引張変形した Al Zn Mg 合金中の水素挙動

日本金属学会誌 第 80 巻 第 12 号(2016)726
730
特集「固体中の水素と材料特性」
引張変形した AlZn
Mg 合金中の水素挙動
真 中 俊 明1,
伊 藤 吾 朗2
1茨城大学大学院理工学研究科物質科学専攻
2茨城大学工学部機械工学科
J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 80, No. 12 (2016), pp. 726
730
Special Issue on Hydrogen and Materials Characteristic in Solids III
 2016 The Japan Institute of Metals and Materials
Hydrogen Behavior in a Tensile
Deformed Al
Zn
Mg Alloy
Toshiaki Manaka1,and Goroh Itoh2
1Major
in Materials Science, Graduate School of Science and Engineering, Ibaraki University, Hitachi 3168511
2Department
of Mechanical Engineering, College of Engineering, Ibaraki University, Hitachi 3168511
Behavior of hydrogen in a tensiledeformed AlZnMg alloy was investigated by means of hydrogen microprint technique,
HMPT, which is a method to visualize location of hydrogen emission from the surface as silver particles. Hydrogen was introduced into the test pieces from one side by cathodic electrolytic charging for 30 min. Then, the test pieces were stretched with
continuing the charging, followed by HMPT observation on the other side. Hydrogen evolution was observed on some grain boundaries where the surface relief was formed. Discussion was made considering preferential plastic deformation in precipitate free
zones, PFZs, and the geometrical relationship of the boundaries with tensile axis and with slip band inside grains. The results indicated that the shear deformation along grain boundary caused transportation of hydrogen atoms with gliding dislocations to the
surface, breakage of surface oxide film, formation of surface relief and then the emission of hydrogen atoms. It was suggested that
the preferential deformation in the precipitate free zone was attributed to hydrogen evolution.
[doi:10.2320/jinstmet.JD201605]
(Received April 1, 2016; Accepted July 11, 2016; Published November 25, 2016)
Keywords: aluminumzincmagnesium alloy, hydrogen embrittlement, hydrogen microprint technique, hydrogen atoms
粒子として金属組織と対応させて観察できる.堀川ら5)は引
1.
緒
言
張変形した 7075 合金の水素放出サイトを HMPT により調
査し,Cu 系晶出物,粒界,すべり線から水素が放出された
Al Zn Mg 系合金は高強度であるが,応力腐食割れを起
と報告している.すべり線からの水素放出は転位のすべり運
こしやすいことが知られている.本合金系の応力腐食割れは
動に付随して水素が移動し,表面まで到達した結果であると
粒界割れであり,き裂伝播は水素脆化に基づくと考えられて
考えられている6).一方で粒界からの水素放出はまだ十分に
いる1,2) .これまでにいくつかの水素脆化機構が提案されて
検討されておらず,どのような過程で放出に至ったかは明ら
いる3) が,どの機構が働いているかはまだ結論されておら
かでない.著者らは引張変形を与えた Al Mg 合金におい
ず,材料中の水素挙動に関しても不明な点が多い.水素脆化
て,粒界からの水素放出機構を以下のように提案してい
機構を明らかにするためには,材料中での水素挙動,例えば
る7).水素が放出される粒界は,すべり面と粒界面が平行か
応力負荷による水素の移動・集積過程,水素の浸入サイトや
つ近く,粒内すべりによる水素の移動,段差の形成,酸化膜
トラップサイトなどを基礎的に調査する必要がある.
の破壊を経て,水素は粒界から放出される. Al Zn Mg 合
材料中の水素挙動を金属組織と対応させて可視化できる手
金において,片面から陰極電解により水素をチャージし,引
法の一つとして水素マイクロプリント法(HMPT)4)が知られ
張変形を与えると,反対面において一部の粒界から水素が放
ている.この手法では以下の手順で試験片表面から放出され
出されることを報告している8).本報では,引張変形時に形
た水素原子を可視化する.まず試験片表面に臭化銀粒子を含
成される粒界近傍の段差や粒界と引張方向とのなす角などか
む写真用乳剤を被覆する.試験片から原子状水素が放出され
ら AlZnMg 合金における水素放出過程を考察した.
ると還元反応により,臭化銀粒子中の銀イオンが金属銀とな
る.その後,定着液に浸漬すると未反応の臭化銀は溶解除去
2.
