調布市公共施設等総合管理計画(検討案)

調布市公共施設等総合管理計画
(検討案)
平成 28 年 12 月
調
布
市
計数や文言は平成 28 年 12 月 9 日時点のものであり,今後,変更となる場合があります。
調布市公共施設等総合管理計画(検討案)
目
第1章
次
公共施設等総合管理計画の策定に当たって
1.総合管理計画の策定に当たって -------------------------------------------- 3
(1)計画策定の背景
(2)計画の位置付け
(3)計画期間
(4)計画対象施設等
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
1.地域の状況 -------------------------------------------------------------- 9
2.人口の状況 -------------------------------------------------------------- 12
(1)人口推移と将来予測
3.財政の状況 -------------------------------------------------------------- 15
(1)歳入の状況(普通会計ベース)
(2)歳出の状況(普通会計ベース)
(3)扶助費と投資的経費の推移(普通会計ベース)
4.公共施設の状況 ---------------------------------------------------------- 17
(1)建設年度別整備状況
(2)管理運営費
(3)今後見込まれる改修・更新費の試算
5.インフラの状況 ---------------------------------------------------------- 21
(1)インフラ別の整備状況と更新費の試算
(2)更新費の試算の合計
6.公共施設とインフラを合わせた今後の改修・更新費--------------------------- 33
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
1.総合的かつ計画的な管理(公共施設及びインフラマネジメント)の必要性------- 37
2.総合管理計画における目的と目標 ------------------------------------------ 39
(1)目的
(2)目標
3.公共施設マネジメントにおける基本方針 ------------------------------------ 41
4.インフラマネジメントにおける基本方針 ------------------------------------ 45
5.総合管理計画に基づく今後の取組 ------------------------------------------ 46
第4章
施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
1.施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点) ------------------------------ 49
第1章
公共施設等総合管理計画の
策定に当たって
第1章
公共施設等総合管理計画の策定に当たって
1.総合管理計画の策定に当たって
(1)計画策定の背景
全国の自治体では,昭和 30 年代半ばからの高度経済成長期に多くの公共施設が整備されてきま
した。今後,これらの施設の多くは建設から 50 年以上が経過し,一斉に更新(建替え)の時期を迎
えることとなります。
地方自治体を取り巻く現在の厳しい財政状況に加えて,今後の人口減少や超高齢社会の本格的な
到来に伴う税収の減少や社会保障関係経費の増大などにより,公共施設の更新等に係る財源の不足
が見込まれ,各地自体において現在の公共施設の全てを維持していくことは困難な状況になること
が予想されます。こうした「公共施設の更新問題」は全国的な課題となっており,調布市(以下「市」
という。)においても例外ではなく,今後の公共施設の維持管理,更新においては,長期的な視点に
より様々な課題に対応していく必要があります。
そこで,市では,公共施設の現状把握・分析及び課題等の抽出・整理のほか,今後の公共施設等
の総合的な管理に関する検討における視点等をまとめた「調布市公共施設白書」
(以下「白書」とい
う。)を平成 28 年 3 月に作成しました。
白書では,
「公共施設の更新問題」に関する主な課題として,①総人口や年代別人口の将来見通し
(30 年後の人口構造の変化),②公共施設の老朽化,③公共施設の管理運営・改修・更新費の縮減,
負担の平準化などを挙げています。
また,白書では,いわゆるハコモノとしての公共施設(建築物)について整理しましたが,市民
生活や社会経済活動の基盤である道路・橋りょう・下水道・公遊園といったいわゆるインフラにつ
いても,整備してから一定の年数が経過しているため,それらも含めて適切な維持管理,改修・更
新に取り組んでいく必要があります。
こうしたことを踏まえ,市では,質の高い市民サービスを将来にわたり提供できる「持続可能な
市政経営」の確立を目指して,最適化に向けた公共施設の適正な配置と総量の抑制と併せて,老朽
化を踏まえた適切な維持保全や更新のほか,管理運営・改修・更新費の縮減,負担の平準化などの
取組を推進するため,今後の公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する市の基本的な考え方を
示す「公共施設等総合管理計画」(以下「総合管理計画」という。
)を策定することとしました。
3
第1章
公共施設等総合管理計画の策定に当たって
(2)計画の位置付け
総合管理計画は,持続可能な市政経営の確立を目指して,インフラも含めた公共施設全体の総合
的かつ計画的な管理を推進していくための市の基本的な考え方を示すものです。
個別施設の今後の在り方や方向性については,公共建築物維持保全計画等の既存の計画と連携す
る中で,総合管理計画に基づいて検討を行うこととしています。
また,本計画は,国が策定した「インフラ長寿命化基本計画」(平成 25 年 11 月)に基づき,総
務省が各地方公共団体に対して策定を要請した「公共施設等総合管理計画(地方自治体版インフラ
長寿命化計画)」に当たるものです。
【図表 1-1】 総合管理計画の位置付け
4
第1章
公共施設等総合管理計画の策定に当たって
(3)計画期間
平成 27 年 10 月に策定した調布市人口ビジョン(以下「人口ビジョン」という。)においては,
概ね 10 年後をピークに人口が減少に転じ,年少人口(0∼14 歳)と生産年齢人口(15∼64 歳)が
減少していく一方で,老年人口(65 歳以上)は増加し,少子高齢化が進んでいくことを予測してい
ます。
併せて,白書において示したように,公共施設の将来的な改修・更新費が平成 27 年度からの 30
年間に集中することを踏まえると,時期によって公共施設を取り巻く状況が異なってくるものと考
えられます。
従って,本計画は,主に今後発生が見込まれる公共施設の改修・更新費の推移を見据えて,長期
的な視点から計画期間を設定することとし,平成 29 年度から平成 58 年度までの 30 年間を計画期
間とします。
【図表 1-2】 平成 27 年度以降 60 年間に発生が見込まれる改修・更新費の推計
(億円)
160
140
計画期間
30 年間
120
60 年間に発生が見込まれる
改修・更新費:2,215 億円
(60 年間平均で毎年 37 億円)
100
80
60
40
20
0
H27 H32 H37 H42 H47 H52 H57 H62
大規模改修(31年以上経過分)
更新費
H67
H72
H77
大規模改修(計画分)
【図表 1-3】平成 27 年度以降 60 年間における 10 年毎の改修・更新費の推計
30 年間の推計額
1,440 億円
5
H82 (年度)
第1章
公共施設等総合管理計画の策定に当たって
(4)計画対象施設等
本計画では,主に白書で整理した公共施設のうち,以下に掲載する公遊園を除いた 281 施設と,
インフラとして道路約 405km,橋りょう 71 橋,下水道約 553km,公遊園(都市公園,仲よし広場,
緑地,緑道等)307 箇所を対象としています。
【図表 1-4】 対象とする公共施設一覧
大分類
分類中に含まれる施設の種類
中分類
事務所施設 事務所施設
施設数
庁舎等,神代出張所,クリーンセンター,教育会館
6 施設
9 施設
福祉施設
その他事務所施設 庁舎外庁用駐車場
3 施設
児童福祉施設
保育園,児童館,学童クラブ,その他の児童福祉施設
44 施設
老人福祉施設
高齢者施設,シルバーピア,その他の老人福祉施設
12 施設
社会福祉施設
総合福祉センター,障害者福祉施設,
障害者グループホーム,その他の社会福祉施設
12 施設
68 施設
コミュニティ
コミュニティ施設
施設
地域福祉センター,ふれあいの家
27 施設
市営住宅
市営住宅
市営住宅
7 施設
文化・教育
施設
小学校
小学校
20 施設
中学校
中学校
8 施設
文化施設
文化会館たづくり,グリーンホール,せんがわ劇場
3 施設
社会教育施設
博物館等,公民館,図書館,ユーフォープレイルーム,
その他の社会教育施設
44 施設
体育施設
体育館,屋外運動施設,学校の体育施設(学校使用時以
外の一般利用)
25 施設
防災施設
消防団機械器具置場,防災備蓄・資機材倉庫
18 施設
交通安全施設
自転車等駐車場,その他の交通安全施設
45 施設
その他の施設
市民プラザあくろす,第七中学校相談学級・太陽の子,
仙川中継ポンプ場,利再来留(リサイクル)館
7 施設
その他
※ 平成 26 年 10 月 1 日時点
計
100 施設
70 施設
281施設
【図表 1-5】 対象とするインフラ一覧
分類
道路
数量
分類
延長
405 km
面積
2.03 ㎢
うち自転車歩行者道延長
下水道
204m
数量
延長
処理区域の面積
553km
19.55 ㎢
面積 1,060 ㎡
橋りょう
総数
71 橋
面積
9,386 ㎡
公遊園
※ 平成 27 年 4 月 1 日時点
6
箇所数
面積
307 箇所
0.49 ㎢
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
1.地域の状況
