経済情報 - 三菱東京UFJ銀行

平成 28 年(2016 年)7 月 27 日
NO.2016-10
経済情報
関西経済の現状と見通し
~企業部門は低調な動き、個人消費も足踏みしており、景気は横這い~
【要旨】
 関西経済は、企業の経済活動に低調な動きがみられることに加え、個人消費も
足踏みしており、総じてみれば景気は横這いの状況にある。
 日銀短観の 6 月調査によると、関西地区の業況判断 DI は、全産業・全規模ベ
ースで 1%ポイントと 2 四半期連続で低下した。製造業では円高の進展が、非
製造業では個人消費の伸び悩みやインバウンド消費に頭打ち感が出てきたこと
が影響したとみられる。先行き判断 DI は、全産業・全規模ベースで▲2%ポイ
ントと 3 年ぶりのマイナス転化が見込まれており、先行き不透明感は強い。
 企業部門では、輸出や生産活動に低調な動きがみられる。企業収益は円高の進
展もあり、2016 年度は減益に転じる見込みであるが、設備投資は航空機関連や
建設・不動産・運輸など製造業、非製造業ともに全国の伸び率を上回る計画が
見込まれている。一方、インバウンド需要は外国人訪問者数の増加が下支えと
なり堅調が続くと見込まれるも、牽引役であった高額品消費の拡大が一服した
ことを受け、インバウンド消費の伸びは鈍化するとみられる。
 個人消費は、家電や自動車など耐久財を中心に足踏みしている。ただし、雇
用・所得環境は労働需要の引き締まりを背景に堅調を維持しており、消費者マ
インドの改善や持続的な賃上げが個人消費を下支えすると予想される。
 住宅投資は持ち直し傾向が続いている。今後も、雇用・所得環境の改善や低金
利等を背景に回復が続くとみられる。
 関西経済の先行きについては、英国の EU 離脱選択など世界経済の先行き不透
明感が強まるなか、輸出の伸び悩みや円高の進展が企業部門の重石となるもの
の、良好な雇用・所得環境や低金利を背景に個人消費や住宅投資など内需が一
定の支えとなり、景気は緩やかながらも回復軌道を辿る見通しである。
1
1.景況感
(1)現状判断
関西地区の業況判断 DI は、6 月の日銀短観による全産業・全規模ベースで 1%ポイント
となった(第 1 表)。前回 3 月調査比では▲2%ポイントと 2 四半期連続で低下した。
業種別にみると、非製造業は全規模ベースで 4%ポイントと前回調査比▲4%ポイント低
下した。とりわけ、宿泊・飲食サービスが 3 四半期連続で大幅に低下したが、これは個人
消費の伸び悩みやインバウンド消費に頭打ち感が出てきたことが影響したとみられる。他
方、製造業は大企業が前回調査比+2%ポイント上昇し、中小企業も同+5%ポイント改善し
た。円高が重石となった一方、商品市況の改善や住宅需要の持ち直しを受け、鉄鋼や木
材・木製品、金属製品など内需関連は改善した。
街角の景況感を映す景気ウォッチャー調査の現状判断 DI は、改善と悪化の境目となる
50 を 9 ヵ月連続で下回った(第 1 図)。判断の理由をみると、インバウンド消費の鈍化や
消費者の節約志向の高まりなどが景気の押し下げ要因として指摘されている。
(2)先行き判断
日銀短観の先行き判断 DI(2016 年 9 月)は全産業・全規模ベースで▲2%ポイントと 3
年ぶりのマイナス転化が見込まれている。製造業、非製造業ともに景況感の悪化が続く見
込みであり、景気の先行き不透明感は強い。
6 月の景気ウォッチャー調査の 2~3 ヵ月先に対する判断 DI は、8 ヵ月連続で 50 を下回
った。円高や英国の EU 離脱選択など海外経済の不透明感の高まり等が先行きの不安要因
として挙げられている。
第1表:業況判断DI(日銀短観)
2015年
6月
全規模
全産業
大企業
中小
企業
大企業
製造業
中小
企業
大企業
非製造業
中小
企業
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
関西
全国
7
7
15
19
2
2
11
15
▲3
0
23
23
5
4
9月
7
8
18
19
1
3
12
12
▲2
0
27
25
3
3
12月
8
9
18
18
1
3
13
12
▲2
0
26
25
3
5
(『良い』-『悪い』、%ポイント)
2016年
先行き
3月
6月
9月
3
▲2
1 (▲1)
7
(1)
2
4
10
(7)
8
10
13
(11)
12
12
▲6
▲10
▲ 6 (▲9)
1
▲5
▲ 1 (▲4)
3
(2)
7
5
6
(3)
6
6
▲ 10
▲ 5 (▲9) ▲ 10
▲4
▲7
▲ 5 (▲6)
20
(16)
10
17
22
(17)
17
19
▲2
▲10
▲ 6 (▲8)
4
▲4
