れ ん AM-715の100お よ び1,000mg/kg経 口投 与 は 電 撃 に よ る けい れ ん を抑 制 しな か っ た(Table 6)。 3)体 (1)ラ 温 に お よぼ す影 響 ッ ト正 常 体温 AM-715の100お よ び1.000mg/kg経 口投 与 は ラ ブ トの正 常 体 温 に影 響 を与 え な か った(Table (2)発 7)。 熱 ウサ ギ体温 AM-715の100お よび1,000mg/kg経 口投 与 はTTG- 2号 に よ る発 熱 ウサ ギ体 温 に有 意 な影 響 を与 え な か った Fig.2)。 4)自 発 運 動 にお よぼ す 影 響 Chlorpromazine・HCl 10mg/kg経 か な抑 制 を示 す方 法 で,AM-715は Time after TTG 8 injection Influence of AM- 715 on **: Significantly different from Table a): Time Each after group drug consisted 9 administration of 10 mice. Influence 自発 運動 をわず かに 抑制 す る傾 向 を示 した が,そ れ は統 計 的 に有 意 な変化 で Drugs were administered orally. Vertical bar indicates standard error of the mean of 5 rabbits. * ,**,***: Significantly different from control, p< 0.05, 0.01 and 0.001, respectively Table 口投 与 に よ り明 ら は な か っ た(Table spontaneous motor 8)。 activity in mice the saline group, p< 0.01 of AM- 715 on rota rod test in mice 973 CHEMOTHERAPY VOL.29 S-4 Table 10 Influence of AM- 715 on inclined plane test and traction test in mice I: Inclined plane test T: Traction test a): Time after drug administration Each group consisted of 10 mice. Table 11 ***: 5)協 Influence of AM- 715 on thiopental- Significantly diffelent from 調運動 にお よぼす 影 響 口投 与 に よ り最 大50%の time in mice pentalの 睡 眠 時 間 に対 して 影 響 を与 え な か っ た(Table マ ウ スに協 調 運 動 の失調 が認 め られ た が,AM-715の100あ るい は1,000 11)。 8)レ セ ル ピン作 用 に お よ ぼす 影 響 AM-715の100mg/kg経 mg/kg経 口投 与 で は全 測 定 時 間 を通 して 協 調 運 動 は 抑 体 温 下 降,眼 制 され なか った。 mg/kgで 6)筋 弛緩 作 用 口投 与 ではreserpineに よる 瞼 下 垂 に対 し影 響 を 与 え な か った 。300 は 体 温 下 降 は減 弱 され る傾 向 に あ った が,眼 瞼 下 垂 に対 して は影 響 は み られ な か っ た。1,000mg/kg 傾斜 板法,懸 垂 法 で検 討 した と ころ,AM-715の100 および1,000mg/kgを sleeping the saline gfoup, P< 0.001 Table 9に 示 す よ うに,対 照薬dhlorpromazine・HCl 10mg/kg経 indimed 経 口投与 され たマ ウ ス に お い て で は全 測 定 時 間 にお い て,体 温 下 降 は薬 物 無処 理 群 よ り 有 意 に減 弱 され た が その 差 は1∼2℃ で あ った 。 眼瞼 下 全測定 時間 を通 して1例 の筋 弛 緩 も認 め ら れ な か った 垂 に対 して は影 響 を与 えな か っ た。対 照 薬imipramine・ (Table 10)。 HCl 7)チ オペ ンタ ール 麻 酔 に およ ぼ す影 響 AM-715の100お よび1,000mg/kg経 口 投 与 はthio- 100mg/kgは 明 らか にreserpineの 下 垂 作 用 に拮 抗 した(Fig.3)。 