経済情報 - 三菱東京UFJ銀行

平成 28 年(2016 年)12 月 26 日
NO.2016-19
経済情報
関西経済の現状と見通し
~景気は一進一退で推移、円高是正が景気回復の下支えに~
【要旨】
 関西経済は、企業部門と家計部門ともに一進一退で推移している。
 日銀短観 12 月調査によると、関西地区の業況判断 DI は、全産業・全規模ベー
スで 4%ポイントと 2 四半期連続で改善。一方、先行き判断 DI は、全産業・全
規模ベースで 0%ポイントと小幅低下が見込まれており、景気の先行きについ
ては引き続き慎重な姿勢が窺われる。
 企業部門では、低迷が続いていた輸出は、11 月に 1 年 2 ヵ月ぶりに前年比プラ
スに転じた。今後、円高の重石が軽減されることで製造業を中心に輸出環境は
改善に向かう見込み。また、インバウンド消費は、高額品消費の拡大は期待し
にくいものの、外国人訪問者数の着実な増加を背景に底堅さを維持すると予想
される。
 企業収益は、2016 年度は減益に転じる見込みであるが、円高が是正されたこと
を受けて今後は上方修正される可能性がある。こうしたなか、設備投資は底堅
い推移が見込まれる。製造業では電子部品を中心に積極的な投資が計画されて
いるほか、非製造業ではインバウンド需要の取り込みに向けて宿泊施設や商業
施設を新設・拡充する動きがみられる。
 個人消費は、一部に弱さが残っているものの、一定の底堅さを維持している。
今後は雇用・所得環境が堅調を維持することに加え、株高による消費者マイン
ドの改善も相まって個人消費は緩やかながらも回復基調を辿ると予想される。
 関西経済の先行きについては、まず企業部門はこれまで景気の下押し要因とな
ってきた円高の是正に伴い、回復が見込まれる。また、家計部門も堅調な雇
用・所得環境や低金利を背景に、個人消費、住宅投資ともに底堅さを維持する
ことが期待できる。以上を踏まえると、景気は緩やかながらも回復軌道を辿る
見通しである。実質 GDP 成長率は 2016 年度が前年度比+0.8%、2017 年度が同
+0.9%と見込んでいる。
 米大統領選挙以降、円安・株高が進んでいるが、海外の政治・経済や金融市場
の動向には留意が必要である。とりわけ、先進国では米トランプ新政権の政策
運営や英国の EU 離脱交渉の行方、新興国では中国の構造調整の進捗や米利上
げによる資本流出の動きなどに注視する必要がある。
1
関西経済の見通し
(前年度比、%)
12年度
名目GRP
実質GRP
民間最終消費支出
民間住宅投資
民間企業設備投資
政府最終消費支出
公的固定資本形成
純移出入寄与度
(全国:純輸出)
鉱工業生産指数
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
関西
0.0
1.4
2.5
2.3
0.8
0.4
(全国)
(0.1)
(1.8)
(1.5)
(2.3)
(1.1)
(0.6)
関西
▲ 0.5
1.5
0.0
0.8
0.8
0.9
(全国)
(0.9)
(2.0)
(▲ 1.0)
(0.9)
(1.0)
(1.0)
関西
▲ 1.2
5.0
▲ 2.4
0.0
0.3
0.6
(全国)
(1.7)
(2.3)
(▲ 2.9)
(▲ 0.1)
(0.5)
(0.7)
関西
4.5
7.3
▲ 9.4
2.2
7.5
0.9
(全国)
(5.7)
(8.8)
(▲ 11.7)
(2.4)
(7.1)
(▲ 0.3)
関西
2.9
3.1
2.0
1.6
1.8
1.8
(全国)
(0.9)
(3.0)
(0.1)
(2.1)
(0.3)
(1.4)
関西
▲ 0.7
1.0
0.3
1.6
1.1
0.8
(全国)
(1.4)
(3.2)
(▲ 0.3)
(0.7)
(1.0)
(1.2)
関西
1.4
17.8
0.5
▲ 3.0
0.8
2.5
(全国)
(1.0)
(10.3)
(▲ 2.6)
(▲ 2.7)
(0.6)
(2.2)
関西
▲ 0.2
0.4
0.7
0.3
0.2
0.1
(全国)
(▲ 0.8)
(▲ 0.5)
(0.6)
(0.1)
(0.3)
(0.1)
関西
▲ 2.2
1.1
2.8
▲ 1.3
0.7
1.0
(▲ 2.7)
(3.0)
(▲ 0.3)
(▲ 1.0)
(0.4)
(1.2)
(全国ベース)
