保健事業実施計画(データヘルス計画)

館 林 市 国 民 健 康 保 険
保健事業実施計画(データヘルス計画)
(計画期間
平成 28 年度~平成 29 年度)
平成 28 年 3 月
館
林
市
目
第1章 計画の基本的な考え方
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.計画策定の背景
2.計画の位置づけ
3.計画の期間
第2章 館林市の国民健康保険の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1.館林市の国民健康保険の現状
2.医療費の状況
3.介護の状況
4.特定健康診査・特定保健指導の状況
第3章 健康課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
第4章 保健事業実施の目的及び目標設定・・・・・・・・・・・・・・・・・16
第5章 保健事業実施計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
第6章 保健事業の評価及び見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第7章 保健事業実施計画(データヘルス計画)の公表及び周知・・・・・・・21
第8章 個人情報の保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
1.基本的な考え方
2.守秘義務規定
参考資料
【内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)診断基準】・・・・・・・・・・23
【特定保健指導対象者(階層化基準)】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
第1章
計画の基本的な考え方
1.計画策定の背景
近年、特定健康診査の実施や診療報酬明細書等(以下「レセプト等」という。)の電子
化が進み、国保データベースシステム(以下「KDB」という。)等の開発導入により、保
険者が健康や医療に関する情報を活用して、被保険者の分析、保健事業の評価等を行うた
めの基盤の整備が進んでいます。
こうした中、「日本再興戦略」(平成 25 年 6 月 14 日閣議決定)においても「すべての
健康保険組合に対し、レセプト等のデータ分析、それに基づく加入者の健康保持増進のた
めの事業計画として「データヘルス計画」の作成と公表、事業実施、評価等の取り組みを
求めるとともに、市町村国保が同様の取り組みを行うことを推進する。」とされ、保険者
はレセプト等を活用した保健事業を推進することとされました。
これまでも、館林市ではレセプトや統計資料等の活用により「特定健診等実施計画」の
策定や見直し、その他の保健事業を実施してきました。今後は、より一層の健康保持増進
を図るため、保有しているデータを活用しながら、被保険者をリスクごとに区分し、ター
ゲットを絞った保健事業の展開やポピュレーションアプローチから重症化予防まで、網羅
的に保健事業を進めていくことなどが求められています。
厚生労働省では、こうした背景を踏まえ、国民健康保険法(昭和 33 年法律 192 号)第
82 条第 4 項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める国民健康保険法に基づく保健事業の実
施等に関する指針(平成 16 年厚生労働省公示第 307 号)の一部を改正し、保険者は健康・
医療情報を活用して PDCA サイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業実施計画(以下
「データヘルス計画」という。)を策定し、保健事業の実施及び評価を行うものとしてい
ます。
館林市においては、保健事業実施指針に基づきデータヘルス計画を定め、被保険者の健
康増進、健康格差の縮小を目指して、PDCA サイクルに沿った生活習慣病等の発症や重症
化予防等の保健事業の実施及び評価を行うものとします。
1
2.計画の位置づけ