9)脳 波 体温 下 降,眼 瞼 DEC. CHEMOTHERAPY 974 Fig. 3 Action of AM- 715 on reserpine-Induced hypothermia (a) and blepharoptosii (b) in mice (b) blepharoptosis (a) hypothermia Time ○: Saline,•œ: 1981 AM- 715 100 mg/ kg, A: AM- 715 after 300 reserpine injection mg/ kg, A: AM- 715 1,000 mg/ kg, •¤: Imipramine . HCL 100 mg/ kg. Drugs were administered orally. Vertical bar represents standard error of the mean of 10 or 15 mice . *,**,***: Significantly different from the saline group, p< 0.05, 0.01 and 0.001, respectively (1)急 10)脊 性 ウサ ギ脳 波 Ether麻 酔 停 止 後 約4時 間 を経 過 した ウサ ギ の皮 質 お よび 扁桃 核 脳 波 は低 振 幅 速 波 が優 位 にな り,と きに高 振 幅 徐 波成 分 が出 現 し,海 馬 で は4∼7Hzの 律動 的 θ波, AM-715の3,10mg/kg静 た(Fig.6)。 11)条 れ るよ うにな る。 Table よ び20mg/kg静 脈内投与はこ の よ 脈 内投 与 は単 シナ プスお よ び 多 シナ プ ス反 射 に対 しほ とん ど影 響 をお よぼ さなか っ い わ ゆ る海 馬 覚醒 波 に乱 れ を生 ず る安 静覚 醒 波 が 記録 さ AM-715の10お 髄 反 射 に お よ ぼす 影響 件 回 避 反応 にお よぼ す影 響 12に 示 す よ うに,対 20mg/kg経 照 薬chlorpromazine・HCl 口 投 与 は 最 大80%の うな 自発 脳 波 の パ タ ー ン に影響 を与 えず,ま た,音 刺 激 の 抑 制 を 起 さ せ た が,AM-715の100お に よ る脳 波 覚醒 反応 に も影響 を与 えな か っ た(Fig.4)。 kg経 (2)慢 性 電極 植 込 ウサ ギ脳 波 の ち実 験 を開 始 した。 ウサ ギ は うず くま り姿勢 を示 し, 皮 質脳 波 は とき どき紡 錘 波 お よび 高 振 幅徐 波 を示 し,こ の とき海 馬 で は覚 醒 波 で あ る 律 動 的 な4∼7Hzの8波 patternが 得 られ る よ うにな る。 AM-715の10お よ び1,000mg/ 口 投 与 は 条 件 回 避 反 応 を 抑 制 せ ず,反 応 潜 時 に対 し て も影 響 を 与 え な か っ た 。 ウサ ギ を実 験 室 内 の ケー ジ に入 れ て 約3時 間 放 置 した が 不 規 則 とな り,い わ ゆ るdrowsy ラ ッ トに 条 件 回 避 反応 3. 末 梢 神 経 系 に 対 す る 作 用 1)摘 出臓 器 (1)モ ル モ ッ ト腸 管,気 管 平 滑 筋 お よ び ラ ッ ト輸 精 管 標本 モ ル モ ッ ト摘 出 腸 管 に お い て 収 縮 薬acetylcholine (ACh),histamine(His),serotollin(5-HT)に よ び30mg/kg静 脈 内 投与 で は 投 与 前 と同 じ く,う ず くま り姿勢 を維持 してお り投 与 時 の刺 激(人 為 的)に よ る脳 波覚 醒 以 外 は,行 動お よび 脳波パ ター ン,音 刺 激 に よる脳 波 覚醒 反応 に対 して 認 む べ き影 響 を与 え なか った(Fig.5)。 AM-715の mlは 対す る 作 用 を 検 討 し た と こ ろ,AM-715の10-5g/ こ れ ら の 収 縮 に 対 し て 影 響 を 与 え な か っ た 。3× 10-4g/mlはAChの し,Hisお 低 濃 度 に よ る収縮 を わ ず か に抑制 よ び5-HTに 傾 向 を 示 し た が,AM-715を よる収 縮 をわ ず か に増大 させ る 含 有 し な い 同 じpHの 溶液 VOL.29 Fig. 4 Left 975 CHEMOTHERAPY S-4 Infludnce of AM- 715 on the spontaneous EEG activity and the arousal response to auditory stimulation in the rabbit under the gallamine- immobilization side auditory : Spontaneous stimulation M C : motor EEG, Right ( Underline; cortex, side 2,000 Hz, H P C : hippocampus, : Arosal 8 sec response to ) A M Y : amygdala, E C G : electrocardiogram. (pH10)も 程 度 は 弱 い が 同 様 の 傾 向 を 示 し た(Fig.7-A, B,C)。 影響 処 女 ラ ッ ト発情 期 の 摘 出 子 宮 に お い てAM-715の 10-5,3×10-5,10-4g/mlの 摘 出 気 管 平 滑 筋 の 緊 張 はAM-715の10-5,3×10-4g/ 適 用 は 子 宮 自動 運 動 の 収 縮 mlの 適 用 に よ っ て も 影 響 を 受 け な か っ た 。 