特集 実務のギモンが氷解 期ズレ子会社の決算日後の減損損失は連結計上? 後発事象、 期ズレ決算との 関係 武澤 玲子 う こ と に な る。 一 方、 決 算 日 現 在、 減損の兆候がない場合には、決算日 後の意思決定は開示後発事象である と考えられる。 なお、当 初は決 算日 現 在で減 損の 兆 候 が ないと 判 断 さ れた 場 合で も、 決 算日 後に行われた意 思 決 定に伴っ て多 額の売 却 損が生じることが明 ら かな 場 合には、結 果 として投 資の回 る金額で固定資産を売却する意思決 兆候の判断について、より慎重な対応 ま うことから、決 算日 現 在の減 損の 収ができないことが明らかとなってし 降の財務諸表に影響を及ぼす会計 定をした場合、減損の要否は具体的 新日本有限責任監査法人 公認会計士 事象 決算日後に重要な修正後発事象が ある。 決 算日 後において、対 象 とな が求められる。 判断にあたっては、決 後発事象とは、決算日後に発生した 発 生 した場 合は財 務 諸 表 を 修 正 し、 決算日後の意思決定となった要因 る資 産 または資 産グループの収 益 性 にどのように検討すべきか。 会社の財政状態、経営成績およびキャッ 重要な開示後発事象が発生した場合 が何であったかを慎重に検討し、決 を低下させるような経営環境の変化 概 要 シュ・フローの状況に影響を及ぼす会計 は後発事象の注記を行うこととなる。 算日時点で減損の兆候があったか否 があったことにより、決算日後の意思 であったかを 慎 重に検 討 する必 要が 算日 後の意 思 決 定 となった要 因が何 事象をいう、と定められている (後発事 決算日後に固定資産の売却や用途停 かに基づき判断することになる。 却された場合、当該事象を修正後発 合には、決算日現在においてすでに 決算日現在、減損の兆候がある場 がないにもかかわら ず、 決 算日 後に 決 算日の前 後で何ら経 営 環 境の変 化 事 象であると も 考 え られる。 一 方、 A1 象取扱い ⑷) 。 後発事象は、修正後 止など、減損に関係 する意思決定が ・ 修 正 後 発 事 象: 決 算 日 後 に 発 生 し 事 象として減 損 損 失 を 計 上 すべきか 存在している減損の兆候という事実 決 定 と なったので あ れば、 開 示 後 発 た会計事象ではあるがその実質的な 否かが問題となる。この点については、 行われた場 合、または固 定 資 産が売 原因が決算日現在においてすでに存 り、単に決 算日後の取 締 役 会で当 該 意 思 決 定されたのであれば、事 実 上 りをするうえで、追加的、ないしよ 決定が承認された可能性もある。 取 に対し、決算日後の売却決定は、割 り客観的な証拠が提供されたことに 締役会で売却や用途廃止の方針が否 決 算日現 在、減 損の兆 候があるか否 なるため、決算日現在の割引前将来 決 される可 能 性 が あったのか 等 も 考 在しており、決算日現在の状況に関 キャッシュ・フローの見積りを、売 慮し、慎重に判断する必要がある。 の意 思 決 定は決 算日現 在 行われてお 却を前提とした見積りに修正し、減 引前将来キャッシュ・フローの見積 決算日時点の減損 の兆候の有無 Q1 また、資産または資産グループに かを判断基準に検討することになる。 するうえで、追加的ないしより客観 的な証拠を提供するものとして考慮 しなければならない会計事象 ・開示後発事象:決算日後において発 生し、当該事業年度の財務諸表には 決算日後に帳簿価額を大幅に下回 損損失を認識するか否かの判定を行 連する会計上の判断ないし見積りを 発事象と開示後発事象に分類される。 2 影響を及ぼさないが、翌事業年度以 経理情報●2017.2.1(No.1469) 25 Ⅳ 減損会計の重要論点Q&A
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