M&Aの成否を左右する 特集 デューデリジェンス 諸事情を考慮のうえ、決定されるも 会社に帰属するあらゆる権利義務が 場合や一定の事由に基づく場合には 当該許認可等の取直しが必要になる キャッシュ・アウトは生 じ ないものの、 場合には、現金対価の場合と異なり、 そのため、DDの結果、M&A取 そのため、このようなスキームを採 承継対象となるわけではない。 引の実行後に想定している対象事業 そのため、許認可事業の遂行主体 用 す る場 合には、M&A取 引の後に のであるが、M&A取引のスキーム の遂行に不都合のある契約や不要な の変更を伴う場合には、許認可等の 自 社の株 主 となることが想 定される て、M&A取引に係る最終契約にお ることについて問題があると思われる その結 果、 仮に、 自 社の株 主 とな M&A取 引の結 果、 自 社の資 本 構 成 に応じて、たとえば、以下の事項の 権 利 義 務 等 に つ い て は、 そ も そ も、 取直しの要否ならびに必要な場合に 対象会社の株主にどのような者がいる いて、当該手続等への協力を相手方 者がいるよう な 場 合には、 必 要に応 対 象 会 社の資 本 構 成の整 理に向 けた じて、M&A取 引の実 行に先 立って、 に義務づけることが考えられる。 当該許認可等の承継が可能な場合が ように、DDの検出事項の取扱いな 承継対象に含めずに、カーブアウト おける取直しの可否、取直しに要す のか ( 競 合 他 社や特 殊 株 主の有 無 等 ) (注1) 承継に関する法令上の定めがないために許認可等の取直しが必要な場合であっても、 所轄 官庁による取扱いとして、合併、会社分割または事業譲渡等といった一定の事由に基づき許 認可事業を承継した場合には許認可等の取得手続が簡便になる場合等もあるが、最終的に は、 具体的に手続を実施する所轄官庁に確認するべきである。 (注2) 具体的に承継が可能となる事由については、許認可等によって異なるため、根拠法令の確 認をする際には留意されたい。 また、かかる場合には、許認可等の承継に伴って所轄官庁への 届出等の一定の手続が必要になる場合も多い。 に影響が生じることとなる。 どに対する考え方も異なってくるた (承継対象から除外)する方向で相手 る手続の内容および所要期間につい を確認することが重要である。 (図表3) 許認可等の承継の可否等 ある。 め留意する必要がある。 方と交渉するといった取扱いも考え て 確 認 す る と と も に、 必 要 に 応 じ ⑴ 事業を対象とするM&A 取引のスキームの場合 られる。 会社分割による方法や事業譲渡に よる方法の場合には、対象会社では ⑵ 許認可事業の遂行主体の 変 更を伴うM&A取 引のス キームの場合 M&A取引の結果、対象事業を承 合等、対象会社の営んでいた許認可 は株式移転といった組織再編による方 合併、会社分割、株式交換もしく 取得等) の実施を求めることの可否等 会社による一部の株主からの自己株式 の株 主 か らの株 式の買い集め、 対 象 措置(たとえば、特定の株主による他 事業の遂行主体の変更を伴う場合に 法が主に想 定されるが、自 らの発 行 の検討が必要になる場合もあろう。 ⑶ 株式を対価とするM&A 取引のスキームの場合 は、新たに許認可事業を承継した会 する株 式 をM&A取 引の対 価 と する 継する場合や対象会社が消滅する場 社において、図表3に記載のように、 株式の帰属、役員退職慰労金の支給等 検出事項別にみる 対応のポイント およびその考え方については、第2章 DDの検出事項への対応方法の概要 ては、 比 較 的 見 受 け られるDDの主 に記載のとおりであるが、以下におい について説明したい。 な検出事項を取り上げて、対応方法 経理情報●2017.1.1(No.1467) 17 第3章 なく、対象会社の営む特定の対象事 概 要 具体例 取直しが 建設業許可 必要な場 許認可等の承継に関する法令上の 労働者派遣業許可 定めがないもの(注1) 合 貸金業登録 等 合併、会社分割または事業譲渡と 食品衛生法に基づく営業許可 承継が可 いった一定の事由に基づき許認可 製造たばこ小売販売業許可 事業を承継した場合には当該許認 能な場合 可等の取得者の地位を承継する旨 倉庫業登録 が法令上定められているもの(注2) クリーニング所の開設届出 等 業の承継が主な目的であって、対象 DDの検出事項にはこう対応する
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