映画制作を支えるストレージ基盤を全面刷新 大容量

株式会社ピクチャーエレメント
映画制作を支えるストレージ基盤を全面刷新
大容量デジタル映像の効率的な保存・活用に貢献
社内業務/クラウドサービス用
ストレージ基盤の再構築に着手
東 京都・世田谷区、成 城学園前の閑静な住
映像の確認や試写が行えます」と続ける。
さらにその他にも、PE RUSH! の基盤として
も 用 いら れて い るデ ー タ 交 換 用 ストレ ー ジ
サービス「pe-cloud」や大容量ファイル転送用
宅街を通り抜けると、国内最 大 規模の面積を
sftp サーバ な ど、様 々 な サービ スを 提 供し、
誇る広 大 な 映 画スタジオが そ の威 容 を 現す。
最 適な映像制作環境作りに貢献してきた。し
社名:株式会社ピクチャーエレメント
創設以来 80 年以上にわたり、数々の名画を生
かしその一方で、新たな課題も生まれていたと
http://www.pictureelement.jp/
み出してきた東 宝スタジオだ。その一角に本
のこと。江畑氏は「これらの業務に利用してい
■ 導入事例
社を構え、ポストプロダクション業務を行って
たストレージ基盤が、年々加速するデータ増大
映像制作用ストレージ基盤に EMC アイシロンを採用
いるのがピクチャーエレメントである。
に次第に対応できなくなってきたのです」と明
■ お客様プロフィール
■ 課題
映像制作会社の株式会社ピクチャーエレメントでは、映
画/TV ドラマなどのポストプロダクション業務や動画
データの効率的な活用を支援するクラウドサービスを
展開している。
こうした業務においては大量の動画映像
を保存・管理するためのストレージが不可欠だが、ビジ
ネスの成長に伴って既存環境の容量が次第に逼迫。新
同 社 シ ス テム エ ン ジ ニ ア の 江 畑 勝 氏 は
(Visual Effects)』、 デ ジ タル 映 像 作 品 の 色
彩 調 整 や デ ー タ 管 理 な ど を 行う『DI(Digital
Intermediate)』、それにデジタル 映 画 制 作 の
たなニーズへの対応が困難になっていた。そこで同社で
ワークフロー 設 計・管 理 を 行う『 Wor k f low
は、こうした点を解消すべく、高い性能とスケーラビリ
Development 』をビジネスの柱としています。
ティを備えた新ストレージ基盤の構築に取り組むこと
となった。
■ EMC Isilon のメリット
株式会社ピクチャーエレメントでは、以下のような理由か
らEMC アイシロンを採用した。
• 年々加速 するデータ容量 増 大に余 裕で対応 できる
かす。
「 当 社で は 各 種 の 特 殊 効 果 を 合 成 する『VFX
高い拡張性・性能・信頼性を
評価し EMC アイシロンを採用
従 来のストレージ基盤では、映像業 界向け
また、近年の映像制作では大量のデジタル動
の NAS 製品を導入し、ポストプロダクション
画データを用いるため、データ交換や制作業
業務やクラウドサービス用のデータ保存領域と
務を支援する各種のクラウドサービスもご提供
して活用してきた。しかしこの環境は拡張性の
しています」と説明する。
面で難点を抱えており、容量増設などがなか
なか思うように行えなかったという。
柔軟な拡張性
「たとえば、ディスクエンクロージャを追加し
• クラウドサービスの 安 定 稼 動に欠 かせ ない高い 信
たいと思っても、新製品と旧製品の間で互換
頼性・可用性
• ポ ストプ ロダクション 業 務 を 快 適 に行える高 い パ
性が取れておらず、わざわざ旧い世代用のディ
フォーマンス
スクを使わなくてはならない。これでは、増設
に掛かる手間・コストと導入メリットとが引き
合いません。結局、制作作 業が完了した作品
のデータを消してもらうなどして、何とか運用
を廻していました」と江畑氏は振り返る。
とはいえ、データの増大が今後も続いてい
くことは必至。一 作品あたりのデータ容量は
数 TB ∼十数 TB に達する上に、常に複数の作
株 式 会 社 ピ クチャーエレメント
シ ス テ ム エ ンジニア
江畑 勝 氏
その一つが、映像作品の制作プロセスに欠
CaseStudy 事例
品が同時並行で制作されているのだ。どこか
で抜本的な対策を講じなくてはならないことは
明らかであった。
さらに、 こうした状 況 を 決 定 付 け た の が、
かせないラッシュ業務(撮影済み映像のチェッ
2016 年夏公開が予定されている新作映画『シ
ク / 試写業務)をネット経由で行えるサービス
ン・ゴジラ』の制作決定である。
「最新の映像
」だ。江畑氏は「ス
「PE RUSH!(ピーラッシュ !)
作 品で すから、CG 合成や VFX 作 業 用の デー
タジオ以外の場所でラッシュを行う場合、従来
タ保存領域もこれまで以上に必要になります。
は DVD などの物理メディアを利用するのが一
旧環境のままで対応するのは到底不可能なの
般的でした。しかしこの方法では、メディアへ
で、これを機にストレージ基盤の全面刷新を図
の書き込み / 配布作業が必要な上に、情報漏
ろうと考えました」と江畑氏は説明する。
えいなどの懸念もあります。その点 PE RUSH!
