(豚編) (鶏編)

(豚編)
(鶏編)
鶏は、寒さに比較的強いと言われていま
冷え・乾燥・換気不足により、呼吸器病
すが、寒すぎれば熱生産が追いつかずに体
が発生しやすい季節がやってきました。
温が低下し、凍死につながることもありま
○冷えと乾燥
す。採卵鶏においても温度の急激な低下は
【子豚】冷えは豚の体力を消耗しますし、
産卵率の低下を引き起こします。
乾燥していると粘膜の防御能が低下し、病
寒さ対策として、カーテンの設置や鶏舎
原体が生体内に侵入しやすくなります。冷
の隙間を防ぐことで冷たい風が吹き込むの
えは下痢にもつながります。子豚の最適温
を防ぎ、鶏の体感温度を下げないよう努め
度は、新生子豚 35℃、哺乳子豚 30℃、離乳
ましょう。肉用鶏舎内は、最も代謝が盛ん
子豚 27℃です。ヒーター、保温箱、屋根の
になるといわれている 18℃前後に保ちま
設置等により、ステージに見合った保温を
しょう。
心がけてください。また、隙間風は風速が
ただし、冬は呼吸器病が発生し易い時期
早いため、豚の体感温度を下げてしまいま
となります。換気不良による弊害も有りま
す。本格的に寒くなる前に、隙間をできる
すので注意が必要です。鶏糞が堆積してい
だけ塞ぎましょう。
る状態で密閉されると、アンモニアガス等
【母豚】母豚も腹冷えを起こし、うつぶせ
の発生や粉塵により呼吸器病が誘発されま
寝になると、乳房や子宮への血流量減少か
すので、鶏舎の清掃、除糞をこまめに行う
ら、子豚のばらつき、乳量の減少、乳房炎
とともに、日中の温かい時間帯に換気を行
となることがありますので、冷気や床面の
い、新鮮な空気の供給に心がけましょう。
濡れに注意してください。
また、計画的なワクチン接種や気温に沿
った飼料給与計画による良質な餌の給餌を
○換気
実施しましょう。
防寒対策だけして換気しないでいると、
(金谷)
アンモニア、病原体を含んだ埃等が豚舎内
に充満し、粘膜を刺激して呼吸器病のリス
クがさらに高まります。比較的暖かい昼間
に積極的に換気をしましょう。
豚流行性下痢(PED)は、発生件数が減
少し、現在では限局的な発生のみとなりま
した。しかし、過去 3 年間を見ますと、10
月以降に本病の発生が増加していますので、
今年の冬も気を引き締め直し、飼養衛生管
理の徹底とワクチン接種の継続により、本
病の侵入防止に取り組んでください。
(坪根)
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