P6,7-げんきアップ

メタボリック
シンドロームは
どうして怖いのか
●問合せ 保健課 ℡75-4960
食育・健康対策係
介護・高齢者支援係
日本人の死因の 1 位はがん、2 位は心臓病、3 位は
(図 1)
脳血管疾患です。(図 1)この内、心臓病と脳血管疾
患の多くには、動脈硬化が深く関わっています。
これまで、動脈硬化は、高血圧、脂質異常症、糖尿病
などの個々のリスクの重症化によって、促進されると
考えられてきました。
しかし、近年の研究で、ひとつひとつの生活習慣病
では軽症でも、複数重なると相乗効果で動脈硬化が飛
躍的に進行することが分かってきました。
平成 17 年 4 月に日本内科学会や日本糖尿病学会を
はじめとする 8 学会が合同で設定した、メタボリック
シンドロームの診断基準です。
(図 2)
メタボリックシンドロームは正式の病名ではありません。動脈硬化を発症する危険性の高い状態
を意味する用語です。
(図 2)
「チェック 1」+「チェック 2 の 2 項目以上」に当てはまると
メタボリックシンドロームと判定されます
●メタボリックシンドロームが起こる仕組み
(図 3)
内臓脂肪をためてしまう生活
食生活
・満腹になるまで食べる ・野菜を好まない ・甘い食べ物、飲み物が好き ・夜食をとることが多い
・夕食時間が 9 時以降になることが多い(あわせて、朝食を抜くことが多い)
身体活動
・座り仕事が多い ・歩行は 1 日 1 時間以内 ・運動習慣がない
・普段から階段を使わず、エレベーターなどにのる、すぐ近くでも車を利用する。
その他
・ストレス解消にお酒を飲むことが多い
・タバコを吸っている
内臓脂肪型肥満
脂肪細胞からインスリンを効き
にくくする物質が分泌される。
インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)
インスリンが
効きにくくな
るため、血液中
の糖が増える。
血液中の糖濃度を下げるため、すい臓
から大量のインスリンが分泌される。
高インスリン血症
インスリンが腎臓でのナト
リウムの再吸収を促進する。
糖尿病
高血圧
中性脂肪の合成を促進
中性脂肪を分解する
酵素がつくられ
にくくなる。
中性脂肪が
増えていく。
脂質異常症
高中性脂肪血症、
低 HDL コレステロール血症
インスリンとは・・・
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。インスリンは
ずっと出てくれるわけではありません。インスリンをたくさん使う
ような食べ方・動き方をしていたら、インスリンを作っているすい
臓が疲れて、インスリンを出せなくなってしまいます。
過食や運動不足などで、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れると、内臓脂肪がたま
ってきます。その結果としてインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなっている状態)をきたし
て、動脈硬化症の危険性を上げると言われています。
●メタボリックシンドロームの改善
メタボリックシンドロームを改善するには、生活習慣の見直しが必要です。
①食事
・1 日 3 食、規則正しくとりましょう→ドカ食いは肥満のもとです。
・よく噛んで食べましょう→満腹中枢が働いて、お腹が満たされます。
・毎食野菜を取り入れましょう→1 日野菜 350g が目安です。
②運動
・1 日 30 分意識して歩きましょう→30 分を 3 回(10 分×3 回)に分けても効果があります。
・近場への移動は車ではなく、歩いてみましょう→1 日 10,000 歩を目指しましょう。
・筋肉量を維持しましょう→筋肉は糖を消費する場所です。階段を使ったり、スクワットなど正し
く行うなど、筋肉量の維持を心がけましょう。
③睡眠
・早寝早起きをしましょう→家族みんなで実行してみましょう。
・食事をして 3 時間あけて就寝しましょう→食事の後すぐ横になると内臓脂肪として貯めこまれや
すいです。
●予防は子どものときからできます!
毎日の生活習慣を見直すことで、生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防することができま
す。特に子どもの場合は、親の生活習慣が反映されることが多いので、まずは親自身が自分の生活習
慣を見直し、改善することが大切です。子どものうちから注意していれば、成人後に生活習慣病やメ
タボリックシンドロームになる危険が少なくなります。
できることから少しずつ、家族全員で生活習慣をよい方向に改めていきましょう。