調布市基本計画では,20 の生活地区及び 10 の基礎的地域を包括し,市全域に及ぶ広域の生活圏域と
して,市内を東部,北部,南部,西部の 4 つに区分した広域的地域により,地域別計画を整理していま
す。ここでは,広域的地域における地域の特徴,公共施設の現状等について,地域別に整理します。
【図表 2-1】 広域的地域(4 区分)の区域図
9
第2章
①
公共施設等の現状と将来の見通し
東部地域
地域範囲
菊野台 1~3 丁目,東つつじケ丘 1~3 丁目
西つつじケ丘 1~4 丁目,入間町 1~3 丁目
仙川町 1~3 丁目,緑ケ丘 1~2 丁目
若葉町 1~3 丁目
東部地域は,市内で最も都心寄りに位置しており,良好な住宅地であるとともに,仙川や野川の
水辺環境,農地の広がり,仙川崖線や若葉町・入間町周辺地区の崖線樹林地などの緑化地帯を有し
ているほか,京王線沿線に仙川商店街などの商業施設があります。
京王線仙川駅(乗降人員約 7 万 7,300 人/日※),つつじヶ丘駅(乗降人員約 4 万 5,500 人/日※)
は,市内の駅においては,調布駅(乗降人員約 11 万 8,000 人/日※)に次いで乗降人員が多くなっ
ています。
桐朋学園,白百合女子大学,武者小路実篤記念館,せんがわ劇場など,各種の教育系,文化系施
設が立地しており,にぎわいと芸術が感じられるまちづくりが進められています。
※平成 27 年度値(出典:京王電鉄株式会社公表資料)
②
北部地域
地域範囲
佐須町 1~5 丁目,柴崎 1~2 丁目
調布ケ丘 3~4 丁目,深大寺元町 1~5 丁目
深大寺北町 1~7 丁目,深大寺東町 1~8 丁目
深大寺南町 1~5 丁目
北部地域は,他の地域と比べて,市役所や鉄道駅から比較的離れていますが,地域の中心に都立
神代植物公園(約 0.49 ㎢)があり,深大寺周辺の武蔵野段丘や崖線の樹林,点在する農地や河川
など,自然豊かな住宅市街地が形成されています。
深大寺東町 7 丁目においては,ふじみ衛生組合(構成市:調布市・三鷹市)を事業主体として,
ごみ処理施設(クリーンプラザふじみ)が平成 25 年 4 月に本稼働しました。
10
第2章
③
公共施設等の現状と将来の見通し
南部地域
地域範囲
小島町 1~3 丁目,布田 1~6 丁目
国領町 1~8 丁目,染地 1~3 丁目
多摩川 3~7 丁目,調布ケ丘 1~2 丁目
八雲台 1~2 丁目
南部地域には,京王線及び京王相模原線の 4 つの駅(国領,布田,調布,京王多摩川)があり,
市内で最も乗降人員の多い調布駅(約 11 万 8,000 人/日※)を中心に,行政機能や文化,商業,業
務機能など,市の主要な都市機能が集積する地域です。
京王線連続立体交差事業により,当該地域を横断する京王線の柴崎駅~西調布駅間の約 2.8 ㎞の
区間と,調布駅~京王多摩川駅間の約 0.9 ㎞の区間において,平成 24 年 8 月に鉄道の地下化が実
現し,それまで鉄道で分断されていた市街地の南北一体化が図られました。
併せて,調布駅周辺では,複数の再開発ビルが平成 27 年中に竣工したほか,民間による調布駅
周辺開発計画(平成 29 年竣工予定)が進められています。
※平成 27 年度値(出典:京王電鉄株式会社公表資料)
④
西部地域
地域範囲
飛田給 1~3 丁目,上石原 1~3 丁目
富士見町 1~4 丁目,下石原 1~3 丁目
多摩川 1~2 丁目,野水 1~2 丁目
西町
西部地域は,北側にある調布飛行場,調布基地跡地及び都立野川公園などが占める面積の割合が
高くなっています。
京王線飛田給駅,西調布駅及び広域交通の結節点としての中央自動車道調布インターチェンジが
あります。
都立野川公園に隣接する旧二枚橋焼却場跡地に,クリーンセンター機能の移転を計画しています。
味の素スタジアム(東京スタジアム)が立地し,その西側では東京都による「武蔵野の森総合ス
ポーツ施設(仮称)
」の建設が進められています。これらの施設においては,ラグビーワールドカッ
プ 2019 及び東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が予定されています。
11
09
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
2.人口の状況
(1)人口推移と将来予測
市の総人口は,高度経済成長期に都市化が進む中で急激に増加し,以後,今日まで増え続けてい
220,757 224,191
ます。昭和
33 108,660
30 年の市制施行から平成 27 年までの 60 年間で,人口総数は約 4.9 倍,世帯総数は約
11.5 倍に増加しています。
【図表 2-2】 人口総数及び世帯総数の推移
111,273
(千人)(千世帯)
250.0
人口総数
世帯総数
7 平成22 平成27 (年)
200.0
172.6 176.7
194.9 199.2
186.4 194.1
211.7
220.8 224.2
155.4
150.0
106.6
100.0
68.6
45.4
50.0
9.7
55.7
63.7
66.4
73.5
81.0
87.0
92.8
111.3
102.2 108.7
人口
総数
34.6
世帯
総数
16.4
0.0
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
H27 (年)
出典:
「調布市統計書:調布市住民基本台帳人口及び外国人登録人口」(各年 1 月 1 日時点)
昭和 30 年と昭和 35 年は国勢調査(各年 10 月 1 日時点)
年齢 3 区分別の人口割合では,昭和 50 年以降,年少人口(0~14 歳)の減少と老年人口(65 歳
以上)の増加が進んでいます。昭和 30 年から平成 27 年までの 60 年間で年少人口の割合は 19.2 ポ
イント減少していますが,一方で,老年人口の割合は 17.4 ポイント増加しています。
【図表 2-3】 年齢 3 区分別人口割合の推移
出典:
「調布市統計書:調布市住民基本台帳人口」(各年 1 月 1 日時点)
年齢 3 区分別人口構成比は外国人登録人口及び年齢不詳者を除く。
昭和 30 年と昭和 35 年は国勢調査(各年 10 月 1 日時点)
12
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
市の総人口は,今後しばらくは増加傾向にありますが,将来人口推計(平成 26 年 3 月推計)を
人口ビジョンにおいて延伸したシミュレーションでは,総人口は平成 36 年の約 23 万人をピークに
わずかに減少していきます。その後の 20 年間で年少人口と生産年齢人口は減少する一方,老年人
口は増加し,平成 57 年時点では,平成 27 年時点と比べて年少人口は約 14%減少,生産年齢人口は
約 18%減少,老年人口は約 57%増加すると予測しています。
【図表 2-4】 総人口と年齢 3 区分別人口の推移(推計)
30 年後
30年後の人口増減率
総人口
-1.8
老年人口
+56.5
生産年齢人口
-18.1
年少人口
-14.2
%
%
%
%
出典:
「調布市人口ビジョン」
(平成 27 年 10 月)調布市
人口ピーク(H36:230,185 人)
今後,老年人口の割合は増加の一途を辿り,平成 42 年には市民のおよそ 4 人に 1 人,平成 57 年
にはおよそ 3 人に 1 人が高齢者となることを予測してます。
【図表 2-5】 年齢 3 区分別人口割合の推移(推計)
4 人に 1 人が高齢者
3 人に 1 人が高齢者
13
出典:
「調布市人口ビジョン」
(平成 27 年 10 月)調布市
数値は,各年 10 月 1 日時点
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
【参考】人口ビジョンにおける国民希望出生率を踏まえたシミュレーション
人口ビジョンでは,将来人口推計を延伸したシミュレーションのほか,国民希望出生率(1.8)を踏まえ
た 2 つのパターンで,シミュレーションを行っています。
国民希望出生率を踏まえたシミュレーションパターン① 出生率 1.41
(有配偶者割合は平成 22 年「国勢調査」結果を採用)
国民希望出生率を踏まえたシミュレーションパターン② 出生率 1.49
(有配偶者割合は平成 27 年度「調布市結婚・出産・子育てに関する市民意向調査」結果を採用)
平成 27 年を基準とした場合の 30 年後の人口動向は,いずれも総人口はほぼ横ばいで推移するも
のの,年少人口と生産年齢人口は減少,老年人口は増加を予測しています。
【図表 2-6】 年齢 3 区分別人口のシミュレーション (パターン① 出生率 1.41)
30 年後
30年後の人口増減率
総人口
-0.4
老年人口
+56.5
生産年齢人口
-17.1
年少人口
-8.1
%
%
%
%
出典:
「調布市人口ビジョン」
(平成 27 年 10 月)調布市
【図表 2-7】 年齢 3 区分別人口のシミュレーション (パターン② 出生率 1.49)
30 年後
30年後の人口増減率
総人口
+1.0
老年人口
+56.5
生産年齢人口
-16.2
年少人口
-2.1
%
%
%
%
出典:
「調布市人口ビジョン」
(平成 27 年 10 月)調布市
14
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
3.財政の状況
(1)歳入の状況(普通会計ベース)
市の歳入総額は,平成 27 年度決算で約 914 億円であり,歳入全体に占める地方税の割合は約
50.6%,国・都支出金の割合は約 25.8%です。平成 18 年度と比較して,歳入総額は約 23.4%増加,
地方税は約 11.4%増加,国・都支出金は約 85.2%増加しています。
【図表 2-8】 歳入の推移(普通会計ベース)
歳入総額
歳入総額
868
(億円)
900
(億円)
800
1,000
地方税
地方譲与税
地方交付税
※
その他一般財源※
使用料・手数料
国・都支出金
地方債
その他特定財源
歳入合計
700 900
600 800
789
434
430
415
500 700 404
798
785
780
795
868
751
741
802
789
751
741
701
802
798
795
785
780
426
437
416
443
420
466
466
400 600
914
462
426
437
416
443
434
420
430
415
300 500
400