データヘルス計画とは、健康・医療情報を活用して PDCA サイクルに沿った効果的かつ
効率的な保健事業の実施計画で、特定健診の結果やレセプト等のデータを活用して効果を
検証し、事業の見直しを行っていきます。
また、この計画は、「たてばやし市民計画 2020」「健康たてばやし 21(Ⅲ)」「第 2 期
館林市特定健康診査等実施計画」との整合性・関連性を持つものです。
Plan
計画
Action
事業の改善
Do
PDCA
サイクル
保健事業の実施
Check
事業の評価
委
3.計画の期間
計画の期間は、平成 28 年度から平成 29 年度のまでの 2 年間とし、必要に応じて見直し
を行います。
2
第2章
館林市国民健康保険の現状
1.館林市の国民健康保険の現状
(1)基本情報
人口構成は、40~64 歳 34.6%、65~74 歳 12.1%、75 歳以上 10.8%と国・県と比較
してほぼ同程度の構成割合となっています。
国民健康保険の被保険者の人口構成は、40~64 歳 34.5%、65~74 歳は 37.7%とな
っており、県や国より 65~74 歳の割合がやや高くなっています。
人口構成
国保
被保険者
数
館林市
同規模市町村
群馬県
国
総人口
76,646 人
68,299 人
1,959,150 人
124,852,975 人
~39 歳
42.6%
41.7%
41.8%
42.8%
40~64 歳
34.6%
34.1%
34.3%
34.0%
65~74 歳
12.1%
12.3%
12.1%
12.0%
75 歳以上
10.8%
11.9%
11.9%
11.2%
人口
23,036 人
18,546 人
578,676 人
32,318,324 人
~39 歳
27.9%
26.3%
28.6%
28.9%
40~64 歳
34.5%
34.6%
34.9%
34.8%
65~74 歳
37.7%
39.1%
36.4%
36.2%
22.8%
24.2%
23.9%
23.2%
男性
78.9 歳
79.6 歳
79.4 歳
79.6 歳
女性
85.4 歳
86.3 歳
85.9 歳
86.4 歳
高齢化率(%)65 歳以上
平均寿命
(KDB システム H26 年度)
3
(2)死 亡
死因別で最も高いのは「がん」で 46.1%、次いで「心臓病」26.5%、「脳疾患」18.0%
の順となっています。脳疾患、糖尿病、腎不全の割合が国や県、同規模市町村と比較
して高い傾向にあります。
また、標準化死亡比は、国の基準値である 100%を上回っており、同規模市町村と比
較しても高い状況となっています。
死亡率(人口千対)
館林市
同規模市町村
群馬県
国
10.6
10.1
11.6
9.6
標準化死亡比
男性
109.1%
100.2%
100.7%
100.0%
(SMR)
女性
114.7%
101.1%
102.4%
100.0%
がん
46.1%
46.7%
46.3%
48.3%
心臓病
26.5%
27.2%
26.5%
26.6%
脳血管疾患
18.0%
17.2%
17.8%
16.3%
腎不全
3.8%
3.5%
3.0%
3.4%
糖尿病
3.0%
2.0%
2.6%
1.9%
死因(%)
(KDB システム H26 年度)
がん
心臓病
館林市
同規模市町村
脳血管疾患
群馬県
国
腎不全
糖尿病
0
10
20
30
40
50
60
(%)
(KDB システム H26 年度)
※「標準化死亡比(SMR)」が 100%以下の場合は、国の平均より死亡率が低いと判断さ
れる。
4
2.医療費の状況
(1)医療費の推移(平成 23 年度~25 年度)
館林市の医療費は、国と比較し低い傾向にありますが、年々微増しています。
<館林市の国保 1 人あたりの医療費>
400000
279,402円
288,242円
301,900円281,876円
307,500円
274,837円
300000
295,009円
314,700円
286,930円
館林市
200000
群馬県
国
100000
0
(円)
H23年度
H24年度
H25年度
(国民健康保険事業状況 H23~25 年度)
(2)医療費の比較