ま た,adre- 頻 度 お よび 静 止 準位 に対 して 影響 を 与 え な か っ た が, naline(Adr)に 10-4g/mlの よ る 弛 緩 反 応 もAM-715の3×10-4g/ 適 用 に よ っ て も影 響 を 受 け な か っ た 。 Noradrenaline(NAdr)が AM-715は 惹 起 す る収 縮 反 応 に 対 し, 低 濃 度 に よ る 収 縮 を 抑 制 し,NAdr高 濃度 に よ る収 縮 を 増 強 し た(Fig.7-E)。 (2)妊 娠,非 制 した(Fig. 妊 娠 ラ ッ ト摘 出 子官 の 自動 運 動 の収 縮 頻 度 お よび静 止 ラ ッ ト摘 出 輸 精 管 の 緊 張 はAM-715の10-5,10-4, 3×10-4g/mlの 適用 は収 縮 の振 幅 を約25%抑 8-A)。 ml適 用 に よ り影 響 を 受 け な か っ た(Fig.7-D)。 妊 娠 ラ ッ ト子 宮 の 自 動 運 動 に お よ ぼ す 準位 はAM-715の10-4g/ml以 下 で は影 響 され な か っ た が 収縮 高(振 幅)は10-4g/mlに よ り約37%抑 制 され た(Fig.8-B)。 (3)ウ サ ギ摘 出 腸 管 の 自動 運 動 にお よ ぼす影 響 AM-715の10-4g/ml以 下 の濃 度 は 自動 運 動 に影 響 を DEC. CHEMOTHERAPY 976 Fig. 5 Influence of AM- 715 on the spontaneous EEG pattern and the arousal response tion in the conscious rabbit with chronically implanted electrodes Left side : Spontaneous auditory stimulation M C : motor E C G : EEG, cortex, H P C : side 2000 hippocampus, して3/6例 に10∼43.5%の 昇 を起 した。pHを に9∼36%の 振 静 止 準 位 の上 同 じ に 調 整 したAM-715を 含まな い 溶液 の適 用 は これ らに影 響 をお よ ぼ さ な か った(Fig. 9)。 2)ネ : Arousal Hz, 8 sec response to ), A M Y : amygdala, 対 照 薬hexamethonium AM-715の1,3mg/kg静 脈 内 投 与 に よ り上 頚 神 経 節 bromide 0.3mg/kg静 な か っ た が節 前線 維 刺 激 に よ る瞬 膜 収縮 を顕 著に抑制 し た. 経 一 骨 格 筋標 本 にお よぼす 影 響 AM-715の1,3,10mg/kg静 脈 内 投 与 は ウ サ ギの総 腓 骨 神 経 刺激 に よ る前脛 骨 筋 の れ ん縮 反応 に対 し影響 を 前 線 維刺 激 に よる瞬 膜 収 縮 は投 与 直 後 にの み約2∼5% お よぼ さな か った 。 一 方,gallamine の 抑制 を受 け た。10mg/kg静 kg静 脈 内投 与 は 約80%の 脈 内 投 与 で は節 前 お よ び triethiodie0.5mg/ 抑 制 を示 した(Fig.11)。 節 後 線 維 刺 激 に よ る瞬 膜 収縮 は そ れ ぞ れ 約25%,10% 4. 臓 器 運 動 に対 す る作 用 の抑 制 を受 け,約60分 1)胃 間でほぼ もとの レベ ル に戻った 脈 内投 与 は 節後 線 維 刺 激 に よ る収 縮 に対 して は ほ とん ど影響 し 3)神 コ瞬 膜 に お よ ぼす 影 響 (Fig.10)。 stimuls- electrocardiogram. 与 え な か った。3×10-4g/mlは3/6例 幅 の増 大,そ Right ( Underline; to auditory 1981 ・小腸 運動 にお よぼ す影 響 AM-715の1,10mg/kg静 脈 内投 与 ではFig.12に 示 VOL.29 S-4 977 CHEMOTHERAPY H2Oの 不 規 則 な 内 圧上 昇 が観 察 され る。 こ れ らはatr- opine sulfateの1∼2mg/kg静 Fig. 6 Influence of AM- 715 to the amplitudes spinal reflex in spinal rabbit 脈 内投 与 に よ り抑 制 さ れ of るが完 全 に消 失 す る こ とは ない 。 AM-715の1,3,10mg/kg静 脈 内投 与 は 金例 に 影 響 を与 え な か った。ACh10μg/kg静 脈 内 投 与 は膀 胱 内 圧 を一過 性 に上 昇 させ た(Fig.13)。 3)子 宮 運 動 に お よ ぼす 影 響 AM-715の1,3,10mg/kg静 脈 内投 与 は ウ サ ギ の 生 体位 子 宮 運 動 に対 し影 響 をお よぼ さな か った.同 一 標 本 に対 しoxytocin 0.05U/kg静 脈 内 投 与 は 一 過性 の 子 宮 収 縮 を惹 起 した(Fig.14)。 4)マ ウ ス腸 管 輸送 能 にお よぼ す影 響 AM-715の100お よび1.000mg/kg経 口投 与 は マ ウス の腸 管 輸 送 能 に有 意 な 影響 を 与 え な か った(Table 13)。 