実
験
手
順
され,銀粒子はゼラチン膜中に保持される.水洗および乾燥
を経て,乳剤被覆面を観察することで,水素の放出位置を銀
試料は Al Zn Mg 合金の 1 mm 厚の冷間圧延板材であ
る.化学組成を Table 1 に示す.長手方向が圧延方向と平行
茨城大学大学院生(Graduate Student, Ibaraki University)
になるように平行部寸法が 4 mm× 6 mm の引張試験片を機
第
12
号
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引張変形した AlZnMg 合金中の水素挙動
F=tR/s=|(sin u sin q)(sin u cos q cos l-cos u sin l)|
械加工により作製した.そして熱処理として 470°
Cで1hの
溶体化,水冷後, 25 °
C で 24 h 保持した後に 120 °
C で 24 h
(2)
の人工時効を行った.熱処理後の板面(LLT)における平均
ここで,u は試料表面における粒界と引張方向とのなす角度,
結晶粒径は約 140 mm であった.
q は粒界面の奥行方向の角度であり,変形後に観察される粒
引張試験片の平行部の両面を# 2000 まで湿式研磨した.
界近傍の段差の最急勾配から評価した.角度 l は試料表面
それから片面を電解研磨により鏡面とし,アセトンによる超
における粒界に対して直角の方向を基準とし,結晶粒界面内
音波洗浄を行った.鏡面とした面に試料と乳剤の反応を防ぐ
でかかる分解せん断応力の方向とのなす角度である.上谷ら
目的でコロジオンを被覆し,暗室にてワイヤーループ法によ
としているが,引張りの場合のみを扱
は l の範囲を 0~180°
り乳剤( ILFORD L 4 をイオン交換水で 4 倍に希釈)を被覆
う場合は 0~ 90°
の範囲となる.l が 0°
で F が最大となる場
した.それから Fig. 1 に示したジグに取り付け,乳剤面を
合は粒界に純粋な段差ずれを起こす方向に力がかかり,
遮光状態とし,乳剤面と反対の面から陰極電解法により水素
の場合は純粋な平行ずれ(試料表面に対して平行にずれ
90 °
をチャージした.水素チャージは pH を 2.5 に調整した希硫
る)を起こす方向に力がかかることを意味する.本研究では
酸に水素再結合毒として 0.1 mass のチオシアン酸アンモ
2 本の試験片について,HMPT, SEM 観察およびレーザー
ニウムを添加した水溶液中で,電流密度 100 A/m2,陽極を
顕微鏡観察を行った.
白金として 30 min 行った.30 min 経過後,初期ひずみ速度
6.94 × 10-4 s-1 で約 5 の引張塑性変形を与えた.水素チ
3.
実
験
結
果
ャージは引張変形中も継続した.変形後,試験片をホルムア
ルデヒド水溶液によるゼラチン膜の硬膜化処理,15 mass
Fig. 2 に水素チャージしながら約 5引張変形を与えた試
チオ硫酸ナトリウム水溶液による定着処理,水洗を経て乾燥
験片表面の HMPT/SEM 像を示す.粒界に観察された白色
させた.それから乳剤被覆面の 2 mm× 4 mm の領域を走査
粒子は Fig. 3 に示すように EDXS から銀粒子であると判断
型電子顕微鏡( SEM )により観察した.観察される粒子が銀
された. HMPT の原理から,この銀粒子は臭化銀粒子中の
粒子であるかは SEM に備え付けられているエネルギー分散
銀イオンが試験片から放出された水素原子により還元された
型 X 線分析装置( EDXS )により判別した.画像解析ソフト
ものと考えられる.したがって,粒界に銀粒子が観察された
を用いて,観察された銀粒子の面積 A を算出し,次式より
ことは,水素原子が粒界から放出されたことを示している.
近似球の体積 V に換算した.
Fig. 4 は Fig. 2 で 示 し た 銀 粒 子 が 観 察 さ れ た 粒 界 の レ ー
V=(4 A3/2)/(3p1/2)
(1)
V と銀結晶のモル体積から銀のモル数を求め,これが放出
された水素のモル数に等しいとした.
それから,レーザー顕微鏡により引張変形後の試験片表面
を観察した.上谷ら9)の取り扱いに準じて,単軸引張応力 s
に対する粒界面にかかる分解せん断応力 tR の比率を表す係
数 F を次式から求めた.
Table 1
Chemical composition of the specimen in mass.
Si
Fe
Cu
Mg
Zn
Cr
Ti
Al
0.01
0.01
0.00
2.39
5.79
0.00
0.01
Bal.
Fig. 1
Experimental device for tensile test with cathodic electrolytic charging.