0 (▲3)
(注)1.2016年6月調査の括弧内は、16年3月調査における6月の先行きDI値。
2.2015年3月調査より対象企業を見直し。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
2
65
(DI)
第1図:景気ウォッチャー調査
60
55
50
45
40
現状判断DI(関西)
先行き判断DI(関西)
35
現状判断DI(全国)
30
13
14
15
(資料)内閣府統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
2.企業部門の動向
(1)輸出・インバウンド消費
関西の輸出額(円ベース)は、6 月に前年比▲7.3%と 9 ヵ月連続で減少した。地域別に
みると、輸出全体の約 4 分の 1 を占める中国向け(同▲6.7%)のほか、米国向け(同▲
9.6%)、EU 向け(同▲0.0%)も低迷した(第 2 図)。品目別にみると、半導体等電子部
品を中心とする電気機器は同▲3.2%と 8 ヵ月連続で減少したほか、一般機械も 4 ヵ月連続
で前年割れとなった(第 3 図)。
第2図:関西の輸出金額の推移(輸出先別、円ベース)
30
第3図:関西の輸出金額の推移(品目別、円ベース)
(前年比、%)
30
20
20
10
10
0
0
その他
米国
中国
関西
-10
EU
アジア(除く中国)
全国
(前年比、%)
-10
一般機械
その他
電気機器
関西
化学製品
全国
鉄鋼
-20
-20
13
14
15
(資料)大阪税関統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
13
14
15
(資料)大阪税関統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
関西を訪れる外国人は増加傾向が続いている(第 4 図)。関西国際空港は、国際線の便
数拡大を予定しており、外国人訪問者は今後も引き続き増加傾向を辿ると予想される。一
方、インバウンド消費は宝飾品や腕時計など高額品の売上減少を受け、頭打ちになってい
る。6 月の関西の百貨店免税売上高は前年比▲17.8%と 3 ヵ月連続で前年割れとなった
(第 5 図)。先行きは、訪問者数の増加が下支えとなり、インバウンド需要は底堅さを維
持するものの、牽引役であった高額品消費の減速を受けインバウンド消費の伸びは鈍化す
るとみられる。
第5図:関西の百貨店免税売上高
第4図:関西国際空港から入国した外国人数
200
(万人)
(便/週)
1,400
450
(円)
(前年比、%)
80,000
180
関西国際空港から入国した外国人数〈左目盛〉
1,300 400
75,000
160
関西国際空港における国際線就航便数〈右目盛〉
1,200 350
1,100
300
1,000
250
900
70,000
80
800
200
55,000
60
700
150
50,000
40
600
20
500
100
45,000
140
120
100
0
400
09
10
11
12
13
14
15
60,000
50
16 (年)
(注)『国際線就航便数』は、各年の4-6月期と7-9月期に夏期スケジュール、
10-12月期と1-3月期に冬期スケジュールの便数を表示。
『入国した外国人数』の直近2016年4-6月期は当室推計値。
(資料)法務省統計、関西国際空港資料より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
65,000
0
40,000
売上高<左目盛>
35,000
1件当たりの売上高<右目盛>
-50
14
15
16
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
3
30,000
(年)
(2)生産
関西の生産は 5 月に前月比▲0.8%と 2 ヵ月連続で低下した(第 6 図)。業種別にみると、
はん用・生産用・業務用機械が持ち直す一方、電子部品・デバイスはスマートフォン向け
部品の輸出伸び悩みにより減少している(第 7 図)。
先行きについては、車載用電池や新型スマートフォン向け電子部品の生産が本格稼動す
ることなどが下支えとなり、生産は緩やかに持ち直す見通しである。
第7図:関西の鉱工業生産の推移(業種別)
第6図:鉱工業生産の推移
115
(2010年=100)
150
(2010年=100)
関西
140
全国
110
130
120
105
110
100
100
90
95
80
90
13
14
15
