省エネルギー分野の 国際展開支援について 平成28年10月 NEDO省エネルギー部 目次 1. 国際エネルギー実証事業の目的 2.標準的な進め方 3.相手国との協力体制 4.各フェーズの概要 5.実施中の事業一覧 6.具体的な取り組み事例 7.二国間クレジット制度 8.実施中の事業一覧 2 1.国際エネルギー実証事業の目的 日本が強みを有するエネルギー技術・システムを対象に、相手国政府・公的 機関等との協力の下、海外での有効性を実証し、民間企業による普及につ なげる。 海外でのエネルギー消費の抑制、温室効果ガスの排出削減を通じた地球温 暖化問題の解決に寄与する。 日 シ本 スの テ技 ム術 ・ 日本の技術・システムの 普及促進 実 証 ポ海 テ外 ンの シニ ャー ルズ ・ 海外でのエネルギー消費・ 温室効果ガスの排出削減 3 2.標準的な進め方 国際エネルギー実証事業は、主に以下のフェーズによって構成されている。 ①実証要件適合性等調査:実証研究に必要な情報収集を実施する。 ②実証前調査(必須) :実証研究の実現可能性を検証する。 ③実証研究(必須) :実際に現地にシステムを設置し、その効果やビジネス モデルを実証する。 採択審査 公 募 採択審査 ① 実証要件 適合性等 調査 (1年以内) 公 募 追跡調査 <電話、調査票> 事後評価 事業化評価 ② 実証前 調査 (1年以内) ③ 実証 研究 (3年以内) 継続的な 実証研究、 ビジネス展開 合意文書(MOU ID等)締結 4 3.相手国との協力体制 実証研究フェーズでは、相手国政府・関係機関と役割を分担する。 MOUにおいては、例えば以下の内容等を記載。 ・実証事業の実施に必要な許認可取得等への支援。 ・実証事業終了後の現地での普及活動。 ・同事業への政策的支援措置の実施。 NEDO Memorandum of Understanding (MOU) 助成 監督・支援 Implementation Document (ID) 助成先企業 相手国政府等 実施サイト企業等 5 4.各フェーズの概要 ①実証要件適合性等調査 調査期間 1年以内 実施形態 委託(労務費等) ・1件20百万円未満 ②実証前調査 調査期間 1年以内 実施形態 助成 (必要経費(労務費、その他経費、委託費・共同研究費)に以下の助成 率を乗じた金額をNEDOが負担) ※機械装置等費は計上不可。 <助成率> ・大企業:1/2(NEDO負担額上限20百万円未満) ・中小企業等:2/3(NEDO負担額上限30百万円未満) ③実証研究 事業期間 原則、3年以内(詳細設計~機器製作~輸送~据付~試運転~実証運転) 実施形態 助成 (必要経費(機械装置等費、労務費、その他経費、委託費・共同研究 費)に以下の助成率を乗じた金額をNEDOが負担) <助成率> ・大企業:1/2(NEDO負担額上限20億円) ・中小企業等:2/3(NEDO負担額上限30億円) ※本事業は、政府予算に基づき実施するため、予算案等の審議状況や政 府方針の変更等により、公募の内容等が変更される場合があります。 6 5.実施中の事業一覧 <ロシア> ●高度交通信号(自律分散制御)実証事業 <イタリア> ●直流送電システム向け自励式変換器の実証事業 <スペイン> ●実系統への超電導ケーブルシステム導入実証事業 <中国> ●省エネルギービル実証事業(上海) ●中国南方五省におけるエネマネ・アグリゲータ実証事業に 関する調査 <ウズベキスタン> ●分散型中・小型ガスタービン高効率コージェネシステム実証事業 <ウクライナ> ●キエフメトロ回生電力活用による省エネ実証事業 <米国> ●省エネビルニューヨーク州立大学実証事業 ●データセンターに関するHVDC給電システム実証事業 <インド> ●ICT活用型グリーンホスピタル実証事業 ●携帯電話基地局エネルギーマネジメントシステム実証事業 ●高性能工業炉実証事業 ●製鉄所向けエネルギーセンターの最適制御技術実証事業 <タイ> ●石炭代替燃料の製造・活用に基づく省エネ推進事業 <インドネシア> ●CNG車普及に向けたインフラ構築を含む持続可能な環境整備実証事業 <フィリピン> ●mobility as a System実証事業 6.