水力発電に関する例題の草稿PDF - 電験3種WebHandMade

4. 水⼒発電に関する例題
1.直流機
例題 01
草稿のため、加筆修正の可能性があります。
総落差 H0=250[m]、損失落差 h=10[m]の⽔⼒発電所がある。
この発電所の使⽤⽔量が Q=25[m3/s]であるとき、次の(1)〜(4)の値を求めなさい。
ただし、⽔⾞効率ηt 及びηg は共に 90[%]であるものとする。
(1) 有効落差 H[m]
(2) 理論⽔⼒ P[kW]
(3) ⽔⾞出⼒ Pt[kW]
(4) 発電機出⼒ Pg[kW]
[解]
⽔⼒発電所の概略図を書く。
ただし、脳内でイメージすることができればこの作業は不要である。
イメージ
池
H0
できるかな?
ηg
H
発
h
Q
P
Pg
Pt
⽔
放⽔
ηt
有効落差 H を計算する。
H=H0-h=250-10=240[m] --- 答(1)
理論⽔⼒ P を計算する。
P=9.8QH=9.8×25×240=58800[kW] --- 答(2)
⽔⾞出⼒ Pt を計算する。
Pt =9.8QHηt =58800×0.9=52920[kW] --- 答(3)
発電機出⼒ Pg を計算する。
Pg =9.8QHηtηg =52920×0.9=47628[kW] --- 答(4)
(C)電験 3 種 WebHandMade
1
例題 02
有効落差 H=256[m]、最⼤使⽤⽔量 Q=11.5[m3/s]の⽔⼒発電所がある。
この発電所で採⽤しているペルトン⽔⾞は、定格回転速度 N=360[min-1]、
効率ηt=86[%]、6 ノズルである。
次の(1)〜(3)の値を求めなさい。
(1) ⽔⾞出⼒ Pt[kW]
(2) ノズル 1 個あたりの⽔⾞出⼒ P[kW]
(3) ⽔⾞の⽐速度 Ns[m・kW]
[解]
⽔⾞出⼒ Pt を計算する。
Pt =9.8QHηt =9.8×11.5×256×0.86≒24812[kW] --- 答(1)
ノズル 1 個あたりの⽔⾞出⼒ P を計算する。
P=
Pt
24812
=
≒4135[kW] --- 答(2)
6
6
⽔⾞の⽐速度の公式から Ns を計算する。
1
Ns=N
P2
H
5
4
1
=360×
1
Ns=N
例題 03
P2
H
5
4
=360×
4315 2
256
5
4
4135
(4 )
4
5
4
=360×
=360 ×
4135
(4 )
4
5
4
4135
4
5
=360×
4135
45
≒22.6[kW] --- 答(3)
≒22.6[kW] --- 答(3)
上池と下池の⽔面の標高差が H0=500[m]の揚⽔発電所がある。
この発電所の揚⽔量 Q=50[m3/s]、ポンプ効率ηp=85[%]、電動機効率ηm=84[%]、
損失揚程 h=10[m]とするとき、次の(1)〜(2)の値を求めなさい。
(1) 揚⽔所要電⼒(電動機⼊⼒) Pm[MW]
(2) ポンプ⼊⼒(電動機出⼒) Pp[MW]
2
(C)電験 3 種 WebHandMade
[解]
揚⽔発電所の概略図を書く。
ただし、脳内でイメージすることができればこの作業は不要である。
h
上池
H0
ηm
H0+h
電
Pm
PP Q
Q
ポ
下池
ηp
揚⽔所要電⼒(電動機⼊⼒) Pm を計算する。
Pm =
9.8Q (H0+h)
ηpηm
=
9.8×50×(500+10)
0.85×0.84
=350000[kW]=350[MW] --- 答(1)
ポンプ⼊⼒(電動機出⼒) Pp を計算する。
Pp =Pm ηm =350×0.84=294 [MW] --- 答(2)
※ 効率=
例題 04
出⼒
⼊⼒
→ ⼊⼒=
出⼒
効率
定格回転速度 Nn[min-1]で運転中の⽔⾞発電機の負荷を遮断(無負荷)したところ、
速度変動率δ=30[%]であった。
発電機の周波数 f=60[Hz]、極数 p=18 とするとき、次の(1)〜(2)の値を求めなさい。
(1) ⽔⾞の定格回転速度 Nn=(120/p)f [min-1]
(2) 負荷遮断時の⽔⾞の最⼤回転速度 Nm[min-1]