153
226
183
167
194
200
197
209
140
127
300 130
100
153
226
183
236
167
194
200
197
209
140
127
0
100 H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26 (年度)
0
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27 (年度)
出典:
「市町村決算カード」(調布市:平成 18 年度~平成 27 年度)総務省
※地方特例交付金等
(2)歳出の状況(普通会計ベース)
市の歳出総額は,平成 27 年度決算で約 856 億円であり,歳出全体に占める扶助費の割合は約
24.0%,投資的経費のうち普通建設事業費の割合は約 11.9%です。平成 18 年度と比較して,歳出
総額は約 20.2%増加,扶助費は約 91.6%増加,投資的経費のうち普通建設事業費は約 11.5%減少
しています。
【図表 2-9】 歳出の推移(普通会計ベース)
人件費
(億円)
900(億円)
扶助費
8001,000
公債費
700 900673
600 800
※
投資的経費※
その他歳出
歳出合計
500
400
300
200
100
※普通建設事業費を計上。
災害復旧費等は
その他歳出に計上
0
700
102
歳出総額
712
712
107
723
730
730
723
116
121
600
50089
400
300
107115 116102 121105
115
102
105
762
767
764
759
748
762
124
767
157
169
175
181
12489
15792
169
78
175
74
181
80
89
92
78
74
80
H24
H25
764
759
748
809
歳出総額
809
856
189
189
205
102
102
102
200
100
H17
0
H18
H18
H19
H19
H20
H20
H21
H21
H22
H22
H23
H23
H24
H25
H26 (年度)
H26
H27 (年度)
出典:
「市町村決算カード」(調布市:平成 18 年度~平成 27 年度)総務省
15
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
(3)扶助費と投資的経費の推移(普通会計ベース)
市では,社会保障関係経費や待機児童対策経費などにより扶助費の増加傾向が続いています。平
成 27 年度決算では約 205 億円となっており,平成 18 年度(約 107 億円)と比較して約 91.6%増加
しています。
一方,投資的経費(うち普通建設事業費)は,過去 10 年間で平成 18 年度決算の約 115 億円をピ
ークに,概ね 70 億円~110 億円の間で推移しています。
【図表 2-10】 扶助費及び投資的経費の推移
出典:
「市町村決算カード」(調布市:平成 18 度~平成 27 年度)総務省
【参考】扶助費について
○
扶助費は,社会保障関係経費のうち,生活保護・児童福祉・高齢福祉・障害福祉などにおける現金
給付や物品の提供に要する経費のことをいいます。法令に基づいて支給する生活保護費などが代表的
な事例となります。
平成 21 年度から平成 22 年度にかけて扶助費が大きく増加していますが,平成 22 年度に子ども手当
の支給開始があったことから約 33 億 7,000 万円の増加となっています。
また,近年の増加傾向については,社会情勢に連動した生活保護費や障害福祉サービス費,待機児
童対策に伴う私立保育所運営委託料などの増加が主な要因となっています。
16
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
4.公共施設の状況
(1)建設年度別整備状況
市では,高度経済成長期から昭和 50 年代にかけて,急激な人口増加に伴い,集中的に学校施設
の整備を行ってきました。また,昭和 46 年度には現在の市役所庁舎(延床面積約 1 万 4,100 ㎡)
を建設し,これらによって公共施設の整備量は昭和 40 年代後半を中心とするピラミッド構造とな
っています。また,平成 6 年度には文化会館たづくり(延床面積約 2 万 5,700 ㎡)を建設したため,
この時期の整備量も局所的に突出しています。
昭和 56 年の建築基準法改正前に整備された旧耐震基準の建物の延床面積は,平成 26 年 10 月 1
日時点で約 18 万 5,000 ㎡となっており,市の公共施設全体の約 52.8%を占めています。
【図表 2-11】 建設年度別施設分類(中分類)別延床面積(市有施設)
(㎡)
35,000
新耐震 165,918 ㎡(47.2%)
旧耐震 185,270 ㎡(52.8%)
(累計)
100.0%
公共施設の整備量が
急激に増加
28,000
80.0%
市役所庁舎
(14,123 ㎡)
21,000
14,000
7,000
(㎡)0
35,000
28,000
21,000
14,000
7,000
(㎡)
(㎡)
35,000
35,000
文化会館たづくり 公遊園
60.0%
事務所施設
(25,717 ㎡) その他事務所施設
児童福祉施設
事務所施設
老人福祉施設
(㎡)
28,000
集中的な
児童福祉施設
28,000
社会福祉施設
35,000
老人福祉施設
学校施設の整備
40.0%
コミュニティ施設
事務所施設
社会福祉施設
(㎡)
市営住宅
児童福祉施設
コミュニティ施設
21,000
35,000
小学校
老人福祉施設
市営住宅
21,000
28,000
事務所施設
中学校
20.0%
社会福祉施設
小学校
(累
(㎡)
児童福祉施設
文化施設
コミュニティ施設
中学校
35,000
1
社会教育施設
老人福祉施設
市営住宅
文化施設
14,000
28,000
事務所施設
体育施設
社会福祉施設
社会教育施設
小学校 14,000
21,000
0.0%
(累計)
児童福祉施設
防災施設
コミュニティ施設
体育施設
中学校
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 老人福祉施設
S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19
H21
H23
H25
交通安全施設 100.0%
防災施設
市営住宅
文化施設
7,000
28,000
8
交通安全施設
その他
事務所施設
社会福祉施設
小学校
社会教育施設
21,000
その他の施設
総量
児童福祉施設
コミュニティ施設
中学校
体育施設 7,000
14,000
総量
累計(%)
老人福祉施設
市営住宅
文化施設
防災施設
累計(%)
80.0%
社会福祉施設
社会教育施設
交通安全施設
小学校
0
21,000
6
コミュニティ施設
その他
体育施設
中学校 14,000
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S6
0
総量
市営住宅
防災施設
文化施設
7,000
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54
累計(%)
交通安全施設
小学校
社会教育施設
60.0%
その他
中学校
体育施設
14,000
4
総量
文化施設
防災施設 7,000
累計(%) 0
社会教育施設
交通安全施設
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5
体育施設
その他
防災施設 7,000
交通安全施設
その他
総量
累計(%)
0
総量
累計(%)
40.0%
2
0
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15
20.0%
0
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25
0
0.0%
S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25
17
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
(2)管理運営費
市の公共施設における年間の管理運営費は,平成 23 年度から平成 25 年度までの平均で総額約 142 億
円/年となっています※1。その内訳は,維持管理費(公共施設の土地・建物の維持管理における費用)が
約 25 億円,事業運営費(公共施設を利用した行政サービスの運営における費用)が約 116 億円であり,
事業運営費が全体の約 82.0%を占めています。各種費用をさらに細分化して見ると,全体の約 36.8%
(約 52 億 1,000 万円)を人件費,約 33.7%(約 47 億 7,000 万円)を事業運営委託料が占めています。
【図表 2-12】 管理運営費の内訳
維持管理費
25 億 4,500 万円
(18.0%)
その他
事業運営費
5.7%
修繕費
1.9%
建物管理
委託費
9.8%
事業運営費
116 億 800 万円 (82.0%)
土地・建物
賃借料
4.5%
その他
維持管理費
1.8%
事業運営
委託料 管理運営費総額
約 142 億円中
33.7%
14,154百万円中
※1:市負担分(指定管理料を除く)と指定管理
者負担分の合算です。
修繕費は経常的に発生する小修繕を対象
に計上しており,経年劣化における修繕
または機能劣化の解消における改修の工
事費は含んでいません。
人件費
36.8%
光熱水費
5.8%
【図表 2-13】 管理運営費の費目別計上内容
費目
維持管理費
事業運営費
細目
該当する費用
修繕費
経常的な建物の維持管理業務,整備業務における費用
建物管理委託費
検査手数料,施設清掃委託料,施設警備委託料,機械類保守点
検委託料など
土地・建物賃借料
地代,家賃,建物の賃借料など
その他維持管理費
上記以外で建物や設備,機械を維持するために必要なコスト
人件費
施設の維持管理・運営に要する人件費※2
光熱水費
電気料金,ガス料金,水道料金,下水道使用料,燃料費等
事業運営委託料
施設におけるサービス提供や業務実施に関連する業務の委託に
要する費用
その他事業運営費
通信費,印刷製本費,備品購入費,機器類の物品リース代,賄材
料費,医薬材料費,通信運搬費,保管料,広告料,手数料,保険