(注)1.関西の名目・実質GRP及び需要項目の伸び率及び寄与度は、2013年度までが実績値、14年度と15年度は
実績見込値。16年度と17年度は当室見通し。
2.全国の名目・実質GDP及び需要項目の伸び率及び寄与度は、2015年度までが実績値、16年度以降は
当室による推計。
3.関西、全国の伸び率、寄与度の数値は、すべて1993SNAベース。全国の実績値は2008SNAベースのもの
が公表されているが、関西の数値は1993SNAベースの県民経済計算の実績値を基に算出しているため、
全国と関西を同一基準で比較するため、いずれも1993SNAベースの数値で記載。
4.関西の実質GRP及び需要項目の伸び率及び寄与度はいずれも連鎖方式ベース。需要項目は実質化。
5.『関西』は、特に断りのない限り、大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の2府4県。
(資料)内閣府統計、各県統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
関西の実質GDP成長率の推移
5
4
3
(前年比、%)
在庫品増加等
公的固定資本形成
民間企業設備投資
民間最終消費支出
全国の実質GDP成長率
純移出
政府最終消費支出
民間住宅投資
関西の実質GRP成長率
2
見通し
1
0
-1
-2
-3
12
13
14
15
(注)関西の2014年度と2015年度は当室による実績見込み値。
(資料)内閣府統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
2
16
17 (年度)
1.景況感
(1)現状判断
関西地区の業況判断 DI は、12 月の日銀短観による全産業・全規模ベースで 4%ポイン
トと 2 四半期連続で改善した(第 1 表)
。
業種別にみると、製造業は全規模ベースで 3%ポイントと前回調査比+3%ポイント改善
した。円高が是正されたことによる輸出採算の改善などを背景に、電気機械などが全体を
押し上げたほか、貸家建設が堅調なことを受けた木材・木製品や窯業・土石製品など住宅
部材関連の業種も改善した。一方、非製造業は全規模ベースで 5%ポイントと同▲1%ポイ
ントと小幅低下した。インバウンド消費の持ち直しなどを背景に、飲食・宿泊サービスが
大幅に改善した一方、対個人サービスは娯楽関連を中心に低下した。
街角の景況感を映す景気ウォッチャー調査の現状判断 DI は、今年に入り改善と悪化の
境目となる 50 を下回る状況が続いていたが、11 月は 53.1 と 11 ヵ月ぶりに 50 を超えた
(第 1 図)。消費者の節約志向は根強いものの、気温が例年を下回ったことを受け、冬物
関連販売が伸びた模様である。
(2)先行き判断
日銀短観の先行き判断 DI(3 ヵ月先)は、全産業・全規模ベースで 0%ポイントと低下
が見込まれており、景気の先行きについては引き続き慎重姿勢が窺われる。
11 月の景気ウォッチャー調査の 2~3 ヵ月先に対する判断 DI は、52.1 と 6 月を底に上昇
傾向にある。先行きについては、冬物関連商品の需要増加や足元で進展している円安・株
高の好影響を期待する声が高まる一方、米国のトランプ新政権の政策運営を巡る不透明感
から慎重な見方も多い。
第1表:業況判断DI(日銀短観)
2015年
12月
全規模
全産業
大企業
中小
企業
全規模
製造業
大企業
中小
企業
全規模
非製造業 大企業
中小
企業
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
8
9
18
18
1
3
4
4
13
12
▲2
0
11
13
26
25
3
5
3月
3
7
10
13
▲6
1
▲3
1
3
6
▲ 10
▲4
8
11
20
22
▲2
4
(『良い』-『悪い』、%ポイント)
2016年
2017年
先行き
6月
9月
12月
3月
4
(0)
0
1
2
7
(2)
2
4
5
10
(9)
9
10
6
14
( 11 )
13
12
12
▲4
(▲9)
▲7
▲6
▲2
2
(▲3)
▲3
▲1
0
3
(▲2)
0
▲2
0
4 (0)
1
0
1
9
( 10 )
7
5
2
10
(6)
8
6
6
▲3
(▲9)
▲7
▲5
▲2
1
(▲5)
▲4
▲5