Fig. 2
SEM/HMPT image of the specimen stretched by 5.
Fig. 3
EDXS spectrum taken from a white particle shown in
Fig. 2.
728
Fig. 4
第
日 本 金 属 学 会 誌(2016)
80
Fig. 6
Distribution of the angle between the direction of
resolved shear stress on a grain boundary plane and
nominal direction against the grain boundary on the
surface (l).
Fig. 7
Distribution of the angle of grain boundaries with
hydrogen evolution against slip lines in the two
neighboring grains (ψ).
巻
Laser microscopic image. (a) : near a grain boundary
shown in Fig. 2, (b) : height profile of the segment AB
in (a).
ザー顕微鏡像および引張方向と平行な面でのプロファイルで
ある.粒界近傍に段差が生じていることがわかる.全観察領
域 16 mm2 内(試験片 1 本につき 8 mm2 を観察)に粒界は約
4200 本あり,そのうち 25 本の粒界において銀粒子が観察さ
れた.そして銀粒子が観察された粒界のうち, 24 本の粒界
で高さ 0.1 mm 以上の段差の形成が認められた.銀粒子が観
察された粒界と引張方向とのなす角( u ),段差の最急勾配
(q)の度数分布を Fig. 5 に示す.観察領域全体における粒界
と引張方向とのなす角の分布に偏りは無いが,銀粒子が観察
の方向に多く,段差
された粒界は引張方向に対して 46~60°
のものが多い.Fig. 6 は式( 2 )におい
の最急勾配は 31~45°
て,粒界面における分解せん断応力 F が最大となるときの,
の範囲に多く分布してお
l の度数分布である. l は 46~ 60°
り,これらの粒界では段差ずれと平行ずれが混合したずれが
生じる方向に粒界が配置されていたことになる.次に,水素
が放出された粒界を挟む二つの結晶粒を高さの高低で分類
し,それぞれの粒内のすべり線と粒界とのなす角を計測した
結果を Fig. 7 に示す.これより,高さが低い側の粒内のす
Fig. 5
Distribution of the angle of grain boundaries (G.B.)
against tensile direction at the surface (u) and the maximum gradient across the grain boundary (q).
べり線は粒界と平行に近いものが多いことがわかる.
4.
考
察
試験片片面から水素チャージを行い,引張変形を与えて反
第
12
号
引張変形した AlZnMg 合金中の水素挙動
729
対面で HMPT を行うと一部の粒界に銀粒子が観察された.
Mg 合金に比べて転位により運ばれる水素量が多くなると考
そして銀粒子が観察された粒界の近傍には段差の形成が認め
えられる.このため,試料表面において引張方向とのなす角
られた.アルミニウム母相上の自然酸化皮膜は水素の侵入や
度が 45°
に近い粒界,すなわち段差を形成するせん断応力成
放出を妨げると報告されている10,11).Fig. 8 は変形を与えず
分が小さい粒界においても水素が放出されたと推察される.
に片面から 35 分(プレチャージ 30 分と変形時間の合計)の
Al Zn Mg 合金における引張変形時の水素放出過程の模式
陰極チャージを行った後に反対面で得られた HMPT / SEM
図を Fig. 9 に示す.応力が負荷されると PFZ とその近傍に
像である.白色粒子は Fe 系晶出物であり,この条件では銀
変形が集中する.このとき粒界が試料表面から内部方向に
粒子は観察されなかった.したがって転位のすべり運動に付
に近い角度で入っており,かつ粒内のすべり面が粒界面
45°
随した水素の移動と酸化膜の破壊が粒界からの水素放出に影
に平行に近い場合に,可動転位とともに水素が移動し,転位
響していると推察される.
が表面に抜け出ることで段差が形成されるとともに表面酸化
合 金 の 引 張 変 形 時の 水 素 放 出 を 調 べ た既 報7) で
膜が破壊され,水素が PFZ から放出されると考えられた.
は,水素が放出される粒界は試料表面で引張方向と直角に近
本研究では変形時に稼動したすべり系の同定や実際の試料深
く,試料内部方向に 45°
に近く,変形時に段差を形成しやす
さ方向における粒界面角度の測定は行っていないが,Fig. 7
い粒界であると考察した.本研究においては,水素が放出さ
において,高さが低い側の粒内のすべり線が粒界と平行に近
Al Mg
れた粒界に形成された段差の最急勾配は 45°
に近いものが多
い角度であったことは,Fig. 9 の模式図のような粒界面に平
付近のもの
かったが,試料表面で引張方向とのなす角も 45°
行なすべりの結果として段差が形成されたことを示唆する.
