AESによるCu表面変色部の評価

分析事例C0451 2016/11/29 2016/11/29
AESによるCu表面変色部の評価
SEM観察を行いながら検出深さの浅い元素分析が可能
測定法 :AES・SEM・EDX
製品分野 :LSI・メモリ・電子部品・製造装置・部品
分析目的 :組成評価・同定・組成分布評価
概要
金属表面の変色や異物の簡便的な調査にはSEM-EDX分析やAES分析が適していますが、変色や異物
が薄い・小さい場合は、表面のごく浅い領域(4~5nm程度)の情報が得られるAES分析が有効です。
MST保有のAES装置はSEM像を取得できるため、SEM象で着目箇所の確認をしながらAES分析を行うこ
とが可能です。本事例では、Cu表面に存在する変色部をAES分析とSEM-EDX分析で評価し、比較した
データをご紹介します。また、AES深さ方向分析を行った結果を併せてご紹介します。
データ
■Cu赤褐色部のAES・SEM-EDX分析結果
光学顕微鏡写真
各結果より赤褐色部では
AES分析
:主にZn, Fe, Cu
SEM-EDX分析 :主にCu
が検出され、Cu表面上にZn, Feを含む
物質が存在している可能性が示唆され
ました。
AES分析では検出深さが浅いため、表
面側(4~5nm程度)の情報を得ることが
可能です。
赤褐色部
AES装置のSEM像
1μm
50μm
SEM-EDX分析 定性スペクトル
AES分析 最表面定性スペクトル
ピーク強度(a.u.)
加速電圧:10kV
分析領域:1μm角
Fe
Cu, Zn
強度(cps)
Cl
Cu
Zn
O
加速電圧:5kV
分析領域:3μm角
O
C
Al
C
50
550
1050
運動エネルギー(eV)
特性X線エネルギー(keV)
■Cu赤褐色部のAES分析 深さ方向プロファイル
Atomic Concentration(%)
100
加速電圧:10kV
分析領域:1μm角
80
定性分析と同箇所にてAES深さ方向分析を
行った結果、
Zn, Feの酸化層 / Cu酸化層 / Cu(母材)
の深さ方向分布が得られ、各酸化層が変色
の一因である可能性が推察されました。
AES分析では検出深さが浅いため、このよ
うな深さ方向分布を得ることが可能です。
Cu(母材)
Cu
60
O
40
Zn Fe
20
0
0
50
100
150
200
250
depth(nm;SiO2換算)
分析サービスで、あなたの研究開発を強力サポート!
TEL : 03-3749-2525
E-mail : [email protected]
URL : http://www.mst.or.jp/