▲3
5
(2)
2
4
6
9
(4)
4
8
7
12
(7)
11
17
12
18
( 16 )
16
19
18
▲5
(▲9)
▲8
▲6
▲3
2
(▲2)
▲
2
0
1
(注)2016年12月調査の括弧内は、9月調査における12月の先行きDI値。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
65
(DI)
第1図:景気ウォッチャー調査
60
55
50
45
40
現状判断DI(全国)
35
現状判断DI(関西)
先行き判断DI(関西)
30
13
14
15
(資料)内閣府統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
3
16
(年)
2.企業部門の動向
(1)輸出・インバウンド消費
関西の輸出額(円ベース)は、11 月に前年比+1.1%と 1 年 2 ヵぶりにプラスに転じた
(第 2 図)。地域別にみると、米国向け(同▲4.1%)はマイナスが続いているものの、輸
出全体の約 4 分の 1 を占める中国向け(同+5.3%)や EU 向け(同+0.7%)が持ち直した。
品目別にみると、スマートフォン向け部品の出荷増加などを背景に電気機器(同+4.4%)
がプラスとなったほか、一般機械(同+7.3%)も伸長した(第 3 図)。
第2図:関西の輸出金額の推移(輸出先別、円ベース)
30
第3図:関西の輸出金額の推移(品目別、円ベース)
(前年比、%)
30
20
20
10
10
0
0
(前年比、%)
-10
-10
その他
米国
中国
関西
-20
EU
アジア(除く中国)
全国
-20
一般機械
鉄鋼
関西
電気機器
その他
化学製品
全国
-30
-30
13
14
15
16
(資料)大阪税関統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(年)
13
14
15
(資料)大阪税関統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
関西を訪れる外国人数は増加傾向が続いている(第 4 図)。関西国際空港は、国際線の
便数拡大を予定しており、外国人訪問者数は今後も引き続き増加傾向を辿ると予想される。
こうしたなか、インバウンド消費は持ち直しつつある。11 月の関西の百貨店免税売上高
は前年比+0.8%と 8 ヵ月ぶりにプラスに転じ、1 件当たりの購買単価も上昇傾向にある
(第 5 図)。今後は、訪問者数の増加が下支えとなり、インバウンド需要は底堅さを維持
するとみられる。
第5図:関西の百貨店免税売上高の推移
第4図:関西国際空港から入国した外国人数の推移
200
(万人)
(便/週)
180
関西国際空港から入国した外国人数〈左目盛〉
160
関西国際空港における国際線就航便数〈右目盛〉
1,400
450
(円)
(前年比、%)
80,000
1,300
400
75,000
1,200
350
70,000
300
65,000
250
60,000
55,000
140
1,100
120
1,000
100
900
80
800
200
60
700
150
50,000
40
600
100
45,000
20
500
50
40,000
0
400
09
10
11
12
13
14
15
16 (年)
(注)国際線就航便数は、各年の4-6月期と7-9月期に夏期スケジュール、
10-12月期と1-3月期に冬期スケジュールの便数を表示。
(資料)法務省統計、関西国際空港資料より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
0
売上高<左目盛>
35,000
1件当たりの売上高<右目盛>
-50
14
15
16
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
4
30,000
(年)
(2)生産
関西の生産は緩やかに持ち直している。10 月の鉱工業生産は前月比▲2.3%と 3 ヵ月ぶ
りに減少したが、夏場以降を均してみれば回復傾向が続いている(第 6 図)。業種別にみ
ると、スマートフォン向けを中心とした電子部品・デバイスや電気機械が高めの水準とな
っている(第 7 図)。
