1 2 3 4 平成28年度 報告地区 事例報告学校名 報 告 者 キーワード : : : : 北海道小学校長会地区活性化支援事業【実践事例レポート】 帯広地区 帯広市立稲田小学校 校長 楜澤 実 学力向上に向けた組織づくり人づくり 1 はじめに 本校は昭和3年12月23日,稲田尋常小学校として開校 され,昭和32年,帯広市立稲田小学校と改称し現在に至っ ている。市南部の住宅地増加に伴い児童増が続き,帯広で一・ 二を争う児童数となっている。校地周りは緑地に囲まれ,エ ゾリスなどの小動物やフクロウ等の鳥類が見られる自然豊か な地にある。校地裏の「稲田の杜」は総合的な学習の時間等 で自然と触れ合う場として活用されている。帯広農業高校, 帯広畜産大学の広大な緑地も近く,自然豊かな地域に建つ学 校と言える。 学力向上に向け,校務分掌に「学力向上推進委員会」を位置付け,組織的な取組を進めるととも に,若手教員育成を通した授業の充実と学ぶ意欲の向上を図る授業づくりにより,学力向上の成果 が確実に見えてきている。以下に本校の取組を紹介する。 2 学力の向上に向けた組織的な取組 (1) 学力向上推進委員会 学力向上全般に関わり,今まで行ってきた取組を更に推進するために,一昨年より校長,教頭, 主幹,分掌代表,学年代表で構成する学力向上推進委員会を設置した。 学力向上推進委員会は,校長が主催し,目標達成に向けた取組を進めるようにしている。具体 的には,全国・学力学習状況調査やCRT学力検査,チャレンジテストの結果を分析し,日常指 導等へ反映させたり,発達段階に応じた日常的な学習条規や家庭学習の進め方等についての現状 認識と進むべき方向性や指針についての原案を示したりしている。 (2) 全国学力・学習状況調査・CRT学力検査の活用 全国・学力学習状況調査やCRT学力検査の結果を,学 力向上推進委員会で分析し,稲田小学校の児童の課題を明 確化している。 課題となった単元や領域は,日々の授業改善に生かした り,振り返りの授業の中で過去の問題に繰り返し取り組ん だりするなど,学力向上に向けた取組に生かしている。 課題となった問題や改善のための一方策を提示 し,学校全体で学力向上に努めている。 (3) ほっかいどうチャレンジテストの活用 各学期末問題は,各担任の「各クラスの状況」分析をもとに,学力向上推進委員会で稲田小学 校の全体の傾向をまとめ,各種調査結果との関連性や今後の一方策例を提示している。 また,長期休業版は長期休業中の補習学習「稲田の子学ぼう会遊ぼう会」で特別プリントとし て活用し,サポート問題は,朝学習や授業などで実施し,必ず担任が子どもの実態を把握できる ようにしている。 昨 年 度 の 状 況 把 握 一 学 期 チ ャ レ ン ジ テ ス ト 状 況 把 握 指 導 の 検 証 改 善 二 学 期 チ ャ レ ン ジ テ ス ト 状 況 把 握 指 導 の 検 証 改 善 学 期 末 チ ャ レ ン ジ テ ス ト 状 況 把 握 次 年 度 へ 向 け た 情 報 整 理 ※チャレンジテスト 1年間のイメージ図 (4)加配教諭の活用 北海道教育委員会の指定を受け,指導方法工夫改善(TT加配)を2名,生徒指導加配,養護教 諭加配,拠点校初任者指導教諭,学校力向上初任者研修 加配教諭,外国人子女日本語指導教諭,理科専科教諭, 外国語活動退職者人材活用教諭,主幹教諭,ハーフタイ ム教諭をそれぞれ1名,合計11名の道内での有数の多 くの教員が配置されている。 たくさんの人的配置を有効に活用し,①授業の充実と 学び意欲の向上,②学習の個別化と基礎学力の定着,③ 寄り添う指導と豊かな心の育みを目指し,担任教諭と連 理科専科の授業:専門的な指導のもとに理科の 携を深め,バランスのとれた教育活動を進めている。 興味関心を高め,理科の学力向上を図っている。 (5)若手教員の育成 全教職員の20%を超える20代若手教諭を育成する一環として,長期休業中の補習授業「稲 田の子学ぼう会・遊ぼう会」で,本校の先生による児 童の興味関心を引くお楽しみ授業,楽しく頭を働かせ るおもしろ授業を行うようにしている。 2人以上の先生方で授業チームを作り,若手の先生 が授業者の時は,中堅・ベテランの先生がアドバイザ ーとして入り,共に授業づくりを行うようにしている。 若手教員を育てることは教えるベテラン教員にと っても,自らの力量をあげることにつながっている。 若手の先生が,積極的におもしろ授業にチャレン また,若手教員対象の定期的な研修会(メンターミ ジ! 中堅・ベテランの先生が授業づくりをサポ ィーティング)を計画的・継続的に行うことで,若手 ートすることで若手教員の育成につなげている。 教諭が切磋琢磨して高め合う風土が高まっている。 3 おわりに 「学力向上推進委員会」を核として,各種調査結果を全教職員で分析・把握することで,本校の 児童の学力を向上させるという目標を共有化し,同じ目的に向かって教職員力を合わせて組織的に 取り組んできた。 さらに,若手教員を育成する取組を通じて,中堅・ベテラン教員の指導技術が継承され,より良 い授業を行うとする風土が高まっている。 「教育は人なり」今後も稲田小学校で学ぶ子どもたちのために,教師が成長する学校づくりを目指 し,チーム稲田としての組織づくりと若手教員の育成を柱とした人づくりに努めていきたい。
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