が多く,粒界面に沿ったせん断応力のうち,段差を形成する
Fig. 10 は観察された銀粒子の面積から算出した放出水素
成分だけでなく,平行ずれを形成する成分も有していたこと
量と段差の高さの関係を示している.必ずしも大きな段差が
が明らかである.粒界面に平行なすべり面上の転位のすべり
形成された粒界で,水素放出量が多くなっていない.これに
による水素輸送と段差の形成が粒界からの主たる水素放出機
構であれば, AlMg 合金で観察されたように,引張方向と
直角に近い粒界でより多くの銀粒子が観察されるべきであ
る.段差を形成するせん断応力成分が小さい粒界においても
水素が放出された理由を金属組織から考える.
時効した Al Zn Mg 合金の粒界近傍には析出物の無い領
域( PFZ )が形成されることが知られている12) . PFZ はこれ
を除く粒内よりも軟らかいため,変形初期において優先的に
塑性変形する13) .透過電子顕微鏡組織観察を行った結果,
写真は省略するが,本研究で用いた試料の熱処理後の PFZ
は片幅約 10 nm であった.5変形後の粒界近傍の組織は観
察していないが,本研究に近い合金組成,熱処理工程の Al
Zn Mg Cu 合金を用いて,引張変形後の粒界近傍の組織観
察を行った菅野らの研究13) によれば, 2 の引張変形後に
PFZ 内およびその近傍の粒内で転位密度が高くなることが
Fig. 9
Schematic illustration of hydrogen behavior in an Al
ZnMg alloy during tensile deformation.
Fig. 10
Plots of the amount of evolved hydrogen against the
height of surface relief.
示されている.したがって, AlZnMg 合金では PFZ が存
在することで,粒界近傍に変形が集中し,同じ変形量の Al
Fig. 8
HMPT/SEM image of the specimen without tensile
deformation. Cathodic electrolytic charging was conducted for 35 min from one surface and HMPT was
performed on the opposite side.
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日 本 金 属 学 会 誌(2016)


は水素分布の不均一が関係していると思われる.まず Izumi
第
80
巻
粒内のすべり面が粒界面に平行に近い場合に,可動転
ら14) が用いた厚さ 0.11 mm の純アルミニウム試料では切り
位とともに水素が移動し,表面酸化膜が破壊され,水素が粒
出した 12 mm ×12 mm の試験片ごとに水素量が異なってい
界から放出されると考えられた. PFZ が存在することで,
た.本研究では試験片ごとの水素量を測定しなかったが,こ
粒界近傍に変形が集中し,転位に運ばれる水素量が増えたた
のような不均一は同様に存在していると考えられる.また,
め,試料表面において引張方向とのなす角度が 45°
に近い粒
本研究では,試験片の片面から水素をチャージし,反対面か
界,すなわち段差を形成するせん断応力成分が小さい粒界に
ら放出された水素を観察している.板厚方向には複数の結晶
おいても水素が放出されると推察された.
粒が存在する.結晶粒ごとに大きさや方位が異なるため,変
形は不均一であり,水素の移動も結晶粒ごとに不均一になる
本研究は,一般社団法人日本アルミニウム協会の平成 26
と考えられる.乳剤被覆面における結晶粒界の配置から水素
年度アルミニウム研究助成および公益財団法人軽金属奨学会
の放出を考察したが,試験片内部にある結晶粒の形状や方位
の教育研究資金により行われたことを記し,謝意を表します.
次第では,表面の結晶粒界が Fig. 9 に示したように段差を
形成しやすい配置になっていても,内側の結晶粒からの拘束
文
献
により,水素が移動しにくく,結果として表面の粒界からの
水素の放出量が少なくなる場合もあると考えられる.
結
5.
言
本研究では Al Zn Mg 合金に,片面から陰極電解による
水素チャージを行うとともに引張変形を与え反対面から放出
される水素を HMPT により可視化し,以下の結果を得た.


試験片表面の観察領域内に粒界は約 4200 本あり,そ
のうち 25 本の粒界から水素が放出された.そして水素が放
出された粒界近傍には段差が形成されていた.


水素が放出された粒界は試料表面において引張方向に
の方向に多く,段差の最急勾配は 31~45°
の
対して 46~60°
ものが多かった.水素が放出された粒界を挟む二つの結晶粒
において,高さが低い側の結晶粒内に形成されたすべり線は
粒界と平行に近いものが多かった.
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