(仮称)旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業を,民間

(仮称)旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業を,民間資金等の活用によ
る公共施設等の整備等の促進に関する法律第7条の規定に基づき,特定事業として選定し
たので,同法第11条第1項の規定により,客観的な評価の結果を公表します。
平成28年12月26日
法務大臣
金田 勝年
(仮称)旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業
特定事業の選定について
1
事業名称
(仮称)旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業(以下「本事業」とい
う。)
2
公共施設の管理者の名称
法務大臣 金田 勝年
3
事業方式
本事業は,民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成1
1年法律第117号)(以下「PFI法」という。)第16条の規定により,同法第8
条第1項の規定により選定された事業者(以下単に「事業者」という。)に,公共施設
等運営権を設定し,独立採算により旧奈良監獄(以下「本施設」という。)の耐震改修
を行うとともに,旧奈良監獄の保存,史料館の維持管理及び運営を行うものである。
本施設が文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項の規定により重
要文化財に指定された後,国は,事業者を同法第172条第1項に基づく管理団体に指
定する予定である。
4 事業の内容
(1)改修業務
事業者は,重要文化財に指定された本施設について,「別紙2 文化財建造物等の
地震時における安全性確保に関する指針」,「別紙3 重要文化財(建造物)耐震診
断指針」に準拠し,耐震改修を行うとともに,本施設の公開活用に資する設備の整備
(これに代わる機能の提供を含む。)を行う。
(2)史料館運営業務
① 維持管理業務
ア 建築物及び付帯設備の維持管理業務(保守,点検及び清掃を含む。)
イ 外構の維持管理業務(保守,点検,清掃及び植栽管理を含む。)
② 運営業務
ア 史料整理・保存業務
イ 広報,展示,案内業務
ウ 施設利便性向上業務
③ 付帯事業
事業者は,史料展示業務として直接利用しない部分(土地を含む。)を活用し,文
化財の保存に支障がない範囲で,本事業以外の事業(以下「付帯事業」という。)の
提案を行うことができる。
なお,土地の活用(建物の建築等を含む。)に当たっては,「別紙1 公共施設等
運営事業の対象施設」に掲げる施設以外の施設については,撤去することが可能であ
る。
5
事業期間
本事業の事業期間は,実施契約を締結した日から,平成62年3月末日までとする。
また,事業者が,国に対して,運営事業終了日の5年前の応当日までに期間延長を希
望する旨の届出を行った場合は,30年以内であって事業者が希望する期間について,
事業期間を延長することができる。
6
本事業における利用料金の設定及び収受
事業者は,文化財保護法第172条第5項において準用する同法第47条の2第3項
の規定により,本施設の観覧料を自らの収入として収受することができる。
7
本事業における費用負担
事業者は,実施契約に特段の定めがある場合を除き,本事業の実施に係る全ての費用
を負担するものとする。
なお,事業者が管理団体として実施する本施設の管理又は修理(耐震改修を含む。)
は,文化財保護法第172条第5項において準用する同法第35条第1項の規定により,
国庫補助の対象となる。
8 公共施設等の立地条件及び規模
(1)立地条件
地名地番
奈良県奈良市般若寺町18番地
敷地面積
106,299.62㎡
用途地域等
第2種住居地域・第5種高度地区
一部 第2種風致地区・歴史的風土保存区域
建ぺい率
60%
容積率
200%
最高高さ
15m
一部30%
一部10m
(2)施設の概要
(仮称)旧奈良監獄を構成する各施設の概要は,別紙1に示すとおりである。
9
PFI事業として実施することの定量的評価
本事業は,次のような点から定量的評価を行うことが困難である。
① 史料館としての運営実績がないことに加え,事業者が重要文化財の管理団体として
観覧料を自由に設定,収受できることに鑑み,本事業に係るリスクは,実施契約等に
特段の定めがない限り,原則として事業者が負うものとされていること
② 募集要項等の公表後に競争的対話を通じて要求水準等が調整される可能性があると
ともに,文化財の価値を損なわない耐震改修方法等については,提案により大きく異
なること
このため,「公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドライン」(平
成25年6月6日 内閣府民間資金等活用事業推進室)に従って,定量的評価は優先交
渉権者選定時に行うこととする。
10
PFI事業として実施することの定性的評価
本事業をPFI事業として実施する場合には,次のような効果が期待される。
(1)効率的な事業運営の実現
PFI事業として,競争性,透明性の高い事業者選定を行うとともに,実施契約に
基づき適切にリスク分担を図ることで,旧奈良監獄の保存及び史料館の運営について
効率的な実施が期待できる。
(2)良質なサービス等の提供
PFI事業として,国のモニタリングによって安全性・公共性を担保しつつ,事業
者が有する専門的な知識や技術を最大限に利用することにより,(仮称)旧奈良監獄
の文化財としての適切な保存を図ることができるほか,その価値を活かした史料館運
営や付帯事業を実施することにより,広報活動を充実することのみならず,地域の観
光資源としての有効活用を図ること等が期待できる。
(3)長期,継続的な事業運営の実現
PFI事業として,実施契約に基づき,30年間(最長で60年間)の長期・継続
的な事業運営を認めることにより,安定的な事業運営が可能となる。
11
PFI事業として実施することの総合評価
本事業をPFI法に基づく公共施設等運営事業として実施することにより,定性的
評価に示した様々な効果を期待できる。したがって,本事業をPFI事業として実施
することが適当であると認められるため,PFI法第7条の規定に基づき,特定事業
を選定する。