III. 考 AM-715は mg/kg経 Time after bolus injection of AM- 715 察 マ ウ スお よび ラ ッ ト に お い て30∼1,000 口投 与 で は一 般 症 状 に影 響 を 与 え ず,自 発運 動,協 調 運 動,チ オ ペ ン ター ル睡 眠,酢 酸 ライ シ ン グ, 正 常体 温,発 熱 ウサ ギ体 温,条 件 回 避 反 応 に も影 響 せ ず, 鎮 痛 作 用 や 筋 弛緩 作 用 も認 め ら れ な か っ た。1,000mg/ す よ うに,ウ サ ギ の胃 幽 門部 お よび 空腸 の 自発 運 動 の振 kg経 口投 与 はstrychnineけ い れ んの死 亡 潜 時 を わ ず か 幅 および 緊張 レベ ル に認 むべ き影 響 を与 え な か った 。 に抑 制 したが 死 亡率 を減 少 さ せ ず,ま た,pentetrazol 2)膀 胱 運動 にお よぼす 影 響 けい れ んや 電 撃 けい れ ん を抑 制 しな か っ た こ と か ら, 尿道お よび 輸尿 管 結 禁 に よ り膀 胱 を 閉 鎖 系 に し て, AM-715は 抗 けいれ ん作 用 も有 さない もの と考 え る。 急 50∼60mlの 液 を負 荷 す る と,動 物 に よ り若 干 異 な る が, 性 お よび 慢 性 電極 植 込 ウサ ギ脳 波 の実 験 にお い て も,10, 5cmH2O前 後 の膀 胱 内 圧 を 示 し,と 30mg/kgと Table 12 Influence き ど き3∼7cm of AM- 715 on conditioned avoidance い う大 量 の 静脈 内投 与 に よ り,自 発 脳 波, response a): Time after drug administration Number in parenthesis represents the block percent of escape response. Each group consisted of 10 rats. in rats (pole climbing method) 978 CHEMOTHERAPY DEC. 1981 CHEMOTHERAPY VOL.29 S-4 Fig. 8 Action (A)virgin (B) Fig. 9 Action of AM-715 rat pregnant uterus rat of AM-715 on spontaneous at movement 979 of the isolated uterus from virgin and pregnant rat estrus uterus on spontaneous movement 脳波 覚醒 反応 に影響 をお よぼ さな か っ た。 of the isolated ileum from rabbit 回腸 の 自動 運 動 を一 過性 に興 奮 さ せ,10-4g/m-で 妊娠 以上 のよ うに,AM-715は 中 枢神 経 系 に対 しほ とん ど あ るい は非 妊 娠 ラ ッ トの摘 出 子 官 の 自動 運 動 を抑 制 した 影響 を与 え ない こ とか ら,す く な く と も臨 床経 口用 量 が い ずれ の場合 も洗 浄 す る こ とに よ りす み や か に 回復 し (10∼乳5mg/kg/day)に お い て は 中枢 神 経 系 の 反 応 は 惹 た。AM-715は3×10-4g/mlで 起 しない もの と考 え る。 腸,摘 出気 管 平 滑 筋,ラ ッ トの 摘 出輸 精 管 標本 の 緊張 を AM.715は3×10-4g/mlと い う高 濃 度 で ウ サ ギ摘 出 変 化 させず,AChやAdrに もモル モ ッ トの摘 出 回 よ る収 縮 や弛 緩 反 応 に も影 Fig. 10 DEC. 1981 CHEMOTHERAPY 980 Influence of AM- 715 on stimulation in pentobarbital the response anaesthetized of nictitating oat membrane to cervical sympathetic nerve (A) N.M. (mmHg) B.P. (beats/ min) H.R. (B) (A): Preganglionic ● Postganglionic stimulation,(B): O stimulation, Preganglionic Time marker: 1min stimulation, and VOL.29 CHEMOTHERAPY 5-4 981 響 を与 え な か った が,Hisお Fig. 11 Influence of AM- 715 on the twitch tension of the tibialis anterior muscle in rabbit よび5-HTに 縮 反 応 を軽 微 に増 強 したげ また,ラ い てNAdrの よ る回腸 の収 ッ ト摘 出 輸 精 管 に お 低 濃 度 に よ る収 縮 を抑 制,高 濃度による 収 縮 を増強 す る とい うよ うに二 相性 の影 響 を与 えた。 