7-9月期ユーロ圏GDP二次速報値 ~トランプ勝利の影響はこれから

EU Indicators
欧州経済指標コメント:7-9月期ユーロ圏GDP二次速報値
発表日:2016年11月15日(火)
~トランプ勝利の影響はこれから~
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 田中 理
03-5221-4527
・ 7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率の二次速報値は前期比+0.3%、同年率+1.4%と一時速報値か
ら不変で、前期(同+0.3%、同年率+1.2%)並みの成長を記録。新たに発表された国別の内訳は、
ドイツ(前期:同+0.4%→今期:同+0.2%)、スペイン(同+0.8%→同+0.7%)、ベルギー(同
+0.5%→同+0.2%)などで成長率が前期から鈍化した一方、フランス(同▲0.1%→同+0.2%)が
プラス成長に復帰、イタリア(同ゼロ%→同+0.3%)、オーストリア(同+0.1%→同+0.5%)など
の成長率が加速した。需要項目別の内訳は12月6日の改定値で公表される。
・ 需要項目別の内訳や概要が公表済みの国では、ドイツで良好な雇用環境や難民危機対応を受け、個人
消費や政府消費が成長を牽引した一方、設備投資が落ち込んだほか、外需も景気を下押し。イタリア
もドイツ同様に、内需が成長を牽引し、外需が下押し。既報のフランスでは、住宅投資、在庫投資、
政府消費がプラス寄与となった一方、設備投資、外需がマイナス寄与、個人消費が横這い。全般に、
内需が底堅く推移したものの、設備投資と外需の落ち込みが成長の足枷となった。
・ 同日発表された11月のZEW景況感(市場参加者の半年先の景況感)は、ドイツが前月から7.6ポイン
ト、ユーロ圏が3.5ポイント改善。なお、同指数の調査期間は10月31日から11月14日と、米大統領選の
結果判明後も含まれる。ただ、米国の改善幅が前月から僅か0.1ポイントにとどまり、トランプ勝利後
の成長加速期待はまだ十分に反映されていない模様。米景気加速とドル高進行は短中期的にユーロ圏
景気の押し上げに働くほか、欧州各国の国防支出の増加も中期的な成長を後押しする可能性がある。
■ ユ ー ロ 圏 : 実 質 GDP成 長 率 ( 前 期 比 年 率 、 % )
■ 2016年 7-9月 期 の 実 質 GDP成 長 率 ( 前 期 比 、 % )
純 輸出
在 庫投資
固 定資本 形成
政 府消費
個 人消費
実 質GDP成長 率
5
4
3
2
ポルトガル
スロバキア
スペイン
キプロス
オランダ
オーストリア
フィンランド
ギリシャ
ラトビア
ユーロ圏
イタリア
エストニア
ドイツ
ベルギー
フランス
リトアニア
0.0
1
0
-1
-2
-3
-4
12
13
14
15
16
出 所 : Eurostat
0.8
0.7
0.7
0.7
0.7
0.5
0.5
0.5
0.5
0.3
0.3
0.2
0.2
0.2
0.2
0.1
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
出 所 : Eurostat
■ユーロ圏GDP(前期比年率<%>、括弧内は寄与度<%ポイント>)
名目
GDP
14/10-12月期
15/1-3月期
15/4-6月期
15/7-9月期
15/10-12月期
16/1-3月期
16/4-6月期
16/7-9月期
2.9
4.5
2.5
2.5
3.6
2.6
1.9
-
実質
GDP
1.8
3.2
1.5
1.4
1.8
2.1
1.2
1.4
内需
(1.4)
(2.5)
(0.4)
(2.7)
(2.9)
(1.5)
(0.9)
-
外需
個人消費 政府支出 固定資本
投資
2.2
0.5
1.9
1.8
1.8
6.7
1.7
1.5
0.1
2.1
1.4
2.4
1.2
2.6
5.9
2.4
2.6
1.9
0.8
0.7
4.5
-
-
-
在庫
(▲ 0.3)
(▲ 0.2)
(▲ 0.9)
(0.8)
(0.6)
(▲ 0.7)
(▲ 0.6)
-
輸出
0.4
0.6
1.1
▲ 1.3
▲ 1.1
0.6
0.3
-
6.0
10.6
5.1
1.8
2.7
0.3
4.9
-
輸入
5.7
10.1
2.9
5.1
5.6
▲ 1.0
4.5
-
出所:Eurostat
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
1