ここで新たに採用されたのが、EMC のスケー
をご利用頂ければ、いつでも・どこでも安全に
ルアウト NAS「EMC アイシロン」である。江畑
氏は製品選択のポイントを「北米で開催された
のストレージ基 盤 以 外にも様々なストレージ
ザーが容量を占有するような形も好ましくあり
映像機 器の展 示 会でアイシロンを知ったので
が稼動しているが、アイシロンを導入したこと
ません。利用状況に応じた費用負担をお願い
すが、非常にいい 製 品だと感じましたね。今
でこれらを統合していく可能性が拓けたのだ。
する上でも、SmartQuotas による適 正な割り
回の新ストレージ基盤では、スケーラビリティ、
江 畑 氏は「4K/8K 時 代 の 到 来を 迎 えて、イン
当てを推進していきたいと考えています」と続
ける。
パフォーマンス、信頼性の 3 点を要件として掲
フラに対 する性 能要求はますます厳しくなっ
げましたが、アイシロンはノードを追加するだ
ています。とはいえ、投資対効果を考えれば、
けで簡単に容量が増やせる上に、パフォーマン
新しいストレージを無闇に増やすようなことも
ゴジラをはじめとする様々な映像作品作りに活
スについても同じようにスケールアウトするこ
避けたい。その点、アイシロンを映像 編集な
用されている。江 畑氏は今後 の 抱負を「最 近
とができる。しかも高度なデータ保護機能ま
どの分野でも活用していけば、社内のストレー
では、海外のクリエーターと一緒に作品を作る
で用意されていますから、大事な映像作品の
ジをもう少し集約・効率化できるはず」と期待
ケースなども増えており、IT が果たすべき役割
作業データも安心して保存できます。まさに当
を込める。
も一段と重要になっています。我々もより最適
な制作環境を目指していきますので、アイシロ
社のニーズにピッタリのストレージでした」と
ンをはじめとする EMC のソリューションにも大
語る。
データ増大への対応を実現
レスポンスの改善にも成功
ストレージ運用管理の改善に
アプリケーションをフル活用
いに期待しています」と語った。
同社では、アイシロンのアプリケーション・
ソフトについても、積極的な活用を進めていく
新たに構築されたストレージ基盤では、容量
考えだ。その一つが、
「SnapshotIQ 」によるデー
と性能のバランスに優れた「EMC Isilon X200」
タ保全である。
「もちろん、テープバックアップ
を 4 ノード導入。実効容量として約 100TB 弱
などの対 策も実 施してはいますが、重要な映
が確保されている。また、今後の拡張に備え
像データに関しては万全の上にも万全を期した
て、サーバラックにはさらに 4 ノード分の空き
い。特に pe-cloud は簡単にファイルをやりと
スペースをあらかじめ用意。容量不足が生じた
りできるサービスなので、操作ミスによる誤消
際には、すぐに 8 ノード構成に増強できるよう
去の可能性なども考えられます。こうした際に
配慮している。
も SnapshotIQ を 利 用すれば、迅 速にデータ
構築作業もスムーズに進んだとのこと。江畑
今回導入されたアイシロンは、現在もシン・
を復旧できます」と江畑氏は語る。
氏は「事前に製品理解を深めておいたこともあ
ま た、 そ の 他 に ク ォ ー タ 管 理 ツ ー ル
り、アイシロン廻りで苦労するような場面はほ
「SmartQuotas」も新たに導入。江畑氏はその
とんどありませんでしたね。旧ストレージ基盤
狙いを「東宝スタジオ内に拠点を置いている部
からのデータ移 行も含め、全ての 作 業を約 2
門や企業に関しては、所内の LAN 経由で直接
週間程度で終えることができました」と語る。
クラウドサービスにアクセスできるようにして
ちなみに今回の新ストレージ基盤は、先に触
います。これにより快適性・利便性は格段に高
れたポストプロダクション業務 / クラウドサー
まっていますが、とはいえ、あまり特定のユー
ビス以外に、同社の新サービス「ボディスキャ
ン」「フィールドスキャン」用のデータ保存領域
としても活用されている。
「前者は人物、後者
システム構成図
は地形・建物・セットなどをスキャニングして
3DCG モデル化を行うサービスですので、こち
らのデータ容量もかなりの規模に上ります。し
かしアイシロンを導入したことで、容量や拡張
性についての不安は全く感じていません」と江
畑氏は語る。
パフォーマンスについても、大きな効果が現
れているとのこと。江畑氏は「少々驚かされた
のが、大容量ファイル交換 用の sftp サーバを
利用しているユーザーから『最近サーバのレス
ポンスが速くなった』との反響が寄せられたこ
とです。この部分については、それほど大きな
差は出ないのではと思っていたので、体感でき
るほどの性能向上が図れたのは嬉しい誤算で
した」とにこやかに語る。
ストレージ基盤のパフォーマンスを改善でき
たことは、社内 IT インフラの最適化を進めて
いく上でも強 力な武器となる。同社では今回
2015 年10月版
EMC ジャパン株式会社
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