先行きについては、輸出の持ち直しが期待できるなか、電子部品を中心に生産は緩やか
ながらも回復が続く見通しである。
第7図:関西の鉱工業生産の推移(業種別)
第6図:鉱工業生産の推移
115
(2010年=100)
150
(2010年=100)
関西
140
全国
110
130
120
105
110
100
100
90
95
80
90
13
14
15
16
(注)『関西』は福井を含む2府5県。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
鉱工業
電子部品・デバイス
はん用・生産・業務用機械
鉄鋼業
電気機械
70
(年)
13
14
15
16
(注) 『関西』は福井県を含む2府5県。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(年)
(3)企業収益・設備投資
日銀短観の 12 月調査によると、2016 年度の経常利益計画は全規模・全産業ベースで前
年度比▲15.8%と 9 月調査から▲6.5%ポイント下方修正された(第 2 表)。業種別にみると、
製造業は同▲22.0%と減益幅が拡大する一方、非製造業は同▲6.6%と小幅ながら上方修正
された。製造業が下方修正された背景には、大企業の想定為替レートが、2016 年度平均
で 1 ドル=105.28 円と 9 月調査比 4 円余り円高水準に修正されたことがある。もっとも、
足元の円ドル相場は 117 円前後と、想定為替レートと比べ大幅な円安水準で推移しており、
企業収益は製造業を中心に上方修正される可能性がある。
設備投資は底堅い推移が見込まれる。12 月の日銀短観によると、関西企業の 2016 年度
の設備投資額(含むソフトウェア)は、全産業・全規模ベースで前年度比+10.1%と 9 月調
査比小幅上方修正された(第 3 表)。なかでも製造業では電子部品を中心に積極的な設備
投資が計画されており、経常利益計画が下方修正される中でも、同+17.0%へ上方修正さ
れている。一方、非製造業は同+4.4%と小幅下方修正されたものの、小売や建設を中心に
堅調を維持している。実際、拡大するインバウンド消費の取り込みに向けて宿泊施設や商
業施設を新設・拡充する動きがみられる。
5
第2表:売上・収益計画
第3表:設備投資計画
2015年度
2016年度
全産業
全
製造業
国
非製造業
▲ 1.3
▲ 1.4
▲1.6 (▲0.8)
▲2.7 (▲1.5)
▲1.1 (▲0.4)
▲ 2.8
0.4
全産業
関
製造業
西
非製造業
▲ 1.6 ▲2.0 (▲2.0)
▲ 1.6 ▲2.1 (▲3.0)
▲ 4.3
▲ 5.2
0.3
1.0
▲ 1.5
▲1.8 (▲0.9)
▲ 3.3
▲ 0.4
全産業
全
製造業
国
非製造業
全産業
関
製造業
西
非製造業
4.8
▲ 2.9
▲8.2 (▲0.1)
▲14.6 (▲3.1)
▲ 9.4
▲ 21.7
▲ 6.9
▲ 5.9
10.8
16.4
▲3.9 (1.9)
▲15.8(▲6.5)
▲ 0.4
▲ 19.4
▲ 7.6
▲ 11.4
▲ 0.3 ▲22.0 (▲12.1)
▲ 30.5
▲ 11.7
▲ 3.2
▲ 10.8
〈計画〉
売
上
高
経
常
利
益
▲ 1.3
54.6
(前年度比、%)
(前年度比、%)
2015年度
うち上期
▲6.6 (1.4)
2016年度
うち下期
▲ 3.4
▲ 4.6
前回比
0.1
▲ 0.8
〈計画〉
全
国
関
西
修正率
3.9
3.4
▲ 1.1
製造業
9.4
4.9
▲ 1.0
非製造業
1.0
2.6
▲ 1.1
▲ 3.5
10.1
0.9
7.2
17.0
2.0
▲ 10.8
4.4
▲ 0.1
全産業
全産業
製造業
非製造業
(注)1.ソフトウェアを含み、土地投資額を除く。
2.全規模ベース。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(注)全規模ベース。2016年度計画の括弧内は前回調査からの修正幅。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
3.家計部門の動向
(1)雇用・所得
関西の雇用環境は引き続き良好な状態にある。失業率(当室季節調整値)は足元 3%台