具体的な取り組み事例 省エネ事業 ~日本の省エネ技術を各国で普及促進~ 民生ビル省エネルギー技術実証事業 米国におけるデータセンターに関するHVDC給電システム等実証事業 HVDC給電システム 直流 交流 商用電力 HVDC対応 データセンター HVDC整流装置 直流分電盤 受電設備 実証事業範囲 HVDC照明 HVDC対応サーバー 380VDC 太陽光発電システム 太陽電池パネル HVDC空調 HVDC対応 リチウムイオン電池 パワーコンディショナー 【民生ビル省エネルギー技術実証事業】 実施期間:平成23~25年度 実施サイト:アマリ・ウオータゲート・ホテル(バンコク市内) 【米国におけるデータセンターに関するHVDC(高電圧直流)給電システム等実証事業】 □タイの首都バンコクの民生ビル等に日本のビル省 エネ技術(ヒートポンプ、LED照明設備、高効率ボイラ 等)を導入・実証し、同技術の適用可能性を検証。 □今後、ESCO(Energy Service Company)の 形で省エネ事業を行う前提であったタイ首都圏配 電公社と協力関係を継続・強化し、更なる普及に 繋げる。 □テキサス大学のデータセンターを実証サイトとして、大 容量(500KW級)のHVDC給電システム、太陽光発電シ ステム、蓄電池を組み合わせた給電システムを構築。 □省エネ性能を評価し交流給電に対する直流給電の優 位性を実証するとともに太陽光発電の発電能力の時 間変動に対する電源装置の運転台数制御の省エネ効 果を評価し、その有効性を実証する。 実施期間:平成27~28年度 実施サイト:テキサス大学 8 7.二国間クレジット制度 二国間クレジット制度(JCM)とは 温室効果ガスの排出削減活動を幅広く対象にし、途上国の状況に柔軟かつ迅速に対応 した低炭素技術移転や対策実施の仕組みを構築することにより、以下の実現を目指す。 途上国への温室効果ガス削減技術・製品・システム・サービス・インフラ等の普及や対策実施を 加速し、途上国の持続可能な発展に貢献。 相手国における活動を通じて実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的 に評価し、日本の削減目標の達成に活用すること。 地球規模での温室効果ガス排出削減行動の促進を通じ、国連気候変動枠組条約の究極的な 目的の達成に貢献。 日本 技術・製品・システム・ サービス・インフラ等 GHG排出削減・ 吸収効果を定量 評価し、適切な MRVを実施 日本の削減目 標達成に活用 排出削減・吸収量 相手国 削減・吸収 活動 排出削減・ 吸収量 これまでに、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パ ラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイの16か国がJCMに係る二国間文書に署名(9月末現 9 8.実施中の事業一覧 世界各国での実証事業の展開(地球温暖化対策技術普及等推進事業) 温室効果ガスの排出削減活動を幅広く対象にし、途上国の状況に柔軟かつ迅速に対応し た低炭素技術移転や対策実施の仕組みを構築することにより途上国への温室効果ガス削 減技術・製品・システム・サービス・インフラ等の普及や対策実施を加速し、途上国の持続 可能な発展に貢献することを目指す。 <ベトナム> 国営病院における省エネ/環境改善によるグリーンホスピタル促進事業 V-BEMS開発によるホテル省エネ促進事業 新技術COBを搭載した特殊LED照明機器による省エネ化及び船上作業改善事業 省エネ型軽量クラフトライナー製造プラント(実証前調査) 輸配送管理システムの導入による静脈物流効率化支援(実現可能性調査) <インドネシア> 石油精製プラントの運転制御最適化による省エネルギー 動力プラントへの運用最適化技術の適用 携帯電話基地局へのトライブリット技術導入による低炭素化プロジェクト <ラオス> 省エネデータセンタープロジェクト <タイ> 省エネ蒸留塔プロジェクト(実現可能性調査) <モルディブ> 海洋深層水多段利用インフラ事業(実証前調査) 10
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