二次元界面での分子構造制御

二次元界面での分子構造制御
Keyword : 気水界面、構造有機化学
研究の背景
力学的エネルギーがどのように機械を動かすかは、目に見えるマクロなレベルでは、良く理
解され、応用されてきた。一方、分子マシンのようなナノレベルでは、全体の力がどのように
伝わり、分子の構造や機能に影響するのかを測定する方法が限られており、あまりよく知ら
れていなかった。
研究の狙い
分子マシンの動作原理を理解し、力学的エネルギーを分子レベルで用い、分子レベルの機
械を自在に動かすための基盤技術を確立する。
最先端研究トピックス
Simulations of single molecule
Experimental data
Force
3.0
Binaphthyl
Molecular
Pliers
1 mN/m
10 mN/m
20 mN/m
30 mN/m
2.0
1.0
0
Compression
1.0
2.0
3.0
200
250
Expansion
at the Air-Water Interface
•
文献
•
•
300
350
/nm
TDDFT(B3LYP/6-31Gdp)
Y. Yonamine, K. Cervantes-Salguero, W. Nakanishi, I. Kawamata, K. Minami, H. Komatsu, S.
Murata, J. Hill, K. Ariga, Phys. Chem. Chem. Phys. 17[48] (2015) 32122-32125.
D. Ishikawa, T. Mori, Y. Yonamine, W. Nakanishi, D. Cheung, J. Hill, K. Ariga, Angew.
Chem.-Int. Edit. 54[31] (2015) 8988-8991.
中西和嘉 「界面における分子・分子集合体の構造・機能制御」 超分子研究会アニュアルレビュー
2015, No. 36, 2-3.
まとめ
実用化の目標
 気体と水の境界面(気水界面)に集まった分子マシン(超
分子両親媒性ビナフチル) 集合体)に対して、力学的エ
ネルギーを与えることで、分子にかかる圧力や分子の構
造変化などを詳細に測定することに成功した。
 今回用いた力学的エネルギーは、通常分子マシンを動
かすのに使われる光や熱エネルギーと比較し桁違いに
小さいため、本技術は、簡便かつ省エネの新しいナノ技
術となることが期待される。
ナノマテリアル分野 超分子グループ
中西 和嘉
E-mail: NAKANISHI.Waka●nims.go.jp
URL: http://www.nims.go.jp/super/HP/home.htm
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