半ば前後で推移している(第 8 図)。また、11 月の有効求人倍率は 1.31 倍と緩やかな上昇
傾向が続いている(第 9 図)。12 月の日銀短観における雇用人員判断 DI(『過剰』-『不
足』)は、全規模・全産業ベースで▲18%ポイントと労働需給は引き締まった状態が続い
ている(第 10 図)。先行き(2017 年 3 月)の予測値は▲19%ポイントと雇用不足感が一層
強まるとみられており、労働需給は当面タイトな状況が続く公算が大きい。
所得環境をみると、現金給与総額は増加基調を維持しているが、伸び率は鈍化している
(第 11 図)。今後は、消費者物価上昇率が鈍いことから次期春闘での賃上げは限定的とみ
られるが、労働需給の逼迫を背景に雇用・所得環境は一定の底堅さを維持する見込みであ
る。
第8図:失業率と雇用者数の推移
5.5
(%)
第9図:有効求人倍率と新規求人数の推移
(前年比、万人)
(前年比、%)
(倍)
60
1.5
50
1.4
4.5
40
1.3
4.0
30
1.2
20
3.5
20
1.1
15
3.0
10
1.0
10
2.5
0
0.9
5
2.0
-10
0.8
0
1.5
-20
0.7
-5
-30
0.6
5.0
雇用者数〈右目盛〉
完全失業率(関西)〈左目盛〉
完全失業率(全国)〈左目盛〉
1.0
13
14
15
16
(注)『完全失業率(関西)』は当室にて季節調整。
(資料)総務省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
有効求人倍率(関西)〈左目盛〉
有効求人倍率(全国)〈左目盛〉
新規求人数(関西)〈右目盛〉
新規求人数(全国)〈右目盛〉
30
25
-10
13
(年)
14
15
16
(注)『有効求人倍率』は季節調整値。『新規求人数』は原数値。
(資料)厚生労働省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
6
35
(年)
第11図:現金給与総額の推移
第10図:雇用人員に対する判断の推移
-35
←
-30
不
足 -25
感
-20
(『過剰』-『不足』、%ポイント)
3
(前年比、%)
先行き
雇用人員判断DI〈全国〉
雇用人員判断DI〈関西〉
製造業〈関西〉
非製造業〈関西〉
2
1
-15
0
-10
-1
-5
全国
-2
0
過 5
剰
感 10
→
15
関西
-3
-4
13
14
15
16
(注)『雇用人員判断DI』は全規模・全産業ベース。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
15/1
3
5
7
9
11
16/1
3
5
7
9
17(年)
(年/月)
(注)1.関西は2府4県の現金給与総額の増減率を平均して算出。
2.事業所規模5人以上ベース。
(資料)厚生労働省、各府県統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(2)個人消費
関西の個人消費は一部に弱さが残っているものの、一定の底堅さを維持している。10
月の百貨店・スーパー販売額(全店ベース)は前年比▲1.7%と 3 ヵ月連続で減少した(第
12 図)。一方、ドラッグストアの売上高(全店ベース)は同+4.4%と伸び率こそ鈍化した
ものの、2015 年 4 月以降一貫して増加を維持している(第 13 図)。また、10 月の自動車
販売は新車投入効果もあり同+0.7%と 2 ヵ月ぶりにプラスに転じた(第 14 図)。
今後は、雇用・所得環境が堅調を維持し、株高による消費者マインドの改善なども相ま
って、個人消費は緩やかながらも回復基調を辿ると予想される。
第13図:ドラッグストア・家電大型専門店の売上高の推移
第12図:百貨店・スーパー販売額の推移
25
20
15
(前年比、%)
25
その他
うち衣料品
うち飲食料品
関西
(前年比、%)
20
15
10
全国
5
10
0
-5
5
-10
0
-15
-20
関西ドラッグストア
-25
関西家電大型専門店
-10
-30
全国ドラッグストア
-15
-35
全国家電大型専門店
-5
13
14
15
16
(注)1. 『 関西』は福井県を含む2府5県。
2. 全店ベース。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(年)
