農業高校、農業教育の魅力再発見 農業科教員調査より(平成 26 年4月末) ~農業高校、農業教育の素晴らしさを未来へつなぐ、 「できる」を学び未来を拓く~ 静岡県立磐田農業高等学校 栽培、飼育と製造・加工を通して生命を大切にする心を育むことができる。 生き物を育てることにより命の大切さを学ぶことができる。 植物(作物)や動物(家畜)との触れ合いを通して命の大切さを理解することができる。 動植物の生命を実感できる。 観察など通して植物の生きる力(生命力)を感じることができる。 農業教育を通して社会に出るために必要な言葉、能力を身につけることができる。 実験・実習を通して友達や目上との会話スキルが上がる。 生産物販売、バラ園開放等を通して地域の方々との交流、ふれ合いができ社会性が身につく。 実践することで身に付ける技能・技術の確認ができる。 実習では上手く行かない時にこそ考える力、行動する力を養うことができる。 実習では様々な障害を乗り越えた時にこそ達成感を味わうことができる。 全員で協力して得た生産物の成果は形になって表れる。 収穫物を手にした人たちの多くは喜んでくれるため達成感が得られる。 収穫の喜びにより成就感や達成感を味わうことができる。 気象条件などが作物の出来、不出来に影響するので、たとえ出来が悪くても喜びは湧いてくる。 実験・実習を通して成就感や達成感を得るとともに、専門学習の理解をより深めることができる。 育てる喜びを知ることにより人間的成長が期待できる。 働く意義(校訓「重労働」 )を学ぶことができる。 働く(体動して事を成す)ことの大切さを感じることができる。 実験・実習を通して協調性、勤労意欲を高める(キャリア能力の育成)ことができる。 実習は一つの作業をみんなでやることが多いため協調性を育むことができる。 他者との協力が農作業には不可欠であり、ルール・エチケットなど協調性が身につく。 栽培から加工までの過程で互いに協力する態度を培うことができる。 優しさ、可愛さ、痛み、相互扶助など情操教育の実践ができる。 感動が芽生え、心を揺さぶられるような体験の中で心豊かになり、人に優しくなれる。 生命を育てる、触れる活動を通して優しく、大らかな心を育てることができる。 生き物に対し優しい気持ちになることができる。 汗を流して学ぶことが楽しいと感じる心、姿勢を育むことができる。 実習を通して汗をかくことに抵抗がなくなり前向きな姿勢ができる。 汗を流して働き、成果はすぐ現れないが、長い年月を経て豊かな人間性を形成することができる。 栽培、飼育、製造・加工を通して健やかな心を育むことができる。 土に親しむ授業が多く人間が大らかになる。 実験・実習を通じて豊かな人間性が身につく。 植物や動物など命を扱うことで責任能力が上がり、感受性を高め優しい心遣いができる。 動植物(生き物)に対して思いやりの心を持つ人間になる。 実習等を通して粘り強い心と健全な身体を作ることができる。 自分の都合よりも動植物を優先しなければならない状況において我慢を身につけることができる。 栽培を通して継続力が身に付く(作物は簡単に出来ない) 。 環境の大切さを学び、環境を守る心を育むことができる。 植物(作物)を育てることで食の大切さを知ることができる。 各種資格・検定を受けることにより自信につながる。 作業管理を通して挨拶ができる。 自然の中で学習することにより自然のありがたさや厳しさを学ぶことができる。 農業プロジェクト学習を通して科学性、社会性、指導性、問題解決能力を育むことができる。 生き物と自然を相手にするため自ら考え判断する力が求められ問題解決能力を養うことができる。 交流活動を通してコミュニケーション能力を高めることができる。 連携活動を通して地域貢献に対する意識を高めることができる。 農業の知識と技術の定着により農業の役割や社会全体について幅広い視野を持てるようになる。 製造・加工や実験を通して物事の段取りと取り組む姿勢を学ぶことができる。 農業技術の習得により家庭でも作物栽培ができるようになる。 フィールドは人間教育の場となり人間性の向上につながる。 一人の力には限界があるが、協働によりそれを克服することを体感できる。 己のできること、 できないことを知り互いに助け合うことが生きていくうえで不可欠であることを 自然に体得することができる。 