立証責任も明確化する 秘密情報の例外を どのように規定するか 同様に、その利用および開示を制限 する必要はないと考えられる。もっ とも、受領当事者が自ら第三者に開 示・漏えいすることによって公知と なった情報を秘密情報から除外する ことは不当であると考えられること から、秘密情報から除外される情報 を「 自 己 の 責 め に よ ら ず に 」公 知 と ⑷ 開示当事者に対して秘密 保持義務を負わない正当な 権限を有する第三者から何 ら秘密保持義務を負うこと なく適 法かつ正 当に入 手し た情報 なったものに限定している。 受領当事者としては、適法に保有 ⑵ 相手方から提供または開 示を受けた際、すでに公知と なっていた情報 このような情報を秘密情報から除外 しては、当事者間におけるM&A取 していた以上、利用や開示に制限は 買主が売主から開示された情報に 1 (略) 2 前項の定めにかかわらず、次の各号 ては、本契約に定める秘密情報に含ま のいずれか1つに該当する情報につい れないものとする。 ① 相手方から提供又は開示を受け た際、既に自己が適法に保有してい た情報 を提供する売主にとって、格別の不 除外することについても、専ら情報 る。このような情報を秘密情報から 利用を制限する必要はないといえ 要性は低いと考えられる。 には、その利用・開示を制限する必 有者」という)から提供を受けたとき いて保有する第三者(以下、 「情報保 ても、同じ情報を正当な権限に基づ も っ と も、 情 報 保 有 者 が 売 主 に 対 して秘密保持義務を負っている場合 には、情報保有者が買主に開示する 相手方から提供を受けた後に公知 いうのでは、売主が情報保有者に対 三者に開示することが可能になると ことによって、買主において他の第 となった情報についても、前記⑵と ⑶ 相手方から提供または開 示を受けた後、自己の責めに よらずに公知となった情報 利益はないと考えられる。 と考えられる。 したとしても、特段の不利益はない 引の検討過程で開示される情報を広 なかったものであるから、相手方か 実際には、受領当事者が相手方か ⑴ 相手方から提供または開 示を受けた際、すでに自己が 適法に保有していた情報 く含むことになるが、 そのなかには、 ら提供を受けることによって、この 第1条 (定義) 前記のとおり、秘密情報の定義と 秘密情報として保護する必要性のな ついて、買主が開示された当時には ことなく独自に開発した情報 ら提供された情報を保有していな ⑤ 相手方から開示された情報による ような制限を受けることには合理性 三者から何ら秘密保持義務を負うこ い 情 報 も 含 ま れ る こ と に な る た め、 となく適法かつ正当に入手した情報 保有しておらず、開示の前後を問わ 務を負わない正当な権限を有する第 かったとしても、すでに公知となっ ④ 開示当事者に対して秘密保持義 がないと考えられる。専ら情報を開 なった情報 以下のような例外規定を設けること た後、自己の責めによらずに公知と ず公知にはなっていない場合であっ た際、 既に公知となっていた情報 ていたのであれば、その開示および ③ 相手方から提供又は開示を受け 示 す る 立 場 と な る 売 主 に と っ て も、 ② 相手方から提供又は開示を受け が一般的であるといえる。 一般的な例外規定 Ⅱ (図表5) 買主サンプル契約の条項(秘密情 報の例外規定) 36 経理情報●2016.12.10(No.1465)
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