胎内市の橋を長持ちさせる計画 橋梁長寿命化修繕計画 1. 長寿命化修繕計画の背景・目的 背景・目的 胎内市は、平成 25 年度現在で 309 橋の道路橋を管理しています。架設年が判明している 114 橋 では羽越豪雨後の 1960 年代後半および 1970 年代に建設した橋梁が多く、現在 50 年以上経過した 高齢化橋梁は 11%ですが、10 年後に 62%、20 年後には 69%となり橋梁の高齢化が急速に進行し ます。 このような背景を踏まえ、今から計画的な維持補修をしていかないと、大規模な補修や架け替え の費用が増大し、今後の財政への大きな負担になることが懸念されます。 胎内市の長寿命化修繕計画は、管理する橋梁について定期的な点検を継続して行い、橋梁の健全 性を確実に把握するとともに、点検の結果を踏まえて損傷が小さい時点から適切に補修を行うこと により、橋梁を長く大切に保全するとともに維持管理のコスト縮減を図り、道路利用のサービスを 提供することを目的に策定します。 【平成35年度】 【平成25年度】 50年 未満, 101橋, 89% 50年 未満, 43橋, 38% 50年 以上, 13橋, 11% 【平成45年度】 50年 未満, 35橋, 31% 50年 以上, 71橋, 62% 架設年別橋梁数 50年 以上, 79橋, 69% 既知:114橋、不明:191橋 50 高度経済成長期 45 1 40 その他 35 石橋 18 30 橋 梁 数 木橋 混合橋 25 BOX 6 20 15 17 10 10 1 5 5 RC橋 2 2 PC橋 鋼橋 8 5 5 5 5 8 4 1 0 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 6 1 1 1 1 1 1990年代 2000年代 2010年代 2.胎内市の橋梁の現状 的 的 橋梁の現況 胎内市の管理する橋梁数は 309 橋で、305 橋を対象に修繕計画を策定しました。 305 橋のうち、14.5m以上の橋梁は 44 橋(14%) 、14.5m未満の橋梁は 261 橋(86%)で す。 橋種別に着目すると、鋼橋が 10%(30 橋)、PC 橋が 26%(79 橋)、RC 橋が 45%(137 橋) 、 BOX が 19%(58 橋) 、木橋が 1 橋です。 木橋, 1橋, 0% 鋼橋 14.5 m未 満 64 135 57 1 PC橋 RC橋 4 BOX BOX, 58橋, 19% 鋼橋, 30橋, 10% 混合橋 PC橋, 79橋, 26% 木橋 14.5 m以 上 26 石橋 15 1 その他 2 0 50 100 150 200 250 RC橋, 137橋, 45% 300 鋼橋 コンクリート橋 橋梁には上部工の使用材料が鋼の鋼橋とコンクリートの RC 橋・PC 橋があり ます。また、構造形式が一般的な桁橋と特殊な構造である特殊橋があります。 鋼 橋:鋼で造られた橋 R C 橋:鉄筋コンクリートで造られた橋 P C 橋:PC 鋼材で補強されたコンクリートの橋 特殊橋:トラス橋やアーチ橋、斜張橋や吊橋などの特殊な構造の橋梁 3.橋梁の状態把握 的 的 橋梁点検の実施 橋梁の維持管理の基本は橋梁の健康状態を把握することです。このための点検(状態把握)やパ トロールを胎内市の管理する全ての橋梁に対して定期的に行っていきます。 点検結果から橋梁の損傷状況を7段階で評価(健全度の評価)することにしています。 A B1 B2 C1 C2 C3 良 健 全 度 悪 E 健全度の評価 損傷の例 例えば写真のような損傷が発生した橋梁を計画的に補修していきます。 橋梁点検により、橋梁の健全度を把握し、補修の必要がある橋梁について優先順位を決定して、 計画的に補修を実施していきます。 鋼桁の腐食 鋼桁の腐食 コンクリート床版のひびわれ・遊離石灰 コンクリート桁の剥離・鉄筋露出 4.橋梁長寿命化修繕計画について 従来の致命的な損傷を受けてから補修する「事後保全」から、損傷が小さいうちに適切な補修を 的 的 する「予防保全」に転換することで、より少ない費用で橋梁の長寿命化を図ることができます。 また、架け替えによる道路交通への社会的・経済的な損失の軽減が期待でき、また道路ネットワ ークの安全性・信頼性が確保できます。 事後保全とは・・・ 従来の方法で壊れてから大規模な補修や架替えを実施する方法です。 予防保全とは・・・ 定期的な点検を基に,損傷が小さいうちから計画的に補修を実施する方法です。 橋梁長寿命化修繕計画の流れ 定期的に橋梁の点検を実 施し、損傷状況の把握に 努めます。 点検 (検診) 工事 (治療) 橋梁長寿命化修繕計画に 基づき、計画的に工事(補 修・架替え)を実施します。 橋梁の維持管理に活用す るため、点検,補修等の結 果を記録保管します。 記録 管理 計画 (検査) 定期結果に基づき、損傷 状 況 や優 先 順 位 を 設 定 し、橋梁長寿命化修繕計 画を策定します。 5.橋梁長寿命化修繕計画による効果 安全性・信頼性の確保 橋の損傷や状態を継続的に把握し、適切な対応をするこ 的 的 とで道路ネットワークの安全性・信頼性を確実に確保でき ます。 コスト縮減の実現 状 従来の「事後保全」の管理から「予防保全」での管理の 導入によりコスト縮減が期待できます。 態 平準化の効果 短期的な観点と中長期的な観点の双方を考慮して対策 の優先性を判断することにより、限られた予算を有効活用 できるとともに予算の平準化が図れます。 劣化曲線 経過年数 補 修 更 新 費 用 効率的な維持管理 シナリオ② シナリオ③ シナリオ① LCC最小 経過年数 橋梁ごとの道路ネットワーク機能、利用条件、環境条件 等の重要度、および現在の健全度を総合的に判断したうえ で計画を策定することにより、個々の橋梁の特性に合致し た効率的な維持管理が可能となります。 6.今後の方針 策定した計画に基づき、適切に橋梁の状態把握と修繕を行うことにより道路ネットワークの安全 性・信頼性を確保するとともに橋梁の長寿命化とコスト縮減に努めます。 的 的 7.意見聴取した学識者 この計画は学識経験者の方々からの助言をいただき策定しました。 的 的 長岡技術科学大学 長岡技術科学大学 新潟大学 丸山 久一 教授 長井 正嗣 名誉教授 佐伯 竜彦 准教授 8.計画策定をした部署と連絡先 担当部署 胎内市役所 地域整備課 管理係 TEL 0254-43-6111(内線 1217・1218) 的 的
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