こ の こ と とAM・7151,000mg/kg経 口投 与 に よ る τesor・ pine低 体 温 に対 す る 弱い 抑 制 、そ して,10mg/ks静 脈内 投 与 に よ る弱 い瞬 旗収 縮 の抑 制 を考 え あわ せ る と,AM715は 大量 投 与 の 際 に は弱 い な が ち もmojnoamincrgic 機 構 に な ん らかの作 用 を有 す るよ うに思 わ れ る。 以上 の よ うに,AM-715は 摘 出 平 滑筋 臓 器 に 対 し て 100μg/ml以 上 の高 濃度 で軽 微 な 影響 を与 え る が,そ れ 以 下 め 濃度 で は作用 を示 さ ない もの と判 断 され た。 AM-715は 腓 骨 神経 刺 激 に よる前 脛 骨 筋 の れ ん縮 反 応 に対 して30mg/kg以 下 の静 脈 内 投 与 で は影 響 を与 えず, 脊 髄 ウサ ギ にお け るMSR,PSRに 対 して も10mg/kg 静 脈 内投 与 では ほ とん ど作用 を示 さない こ とか ら運 動 系 Drugs were administered intravenously. Time marker: 1 min. に対 して も影 響 を与 え ない もの と判 断 され る。 ウサ ギ の 胃 ・小腸 運 動,膀 胱 運動,子 宮 運動 な ど の生 体位 臓 器 運 動 に対 して,AM-715は10mg/kg静 Fig. 12 EMG: 脈内投 Influence of AM- 715 on spontaneous move ment of stomach and jejunum of rabbit in situ EMG was recorded from the pyrolic portion of stomach. DEC. CHEMOTHERAPY 982 Fig. Bladder cm 13 Influence of AM- 715 on urinary bladder in rabbit P. H2O B.P. mmHg Drugs were ACh: Acetylcholine, Bladder B. P.: Table administered P.: Blood 13 intravenously. Atr: Intravesical Time Atropine pressure marker: 1 min. sulfate, of bladder, pressure. Influence of AM- 715 on gastrointestinal *: Significantly different from the saline group, Each group consisted of 10 mice. propulsion p< 0.05 of charcoal meal in mice 1981 VOL.29 Fig. 14 Drugs were Influence of AM- 715 on spontaneous movement of uterus in rabbit administered 与以下 では影 響 をお よ ぼ さず,マ も1,000mg/kg経 983 CHEMOTHERAPY S-4 intravenously. ウス腸 管 輸送 に対 して Time 以 上,AM-715に marker: 1 min. つい て 中 枢 神 経 系,末 梢 神 経 系,臓 口投 与 とい う大量 で影 響 をお よ ぼ さな 器 運 動 に お よ ぼす 影 響 を検 討 した と ころ,い ず れ の項 目 か った。抗 生物 質 の 薬理 作 用 につ い て簡 潔 にま とめ た中 にお い て も著 しい 作 用 は観 察 され ず,一 部 で み られ た作 塚 の報 告6)に よ る と,抗 生 物 質 は 比較 的 低 濃 度 で臓 器 に 用 も抗 菌 作 用 が認 め られ る用 量 を は る かに 超 え る用 量 で 対す る抑 制 作用 を示 し これ が ヒ ト に お け る 胃腸 管 系 の あ っ た。 副作用 と不 可分 の関 係 が あ る と し て い る。 合 成 抗菌 薬 AM-715は 謝 高 濃度 にお い て も摘 出腸 管 を弱 く,し か も一 辞 過性 に興 奮 させ る にす ぎず,生 体 位 胃腸 管 運動,腸 管 輸 本 実験 に御 協 力 い た だい た当 研 究所 の 多賀 福 太 郎博 士 送能 に対 して は 大量 で も影 響 を与 え ない こ とか ら,臨 床 な らび に 当社 開 発 技 術 セ ン ター の今 井 繁 氏 に謝 意 を表 し 経 口用 量 では 胃 腸 管系 の副 作 用 は 生 じに くい と考 え られ ます 。 る。 CHEMOTHERAPY 984 文 1) ITO, T. A.; K. HIRAI, IRIKURA& activity of S. (第3報), 献 M. INOUE, H. 715, a new Agents& In KoGA, vitro acid 17: IRWIN, SAWYER, The 5) TAKAGI, S.; Animal and clinical in evaluation XV. pharmacological muscle, Publishers, J. 1958 H.; P. drug E.) pp.36•`54, Chicago, 3) 高木 敬 次 郎, 亀 山 (NODIN, Year Book J. H.