館林市は、国・県・同規模市町村と比較して、慢性腎不全、高血圧が高い傾向にあ
ります。
また、精神に関しては、国・県・同規模市町村と比較し、低い傾向にあります。
<生活習慣病の医療費割合比較>
脂質
異常症
6.1%
館林市
その他
9.1%
糖尿病
10.2%
筋骨格
11.7%
国
慢性腎
不全
9.5%
糖尿病
9.8%
高血圧
症
10.2%
脂質
異常症
5.4%
慢性腎
不全
13.0%
その他
10.1%
その他
9.9%
慢性腎
不全
9.4%
糖尿病
10.0% 高血圧
症
10.4%
精神
15.8%
高血圧
症
12.2%
脂質
異常症
5.4%
同規模市町村
がん
21.8%
脂質異
常症
5.3%
群馬県
がん
23.0%
糖尿病
10.2%
精神
17.0%
慢性腎
不全
10.2%
筋骨格
15.0%
高血圧
症
10.4%
がん
22.4%
精神
17.7%
筋骨格
14.7%
その他
10.7%
がん
20.8%
精神
18.8%
筋骨格
13.6%
(KDB システム H26 年度)
5
(3)疾病別の医療費
入院は、1 件あたりの医療費が外来と比較し、高額になっています。入院、外来とも
に慢性腎不全が他の疾病と比較して高額となっています。
<病名別入院・外来 1 件あたり医療費等>
主な疾病名
入院(円/件)
在院日数(日/件)
外来(円/件)
糖尿病
601,968
17
34,279
高血圧症
695,242
16
28,001
脂質異常症
626,547
16
23,375
脳血管疾患
710,506
18
29,338
心疾患
663,278
14
39,135
腎不全
756,692
17
224,434
精神
458,686
26
25,422
がん
663,167
13
51,608
歯肉炎・歯周病
13,950
2
13,150
(KDB システム
H26 年度)
<入院・外来別病名別医療費割合>
その他
20.1%
入院
循環器
21.4%
消化器
5.6%
損傷中
毒
筋骨格
6.6%
外来
循環器
17.2%
消化器
5.5%
精神
6%
がん
18.8%
6.0%
呼吸器
6.2%
その他
17.7%
筋骨格
7.3%(KDB システム
呼吸器
7.3%
精神
15.3%
6
内分泌
16.0%
尿路生
H26 年度)
殖器
がん
9.6%
13.3%
<疾病別医療費>
診療費
順位
1
2
3
診療費
疾病名〔大分類〕
※(
)は主な疾病
(円)
件数(件)
入院
診療費
外来
割合
74,810,910
54
3,881
17.4%
(高血圧性疾患)
30,280,420
4
3,093
7.0%
(脳梗塞)
10,127,620
11
211
2.4%
(心疾患)
2,047,439
26
367
0.5%
64,228,380
60
564
14.9%
(乳がん)
9,441,560
3
118
2.2%
(大腸がん)
8,146,030
7
66
1.9%
(肺がん)
5,953,950
5
29
1.4%
54,861,180
35
3,390
12.8%
22,274,660
0
1,801
5.2%
6,149,690
4
423
1.4%
循環器系
がん
消化器系
(う蝕、歯肉炎及び歯周疾患)
(胃・十二指腸潰瘍、胃・十二指腸炎)
4
精神
40,659,110
70
921
9.5%
5
内分泌、栄養
34,963,120
13
2,070
8.1%
(糖尿病)
23,993,710
10
1,078
5.6%
尿路生殖器系
33,373,440
10
414
7.8%
(腎不全)
26,951,590
4
85
6.3%
6
7
筋骨格(関節症・腰痛症等)
26,739,030
9
1,560
6.2%
8
目、付属器
17,354,780
12
1,572
4.0%
9
呼吸器系(かぜ・アレルギー性鼻炎等)
17,196,960
11
1,494
4.0%
10
神経系
16,014,080
24
392
3.7%
(てんかん)
4,220,990
8
62
1.0%
(アルツハイマー病)
1,174,650
2
21
0.3%
15,202,870
11
584
3.5%
11
損傷、中毒
12
皮膚皮下組織系