料等
※2:「人件費」は,施設管理や事業・サービス提供のために当該施設に勤務する職員を対象としており,経費について
は,正規職員,再任用職員,嘱託職員・臨時職員毎に平均単価に人数を乗じて算出しています。
18
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
(3)今後見込まれる改修・更新費の試算
市の公共施設のうち市が保有する施設を一定の試算条件(20 ページ【図表 2-16】参照)に基づ
いて,建設後 30 年目で大規模改修(壁,床等の建物の主要構造部における大規模な改修)
,建設後
60 年目で現状の施設面積のまま更新を行うものとした場合,計画期間中で総額約 1,473 億円の改
修・更新費が見込まれます。各年度においては,
【図表 2-14】に示すように,更新する施設の規模
や数などによって,見込まれる経費に増減がありますが,平均すると1年当たり約 49 億円になり
ます。これは過去 3 年間の公共施設における改修費の平均額約 27 億円の約 1.8 倍となります。
なお,10 年毎に見た場合,平成 29 年度から平成 38 年度までの 10 年間で約 649 億円,平成 39 年
度から平成 48 年度までの 10 年間で約 462 億 2,000 万円,平成 49 年度から平成 58 年度までの 10
年間で約 361 億 4,000 万円の改修・更新費が見込まれます。
【図表 2-14】 計画期間中に発生が見込まれる改修・更新費の推計
1~10 年目
11~20 年目
21~30 年目
30 年間総額
約 1,473 億円
1 年当たりの
改修・更新費
1.8 倍
計画期間中の
改修・更新費の平均
約 49 億円
過去 3 年間の
改修費の平均
約 27 億円
【図表 2-15】 計画期間中における 10 年毎の改修・更新費の推計
19
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
【図表 2-16】大規模改修・更新費の試算方法
・各公共施設の建物が以下の建設後経過年数を迎えた際に,当該施設の現状の市有面積に施
設分類(中分類)に応じた以下の単価を乗じて,大規模改修・更新それぞれに必要な費用
を算出。
■ 大規模改修・更新の実施時期の設定
当該公共施設の建物
の 2016 年時点の
建設後経過年数
大規模改修実施年度
更新実施年度
30 年以下
建設後 30 年を経過した年度
建設後 60 年を経過した年度
31 年以上
①2017 年度~2026 年度
※この 10 年間で全施設に対して実施することと
し,そのコストを同 10 年間で按分
②建設後 95 年経過した年度
建設後 60 年を経過した年度
■ 大規模改修・更新単価(施設分類は総務省「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の試算」より設定)
(単位:万円/㎡)
大分類
中分類
施設分類
大規模
改修
更新
事務所施設
事務所施設
市民文化系,社会教育系,行政系,医療系等施設
25
40
児童福祉施設
学校教育系,子育て支援等施設
17
33
老人福祉施設
スポーツ・レクリエーション系,保健福祉,供給処
理系,その他等施設
20
36
コミュニティ施設 コミュニティ施設
市民文化系,社会教育系,行政系,医療系等施設
25
40
市営住宅
市営住宅
17
28
学校教育系,子育て支援等施設
17
33
市民文化系,社会教育系,行政系,医療系等施設
25
40
スポーツ・レクリエーション系,保健福祉,供給処
理系,その他等施設
20
36
市民文化系,社会教育系,行政系,医療系等施設
25
40
スポーツ・レクリエーション系,保健福祉,供給処
理系,その他等施設
20
36
その他事務所施設
福祉施設
社会福祉施設
市営住宅
小学校
中学校
文化・教育
施設
文化施設
社会教育施設
体育施設
防災施設
その他
交通安全施設
その他の施設
20
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
5.インフラの状況
(1)インフラ別の整備状況と更新費の試算
市のインフラ(道路[一般道路,自転車歩行者道],橋りょう,下水道,公遊園)の状況は,次
のとおりです。
【図表 2-17】対象とするインフラ一覧(再掲)
数量
分類
道路
延長
405 km
面積
2.03 ㎢
うち自転車歩行者道延長 204m
面積 1,060 ㎡
橋りょう
下水道
公遊園
総数
71 橋
面積
9,386 ㎡
延長
553km
処理区域の面積
19.55 ㎢
箇所数
307 箇所
面積
0.49 ㎢
※平成 27 年 4 月 1 日時点
21
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
○ 道路の年度別状況
市が管理する道路は,平成 27 年 4 月 1 日時点で,延長が約 405km,面積が約 2.03 ㎢となっ
ています。
【図表 2-18】 道路の延長の推移
(km)
420
道路の延長 約 405km
400
380
360
340
320
300
S46
S51
S56
S61
H3
H8
H13
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
(年度)
【図表 2-19】 道路の面積の推移
(㎢)
道路の面積 約 2.03 ㎢
2.2
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
S46
S51
S56
S61
H3
H8
H13
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
(年度)
22
第2章
○
公共施設等の現状と将来の見通し
道路の更新費の試算
計画期間である 30 年間における道路の更新費を総務省が公表している試算方法により推計した
結果,総額で約 191 億 1,000 万円,年平均約 6 億 4,000 万円が必要となります。なお,過去 3 年間
の改修・更新費(修繕及び補修を含む)の平均は約 5 億 4,000 万円となっています。
<総務省「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の試算」の試算条件>
 一般道路・自転車歩行者道の面積を 15(法定耐用年数の 15 年)で割った面積を 1 年間
の舗装部分の更新量とし,それぞれの更新単価を乗じることにより更新費を試算します。
 更新単価
一般道路
4,700 円/㎡
自転車歩行者道
2,700 円/㎡
【参考】道路の予防保全的な維持管理
○
市では安全な交通環境を長期に安定して確保するため,予防保全の観点から路面下の空洞調査を実
施するとともに,パトロールによる危険箇所の早期発見と補修及び更新による維持管理に努めていま
す。
23
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
○ 橋りょうの年度別整備状況
市が管理する橋りょうは 71 橋,9,386 ㎡となっており,その多くを昭和 45 年度までに整備
してきました。なお,建設後 40 年以上経過している橋りょうは,総面積の約 57%を占めてい
ます。
【図表 2-20】 橋りょう数(橋長別年度別整備数)
(本)
橋りょう数 71 橋
14
12
10
8
6
4
2
0
S30 S33 S36 S39 S42 S45 S48 S51 S54 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H12 H15 H18 H21 H24 H27
橋長15m未満
橋長15m以上
(年度)
【図表 2-21】 橋りょう面積(構造別年度別整備面積)
(㎡)
橋りょう面積 9,386 ㎡
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
S30 S33 S36 S39 S42 S45 S48 S51 S54 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H12 H15 H18 H21 H24 H27
PC橋
RC橋
鋼橋
石橋
木橋その他
PC 橋(プレストレスト・コンクリート橋) RC 橋(鉄筋コンクリート橋)
24
(年度)
第2章
○
公共施設等の現状と将来の見通し
橋りょうの更新費の試算
計画期間である 30 年間における橋りょうの更新費を総務省が公表している試算方法により推計
した結果,総額で約 48 億 6,000 万円,年平均約 1 億 6,000 万円が必要となります。なお,過去 3
年間の改修費(修繕及び補修を含む)の平均は約 2,000 万円となっています。
【図表 2-22】 計画期間中に発生が見込まれる橋りょうの更新費の推計
※
「調布市橋りょう長寿命化修繕計画」において使用した更新単価を採用しています。
<総務省「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の試算」の試算条件>
 整備した年度から法定耐用年数 60 年を経過した年度に更新すると仮定し,それぞれの
橋りょう面積に対し,構造別の更新単価を乗じることにより更新費を試算します。
 現在鋼橋であるものは鋼橋で更新しますが,それ以外の構造の場合は PC(プレストレ
スト・コンクリート)橋として更新していくことが一般的なため,これを前提とします。
 更新単価(
「調布市橋りょう長寿命化修繕計画」において使用した更新単価)
PC 橋
71 万 7,000 円/㎡
鋼橋
74 万 9,000 円/㎡
RC 橋
99 万 4,000 円/㎡
25
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
【参考】橋りょうにおける長寿命化対策
○
市が管理する橋りょうは 71 橋あり,その多くを昭和 45 年度までに整備しています。建設から 40 年
以上経過している橋が全体の半分以上あり,近い将来には多くの橋を架け替える必要がでてくることが
予想されます。
○
新しく橋を架け替えるには,多くの建設費が必要となりますが,建設費を抑えるため,市では「橋り
ょう長寿命化修繕計画」を策定しています。
○
長寿命化修繕計画とは,市が管理する全ての橋りょう 71 橋を対象に,橋りょうが大きな損傷に至る
