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優秀すぎる弟をもったお兄ちゃんの話
白井健三の兄と呼ばれて・・・
フジテレビ『白井兄弟、体操家族物語』より
2015 年 10 月 18 日(日)
昔から三本の矢に例えられるように、きょうだいの仲が良いことは親の願いでもあり、美徳とされてきました。
しかしその一方で昔から、きょうだい間による事件やトラブルが絶えないのも事実です。
今年10月、イギリスで開かれていた体操の世界選手権の男子団体で、日本が37年ぶりとなる金メダルを獲得
保健室でも、きょうだいをめぐる問題・・・優秀なきょうだい・問題を抱えたきょうだい・病気のあるきょうだい・年が
しました。個人総合では内村航平選手が金メダルを獲得。白井健三選手が、19歳という若さで床の種目別決
離れたきょうだい・新しくできたきょうだい、親の態度の違いなど、いろんな話を聞くことがあります。
勝で金メダルを獲得しました。白井健三選手には、自分の名前がついた新しい技が2つもあり、技の完成度の
もちろんそこには自分では解決できない大きな問題が隠れていることが多いです。
高さからも世界に注目される選手となっています。
しかし中には、本人の勘違いや思い込みだったり、少しの努力や働きかけで改善しそうなのに最初からあきら
めて、親やきょうだい、現実と向き合おうとしないために、解決しないままになっているものもあります。
そんな健三選手は、名前からわかるとおり3番目の男の子・・・兄が2人にいますが、10月
18日に放送された「白井兄弟、体操家族物語」では二男の晃二郎に焦点を当てていました。
今年4月、日体大の1年生として入学してきた健三はすでに世界的に有名な選手でしたが、4年生にいた晃
最初に話した白井健三の兄、晃二郎は、体操を現役で続けていくのは無理であるという現実から逃げ、
体操のコーチでもある父と向き合うことから逃げ続けていました。
二郎は、体操部の下のランクにいました。健三は大学の体操部の寮、主力選手ではない晃二郎はそこに入れ
しかし母から「お父さんと向き合うしかないよ」と背中を押され、6月の大学内の「体操競技部の部長杯」で
ず、他の生徒と同じ学生寮に住んでいました。
自己ベスト記録を出したことで、ついに父と話す決意をします。
晃二郎はいろいろな思いがあって一時は体操に身が入らずにいましたが、弟健三が高校生の時に世界選手
晃二郎はずっと、父からは期待されていないと感じているように見えました。
権で金メダルをとったことをきっかけにもう一度体操をがんばろう、大学を卒業しても現役でがんばっていきた
できのいい兄、世界的に有名な弟に比べて、父の願うような結果を出せない自分は、
い!そう目標を決めて必死に努力していました。
父から愛されていないように思っているようでした。しかし・・・
しかし4年生の 4 月行われた全日本種目別選手権大会ではゆかで 121 位。
実は父は晃二郎に、自分が作り育ててきた一番大切な体操のジムを継いでほしいと願っていたのです。
5月には、同じ日に長男勝太郎と三男健三はコーチでもある父が見守る中で
しかもそれは、思うように努力が実らず悩み苦しんでいた晃二郎だからこそ、
NHK杯に出場している一方、晃二郎は地方の国体の予選に出場し、国体出場
人の痛みがわかる晃二郎だからこそ、任せたいと思っていたのです。
をめざしていましたが、ビデオを回して見守っていた母さえ思わず「ああ・・・」と声をあげてしまうほどのミスの多
父に勇気を出して向き合い、自分の気持ちを語り、父の思いを知った
い演技でした。
晃二郎は、体操教室のコーチを始めます。
優秀な兄弟のかげで、なんとか体操を続けたいと必死にもがくものの結果が出せず、進路に苦しむ晃二郎・・・
そこには最初の頃の暗く、劣等感に苦しんでいた彼ではなく、
彼に対して厳しいアドバイスをする父・・・それに対して何も言えない晃二郎・・・
子供たちの中で笑顔を見せ生き生きとしている姿がありました。
「あの子はすごく自分を卑下する気持ちが強い・・・そうやって育ててしまったのは
自分なので最後まで責任をとらなくてはいけないと思う」と見守る母・・・
そういえば、先ほど書いた浅田舞さんもこう言っています。「勝てぬなら、迷わず行けよ。別の道」
歴然とした実力の差をもつ子どもを抱えた両親と、優秀な弟を持つお兄ちゃんの苦
そして今舞さんがテレビで生き生きと活躍している一方、真央選手はアスリートとして苦しんでいます。
しみが画面から伝わってきて、私は目を離すことができませんでした。
きょうだいは全く違う人間で、得意なこと不得意なこと、好きなこと嫌いなことが違っていてあたりまえです。
今回もし晃二郎が、お父さんに嫌われる、言っても無駄だと向き合うことをしないで逃げ続けていたら、あの笑
もちろん優秀なお兄ちゃんやお姉ちゃんを持つことも苦しいことでしょう。でも以前フィギアスケート浅田 真
顔はなかったかもしれません。
央選手の姉である舞さんが「しくじり先生」という番組で「周りから、お姉ちゃんもがんばらないとねと声をかけら
もちろん向き合ったからと言って、自分の望む結果が得られるとは限りません。
れて妹に対する劣等感が大きくなり、親からは舞の教育は失敗だったと言われ、グレて髪を染めて夜の街を徘
しかしそのときには、浅田舞さんのように、開き直って、自分らしく生きる道や、適度な距離をとって付き合って
徊していたら、親から縁を切ると言われた。妹との仲は最悪だった」と語っていたように、先に生まれた兄や姉と
いく方法を探していくのも一つの選択肢です。
してのプライドがある分、優秀な妹や弟を持つほうがしんどいのではないかと考えてしまいました。
きょうだいや親子の関係を直接変えることはできなくても、よりよい付き合い方を一緒に考えていくことはできる
ただ晃二郎の父も母も、決して彼を見捨てていたわけでもあきらめていたわけでもありませんでした。
ので、もし今きょうだいや家族のことで悩んでいる人がいたら、とりあえず保健室で話してみませんか?
また弟健三も、「体操のレベルが僕の方が上だから見下しているなんて事も言われますけど、ずっと見てきたお
今すぐには無理でも、浅田舞さんのように悩み苦しんだ結果、
兄ちゃんだから見本にもしてきたし、体操の競技レベルは兄弟関係の外の話なんですよね、僕の中では」と、普
「自分は自分。私と同じように悩んでいる人には、自分は自分だよという言葉を掛けてあげたい」
通の兄弟関係であることを語っています。
といつか言えるようなお手伝いが出来ればいいなと思っています。