40歳代男性検察事務官(検察官事務取扱検察事務官) 【職歴(キャリアステップ)】 H 7.4. 横浜地方検察庁採用(総務部記録担当) H 9.4. 交通部(立会事務官) H11.4. 刑事部(立会事務官) ・ ・ H24.4. 特別刑事部(立会事務官) H26.4. 交通部(検察官事務取扱検察事務官) 【志望動機】 自分は,入庁前は,将来法律関係の仕事をしたいと漠然と考えていて,裁判所事務 官の採用も内定していたのですが,民事事件よりも刑事事件に対する興味が強かった こと,そして,刑事事件の捜査については裁判所に入った場合にはできないと思い, 検察庁に入庁しました。 【業務内容】 「検察官事務取扱検察事務官」という一般の方には聞き慣れない職名ですが,これ は,区検察庁の検察官の事務を取り扱うことを法務大臣から命ぜられた検察事務官の けんとり ことです(通称「検取」)。具体的には,区検察庁の検察官の行うべき事件の捜査・ 処理をするので,配点を受けた事件の被疑者や関係者の事情聴取を行ったり,その事 件の起訴・不起訴などの処分を行います。取り扱う事件は,警察から送致された過失 運転致傷事件や道路交通法違反事件などの交通事犯の捜査が多いです。 検察事務官は,本来,検察官を補佐し,また,検察官の指揮を受けて捜査を行うの ですが,検取は,区検察庁の検察官の事務を取り扱うことになります。つまり,検察 官の代わりに職務を行いますので,より主体的に職務を行うことになります。 【仕事のやり甲斐・感想等】 現在は,交通事件を取り扱っていますので,交通法規や判例などを熟知しなければ ならないのは当然ですが,事件を解明するためには何が真実なのかを見極めなければ ならないことから,関係者の供述にきちんと耳を傾けるのはもちろんのこと,客観的 な証拠である防犯カメラやドライブレコーダーの映像の解析や精査をするなどして事 件を処理しています。特に交通事犯は,一般の刑事事件よりも件数が多く,担当の捜 査官が配点を受ける件数も多いので,事件処理のセンスや高い専門性が求められる仕 事だと感じています。 また,扱う事件のほとんどは,警察官が捜査を遂げて検察庁に事件が送致されるの ですが,配点を受けた検察官や私のような検取は,起訴・不起訴の判断を適切に行う に当たって,必要に応じて自らあるいは警察に依頼するなどして補充捜査をしていま す。このようにして適切に事件を処理することは,被疑者・被害者等の権利を守る上 で非常に重要なことですので,責任の重い,やり甲斐のある仕事だと感じています。 ★学生向けメッセージ★彡 一般的に,刑事事件と聞くと,警察や裁判所の方が身近でイメージが強いと思いま す。しかし,実際には起訴・不起訴の判断は捜査を経た上で検察官が行っていますし, 起訴をした場合には公判廷において訴訟の当事者として検察官が関与していること, 刑事裁判による刑の執行指揮は検察官が行っていることなど,検察庁の役割を学生の 方々に是非とも理解していただきたいと思います。 裁判がどういうものかについては,裁判所で傍聴して理解することができると思い ますが,捜査については公開されないことから未知の世界だと思いますので,捜査に 関心のある学生の方々には,是非とも検察官や検察事務官の道を目指してほしいと思 います。そして,検察事務官には,検取のような職務もありますので,関心のある方 は,自分の将来の進路の一つとしていただければと思います。
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