8,243,670
3
948
1.9%
13
感染、寄生虫
8,016,790
7
461
1.9%
14
耳、乳様突起
5,385,920
2
194
1.3%
15
分類されないもの
4,249,680
2
346
1.0%
16
先天奇形
3,671,440
2
25
0.9%
17
血液、免疫
3,550,440
3
70
0.8%
18
妊娠、分娩
942,220
8
15
0.2%
19
周産期の病態
348,570
3
9
0.1%
429,812,590
339
18,910
100.0%
計
(群馬県国民健康保険疾病分類統計表(平成 26 年 5 月診療分)より集計)
7
3.介護の状況
(1)要介護認定者の医療費
要介護認定者の医療費は、国・県・同規模保険者と比較し、医療費は高くなってい
ます。介護認定なしの医療費については、他と比較し、医療費は低い傾向にあります。
<要介護認定者等の 1 月あたりの医療費比較>
10000
9,457円
9000
7,964円
8000
8,016円
7,952円
7000
6000
5000
4000
3000
3,160円
3,807円
3,816円
3,488円
2000
要介護認定者医療費
1000
要介護認定なし医療費
0
(円)
館林市
同規模保険者
群馬県
国
(KDB システム H26 年度)
(2)要介護認定率、1 人当たり介護給付費
要介護認定率は、国・県・同規模保険者と比較し、低い傾向にあります。施設給付
費も同様に国・県・同規模市町村と比較し低い傾向にあります。
館林市
同規模保険者
群馬県
国
18.9
19.3
19.7
20.0
61,591
63,011
64,957
60,773
居宅給付費(円)
42,956
40,897
43,860
40,470
施設給付費(円)
279,633
285,860
282,940
286,519
要介護認定率(%)
介護給付費(円)
(KDB システム
8
H26 年度)
(3)要介護認定者の有病状況
要介護認定者の代表的な疾病は、「心臓病」、「高血圧症」、「筋・骨格」と続い
ています。また、「高血圧症」と「脂質異常症」が国・県・同規模保険者と比較し、
高い傾向にあります。
館林市
同規模保険者
群馬県
国
糖尿病
21.6%
19.7%
22.7%
20.3%
高血圧症
54.9%
47.3%
54.2%
47.9%
脂質異常症
27.9%
24.5%
26.2%
25.7%
心臓病
61.0%
54.3%
61.4%
54.8%
脳疾患
26.8%
25.0%
28.4%
25.2%
がん
7.3%
8.8%
8.7%
9.2%
筋骨格
45.2%
46.3%
51.6%
47.1%
精神
28.2%
31.6%
34.9%
32.3%
15.9%
19.2%
20.7%
19.4%
12.8%
15.6%
17.6%
15.7%
認知症(再掲)
アルツハイマー病
(KDB システム H26 年度)
9
4.特定健康診査・特定保健指導の状況
(1)特定健康診査の実施状況の推移
館林市国保の特定健康診査の受診率は、横ばいで推移しています。
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
対象者(人)
15,618 人
15,641 人
15,550 人
15,567 人
15,475 人
受診者(人)
5,284 人
5,318 人
5,302 人
5,146 人
5,378 人
受診率(%)
33.8%
34.0%
34.1%
33.1%
34.8%
群馬県
受診率(%)
38.1%
38.1%
39.0%
39.6%
40.3%
国
受診率(%)
32.0%
32.7%
33.7%
34.3%
34.3%
館林市
(法定報告値)
(2)被保険者年齢構成別特定健康診査受診率(館林市)
すべての年齢で女性より男性の受診率が低い傾向にあります。他の年代と比較し、
若年層(40~50 歳代)の受診率が低い傾向にあります。
48.6%
70~74
39.3%
44.6%
65~69
35.7%
39.0%
60~64
25.9%
55~59
32.8%
20.7%
50~54
