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富 山 、 昭 63不 3 、 平 元 .3.28
決
定
書
申 立 人
総評・全国一般労働組合富山地方本部
被申立人
株式会社リコー
被申立人
石川リコー株式会社
主
文
理
由
本件申立てを却下する。
1
申立ての要旨
(1) 北 陸 リ コ ー 販 売 株 式 会 社( 以 下「 北 陸 リ コ ー 」と い う 。)の 従 業 員 で 組
織 す る 申 立 人 の 北 陸 リ コ ー( 以 下「 支 部 」と い う 。)を 嫌 う 被 申 立 人 株 式
会 社 リ コ ー( 以 下「 リ コ ー 」と い う 。)は 、昭 和 50年 1 月 6 日 、北 陸 リ コ
ー金沢支店を廃止登記し、被申立人石川リコー株式会社(以下「石川リ
コ ー 」と い う 。)の 前 身 会 社 を 設 立 し た 。ま た 、同 月 28日 に は 北 陸 リ コ ー
の 商 号 を ホ ク ヨ ー 商 事 株 式 会 社( 以 下「 ホ ク ヨ ー 商 事 」と い う 。)と 変 更
させ、同年4月2日には経営難を口実に事業所を閉鎖するとともに支部
組 合 員 を 全 員 解 雇 し 、 同 年 12月 23日 に 清 算 結 了 し た 。
この北陸リコー金沢支店の廃止及びホクヨー商事の倒産は、リコーが
その経済上、労働関係上の支配的地位を利用して組合組織を壊滅させよ
うとした偽装倒産である。
(2) 以 降 申 立 人 は 、 支 部 組 合 員 の 雇 用 の 承 継 を 求 め て 幾 度 と な く 団 体 交 渉
を申し入れてきたが、リコーらはこれに応じなかった。
ホクヨー商事の清算人が実質的な団体交渉の当事者となり得ない状況
下では、リコーは親会社、支配企業として、また、石川リコーは北陸リ
コーの存続会社であるから当然団体交渉に応ずべきであって、この被申
立人らの団体交渉拒否は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働
行為である。
2
当委員会の判断
(1) 不 当 労 働 行 為 の 救 済 申 立 て を す る に は 、 労 働 組 合 法 第 7 条 に い う 使 用
者を相手方とする必要があるが、当委員会は、既に、被申立人リコーが
申 立 人 支 部 組 合 員 の 使 用 者 に 当 た る か ど う か と い う 点( 以 下「 使 用 者 性 」
と い う 。)に 関 し 、申 立 人 が 被 申 立 人 リ コ ー 及 び 本 件 申 立 外 ホ ク ヨ ー 商 事
を相手方として同社らの使用者性を前提に解雇の取消し、賃料相当額の
支 払 い 、 雇 用 の 承 継 等 を 求 め た 富 地 労 委 昭 和 50年 ( 不 ) 第 1 号 ホ ク ヨ ー
商 事 不 当 労 働 行 為 救 済 申 立 事 件( 以 下「 ホ ク ヨ ー 商 事 事 件 」と い う 。)に
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お い て 、 十 分 な 審 査 を 尽 く し た う え 、 昭 和 51年 12月 24日 付 け 決 定 を も っ
て、被申立人リコーに使用者性はないという判断をし、その申立てを却
下している。
名 古 屋 高 等 裁 判 所 金 沢 支 部 に お い て も 、昭 和 61年( ネ )第 117号 雇 用 関
係 存 在 確 認 請 求 控 訴 事 件 の 昭 和 63年 10月 3 日 言 渡 し の 判 決 に お い て 、 ホ
クヨー商事の倒産は偽装とは認められず、また、被申立人リコーと申立
人 支 部 組 合 員 は 雇 用 関 係 に な い 旨 判 示 し 、 同 判 決 は 、 同 月 18日 確 定 し 、
実体的にも被申立人リコーと雇用関係のないことが確定している。
(2) 申 立 人 は 、 本 件 申 立 て に お い て 、 被 申 立 人 リ コ ー が 雇 用 の 承 継 に つ い
ての団体交渉の申入れに応じないと主張するほか、その前提である使用
者性については、ホクヨー商事事件における主張とほぼ同一の主張をす
るばかりであって、被申立人リコーの使用者性を認めるに足る特別の主
張もせず、前記決定及びその理由と相反する法律関係又は事実関係の主
張を繰り返しているにすぎない。
したがって、本件申立ては、少なくとも被申立人リコーの使用者性に
ついてはホクヨー商事事件を蒸し返した同一事件であると認めざるをえ
ない。
(3) 申 立 人 は 石 川 リ コ ー を 被 申 立 人 と し て い る が 、 同 社 は 、 ホ ク ヨ ー 商 事
の倒産前から存在していた別法人の後身会社であって、申立人支部組合
員らの雇用を承継する立場にないことは明白である。
(4) よ っ て 、 当 委 員 会 は 、 被 申 立 人 ら に 使 用 者 性 は な い も の と 判 断 し 、 労
働 委 員 会 規 則 第 34条 の 規 定 に よ り 主 文 の と お り 決 定 す る 。
平 成 元 年 3 月 28日
富山県地方労働委員会
会長
吉原節夫
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