& Medical Non- J. W. EVERETT& dienccphalon Comp. K.; Neurol. studies specific Chem. in 101: on Bull. D. K. 1954 FUJIE: Chemico- antispasmodic action 6: 716.•`720, GREEN: coordi- 801•`824, antispasmodic Pharm. J. stereotaxic I. TAKAYANAGI& pharmacological techniques SIEOLER, C. rabbit nates. analog. 103•`108, 1980 2) 4) antibacterial nalidixic Chemoth. S. SUZUF, 1981 加 圧 刺 激 装 置 に よ る 試 験 法。 薬 学 雑 誌 78: 553∼557, MITSUHASHI: AM- Antimicr. DEC. action. on tracheal 1958 6) 中塚 正 行: 抗 生物 質 の薬 理 作用 。 医 学 の あゆみ56: 285∼293, 1966 1964 勉, 矢 野剋 二: 鎮 痛 剤 の研 究 PHARMACOLOGICAL STUDIES ON AM- 715; (I) INFLUENCES OF AM- 715 ON CENTRAL NERVOUS SYSTEM, PERIPHERAL NERVOUS SYSTEM AND SMOOTH MUSCLE ORGANS HIDEO OHKUBO, MITSURU SEOAWA, TAKASHI HIRAYAMA ANDKEIGONISHINO CentralResearchLaboratories,KyorinPharmaceuticalCo., Ltd. Pharmacological studieson AM-715,a newantibacterialdrug,were performedfrom a viewpoint of sideeffects in its considerablelarge doses.The followingresults were obtained. 1. CentralNervousSystem;Oral administrationof large doses(100,1,000mg/kg) of AM-715did not show any significantinfluenceson behaviorsand on variouspharmacologicaltestsin mice and rats. Intravenousadministrationof AM-715at a doseof 10mg/kg didnot causeany changesin spontaneousEEG,arousalresponseandspinal reflexesin the rabbit. 2. PeripheralNervousSystem;AM-715had no antagonisticor inhibitorypropertiesto acetylcholine, histamine, serotoninand adrenalinein the experimentsof isolatedileumand tracheal musclefrom guinea-pigs. Spontaneous movements of the rat uterusduringpregnancyor virginityweredepressedand that of the rabbitileumwasaugmented withsucha highconcentrationas 10-4g/ml in vitro.Contractionof nictitatingmembraneof the cat causedby stimulatingthe pre- or post-ganglionicfibre was slightlyinhibitedby intravenousadministrationof 10mg/kg. Nervemusclepreparation(M.tibialis)in rabbit in situ was not affected. 3. SmoothMuscleOrgans; Intravenousadministrationof 10mg/kg did not showany significantinfluences on movements of the smoothmuscleorganssuchas stomach,intestine,bladderand uterusat estrusof rabbit.Motility of alimentarytract of mouse(gastro-intestinalpropulsiontest) was not influencedby oral administrationof 1,000 mg/kg of AM-715.
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