化学的酸素要求量,窒素含有量及びりん含有量に係る 総量規制基準(案)について 1 総量規制の概要 総量規制は,工場などの排水に含まれる汚濁物質(化学的酸素要求量(COD),窒素含有量, りん含有量)を,排水の濃度ではなく,排出される量(濃度×排水量)により規制する制度で す。 (根拠規定:水質汚濁防止法第4条の5,水質汚濁防止法施行規則 第1条の5~7) (1)適用工場・事業場 指定地域内に設置された水質汚濁防止法に規定する工場・事業場(特定事業場)のうち, 1 日当りの平均排水量が50m3以上のものが規制の対象になります。 (2)総量規制基準の具体的な算定方法 総量規制基準(L)= 県知事が定める値(C)× 特定排出水量(Q)×10-3 (kg/日) (mg/ℓ) (m3/日) ※ C値は,業種区分ごとに,特定排出水が増加した日により,CODは3種類(Cco, Cci,Ccj),窒素及びりんについては2種類(Cno,Cni 及びCpo,Cpi)に分けて 定めます。 COD Lc =(Ccj・Qcj+Cci・Qci+Cco・Qco)×10-3 窒素含有量 Ln =(Cni・Qni+Cno・Qno)×10-3 りん含有量 Lp =(Cpi・Qpi+Cpo・Qpo)×10-3 表1 Q(特定排出水の量)の時期による区分 時期区分別水量 COD S55.6.30 以前の水量 Qco S55.7.1~H3.6.30に増加した水量 Qci H3.7.1~H14.9.30に増加した水量 H14.10.1以降に増加した水量 Qcj 窒素 りん Qno Qpo Qni Qpi ※ 複数の業種をもつ事業場については,業種ごとに算出したものの合計が,事業場の総 量基準値になります。 2 総量規制基準(案)について (1)基本的な考え方 ア 総量規制基準値は,国が業種等の区分ごとに定める基準値の範囲で,各都府県の実情 等を踏まえて知事が設定することとされています。 イ 大阪湾を除く瀬戸内海については,現在の水質から悪化させないことを目標として, 従来の工場・事業場の排水対策など,各種施策を継続して実施するとの方針を踏まえ, 国が定める基準値の範囲は,第7次のまま(第6次から継続)とし,変更は行われませ んでした。 (2)総量規制基準(案)の作成方法 総量規制基準値については,従来の工場・事業場の排水対策等を継続して実施していく との国の方針を踏まえ,変更しないこととしました。 【水質汚濁防止法に基づく規制基準の運用】 県 ・立入調査等(法第22条) 汚濁負荷量の報告 ・基準超過に対する改善命令等 (法第13条第3項) 事 業 場 ・総量規制基準の遵守義務(法第12条の2) ・汚濁負荷量の測定・記録・保存(法第14条第2項)
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