<背景・目的> ○滋賀県では、高度経済成長期および琵琶湖総合開発事業により集中的に橋梁を建設してきま 建設から50年が経過した橋梁の割合 した。更新時期を迎える近い将来には、更新費用が財政を圧迫する懸念があります。 (橋長 15m 未満・桁形式) ○これまで、橋長 15m 以上の橋長を対象に、長寿命化修繕計画を平成 23 年度に策定しまし た。これは、損傷が大きくなってから対策を行う「事後保全」から、損傷が大きくなる前に 50年 未満 14% きめ細やかな修繕を繰り返す「予防保全」の考え方を取り入れたもので、適切な時期に対策 を行うことで、維持管理に係る経費の縮減と平準化に努めています。 50年 以上 46% 50年 未満 54% ○一方、橋長 15m 未満(桁形式)の橋梁 1,280 橋(平成 28 年3月現在)については、平成 27 年度時点ですでに約半数もの橋梁が建設から 50 年を経過しています。20 年後にはこ 50年 以上 86% の割合が8割を超えることとなり、今後増大が見込まれる更新・修繕の費用に対し、可能な 限りの経費縮減へ取り組む必要があります。 2015 年度 (46%) ○こうした背景から、橋長 15m 未満(桁形式)の橋梁を対象とした長寿命化修繕計画を策定し、 計画的な予防保全を行い、長寿命化を図ります。 2035 年度 (86%) 基準日:平成 28 年 3 月 <定期点検の実施> <インフラ長寿命化基本計画> ○橋長15m未満・桁形式の橋梁については、平成25年度より近接目視による定期点検 ○平成 25 年 11 月、インフラ老朽化対策の推進に関する 関係省庁連絡会議において「インフラ長寿命化基本計画」 を実施しており、これまで約1,250橋について完了しています。 が取りまとめられ、全ての施設管理者(国および自治体 ○適用基準 「滋賀県橋梁詳細点検要領(平成19年3月)滋賀県土木交通部道路課」 レベルで全分野)で、「インフラ長寿命化計画」と、「個 「橋梁定期点検要領(平成26年6月)国土交通省道路局国道・防災課」 別施設毎の長寿命化計画」を策定することが要請されま した。 ○なお、定期点検は、平成26年度の道路法施行規則 ○本計画は、個別施設毎の長寿命化計画に対応します。 一部改正により義務化されたことから、5年に一度 近接目視による定期点検を継続的に行い、点検・診 断の結果を適切に集積し、修繕・更新へ反映させる インフラ長寿命化計画(行動計画) 【策定主体:各インフラを管理・所管する者】 インフラ長 寿 命 化 基 本 計 画 ことで、「メンテナンスサイクル」を確立します。 <計画策定の考え方> ○対象橋梁1,280橋について、橋梁下の利用状況や緊急輸送道路の該当の有無などの 個別施設毎の長寿命化計画(個別施設計画) 【策定主体:各インフラの管理者】 【策 定 主 体 :国 】 「重要度」と、点検結果による「損傷度」を加味して優先度を決定します。 ○予防保全的な維持管理シナリオにより算出された総事業量について、年度ごとの平 準化を図り、対策時期を決定します。 ○新たな考え方として、架替え可能な小規模橋梁については、予防保全型の維持管理 行動計画において 具体化した取組を推進 行動計画において策定 することとした施設 メンテナンスサイクル 点検 により補修を繰り返して延命するより、ボックスカルバートへ更新する方がライフ サイクルコスト及び対策後の維持管理性に優れているため、ボックスカルバートへ 診断 橋梁長寿命化修繕計画 個別施設計画を核とした メンテナンスサイクルの実施 措置 記録 の更新を前提とした考え方を取り入れています。 <計画(橋長 15m 未満・桁形式)による効果> 事後保全 ○滋賀県は、橋長15m未満・桁形式の橋梁について、本計画に基づ 予防保全 事後保全累計 予防保全累計 140 き、平成28年度より予防保全の考え方を取り入れた計画的な修 350 120 300 繕に着手します。 50 年間で約6割 維持管理費(億円) 時期に修繕工事等を講じ ることによって、今後50 年間で307億円→127億 円(▲180億円)となり、 約6割のコスト縮減が見 250 コスト縮減 80 200 60 150 40 100 20 50 累積維持管理費(億円) 100 ○本計画に基づいて適切な 込まれます。 桁形式の橋梁 0 2016~2025 2026~2035 2036~2045 2046~2055 2056~2065 0 年度 <今後の方針> <意見聴取した学識経験者> ○滋賀県では、上記に示すメンテナンスサイクルを構築し、県民の皆さんの安全・安心を 確保するとともに、修繕・架替に要する費用の縮減に努めていきます。 ○本計画は、平成28年3月段階のものであり、今後も原則5年に一度の見直し、および定 期点検結果に伴い、必要に応じ更新していきます。 計画策定担当部署:滋賀県土木交通部道路課 TEL:077-528-4134 ○本計画は、以下の学識経験者の助言を頂いて作成して おります。 井上 晋 教授 大阪工業大学 工学部 都市デザイン工学科
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