(注)『関西』は福井を含む2府5県。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16 (年)
鉱工業
電子部品・デバイス
はん用・生産・業務用機械
鉄鋼業
電気機械
70
13
14
15
(注) 『関西』は福井県を含む2府5県。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
(3)企業収益・設備投資
関西の企業は先行きの収益環境を慎重にみている。日銀短観の 6 月調査によると、
2015 年度の経常利益は全産業ベースで前年度比+16.4%と二桁の増益となったが、2016 年
度は同▲8.4%と 4 年ぶりの減益に転じることを見込んでいる(第 2 表)。円高の進展や個
人消費を中心とした内需の伸び悩みを受け、減益幅は前回 3 月調査に比べ拡大した。
2016 年度の経常利益計画を業種別にみると、非製造業は同▲9.2%の減益を見込んでい
る。売上高が同▲0.6%と減収が続くことに加え、先行きの仕入価格の上昇を見込んでおり、
原油価格や建設資材等の調達コストの上昇を懸念している模様である。一方、製造業は、
円高の進行を受け同▲7.9%の経常利益減少を見込んでいる。なお、大企業の想定為替レー
トは、2016 年度平均で 1 ドル=113.22 円と足元の実勢相場より円安水準となっており、仮
に円相場が年間を通じて足元の水準で推移すると、経常利益は製造業を中心に計画を下回
る公算が大きい。
設備投資は、2015 年度については新興国経済の先行き不透明感等から実行を先送りす
る動きがあったとみられるが、先行きは底堅い推移が見込まれる。6 月の日銀短観による
と、関西企業の 2015 年度の設備投資額(含むソフトウェア)は、全産業・全規模ベース
で前年度比▲3.5%と 2 年ぶりに減少したが、2016 年度は同+8.9%の増加が計画されている
(第 3 表)。
業種別にみると、製造業は航空機関連や電子部品などに支えられ同+12.2%と積極的な
4
設備投資が計画されている。一方、非製造業は同+6.3%と小売や建設を中心に堅調が見込
まれる。実際にも、拡大するインバウンド消費の取り込みに向けた宿泊施設や商業施設の
新設・拡充する動き等がみられるようになっている。
第2表:売上・収益計画
2016年度
2015年度
うち下期
売
上
高
全
国
関
西
全産業
製造業
非製造業
全産業
製造業
非製造業
経
常
利
益
全
国
関
西
全産業
製造業
うち上期
▲ 2.5
▲ 3.1
▲ 0.1
▲ 0.2
▲ 1.2
▲ 1.6
0.9
1.2
▲ 1.3
▲ 2.3
▲ 0.1
▲ 1.1
0.8
▲ 1.6
▲ 1.6
▲ 3.8
▲ 4.4
0.5
1.5
▲ 0.8
▲ 0.1
1.7
3.2
▲ 1.5
▲ 3.2
▲ 0.6
▲ 1.5
0.3
4.8
▲ 2.9
▲ 5.4
▲ 18.2
▲ 7.2
▲ 9.3
▲ 13.9
▲ 19.9
0.2
3.8
10.8
16.4
4.7
5.3
▲ 5.8
▲ 8.4
▲ 9.4
▲ 17.8
▲ 2.1
3.3
▲ 0.3
▲ 11.1
▲ 7.9
▲ 20.3
7.3
54.6
45.9
▲ 9.2
▲ 14.2
▲ 2.7
非製造業
(前年度比、%)
2015年度
うち下期
▲ 1.3
▲ 1.4
非製造業
全産業
製造業
〈計画〉
第3表:設備投資計画
(前年度比、%)
2016年度
前回比
修正率
全
国
関
西
〈計画〉
3.9
▲ 3.0
4.3
製造業
9.4
▲ 1.2
6.3
非製造業
1.0
▲ 4.0
3.2
▲ 3.5
▲ 3.9
8.9
7.2
▲ 6.5
12.2
▲ 10.8
▲ 1.6
6.3
全産業
全産業
製造業
非製造業
(注)1.ソフトウェアを含み、土地投資額を除く。
2.全規模ベース。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(注)全規模ベース。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
3.家計部門の動向
(1)雇用・所得
関西の雇用環境は引き続き良好な状態にある。失業率(当室季節調整値)は足元 3%台
半ば近辺で推移している(第 8 図)。また、新規求人数は、5 月に前年比+10.1%と二桁増
となり、有効求人倍率も緩やかな上昇傾向が続いている(第 9 図)。6 月の日銀短観にお
ける雇用人員判断 DI(『過剰』-『不足』)をみると、全規模・全産業ベースで▲15%ポ
イントと労働需給は引き締まった状態にある(第 10 図)。先行き(2016 年 9 月)の予測値
は▲17%ポイントと雇用不足感が一層強まるとみられており、労働需給は当面タイトな状