前に予防的な修繕を計画的に行うことにより,橋りょうの長寿命化を図るものです。
○
予防的な修繕を計画的に行うことで,当面の更新を回避することができるとともに,対処療法的な対
策に比べ修繕費が縮減できます。
○
平成 25 年度からの 30 年間を対象にした費用の試算では,予防的な修繕の累計額と架け替えの累計額
の差額は約 42 億円になり,大幅な費用の縮減効果が見込めます。
【図表 2-23】 橋りょうにおける予防的な修繕の費用と架け替えの費用
26
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
○ 下水道の年度別整備状況
市が管理する下水道の総延長は約 553km となっています。昭和 58 年度までに整備された下
水道は,現在の総延長の約 90%を占めています。整備が始まった昭和 42 年度から 50 年が経過
しようとしており,今後,多くの下水道(管きょ等)の更新とそれに伴う多額の更新費が必要に
なることが見込まれます。
【図表 2-24】 下水道延長の推移(年度別整備延長及び累計総延長)
下水道延長 約 553 km
27
第2章
○
公共施設等の現状と将来の見通し
下水道の更新費の試算
計画期間である 30 年間における下水道の更新費を総務省が公表している試算方法により推計
した結果,総額で約 636 億 1,000 万円,年平均約 21 億 2,000 万円が必要となります。なお,過
去 3 年間の改修・更新費(修繕及び補修を含む)の平均は約 2 億 8,000 万円となっています。
【図表 2-25】 計画期間中に発生が見込まれる下水道の更新費
(億円)
90
計画期間中の更新費
約 636 億 1,000 万円
80
70
60
50
40
30
20
10
0
H29
H31
H33
H35
H37
H39
H41
H43
更新費
H45
H47
H49
H51
H53
H55
過去 3 年間の改修・更新費の平均
H57
(年度)
<総務省「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の試算」の試算条件>
 整備した年度から法定耐用年数 50 年を経過した年度に更新すると仮定し,年度別整備延長
に管種別に設定した更新単価を乗じることで更新費を試算します。
 更新単価
コンクリート管,陶管,塩ビ管,その他
12 万 4,000 円/m
更生管
13 万 4,000 円/m
※
管種が不明な場合は 12 万 4,000 円/mを更新単価に設定する。
28
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
【参考】下水道施設における長寿命化対策
○
市では,昭和 42 年度から下水道事業に着手しており,施設によっては敷設後 40 年以上経過しているも
のもあります。施設の老朽化や腐食等により機能が低下すると,下水道事業の継続に支障をきたすことが
あるほか,道路陥没事故の要因となる可能性があります。
○
市には,下水道施設として管きょ施設が 553 ㎞あるほか,仙川中継ポンプ場を保有していますが,この
膨大な下水道施設について,適正に維持・管理や改築を行っていくため,計画的かつ効率的に長寿命化対
策を実施しています。
○
長寿命化対策では,管きょ施設とポンプ場施設のそれぞれについて,経年的な施設の設置状況等から対
象施設の重要性や緊急性を検討し,緊急性の高い施設や設備を優先し計画的に長寿命化対策を実施してい
ます。
○
具体的には,劣化傾向や施設の重要度などを把握したうえで対策エリアを決定し,平成 27 年度から平
成 31 年度までを計画期間とした長寿命化計画を策定し,市内の約 2.2 ㎢の区域(調布ケ丘,布田地区)
を対象として事業に着手しています。この区域内は,管きょの総延長が約 70 ㎞,マンホール総数が約
2,800 箇所であり,このうち,施設の劣化度を評価して,改築対象の施設を選定しました。改築対象とな
る施設は,管きょ約 1.2km,マンホール約 1,700 箇所となっています。
○
調布ケ丘,布田地区の管きょのうち,対策が必要であるとされたスパン(約 1.2km)について更生工
法※を用いた場合,従来の敷設替え工法と比べ,ライフサイクルコストの縮減を図ることができます。
※更生工法:既設管きょに破損,クラック,腐食等が発生し,耐荷能力,耐久性の低下及び流化能力が保持できなくなった場合,既
設管内面に新たに管を構築して既設管きょの更生及び流下能力の確保を行うもの。
【参考】下水道施設の老朽化に伴う陥没事故防止の取組
○
国土交通省の調査結果では,管きょ敷設後 30 年を経過すると老朽化に伴い下水道管きょに起因する道
路陥没が急増する傾向にあります。
○
市には,管きょ施設が 553 ㎞あり,敷設後 30 年を経過しているものがそのうち約 500km で,全体の約
9 割を占めています。
○
市では,管きょ施設の老朽化に伴う陥没防止に向け,上記の長寿命化対策に取り組むほか,関係部署と
の連携やカメラ調査による損傷箇所の早期発見といった取組を進めることで,情報収集や迅速な対応に努
めています。
29
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
○ 公遊園の整備状況
市が管理する公遊園は,都市公園,仲よし広場,緑地,緑道等を合わせると合計 307 箇所
で総面積約 49 万 4,000 ㎡(0.49 ㎢)になります。総面積の中に占める割合は,都市公園約
58%,緑地約 16%,緑道等約 14%,仲よし広場約 12%となっています。
【図表 2-26】 公遊園の設置数及び面積
種
公
都市 公園
児
仲
よ
し
遊
広
園
場
地
面積(㎡)
99
233,685.16
97
53,822.51
24
59,167.58
49
76,839.05
緑
道
18
24,234.92
崖
線
19
46,203.62
苗
圃
1
60.00
合
○
園
童
緑
緑 道 等
設 置 数
( 箇 所)
別
計
307
494,012.84
公遊園の更新費の試算
計画期間である 30 年間における公遊園の更新費を推計した結果,総額で約 25 億円,年平
均約 8,000 万円が必要となります。
<試算条件>

公遊園については,総務省から試算条件が示されていないため,過去3年間の整備費の平均を単年度当
たりの更新費として試算しています。
30
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
【参考】公園施設の長寿命化対策
○
市では,これまで公園緑地整備を積極的に進めてきましたが,多くの公園施設で老朽化が進行して
います。
○
公園施設のうち,遊戯施設(遊具,健康器具)については,特に利用が多く,安全性が求められて
いるため,計画的な対策を講じ,適切に維持管理する必要性が高くなっています。また,便益施設
(便所)についても利用が多く,一定の維持管理水準が求められているため,計画的な対策を講じ,
適切に維持管理する必要性が高くなっています。
○
そこで,市では,公園施設の安全性の確保と機能水準維持を実現するため,179 の公園等を対象と
した「公園施設長寿命化計画」を策定し,予防保全を基本とした取組を進めているところです。
○
計画では,特に安全性が求められている遊戯施設について,緊急性の高いものから対策を実施する
ことで,安全性を確保することとしています。また,遊戯施設,便益施設とも一定の管理水準が求め
られていることから,適切な対策を実施することで,各施設の機能水準をより高く維持することとし
ています。
○
この計画により長寿命化対策を行うことで,標準使用期間又は処分制限期間で更新した場合と比較
し,単年度当たりのライフサイクルコストの縮減効果として 1,656 万円を得ることができると見込ん
でいます。
31
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
(2)更新費の試算の合計
市の各インフラについて試算した今後見込まれる更新費の合計は,計画期間である今後 30 年間
の総額で約 901 億円,年平均約 30 億円が必要となり,平成 25 年度から平成 27 年度までの過去 3
年間の各インフラにおける改修・更新費の平均の合計額,約 9 億 3,000 万円の約 3.2 倍となりま
す。
【図表 2-27】 計画期間中に発生が見込まれるインフラの更新費の推計
32
第2章
公共施設等の現状と将来の見通し
6.公共施設とインフラを合わせた今後の改修・更新費
市の公共施設の改修・更新費の試算とインフラの更新費の試算を合算した場合,計画期間である
今後 30 年間では総額で約 2,373 億円,年平均で約 79 億 1,000 万円となり,平成 25 年度から平成
27 年度までの過去 3 年間の費用の平均である約 36 億 3,000 万円の約 2.2 倍となります。
【図表 2-28】計画期間中に発生が見込まれる公共施設とインフラの改修・更新費の推計
33
第3章
公共施設等の総合的かつ
計画的な管理に関する基本方針
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
1.総合的かつ計画的な管理(公共施設及びインフラマネジメント)の必要性
第2章で示した市の公共施設等を取り巻く現状と将来の見通しからは,
①
総人口や年代別人口の将来見通し(30 年後の人口構造の変化)
②
公共施設等の老朽化
③
公共施設等の管理運営・改修・更新費の縮減,負担の平準化
といった 3 つの課題が挙げられます。
それぞれの詳細は,以下のとおりです。
①
総人口や年代別人口の将来見通し(30 年後の人口構造の変化)
人口ビジョンで示した将来人口推計を延伸したシミュレーションにおける平成 27 年を基準とした場
合の 30 年後の人口動向は,総人口はほぼ横ばいで推移するものの,年少人口と生産年齢人口は減少,
老年人口は大幅な増加を予測しています。これらにより,生産年齢人口の減少による税収の減少や超
高齢社会の進行による一層の社会保障関係経費の増大などによる財政の硬直化,公共施設に関する市
民ニーズの変化などが想定されます。
<ポイント> 将来人口推計を延伸したシミュレーションにおける 30 年後の人口増減率
(平成 27 年基準)
②
■
年少人口は,14.2%の減少
■
生産年齢人口は,18.1%の減少
■
老年人口は,56.5%の増加
■