小さな自信の積み重ねがやがて確実な自信となり、自らを大きく成長させることができる。 上級生に進むほど物事に対して寛容性が増してくるのを経験的に感じることができる。 農業教育は人間教育(全人格教育)につながる。 農業高校では人間性を高めることができる。 農業教育は人間力をつけることができる。 生命の尊厳についての教材に適し、その材料が豊富に存在する。 将来の農業のスペシャリストを育成することができる。 農業学習を通して経営感覚を養うことができる。 農業に興味を示さない若者が多い中、農業高校生は農業に興味を持つ貴重な存在になる。 農業の知識と技術の定着により社会生活や家庭生活における農業の意義を理解できる。 農業の学習内容が地域社会の発展に直接つながる。 農業は文化・生活と密接に結びつき地域と積極的な連携ができる。 農産物の生産、加工、マーケティング等生産から消費までの農業の6次産業化ができる。 学校農業クラブの存在により農業高校生のすべてが農業学習の成果を競え合える。 地域の方々や一般の方に対して農業教育のPRや魅力を発信することができる。 エコロジー(生態学、環境保護)学習が実践できる。 食育教育が実践できる。 四季の変化を実感できる。 歳時記の学習ができる。 周辺に緑が多く、学習環境にいやし効果がある。 農産物などの持ち帰りを通して家庭内の話題(会話)が増える。 生きていくのに絶対必要な食べ物の栽培から加工まで、直に携わることができる。 生涯学習が定着した中、地域の方々にも栽培や加工に携わる機会を提供することができる。 実習は主体的に考え行動する機会を提供することができる。 野菜栽培を通して食文化を学ぶことができる。 季節の変化(自然環境)を感じながら農作物の成長過程を観察することができる。 慌しい時代の中ゆったりと時が過ぎていることを実感することができる。 収穫の喜び、大地からの恵みの感謝は農業高校でしか味わうことができない魅力である。 人間の生きる源となる食(栽培、加工、利用・活動など)について学習することができる。 生きるための根幹を学習する成果が周囲に喜ばれる。 多様性に富む教材、日々進歩する技術の中、知的好奇心や探究心を持ち続けることができる。 農業はあらゆる職業への発展の根源を含むため成長産業として期待されている。 収穫物の出来により努力の客観的評価が実感できる。 労働(お金)の尊さと価値を誰よりも知ることができる。 労働の大切さを学ぶことができる。 作物栽培に向き合い、継続する観察、管理は小・中学校時代では点数で評価されないことであるが、 農業教育では必要不可欠であり、 活動を通して自らにも素晴らしい能力が秘められていることを再認 識することができる。 自然を相手に学ぶことができる。 知識だけでなく、知恵や技などの先人たちから受け継いだものを知ることができる。 一代主義(自分だけよければという思想)ではなく、末代主義(子孫へつなぐ)の教育ができる。 精神的な安心感が得られる環境で勉強することができる。 米作りを体験することによって、我が国の歴史や文化について知ることができる。 体験を通して勤勉、連携、協力など日本社会を支える国民的資質を育てることができる。 生きるための根幹が教材となっているため、誰でも興味を持ち意欲的に学習することができる。 実体験を通して学ぶことができる。 職業の基になる農業を通じて能力を自覚し、能力にあった職業に就くことができる魅力をもつ。 農業実習を通して生徒が向いている仕事、職業を発見することができる。 食べ物が命につながっていることを実験・実習を通して学ぶことができる。 農業教育の基本は為すことによって学ぶ自然体学習ができる。 体験学習を通して地域文化や農村資源などを観る眼が広がる。 栽培から加工までの過程の中で個々の特技や感性を発揮することができる。 農業に関するスキルが高まり暮らしや環境・福祉問題へと課題意識が向上していくことができる。 自分の住む地域を理解、再発見し、ものの見方や視点を培うことができる。 実験・実習の過程の中、自らの意欲、態度、姿勢などについて振り返り学習ができる。 農業高校の広大な教育環境により人間力が回復し、潜在能力が顕在化する。 