況が続く公算が大きい。
一方、今年の春闘において、賃上げ率は景気の先行き不透明感が高まるなか、企業の姿
勢がやや慎重化しているとみられ、昨年に比べ小幅鈍化している。大阪府がまとめた府内
の春季賃上げ率は前年比+1.95%と前年の同+2.23%を下回った(第 11 図)。
5
第8図:失業率と雇用者数の推移
6.0
第9図:有効求人倍率と新規求人数の推移
(前年比、万人) 70
(%)
雇用者数〈右目盛〉
完全失業率(関西)〈左目盛〉
完全失業率(全国)〈左目盛〉
5.5
5.0
60
1.3
50
1.2
4.5
40
4.0
30
3.5
20
3.0
10
2.5
0
2.0
-10
1.5
-20
1.0
13
14
15
(注)『完全失業率(関西)』は当室にて季節調整。
(資料)総務省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
1.4
-30
(年)
(前年比、%)
(倍)
有効求人倍率(関西)〈左目盛〉
有効求人倍率(全国)〈左目盛〉
新規求人数(関西)〈右目盛〉
新規求人数(全国)〈右目盛〉
30
25
1.1
20
1.0
15
0.9
10
0.8
5
0.7
0
0.6
-5
0.5
13
14
15
16
-10
(年)
(注)『有効求人倍率』は、季節調整値。『新規求人数』は原数値。
(資料)厚生労働省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
第10図:雇用人員に対する判断
-35
←
-30
不
足 -25
感
-20
35
第11図:賃上げ率の推移
(『過剰』-『不足』、%ポイント)
2.8
(%)
先行き
雇用人員判断DI〈全国〉
雇用人員判断DI〈関西〉
製造業〈関西〉
非製造業〈関西〉
大阪府
2.6
全国
2.4
-15
-10
2.2
-5
2.0
0
過 5
剰
感 10
→ 15
1.8
13
14
15
(注)『雇用人員判断DI』は全規模・全産業ベース。
(資料)日本銀行統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16
(年)
1.6
98
00
02
04
06
08
10
12
14
16 (年)
(注)いずれも年毎に集計対象が異なるため、幅を持って解釈する必要がある。
(資料)大阪府、連合資料より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(2)個人消費
関西の個人消費は足踏みしている。5 月の百貨店・スーパー販売額(全店)は前年比▲
2.3%と 3 ヵ月連続で減少した(第 12 図)。また、耐久消費財も弱い動きが続いている。家
電大型専門店の売上高(全店)は同▲4.9%と 4 ヵ月連続で前年割れ(第 13 図)、自動車販
売は軽自動車の燃費不正問題の影響もあり、3 ヵ月移動平均で 5 月に同▲2.3%と前年割れ
が続いている(第 14 図)。一方、ドラッグストアの売上高(全店)は同+6.1%と伸び率こ
そ鈍化しているものの、2015 年 4 月以降増加基調を維持している。
消費者マインドを示す消費者態度指数をみると、雇用環境や収入の増え方に対する見方
が、新興国経済の先行きに対する不安や株安・円高等を受け、1 月から 2 月にかけて慎重
化したが、足元では持ち直している(第 15 図)。今後は、雇用環境の改善が続き、消費者
マインドを下支えすることが見込まれる。こうしたなか、所得の伸びは昨年を下回るもの
の、賃上げによる下支えも期待できることから、個人消費は一定の底堅さを維持すると予
想される。
6
第13図:ドラッグストア・家電大型専門店の売上高
第12図:百貨店・スーパー販売額の推移
25
(前年比、%)
25
その他
うち衣料品
うち飲食料品
百貨店・スーパー販売額(関西)
20
15
(前年比、%)
20
15
10
百貨店・スーパー販売額(全国)
5
10
0
-5
5
-10
0
-15
-20
関西ドラッグストア
-25
関西家電大型専門店
-10
-30
全国ドラッグストア
-15
-35
全国家電大型専門店
-5
13
14
15
(注)1. 『 関西』は福井県を含む2府5県。
2. 全店ベース。
(資料)近畿経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
16 (年)
-40
15/1
3
5
7
9
11
16/1
3
5(年/月)
(注)『関西』は福井県を含む2府5県。
(資料)経済産業省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