総人口は,1.8%の減少
公共施設等の老朽化
市では,高度経済成長期から昭和 50 年代にかけて多くの公共施設を整備し,なかでも学校施設の整
備を集中的に実施してきました。これらの施設は建設から 30 年以上経過しており,延床面積では全体
の約 6 割を占めています。学校施設に限ると建設後 30 年以上経過している割合が 8 割以上となってい
ます。
一般的に建築物は建設から 60 年を経過すると更新する必要があるとされているため,今後 30 年間の
計画期間において,延床面積では全体の約 6 割の公共施設,学校施設に限ると 8 割以上について更新が
必要となることが見込まれます。
<参考>今後 30 年間に建設から 60 年を経過する施設
市役所庁舎,グリーンホール,総合体育館,保育園 6 園,図書館分館 8 館,児童館 8 館,
地域福祉センター8 館,小学校 19 校,中学校 8 校ほか 94 施設
37
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
また,インフラについても,下水道施設では平成 29 年度から,法定耐用年数を経過するものが発生
することとなり,橋りょうについても平成 36 年度から法定耐用年数を経過するものが発生します。
<参考>今後 30 年間に建設(整備)から法定耐用年数を経過するインフラ
下水道管きょ(法定耐用年数 50 年)
553km のうち,509km(約 92%)
橋りょう(法定耐用年数 60 年) 9,386 ㎡のうち,7,306 ㎡(約 78%)
③
公共施設等の管理運営・改修・更新費の縮減,負担の平準化
公共施設について,今後 30 年間の改修・更新費を推計すると約 1,473 億円,年平均では約 49 億円
となり,平成 25 年度から平成 27 年度までの過去 3 年間における実績の平均である約 27 億円の約 1.8
倍必要となることを見込んでいます。また,白書で整理したように,市における公共施設全体の管理
運営にかかる費用は平成 23 年度から平成 25 年度までの平均で年間約 142 億円が必要となっていま
す。
<ポイント>公共施設に係る費用の推計値と実績額の比較
これまでと同じ延床面積で施設を保有し続け,同様のサービスを提供する場合,今後 30 年間で管理運
営費と改修・更新費として,全体で約 5,730 億円が必要になると推計しています。
(管理運営費約 142 億円+改修・更新費約 49 億円)×30 年= A約 5,730 億円
一方で実際に施設に支出した管理運営・改修費の過去 3 年間の平均は約 170 億円であるため,今後 30
年間,現在の規模で支出した場合,5,070 億円となります。
(管理運営費約 142 億円+改修費約 27 億円)
×30 年= B約 5,070 億円
Bの約 5,070 億円からAの約 5,730 億円を差し引いた差額の約 660 億円が,今後 30 年間を通じた財源
不足額として想定されます。
また,インフラについて,今後 30 年間の更新費を推計すると約 901 億円で,年平均は約 30 億円とな
り,平成 25 年度から平成 27 年度までの過去 3 年間における実績の平均である約 9 億 3,000 万円の約
3.2 倍必要となることを見込んでいます。
<ポイント>インフラに係る費用の推計値と実績額の比較
現在のインフラを同じ水準で保有する場合,今後 30 年間で改修・更新費として,全体で約 901 億円が
必要になると推計しています。
(更新費約 30 億円)×30 年= A約 901 億円
一方で実際に施設に支出した改修・更新費の過去 3 年間の平均は約 9 億 3,000 万円であるため,今後 30
年間,現在の規模で支出した場合,約 279 億円となります。
(改修・更新費約 9 億 3,000 万円)×30 年= B約 279 億円
Bの約 279 億円からAの約 901 億円を差し引いた差額の約 622 億円が,今後 30 年間を通じた財源不足
額として想定されます。
38
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
2.総合管理計画における目的と目標
(1)目的
これまで述べてきたように,公共施設等を取り巻く環境は,今後,一層厳しくなることが予想されま
す。そのような中にあっても,市では,質の高い市民サービスを将来にわたり提供できる「持続可能な
市政経営」の確立を目指して,インフラを含めた公共施設全体の総合的かつ計画的な管理(公共施設及
びインフラマネジメント)に取り組むこととしています。
<ポイント>総合的かつ計画的な管理(公共施設及びインフラマネジメント)
◆
公共施設マネジメント
公共施設の適正な配置・総量の抑制と併せて,老朽化に対応した適切な維持保全や更新のほか,管理運
営・改修・更新費の縮減,負担の平準化について,民間活力の活用等を踏まえながら取り組むこと。
公共施設の適正な配置と総量の抑制に当たっては,今後 30 年間の計画期間を見据えて全体数や床面積
等は抑制を図る一方で,施設の機能は市民ニーズを踏まえて現行のサービス水準を維持することを基本
に,集約・複合化,多機能化,アウトソーシング等に取り組むこと。
◆
インフラマネジメント
老朽化に対応した適切な維持保全や更新のほか,維持管理・改修・更新費の縮減,負担の平準化につい
て,民間活力の活用等を踏まえながら取り組むこと。
(2)目標
人口ビジョンによると,人口のピークは平成 36 年頃と予想しています。そのため,しばらくは人口
が増えていくことから,それに応じて施設に対する需要も増加することを想定しています。
そのため,計画期間(30 年間)の当面は,
公共施設の全体数や床面積,管理運営・改修費の抑制
に取り組みます。
総合管理計画に基づく今後の個別の施設の在り方や方向性の検討,人口動向に応じた公共施設の需要
等の状況を踏まえ,次期基本計画期間以降において目標値の検討・設定を行い,必要に応じて総合管理
計画の見直しに反映していきます。
また,総合管理計画に基づく「持続可能な市政経営」に向けた個別施設の在り方や方向性の検討を踏
まえ,目標値の検討・設定は,目標達成に向けた計画的・具体的な公共施設マネジメントの方策の検討
と併せて行います。
なお,市民の生活や社会経済活動の基盤であるインフラについては,公共施設のように総量を抑制す
ることはなじまず,また,既に長寿命化に係る対策等を講じていることから,引き続き,取組を進めて
いきます。
39
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
<参考>年少人口の人口動向
人口ビジョンにおける将来人口推計を延伸したシミュレーションでは,年少人口は今後しばらく増加す
ると見込んでいます。小学生に相当する年少人口は平成 31 年度頃にピークを迎え,今よりも 5%程度増
加すると予測しています。中学生に相当する年少人口は平成 38 年度頃にピークを迎え,今よりも 9%程
度増加すると予測しています。
学級数増加の幅によっては,校舎増築が必要となる場合もあり,学童クラブやユーフォープレイルーム
の需要も増える可能性があります。
将来人口推計を延伸したシミュレーションにおける年少人口の増減率
年少人口
小 学 生 相 当
増減率(平成 27 年度比)
中 学 生 相 当
増減率(平成 27 年度比)
平成 27 年度
ピーク時
※
平成 57 年度
11,178 人
11,683 人
-
+4.5%
-13.1%
小学生相当:平成 31 年度
5,455 人
5,929 人
4,965 人
中学生相当:平成 38 年度
-
+8.7%
-9.0%
40
9,719 人 ※
ピーク時
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
3.公共施設マネジメントにおける基本方針
今後 30 年間を見据えた計画の目的と目標を達成するため,市では以下で掲げる 3 つの基本方針とそ
れに連なる実施方針に基づき「持続可能な市政経営」の確立に資する公共施設マネジメントを推進して
いきます。
基本方針1
最適化に向けた適正な配置と総量の抑制
∼施設から機能(サービス)へ∼
公共施設では様々な市民サービスを提供していますが,必ずしも専用の施設がないと市民サービス
の提供ができないわけではありません。
「市民サービス=施設」の考え方から脱却し,機能維持を図り
ながら,公共施設の最適化に向けた適正な配置と総量の抑制に必要な方策を検討し,取り組んでいき
ます。
【実施方針】
① 市民サービス提供の在り方の検討
サービスの需要と供給のバランスを勘案しながら,既存のサービスの点検を行います。また,
公共建築物維持保全計画で整理したように,市民サービスについて,全市対応のものと地域対応
のものに分けたうえで,地域対応の市民サービスについては,相応しい地域区分の検討を進めて
いきます。さらに,施設を必要としないICT活用によるサービス提供の在り方についても検討
を行います。
② 集約・複合化・多機能化の検討
1 つの施設で複数の市民サービスを提供する「集約・複合化」や,施設の集約・複合化等に伴い
新たな市民サービスを付加する「多機能化」などに取り組むことで,施設の効率化を図ります。
③ 市民サービス機能の再編の検討
市民サービス提供の在り方の検討及び集約・複合化・多機能化等の検討を踏まえ,既存施設の
配置や機能に着目しながら,市民サービス機能の再編の検討を進めていきます。
④ 多目的施設の検討
目的や対象者ごとに建物を整備し施設を設置するという考え方を見直し,多様な市民サービス
を提供する場としての多目的施設の整備・活用を検討していきます。検討に当たっては,多様な
市民が利用することを踏まえ,バリアフリーやユニバーサルデザインの視点に配慮します。
⑤ 目標値検討を見据えた適正な施設保有量の検討
市の人口のピークは 10 年程度先であり,ピーク時を見据えた目標値の検討に向けて,適正な施
設保有量について,市民サービスや財源の面など,多角的な視点から検討を進めていきます。
41
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
基本方針2
適切な維持管理・運営の推進
公共建築物については,公共建築物維持保全計画の 4 つの基本方針である「安全かつ良好な機能の
維持」,
「安定的かつ継続的に使用するための長寿命化」,
「維持保全に係るコストの最適化」
,
「外部に