-40
15/1
3
5
7
9
11
16/1
3
5
(注)『関西』は福井県を含む2府5県。
(資料)経済産業省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
7
7
9 10
(年/月)
第14図:関西の新車販売台数の推移
30 (前年比、%)
20
10
0
-10
-20
新車(普通+小型+軽)販売台数
-30
13
14
15
16
(注)『 関西』は福井県を含む2府5県。
(資料)日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会統計より
三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(年)
(3)住宅投資
関西の住宅投資は、振れを伴いつつも総じてみれば持ち直し傾向が続いている。10 月
の新設住宅着工戸数は前年比▲4.1%と 3 ヵ月連続で減少した(第 15 図)。内訳をみると、
持家が同+6.2%、貸家が同+2.5%と底堅さを維持した一方、2015 年 12 月以降、大幅な増加
が続いていた分譲住宅は同▲30.4%と大幅に減少した。
10 月のマンション供給戸数(6 ヵ月移動平均値)は前年比+6.6%と 1 年 4 ヵ月ぶりにプ
ラスとなった(第 16 図)。1 ㎡あたり価格(6 ヵ月移動平均値)が頭打ちとなる中で、住
宅ローン金利が低水準で推移していることを受け、契約率は 1 月を底に持ち直し傾向が続
いている(第 17 図、第 18 図)。
住宅ローン金利はやや上昇しているものの依然低水準に止まるなか、住宅投資は底堅い
雇用・所得環境が下支えとなり、今後も堅調さを維持するとみられる。
第16図:マンションの供給戸数と販売在庫の推移
第15図:新設住宅着工戸数の推移
40
(前年比、%)
50 (前年比、%)
40
30
30
20
(戸) 5,000
関西のマンション販売在庫〈右目盛〉
関西のマンション供給戸数〈左目盛〉
首都圏のマンション供給戸数〈左目盛〉
4,500
4,000
20
3,500
10
3,000
10
0
0
2,500
-10
-10
2,000
-20
-20
1,500
-30
-30
1,000
-40
500
-40
持家
貸家
住宅着工戸数(関西)
分譲
給与
住宅着工戸数(全国)
-50
-50
13
14
15
16
(資料)国土交通省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(年)
0
13
14
15
16
(年)
(注)『供給戸数』は6ヵ月移動平均の前年比。
(資料)不動産経済研究所統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
8
第17図:契約率と1㎡あたり価格の推移
85
(%)
(万円)
65 4.5
(%)
第18図:住宅ローン金利の推移
4.0
80
60
3.5
75
55 3.0
70
50
2.5
2.0
65
60
マンション1㎡あたり価格〈右目盛〉
契約率(関西)<左目盛>
契約率(全国)<左目盛>
45
1.5
旧住宅公庫・住宅金融支援機構融資基準金利
都市銀行住宅ローン変動金利
(年)
13
14
15
16
(注)『契約率』『1㎡あたり価格』は6ヵ月移動平均。
(資料)不動産経済研究所統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
40 1.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
(注)網掛け部分は、景気後退期間。
(資料)日本銀行、住宅金融支援機構統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
以
(平成 28 年 12 月 26 日
竹島 慎吾
上
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発行:株式会社 三菱東京 UFJ 銀行 経済調査室(大阪)
〒530-0004 大阪市北区堂島浜 1-1-5
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