19.3%
45~49
16.0%
女性
男性
26.4%
22.5%
20.4%
17.3%
40~44
(歳)
0
10
20
30
40
50
60
(%)
(KDB システム H26 年度)
10
(3)有所見率の比較
特定健康診査の受診データのうち、「空腹時血糖」の値が男女ともに全国、県より
も大きく上回っています。また、BMI の値も県、国と比較し高い傾向にあります。
項目
性別
館林市
群馬県
国
BMI
男性
30.5%
28.6%
29.4%
25 以上
女性
21.9%
21.7%
20.4%
腹囲
男性
47.3%
48.0%
48.3%
(男性 85cm 以上、
女性 90cm 以上)
女性
17.8%
17.7%
17.2%
収縮期血圧
男性
50.7%
52.0%
49.7%
130 以上
女性
45.7%
46.4%
43.4%
拡張期血圧
男性
20.5%
26.4%
24.2%
85 以上
女性
10.8%
16.1%
14.6%
空腹時血糖
男性
41.4%
30.6%
26.3%
100 以上
女性
24.7%
19.8%
15.6%
HbA1c
男性
53.5%
59.2%
53.1%
5.6 以上
女性
53.4%
61.4%
52.8%
中性脂肪
男性
26.4%
28.5%
28.1%
150 以上
女性
16.6%
19.0%
16.4%
LDL コレステロール
男性
48.0%
46.6%
48.8%
120 以上
女性
59.9%
58.8%
58.7%
HDL コレステロール
男性
10.6%
9.9%
8.8%
40 未満
女性
2.3%
2.4%
2.0%
(KDB システム H26 年度)
11
(4)内臓脂肪症候群該当者・予備群の把握
特定健康診査受診者に占める内臓脂肪症候群該当者及び予備群の割合は、ほぼ横ば
いで推移しています。
内臓脂肪症候群
館林市
該当者割合(%)
内臓脂肪症候群
予備群者割合(%)
内臓脂肪症候群
群馬県
該当者割合(%)
内臓脂肪症候群
予備群者割合(%)
計
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
15.6%
16.3%
16.5%
15.9%
15.9%
11.7%
11.8%
11.2%
11.3%
10.3%
16.4%
17.0%
16.5%
16.8%
16.9%
10.8%
10.8%
11.2%
10.8%
10.6%
27.3%
28.1%
27.7%
27.2%
26.2%
20
15
10
5
0
22年度
(%)
23年度
24年度
25年度
該当者割合(館林市)
予備群者割合(館林市)
該当者割合(群馬県)
予備群者割合(群馬県)
26年度
(KDB システム H26 年度)
【内臓脂肪症候群】
→腹囲が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上で 3 つの項目(血糖、血圧、脂質)のうち
2 つに該当する者
【内臓脂肪症候群予備群】
→腹囲が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上で 3 つの項目(血糖、血圧、脂質)のうち
1 つに該当する者
12
(5)特定健康診査受診者・未受診者における生活習慣病等 1 人当たり医療費
特定健康診査の受診者と未受診者の医療費を比較しますと、未受診者の医療費が高
額を占めています。
館林市の特定健康診査未受診者は、受診者の医療費と比較し、5 倍以上医療費が高く
なっています。未受診者は、特定健康診査を受診していないため、早期に異常を発見
できず、重症化後の受診になってしまっている可能性があります。
2,349 円
館林市
11,946 円
2,385 円
同規模
12,024 円
2,615 円
群馬県
10,849 円
2,113 円
国
12,072 円
0
2000
4000
6000
8000
10000
12000
14000 (円)
健診受診者の生活習慣病医療費総額/健診対象者数
健診未受診者の生活習慣病医療費総額/健診対象者数
(KDB システム H26 年度)
(6)特定保健指導実施状況の推移