与える環境負荷の低減」を基本として維持保全に取り組んでいますが,計画策定後の社会状況等の変
化や新しい視点を踏まえながら,さらに取組を推進していきます。
【実施方針】
① 長寿命化によるライフサイクルコストの縮減
旧耐震基準の建物における耐震診断の結果や,劣化度診断の結果等を踏まえ,長寿命化により
供用期間の延長が見込める建物については,必要に応じて長寿命化を行います。また,長寿命化
を図る建物については,機能向上に資する大規模改修(スケルトン改修)を選択肢として検討の
うえ,必要に応じて取り組んできます。なお,大型の公共建築物については,必要に応じて劣化
度診断等を行います。
② 計画的で適切な維持管理の推進(ランニングコストの縮減を含む)
点検・診断や維持管理・修繕・更新から安全確保までのメンテナンスサイクルについて検討し
ます。併せて,光熱水費,日常的な施設管理や清掃等の維持管理手法の見直しに向けた検討を行
います。
③ 財政負担の縮減,平準化
国や東京都の補助金等を積極的に活用します。また,世代間負担の公平性等の観点から,後年
度負担に留意しながら,必要に応じて地方債を活用していきます。
改修については,公共建築物維持保全計画で示した部位改修を引き続き基本としますが,長寿
命化を図る建物については,大規模改修を選択肢として検討のうえ,必要に応じて取り組んでき
ます。
④ 利用者負担の適正化の検討
社会情勢の変化や市民ニーズ等を捉えながら,利用の実態に照らし合わせて,現状の料金等の
負担について,必要に応じて見直しを図っていきます。
⑤ 施設管理の一元化の検討
ファシリティマネジメント先進自治体の中には個別の部署(施設主管部署)による施設管理で
はなく,特定の1つの部署による施設管理を実施している自治体もあることから,現行の体制と
比較しながら,市にふさわしい施設管理の在り方と体制について検討を行います。
42
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
⑥ アウトソーシングの活用
市民サービスが適切に提供されることに留意しつつ,市民サービスの質の向上や,維持管理・
運営コストの縮減を図るため,必要に応じて民間企業等のノウハウを活用していきます。
⑦ 公共施設の安定的な運営
民間等から賃借している土地・建物については,相続等により施設の存続に影響を及ぼす場合
もあることから,効率的・安定的なサービスを提供するために,優先度を踏まえながら,必要に
応じて施設の集約・複合化等を図ります。
なお,施設の目的や機能から同一敷地において継続することが真に必要な施設については,地
権者の意向も踏まえながら必要に応じた対応を検討します。
⑧ その他(建設コストの縮減,環境負荷の低減等)
施設の標準仕様を定め,施設に応じた適切なグレードの建材等の選択や汎用品の活用により,
建設コストの縮減に向けた検討を行います。また,設備の改修に当たっては,省エネ効果の向上
及び改修費の縮減を図るため,ESCO事業※の導入を検討します。
※
事業所ごとに実施する省エネルギー対策のこと
基本方針3
民間活力等の活用
行政と民間事業者等との役割分担のもと,市民サービスが適切に提供されることに留意しつつ,
費用対効果などを総合的に考慮したうえで,民間にできることは民間に委ねるという考えのもと,
民間活力等の活用の導入を検討し,取組を進めていきます。
また,限られた財源の中で,質の高い市民サービスを持続的に提供していくには,多様な主体との
連携による取組が効果的・効率的であることから,行政外部の視点からの意見も参考にしながら,財
源確保の観点も含め,国や東京都,教育機関,民間企業等との連携を図る中で,効率的な事業手法の
導入を検討し,取組を進めていきます。
【実施方針】
① PPP(官民連携),PFI※の推進
限られた財源の中で,質の高い市民サービスを持続的に提供していくには,公共施設やインフ
ラの維持管理,更新などのノウハウを持つ民間事業者等との連携が欠かせないことから,リスク
にも十分留意する中で,PPPやPFIを推進していきます。また,施設機能や立地等を踏まえ
たうえで,集客と収益の相乗効果の観点からも検討を進めていきます。
※
※
PPP:行政と民間事業者が連携しながら公共サービスの提供や施設整備を行う手法のこと(Public Private
Partnership の略)
。
PFI:公共施設等の建設,維持管理,運営等を民間の資金,優れた経営能力及び技術力を活用して行う手法の
こと(Private Finance Initiative の略)
。PFI の導入により事業コストの削減やより質の高い公共サービスの提
供が期待でき,市では,
「調布市立調和小学校整備並びに維持管理及び運営事業」が PFI の実績として挙げられる。
43
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
② 他の行政主体等との連携
市民サービス水準の維持・向上や効率化を図るため,国,東京都,近隣自治体や市内に存在す
る大学といった多様な主体と連携し,ノウハウや土地・建物等の資産の積極的な活用を検討し,
取り組んでいきます。また,公共施設の中には地域に根差した施設も多く存在することから,維
持管理等における市民との連携・協働の在り方についても検討を進めていきます。
③ 公有財産の有効活用の推進
施設の余裕スペースや未利用地等の資産を有効活用することで,財源確保を図っていきます。
また,用途容積などを活かした有効活用を推進していく観点から,高度利用についても検討を進
めていきます。
公共施設マネジメントにおける基本方針を支える取組等
① 組織・人員体制の整備や専門的人材の確保・育成の検討
施設の維持管理や機能の再編,集約・複合化を効果的・効率的に進める組織・人員体制につい
て,次期基本計画期間も見据えて検討を行い,必要に応じて整備していきます。
また,公共施設マネジメントには,専門的な知識やノウハウが必要であることから,専門的な
知見を有する人材の確保・育成についても検討していきます。
② 情報の一元的管理・情報共有
公共施設を適切に管理運営していくため,今後整備を予定している固定資産台帳を核として,
改修履歴や利用状況等の基礎情報を一元管理する手法について検討を進めていきます。併せて,
それらの情報については,市民や市議会との情報共有を図っていきます。
③ 市民との連携
公共施設全体の総合的かつ計画的な管理を推進していくためには,市民の皆様の御理解と御協
力が必要です。そのため,市では総合管理計画の策定においても,無作為抽出による市民 3,000
名を対象としたアンケート調査のほか,パブリック・コメント手続,施設の利用者懇談会での意
見交換や市民の皆様との意見交換会を実施するなど,市民の皆様から頂いた御意見を踏まえて計
画策定に取り組んでいます。計画策定後においても引き続き,市民の皆様との効果的な連携の在
り方を検討していく中で,公共施設のマネジメントに取り組んでいきます。
44
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
4.インフラマネジメントにおける基本方針
市民の生活や社会経済活動の基盤である道路,橋りょう,下水道,公遊園などのインフラは,公共
施設のような総量抑制はなじまないため,既存の施設を長く安全に使用していくという考えのもと,
必要に応じて長寿命化や効果的・効率的な維持管理を進めていくことが必要です。
市では以下で掲げる 3 つの基本方針に基づきインフラマネジメントを推進していきます。
基本方針1
計画的で適切な維持管理の推進
インフラ施設の現状把握を行ったうえで,安全で快適な市民生活を支える都市基盤としての必要
な機能を十分に確保するため,メンテナンスサイクルの構築を図るなど,計画的で適切な維持管理
に取り組みます。
基本方針2
長寿命化によるライフサイクルコストの縮減
今後の厳しい財政見通しを踏まえ,計画的な維持管理を実施するため,施設の長寿命化を図ると
ともに,必要に応じて維持管理コストの縮減や,ライフサイクルコストを考慮した負担の平準化に
取り組みます。
基本方針3
民間活力等の活用
民間企業等のノウハウを最大限に活用する手法について検討し,コスト縮減や負担の平準化,市
民サービス水準の向上等も含めた改善につなげていきます。
45
第3章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本方針
5.総合管理計画に基づく今後の取組
総合管理計画に基づき,平成 29 年度から個別の施設の在り方や方向性の検討を行います。さらに,
その検討に基づき,平成 31 年度からの次期基本計画期間以降において,個別施設の今後の在り方や方
向性を示す「公共施設マネジメント計画(仮称)
」を検討・策定していきます。
なお,総合管理計画は,基本計画の改定に合わせて見直しや修正等を行うとともに,市民や市議会
の皆様と情報共有を行い,御意見を伺いながら取組を進めていきます。
また,個別施設の集約・複合化,官民連携等のモデルとなる事業については,個別施設の在り方,
方向性の検討等と並行・連携する中で,必要に応じて検討し,取組を進めていきます。
H30
H31
個別施設の在り
H32
H33
H34
公共施設マネジメント計画
方,方向性検討
(仮称)の検討・策定
(老朽化の状況,利
総
合
管
理
計
画
策
定
用実態,コストの詳
公共施設マネジ
細把握,適正配置の
メント計画(仮
検討)
称)に基づく取組
インフラの個別
施設の検討,
継続
計画策定,
計画に基づく取
組
46
継続
)
イ
ン
フ
ラ
イ
ン
フ
ラ
ご
と
の
取
組
H29
(
公
共
施
設
公
共
施
設
白
書
作
成
H28
公共施設マネジメント計画 仮称 は,個別の施設ごとの検討状況や優
H27
次期基本計画期間
先度等に応じて,段階的な策定,取組を想定。
修正基本計画期間
第4章
施設類型ごとの基本的な考え方
(検討の視点)
第4章
施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
1.施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
第 3 章で示したように,公共施設等を取り巻く環境は,今後,一層厳しくなることが予想され
ます。そのような中にあっても,公共施設全体の総合的かつ計画的な管理に取り組むことで,質
の高い市民サービスを将来にわたり提供できる「持続可能な市政経営」を確立していく必要があ
