畑屋 武志 - 東北教区被災者支援センター・エマオ

別の道を通って…
畑屋 武志
今回の台湾リトリートを通して、台湾基督長老教会総会(PCT)につながる多くの姉兄
が、東日本大震災発災の痛みを、ご自分のこととして重く受け止めてくださっていること。
そして、被災者支援センター・エマオにワークに来てくださった 268 名のワーカーさんは、
ご家族やつながる教会から、お祈りによって送り出されたことを痛感しました。
第 1 アドベント主日をはさむ 1 週間の恵みの時、私たちを受け入れるために多くの時間
と労苦を割いてくださったこと、心から感謝いたします。
2 日目、わがままを言って自由行動にさせていただき、228 和平公園内にある 228 記念館
と台湾博物館に行きました。
228 記念館には、衝撃的なイラストや写真が多く、筆舌しがたいものがありました。展示
を見て、228 事件が何なのか、さらに分からなくなってしまいました。これから、見識を深
めたいと思います。
台湾博物館では、原住民の歴史、生活の紹介の展示が心に残りました。
台湾博物館は、国立の施設だそうです。ここで、原住民の歴史、生活の紹介がなされて
いることに大きな衝撃を受けました。展示をしているということは、ことばが適切ではな
いと思いますが、存在を認めていると感じました。日本には、日本が単一民族国家(逆の
言い方をすると、少数民族はいない)という風潮があります。それによって、傷ついてい
る人が多いと聞いています。日本は、大いに学ばなければいけないと思いました。
この体験が、5 日目の「PCT Aboriginal Community Development Center」の訪問で伺
った活動紹介を豊かなものにしてくれたように感じます。
クリスマスシーズンに読まれる聖書箇所のひとつに、『三人の博士の物語』があります。
ここに登場する三人の博士は、はるばる旅を続け、生まれたばかりの赤ちゃんイエスに
出会い、
「別の道」を通って、自分たちの国へ帰っていきました。
手元にある英文聖書は、
「別の道」に、another road ということばを充てています。
地理的に別の道と読むことができるでしょう。たしかに私は、羽田から松山に入り、桃
園から仙台に帰るという、行きと帰りは別のルートでした。はじめて取得したパスポート
にも、その記録が残っています。
今一度、
『三人の博士の物語』を読むと、三人の博士と私に共通することが見えてきます。
それは、忘れられない出会いがあり、周りの、世の中の見方が変わったということです。
ものの見方=road とすれば、私も「別の道」を歩み始めたと言えるのではないでしょ
うか?
三人の博士が自分たちの国へ帰ってから何をしたのか? 聖書には書かれていません。
きっと、神さまが導くように歩んでいったのだと思います。
2017 年 3 月をもって、私は、東北教区被災者支援センター・エマオの働きから離れます。
神さまに導かれるまま、示された「別の道」を歩んでいきたいと思います。