特定保健指導の対象者は年々減少しています。また、特定保健指導の実施率は、減
少傾向にありますが、26 年度は増加しています。
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
対象者(人)
703 人
733 人
670 人
655 人
598 人
終了者(人)
139 人
138 人
110 人
53 人
79 人
実施率(%)
19.8%
18.8%
16.4%
8.1%
13.2%
(法定報告値)
13
第3章
健 康 課 題
現状からみえる健康課題
基本情報
・死因は、脳疾患・糖尿病・腎不全の割合が高い。
・国保被保険者の人口割合が、国や県と比較し、若年の割合は少なく、65 歳以上
の割合が高い。
・標準化死亡比が、男女とも国の基準値を上回っている。
医 療 費
・医療費の割合は、国・県と比較し、慢性腎不全、高血圧症、糖尿病の割合が高い。
・1 件あたりの医療費は、慢性腎不全が高額となっている。
健
診
・健診受診者は、40~50 歳代の若年層の受診率が低い。
・どの年代においても、女性より男性の健診受診率が低い。
・特定健康診査の結果、BMI が 25 以上の肥満が多い。
・空腹時血糖が 100mg/dl を超えている人の割合が男女ともに高い。
・特定健康診査未受診者は、受診者と比較し医療費が5倍高い。
介
護
・要介護認定者の医療費は、要介護認定を受けていない人の医療費に比べて高い。
・要介護認定を受けている人は、心臓病・高血圧を有している人が多い。
14
第3章
健康課題の対策
課題に着目した対策を以下のとおりとする。
①特定健康診査受診率向上対策
②特定保健指導実施率向上対策
③糖尿病重症化予防対策
15
第4章
保健事業実施の目的及び目標設定
【目的】
保健事業を効果的に実施することにより、健康の保持増進及び疾病予
防、医療費の適正化を目指します。
【目標】
特定健診の受診率が低い年代に受診を勧奨し、受診率向上を図る。
特定保健指導の実施率を向上させる。
血糖の数値が高値のかたに、受診勧奨や教室の誘導を行い、糖尿病の
重症化を予防する。
16
第5章
保健事業実施計画
(1)生活習慣病の発症予防及び重症化予防
事業名
事業概要
平成 28 年度
平成 29 年度
継続
継続
継続
継続
継続
継続
新規
継続
継続
継続
継続
継続
新規
継続
特定健康診査受診機会の提供。
1
特定健康診査
5 月から 11 月までの間、
保健センター、
(集団健診)
公民館(10 か所)で特定健康診査を実
施する。
2
3
4
特定健康診査
(個別健診)
人間ドック
特定健診未受診
者への受診勧奨
特定健康診査の受診機会を増やすため
に、館林市邑楽郡指定医療機関 63 か所
で特定健康診査を実施する。
人間ドックの希望者には、健診費用を
一部負担する。
受診率の低い若年層をターゲットに絞
り、ハガキ等で未受診者に受診勧奨を
実施する。
特定健康診査の結果、生活習慣病のリ
5
特定保健指導
スクが高い人に対し、生活習慣改善等
の保健指導を実施する。
6
7
特定保健指導の
受診勧奨
誘導を実施する。
受診勧奨を実施する。
糖尿病重症化
血糖値や HbA1c が高値な人に対して、
予防対策
電話勧奨を実施し、重症な人に対して
(電話誘導)
は、医療機関への受診を促す。
糖尿病重症化
8
特定保健指導の未受診者に対して電話
予防対策
(教室)
血糖値や HbA1c が高値の人に対して、
生活習慣に対する正しい知識を知って
もらい、定期的な受診や重症化予防啓
発のために教室を実施する。
17
新規
(モデル地
区等検討)
継続
(2)医療費の適正化の推進
事業名
事業概要
平成 28 年度
平成 29 年度
継続
継続
継続
継続
重複受診者:医科に 1 か月間で 4 件以
上の受診があるもの
多受診者:医科に 1 か月間で一医療機
重複多受診者へ
1
関 15 回以上の受診があるもの
の訪問保健指導
上記条件のうち、重複受診者は計 10
の実施
回/年以上、多受診者は 15 回/月以上
を抽出し、選定した対象者に対して、
身体状況や受診状況を確認し、適正受
診に向けた保健指導を実施する。