学校農場は交流体験やふれ合いの場となり、地域に開かれた教育が実践できる。 プロジェクト学習や植物保護、地域食文化などは交流体験活動に活用することができる。 農業体験は生きる力(生き抜く力)を身につけるために最も相応しい学習である。 食農教育や環境教育、自然体験学習など地域文化の発見学習、ふるさと教育として期待できる。 実習を通して自己を見つめ直しながら専門教育の学習を深化・発展させることができる。 農業高校は特色ある学校づくりの一環として学校の活性化に結びつくものがたくさんある。 農業高校は学校農業クラブ活動を通して専門性を高めることができる。 農業高校は生徒の要望に応えることが出来る体制が整っている。 農業教育は未来を切り開く力がある。 農業教育は学習成果が心身の形成に結びつく。 農業教育は国益そのものである。 農業教育を通して食の安全を考えることができる。 農業教育は無から生を直接学び体感できる。 農業教育では命と直接やり取りする教育ができる。 生きるための技を学び、あらゆる知識と知恵が身に付く。 生産を通して身につけた知識や技術が生活の中に生かすことができる。 地域と連携を深めることにより身近な社会の中での自分たちの役割を知ることを経験できる。 農業はこれからの時代に欠かせないセラピー(癒し)として重要な役割を担う。 農業はこれから訪れる高齢社会、福祉社会に求められる不可欠な産業になる。 ものづくりを通して豊かな人間性を形成することができる。 農業は実学であってこそ価値があり実験・実習はこのうえない人生の貴重な経験の場となる。 農業は雑学の大家である。 農高生が真の農業の良さを理解できるのは人生後半になってからかもしれない。 農業は自分で創意工夫ができる本当にやりがいのある生業(なりわい)である。 農業が大好きな生徒は在学中に迷うことが多く、 方向性を示してやればいずれは農業に戻ってくる ことがある。 日本農業は農業大国に対抗することが厳しいが、 日本の得意分野で力を発揮すれば発展することが できる。 現実(自然)の厳しさを知ることができる。 学習過程や成果の中で人を喜ばせることができる。 興味あることについて自ら考え調べ、製造や実験で検証して理解を深めることができる。 歴史と伝統のある農業高校が多く、地域の理解者、支援者が多い。 21 世紀は農業・農業教育の時代 地球規模で食料問題、環境問題が深刻になっている。農業は自然との調和を重視してきた産業であ るが、日本では経済至上主義から農業を主体とする第一次就業人口が年々減少し、穀物自給率は先進 国最低となってしまった。 一方、高学歴社会の中で人間教育に歪みが産まれ、教育の在り方そのものが問われている。 そのため、農業や農業教育が見直されている。 農業の価値 1 2 3 4 5 6 7 食料を生産することで人間は生きていくことができる。 安全な食料を安定的に供給することで人間は幸せな生活を送ることができる。 農産物を貯蔵・加工し、流通することで人間は毎日食べることができる。 緑地環境の維持や国土保全をすることで人間は生活を約束できる。 森林を守り、木を育て、木材を加工することで人間は快適な生活を送ることができる。 社会的・文化的機能があることで人間は発展できる。 農業があるからこそ国家社会は安定・発展することができる。 「農業」の教育力 1 人間らしい感性やものの考え方が育ち、調和のとれた行動が身に付く。 2 農作業を通して辛抱強く努力し、誠実に忍耐を重ねることができる。 3 勤勉さや勤労観が身につく。 4 主体的に自然と関わることができる。 5 作物や家畜を育て探求することによって、心の奥底にある学習意欲を呼び覚ますことができ、学 習したという実感をもつようになる。 6 作物や家畜を育て見つめていると、感動や喜びが生まれる。 7 実験・実習を通して、他者との関係が育まれ、連帯心を作っていける。 8 人間の能力を回復し、逆境を克服する精神や献身、奉仕の喜びを作り上げることができる。 第3次産業が発展し、ものを作らないで価値を作っていることの多い現代、本当の価値を生み出 す基本はものを作ることであり、その原点は農業にある。それを教えるのが農業教育である。
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