北海道有機農業推進計画 (第3期)素案の概要

北海道有機農業推進計画 (第3期)素案の概要
第Ⅰ章
北海道有機農業推進計画(第3期)について
策定経緯:第2期計画策定からおおむね5年が経過
これまでの取組の検証や有機農業を取り巻く情勢等を踏まえ策定
目
的:環境保全型農業を先導し、消費者ニーズに応える有機農業を、農業の持続的発展を図る上で
必要な農業形態として推進
策定根拠:有機農業推進法第7条
位置付け:「農業・農村振興推進計画」「食の安全・安心基本計画」に定める有機農業推進の考え方に沿
って具体的な展開方向を示す
計画期間:平成29年度~33年度
第Ⅱ章
有機農業をめぐる情勢、現状・課題
【めぐる情勢】
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欧米においては、有機食品市場が拡大傾向
日本でも、国産オーガニック関連市場の発展を目指す産官学連携のネットワークが設立
大手量販店が、有機農産物等を販売する専門量販店設立の動き
2020年に開催されるオリパラ東京大会では、有機農産物の使用も想定
有機JAS農家戸数は、最近は全国的に減少しており、本道でも同様の傾向
【現状・課題】
【生産面】
〔本道有機農業の現状〕
・ 本道の有機農業の作付作物は、大豆、かぼちゃ、たまねぎ、小麦、飼料用作物が多い
・ 道の推計では、本道の有機農家戸数は、平成26年度で726戸で販売農家戸数の1.8%
作付面積は約5,000haで全耕地面積の0.4%
・ このうち有機JAS認定農家は299戸、作付面積は2,502haで、ともに全国第1位
・ 有機JAS農家戸数は、平成23年度の355戸をピークに減少傾向
〔有機農業への参入意向〕
・ 全国農業会議所の調査によると、新規就農希望者の3割が有機農業で就農希望、6割が有機農業に関心
・ 慣行農業者の約半数が、
「条件が整えば有機農業に取り組みたい」との意向
・ 道の調査でも、有機JAS農家のうち農外から就農し有機農業に取り組む方が約4割
慣行農業からの後継者で、先代から引き継いだ後に自分の代から有機農業に取り組む方が約4割
〔課題〕
・ 有機JAS農家から、栽培技術の難しさや、雇用労働力確保の困難さが課題
・ 新たに参入するための課題として、作付体系や収支といった有機農業経営の実情に関する情報が不足
・ 有機農業定着のための課題として、市町村や生産者グループなど地域が一体となったサポートが必要
【消費面】
〔生産者・消費者の意識〕
・ 有機農業により生産される農産物は、8割が「良いイメージ」
・ 「良いイメージ」の内容としては、
「安全・安心」が8割、
「環境に優しい」が6割など(複数回答)
・ 有機JAS農家の約6割が、今後、有機食品市場の規模が拡大していくと認識
〔課題〕
・ 有機JAS農家は、
「ロットを確保できない」や「出荷先の情報がない」など安定した販路の確保が課題
・ 高い価格に見合う価値が十分認識されていないことが課題
・ 有機農産物等を正しく理解している消費者は3割
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第Ⅲ章
基本的な考え方
めざす姿
・有機農業への参入がしやすくなり、経営が安定的に継続
・有機農業に対する消費者の理解が広がり、有機農産物等に対するニーズが拡大
基本方針
・地域の特性や実情に応じて取り組む
・生産者や消費者の意向を踏まえて取り組む
・関係機関と適切に連携して取り組む
目
標
〔生産面〕有機農業の取組面積
現状 5,000ha → 6,500ha(平成33年度)
〔消費面〕有機農業を正確に理解する消費者の割合 現状 30% → 50%(平成33年度)
第Ⅳ章
推進に向けた方策
【生産面】
1 有機農業技術の開発・普及
・ 病害虫に強い品種の開発
・ 緑肥等による地力窒素向上技術や総合的病害虫・雑草管理(IPM)技術の体系化等
・ 農業に由来する環境影響の評価法で地力推移を把握し、緑肥・有機質資源の利活用技術と、有機農業なら
ではの生産環境保全技術の開発
・ 有機農業を行おうとする方への営農指導や情報提供の充実
・ その他、生産者ニーズの把握に努め、道立総合研究機構と連携して、技術の開発や知見の蓄積
2 有機農業への参入・定着の促進
・ 経営指標など有機農業経営に係る実践的な情報を整理し提供
・ 新規参入の有機農業者を市町村や生産者グループなど地域全体で受入れ支える取組を促進
・ 有機農業者等のネットワーク活動の充実を促進
・ 有機農業者等の地域を越えた全道的な交流を促進
・ 講習会の開催などを通して有機JAS認定取得を促進
・ 環境保全型農業直接支払交付金など国の各種支援制度の効果的な活用を促進
3 有機農業を核とした新たな展開
・ 有機農業を移住・定住施策や農村活性化に活かそうとする地域と連携、取組を促進
・ 2020オリパラ東京大会への食材供給に向けた取組を促進
・ 有機農産物等を活用した6次産業化や食育の取組を促進
【消費面】
1 販路の確保
・ 生産地や生産技術など有機農業に関する情報の整理、流通・販売業者への発信
・ 生産者と流通・販売業者のマッチングを促進
・ 量販店と連携した店頭での有機農産物等の販売を促進
2 理解の醸成
・ 道のホームページや啓発資料を活用、有機農業に関する正確な情報や多様な「価値」を分かりやすく発信
・ 小中学校での食育活動と連携し、有機農業に対する児童・生徒の理解促進
・ 有機農産物等のPR販売会・農作業体験などのイベント実施を促進、生産者と消費者の交流を促進
第Ⅴ章
その他必要な対応
○ 適切な進行管理に努める
○ 必要な調査等の実施
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○
庁内の情報共有・連携