第15図:関西の消費者態度指数の推移
第14図:関西の新車販売台数の推移
40 (前年比、%)
48
30
46
20
(指数)
44
10
42
0
40
-10
38
-20
-30
36
新車(普通+小型+軽)販売台数
雇用環境
耐久消費財
34
-40
13
14
15
16
(注) 1.『 関西』は福井県を含む2府5県。
2. 3ヵ月移動平均。
(資料)日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会統計より
三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
関西
収入の増え方
暮らし向き
(年)
15
16
(年)
(注)『消費者態度指数』は、①雇用環境、②収入の増え方、③耐久消費財の
買い時判断、④暮らし向きの4項目について、今後半年間の見通しを
アンケートし、指数化したもの。
(資料)内閣府統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(3)住宅着工
関西の住宅投資は持ち直し傾向が続いている。5 月の新設住宅着工戸数は前年比+2.6%
と 5 ヵ月連続で増加した(第 16 図)。内訳をみると、2015 年 12 月以降、大幅な増加が続
いていた分譲住宅は同▲42.2%と減少したものの、持家が同+19.7%、貸家が同+14.5%と二
桁増となり全体を牽引した。
5 月のマンション供給戸数(6 ヵ月移動平均値)は前年比▲11.5%と 11 ヵ月連続で前年
割れとなった(第 17 図)。1 ㎡あたり価格(6 ヵ月移動平均値)が頭打ちとなる中で、マ
イナス金利政策により、住宅ローン金利が一段と低下したことを受け、1 月を底に契約率
は持ち直している(第 18 図、第 19 図)。
住宅投資は、雇用・所得環境の改善が引き続き期待されることや低金利などのサポート
要因もあり、今後も持ち直しが続くとみられる。
7
第17図:マンションの供給戸数と販売在庫の推移
第16図:新設住宅着工戸数の推移
40
(前年比、%)
60 (前年比、%)
(戸) 6,500
関西のマンション販売在庫〈右目盛〉
関西のマンション供給戸数〈左目盛〉
首都圏のマンション供給戸数〈左目盛〉
50
30
40
20
6,000
5,500
30
5,000
10
20
4,500
0
10
4,000
0
3,500
-10
3,000
-20
2,500
-30
2,000
-40
1,500
-10
-20
-30
持家
貸家
住宅着工戸数(関西)
-40
分譲
給与
住宅着工戸数(全国)
-50
13
14
15
(資料)国土交通省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
4.5
(%)
16
-50
1,000
13
14
15
16
(年)
(年) (注)『供給戸数』は6ヵ月移動平均の前年比。
(資料)不動産経済研究所統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
第18図:住宅ローン金利の推移
第19図:契約率と1㎡あたり価格の推移
85
(%)
(万円)
65
4.0
80
60
75
55
70
50
3.5
3.0
2.5
1.5
マンション1㎡あたり価格〈右目盛〉
契約率(郊外)<左目盛>
契約率(都市部)<左目盛>
65
2.0
旧住宅公庫・住宅金融支援機構融資基準金利
45
60
都市銀行住宅ローン変動金利
40
13
14
15
16
(年)
(注)1.『契約率』『1㎡あたり価格』は6ヵ月移動平均。
2.『都市部』:大阪市、神戸市、京都市。
『郊外』:大阪府下、兵庫県下、京都府下、滋賀県、奈良県、和歌山県。
(資料)不動産経済研究所統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
1.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
(注)網掛け部分は、景気後退期間。
(資料)日本銀行、住宅金融支援機構統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
以
(平成 28 年 7 月 27 日
竹島 慎吾
上
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発行:株式会社 三菱東京 UFJ 銀行 経済調査室(大阪)
〒530-0004 大阪市北区堂島浜 1-1-5
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