ります。
そのため,30 年後の将来を見据えて,最適化に向けた公共施設の適正な配置と総量の抑制と併
せて,老朽化を踏まえた適切な維持保全や更新のほか,管理運営・改修・更新費の縮減,負担の
平準化などの取組を推進していきます。
総合管理計画に基づき,
平成 29 年度から行う個別の施設の在り方や方向性の検討に当たっては,
第 3 章で示した基本方針及び実施方針を基本に,地域の実情等も勘案しながら,以下の施設類型
ごとの基本的な考え方(検討の視点)を踏まえて検討を進めていきます。
<公共施設マネジメント>
基
基本方針1
基本方針2
基本方針3
施設類型
その他
事務所施設
方
針(再掲)
最適化に向けた適正な配置と総量の抑制
適切な維持管理・運営の推進
民間活力等の活用
主な施設
市役所庁舎
事務所施設
本
∼施設から機能(サービス)へ∼
基本的な考え方(検討の視点)
① 市役所庁舎について,喫緊の課題である安全性の確保に向け,
免震改修を着実に推進します。
② 市役所庁舎の計画的な維持保全と併せて,将来の更新について,
先行事例や事業手法などの調査・検討を行います。
③ 調布駅周辺における大規模な公共施設(市役所庁舎,グリーン
ホール,総合福祉センター)については,将来的な更新等に向
けた検討を庁内横断的に推進します。
① 神代出張所の機能移転に合わせて,市民サービスの向上に向け
た付加機能の設置について,総合的な観点から検討します。
② 神代出張所の機能移転後の建物や敷地の活用について,隣接す
るつつじケ丘児童館・学童クラブ及びつつじケ丘児童館ホール
神代出張所,
と一体で検討します。
クリーンセン
③ クリーンセンター機能の移転に当たっては,関連する機能を集
ター
約し,業務効率の向上を図ります。
④ クリーンセンター機能の移転後の跡地活用について,地域のニ
ーズを踏まえながら,行政課題の解決に資する機能について検
討を進めます。
庁 舎 外 庁 用 駐 ① 調布駅周辺における大規模な公共施設の更新等に向けた検討と
車場
合わせて,庁用駐車場の設置を検討します。
49
第4章
施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
施設類型
主な施設
基本的な考え方(検討の視点)
保育園,児童
館・学童クラ
ブ,子ども発達
センター,子ど
も家庭支援セ
ンターすこや
か
① 公立保育園や児童館といった児童福祉施設の計画的な維持保全
を進めるとともに,老朽化が進んでいる施設については,適切
な対策を講じます。また,施設の特性を踏まえ,バリアフリー
対応等を進めます。
② 公立保育園の在り方の検討を踏まえ,行革プランに位置付けた
民間活力の活用について検討を進めます。
③ 児童館の在り方の検討を踏まえ,行革プランに位置付けた学童
クラブの運営状況の検証を行うとともに,子ども・子育て支援
施策全体の中での児童館機能の活用について検討を進めます。
老人福祉
施設
ちょうふの里,
国領高齢者在
宅サービスセ
ンター,
シルバーピア,
老人憩いの家
① ちょうふの里は施設の規模が大きく計画的な維持保全が必要で
あることから,劣化診断の結果に基づく長寿命化計画の策定に
ついて検討します。
② 超高齢社会に伴うニーズへの対応を見据え,将来的な各施設の
在り方について検討します。
③ 住宅確保要配慮者がより公平にサービスを受けられ,安心して
安定的に暮らすことができるよう,居住の確保を図るための仕
組みづくりや環境整備を進めつつ,借上げ方式による高齢者住
宅の在り方について検討します。
④ 老人憩いの家については,施設の老朽化等を踏まえた機能の在
り方について検討します。
社会福祉
施設
① 多様化するニーズに柔軟に対応できるように,将来的な各施設
総合福祉セン
の在り方について検討します。
ター,知的障害
② 調布駅周辺における大規模な公共施設(市役所庁舎,グリーン
者援護施設,希
ホール,総合福祉センター)については,将来的な更新等に向
望の家
けた検討を庁内横断的に推進します。(再掲)
コミュニテ
ィ施設
① 類似機能を有する貸室施設について,施設の分布や利用状況を
横断的に把握し,今後の機能の在り方を検討します。
地域福祉セン
② 稼働率が高くない貸室については,類似の貸室を備える他の施
ター,
設の状況も踏まえながら,利活用の促進等について検討します。
ふれあいの家
③ 施設の使用料について,受益者負担の適正化の観点から,必要
に応じて見直しを図ります。
児童福祉
施設
市営住宅
市営住宅
① 「調布市市営住宅長寿命化計画」(平成 25 年度策定)に基づき,
計画的に修繕・保全を進めていきます。
② 住宅確保要配慮者がより公平にサービスを受けられ,安心して
安定的に暮らすことができるよう,居住の確保を図るための仕
組みづくりや環境整備を進めつつ,現行の市営住宅のストック
等の適正な運用について,検討します。
③ 施設の更新に当たっては,都営住宅等も含めた市内の公的賃貸
住宅全体の供給量や配置状況も踏まえて検討します。
50
第4章
施設類型
主な施設
施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
基本的な考え方(検討の視点)
① 児童・生徒をはじめ地域の方々が安全・安心に利用することが
できるよう,学校施設の老朽化・長寿命化対策などを着実に推
進するとともに,耐久性調査等を踏まえた今後の整備方針の策
定に取り組み,中長期的な対策について検討します。
② 現在,児童・生徒数は増加(微増)傾向にあります。また,特
別教室の整備や少人数学習指導への対応など,学習環境の整備
が求められています。そのため,しばらくは教室に対する需要
が増加しますが,将来的には,児童・生徒数は減少に転じるこ
とが想定されることから,学校施設の改修・更新については,
ピーク時を見据え教室が不足しないよう対応しつつ,空教室が
生じた際の活用も視野に入れて検討します。
③ 小学校の敷地は各地域において市民がアクセスしやすい立地に
あること,中学校の敷地はまとまった大規模な市有地であるこ
とから,施設の更新等の際には,周辺施設の配置や老朽化等の
状況も踏まえながら,周辺施設との複合化・多機能化等を検討
します。
小・中学校
小学校,
中学校
文化施設
① 調布駅周辺における大規模な公共施設(市役所庁舎,グリーン
ホール,総合福祉センター)については,将来的な更新等に向
文化会館たづ
けた検討を庁内横断的に推進します。(再掲)
くり,グリーン ② 近隣自治体や市内に存在する大学等と連携し,ノウハウ,資産
ホール,せんが
等を活用することによる市民サービス水準の維持・向上や効率
わ劇場
化を図る方策について検討します。
③ 施設の使用料について,受益者負担の適正化の観点から,必要
に応じて見直しを図ります。(再掲)
社会教育
施設
① 機能や地域の特性に応じた,今後の施設の在り方について検討
郷土博物館等,
します。
公民館,図書館 ② 類似機能を有する貸室施設について,施設の分布や利用状況を
横断的に把握し,今後の機能の在り方を検討します。(再掲)
体育施設
① 屋外運動施設は,暫定利用や借地における設置が多いことから,
総合体育館,市
今後の動向によっては必要に応じて代替施設を検討します。
民プール,市民
② 東京都,近隣自治体等と連携し,ノウハウ,施設等を活用する
野球場,市民西
ことで,市民サービス水準の維持・向上や効率化を図る方策に
町サッカー場,
ついて検討します。
市民テニスコ
③ 施設の使用料について,受益者負担の適正化の観点から,必要
ート
に応じて見直しを図ります。(再掲)
防災施設
① 地域防災力の要である消防団の活動拠点となる消防団機械器具
消防団機械器
置場の老朽化を踏まえ,施設の修繕及び更新を検討し,計画的
具置場,大町防
な維持保全を進めていきます。
災倉庫
② 被害想定(避難者数等)の変化を踏まえた格納スペースや備蓄
品の拡充を検討します。
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第4章
施設類型ごとの基本的な考え方(検討の視点)
施設類型
主な施設
基本的な考え方(検討の視点)
交通安全
施設
自 転 車 等 駐 車 ① 放置自転車対策としての視点を踏まえた施設整備,管理運営を
場,自転車等保
推進します。
管所,国領駅南 ② 施設の使用料について,受益者負担の適正化の観点から,必要
口市営駐車場
に応じて見直しを図ります。(再掲)
その他の
施設
市 民 プ ラ ザ あ ① 類似機能を有する貸室施設について,施設の分布や利用状況を
くろす
横断的に把握し,今後の機能の在り方を検討します。(再掲)
<インフラマネジメント>
基
基本方針1
基本方針2
基本方針3
施設類型
本
方
針(再掲)
計画的で適切な維持管理の推進
長寿命化によるライフサイクルコストの縮減
民間活力等の活用
基本的な考え方(検討の視点)
道路
① 計画的な道路の維持保全に努めていきます。
② 市が保有する道路については,コスト縮減の観点から調査(路面陥没調査
等)・点検等,PDCAサイクルに基づく継続した取組を推進し,道路や道
路付属物の管理の検討を行います。
橋りょう
① 「調布市橋りょう長寿命化修繕計画」
(平成 23 年度策定)に基づき,調査・
定期点検・補修補強工事等,PDCAサイクルに基づく継続した取組を積極
的に推進し,橋りょうの管理を進めていきます。
② 高速自動車道,国道,都道,地方道等の道路管理者が一体となり設立された
「道路メンテナンス会議」の提言を受け,業務の一括発注や複数年契約を検
討します。
③ 重要性や緊急性の高い「跨道橋」,
「跨線橋」等の点検・修繕・補修等につい
ては,必要に応じて業務委託や技術者の派遣制度等の積極的な活用を検討し
ます。
下水道
① 「調布市下水道総合計画」
(平成 22 年度策定)に基づき,下水道施設の耐震
化対策や長寿命化対策を進め,安定した下水道事業の実現とコストの縮減を
進めていきます。
② 「調布市下水道長寿命化計画」
(平成 26 年度策定)について,計画改定の際
にはストック・マネジメントの視点が求められることから,検討を進めてい
きます。
公遊園
① 「調布市公園施設長寿命化計画」
(平成 23 年度策定)に基づき,遊具施設と
便益施設の更新を行い,利用者の安全確保とコスト縮減を進めていきます。
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