医療費通知・ジェ
2
ネリック医薬品
差額通知
医療費通知:年 4 回
ジェネリック医薬品差額通知:年 2 回
18
第6章
保健事業の評価及び見直し
(1)生活習慣病の発症予防及び重症化予防
目標(達成時期:平成 29 年度末)
事業名
1
2
3
4
5
6
アウトプット
アウトカム
特定健康診査
(集団健診)
特定健康診査
特定健康診査受診者数及び
(個別健診)
受診率
特定健康診査受診率 60%
人間ドック
特定健診未受診者へ
の受診勧奨
特定保健指導
特定保健指導の受診
勧奨
特定健康診査受診率 60%
受診勧奨数
特定保健指導実施者数及び
実施率
特定保健指導実施率 60%
受診勧奨電話実施数
未受診者の実施率が 20%
受診勧奨電話実施数
医療機関受診率 80%
モデル地区を選定し、地域
新規人工透析導入者が前年
と連携して教室を実施
よりも減少する。
糖尿病重症化
7
予防対策
(電話受診勧奨)
糖尿病重症化
8
予防対策
(教室)
19
(2)医療費の適正化の推進
事業名
1
重複多受診者への訪
問保健指導の実施
目標(達成時期:平成 29 年度末)
アウトプット
アウトカム
訪問対象者が適正な医療受
訪問指導件数
診ができる。
(訪問対象者の 80%)
医療費の抑制
2
医療費通知・ジェネリ
ック医薬品差額通知
通知郵送件数
ジェネリック使用率
(ジェネリック使用率が
前年度よりも増加)
20
第7章
保健事業実施計画(データヘルス計画)の公表及び周知
館林市国民健康保険保健事業実施計画(館林市国保データヘルス計画)には、国民健康
保険制度の現状のほか、健康課題を裏付けるデータや具体的な保健事業の内容や目標が掲
載されていることから、その内容を被保険者に周知し、保健事業への理解や積極的な協力
を得るため、ホームページに掲載し、随時更新します。
21
第8章
個人情報の保護
1.基本的な考え方
本計画で実施する保健事業の実施及び評価で使用する医療・健康情報の取り扱いについ
ては、個人情報の保護に関する法律、同法に基づくガイドライン(「健康保険組合等にお
ける個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」、「医療・介護関係事業者におけ
る個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」等)及び館林市個人情報保護条例を
遵守します。
また、特定健康診査及び特定保健指導を外部に委託する際は、個人情報の厳重な管理や、
目的外の使用の禁止等を契約書に定めるとともに、委託先の契約遵守状況を管理していき
ます。
2.守秘義務規定
業務によって知り得た情報については、国民健康保険法第 120 条の 2、高齢者の医療の確
保に関する法律第 30 条、第 167 条の規定により守秘義務を徹底し、業務終了後も同様とし
ます。
22
参考資料
【内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)診断基準】
腹囲
【内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積の状態】男女とも≧100cm²相当
男性:85cm 以上、女性:90cm 以上
①高血糖
②高血圧
③脂質異常
空腹時血糖値
収縮期血圧
中性脂肪
110mg/dl 以上
130mmHg 以上
150mg/dl 以上
または
または
拡張期血圧
HDL コレステロール
85mmHg 以上
40mg/dl 未満
1.基準該当
腹囲に加え①②③のうち 2 項目以上該当
メタボリック
2.予備群該当
腹囲に加え①②③のうち 1 項目該当
シンドローム判定
3.非該当
上記に該当しない場合
4.判定不能
測定できない場合など
【特定保健指導対象者(階層化基準)】
腹囲
男性 85cm 以上
女性 90cm 以上
追加リスク
①血糖②血圧③脂質
④喫煙歴
2 つ以上該当
1 つ該当
あり
BMI が 25 以上
2 つ該当
40~64 歳
積極的支援
象
65 歳~74 歳
動機づけ支援
なし
3 つ該当
腹囲は上記未満で
対
あり
なし
1 つ該当
23
積極的支援
動機づけ支援