(C)電験 3 種 WebHandMade
3
[解]
⽔⾞の定格回転速度 Nn を計算する。
Nn =
120
120
×60=400[min-1 ] --- 答(1)
f=
p
18
速度変動率δ=
Nm-Nn
の式から、最⼤回転速度 Nm を計算する。
Nn
δNn =Nm-Nn
Nm =δNn +Nn =0.3×400+400=520[min-1 ] --- 答(2)
例題 05
定格出⼒ Pn=200[MW]、定格周波数 fn=50[Hz]、速度調定率α=4[%]の⽔⾞発電機があ
る。この⽔⾞発電機が系統周波数 f=50[Hz]の電⼒系統に接続され、全負荷運転していたが、
系統周波数が f2=50.3[Hz]まで上昇した。次の(1)〜(2)に答えなさい。
ただし、系統周波数変化後の発電機出⼒を P[MW]とする。
(1) ⽔⾞発電機のガナバ特性の概要図
(2) 発電機出⼒ P[MW]
[解]
題意に基づいた、ガバナ特性の概略図を書く。
右下がりの直線を書く
50.3
f2
周
波
数
[Hz]
fn
50
f2-fn
--- 答(1)
Pn-P
P
Pn
200
出⼒[MW]
速度調定率α=
4
f2-fn
fn
Pn-P
Pn
の式から、発電機出⼒ P を計算する。
(C)電験 3 種 WebHandMade
α×
f -f
Pn-P
= 2 n
Pn
fn
Pn-P=
P
f2-fn
× n
fn
α
P=Pn-
50.3-50
f2-fn
P
200
× n =200-
×
=170[MW] --- 答(2)
fn
α
50
0.04
※ 回転速度と周波数は⽐例関係にある。(例題 04 参照)
例題 06
総揚程 H[m]、ポンプ効率ηp、電動機効率ηm の揚⽔発電所がある。
下池から上池に V[m3]の⽔を運転時間 T[h]で揚⽔するとき、
次の(1)〜(3)に答えなさい。
(1) 揚⽔量 Q[m3/s]の式
(2) 揚⽔電⼒ Pm[kW]の式
(3) 揚⽔電⼒量 Wm[kW・h]の式
[解]
揚⽔発電所の概略図を書く。
ただし、脳内でイメージすることができればこの作業は不要である。
V
上池
Q
ηm
H
電
Q
Pm 、Wm
T
Q
ポ
下池
ηp
V
(C)電験 3 種 WebHandMade
5
題意から揚⽔に要する運転時間は T[h]=3600T[s]となるので、
揚⽔量 Q の式を書くことができる。
Q=
V
3
[m /s] --- 答(1)
3600T
答(1)式を揚⽔所要電⼒の公式に代⼊する。
Pm =
9.8Q H
ηpηm
=
9.8 VH
3600 Tηpηm
[kW] --- 答(2)
答(2)式に運転時間 T[h]をかけて、揚⽔電⼒量 Wm の式を書く。
Wm =Pm T=
例題 07
9.8 VH
3600ηpηm
[kW・h] --- 答(3)
下図の⽔圧管内を⽔が充満して流れているとき、次の(1)〜(2)の値を求めなさい。
ただし、⽔の密度ρ=1.0×103[kg/m3]、重⼒加速度 g=9.8[m/s2]とし、
⽔圧管内の損失は無視するものとする。
管の内径 dA 2.5[m]
A
流速 v A
圧⼒pA
4.0[m/s]
25[kPa]
⽔槽
高低差h
30[m]
⽔圧管
(1) B 点の流速 vB[m/s]
(2) B 点の圧⼒ pB[kPa]
6
(C)電験 3 種 WebHandMade
B
管の内径 dB 2.0[m]
流速 vB
圧⼒pA
[解]
A 点と B 点に流⽔に関する連続の定理 QA=QB を適⽤し、流速 VB を計算する。
2
2
 d 
 d 
π  A  v A = π  B  vB
 2 
 2 
2
2
 d 
 2.5 
vB = A  v A = 
 ×4.0 ≒ 6.3[m / s] --- 答(1)
 dB 
 2.0 
B 点を基準面に取って、A 点と B 点に流⽔に関するベルヌーイの定理を適⽤し、
圧⼒ pB を計算する。
h+
pA
v 2
p
v 2
+ A = 0+ B + B
ρg
2g
ρg
2g
pB
p
v 2-vB2
= h+ A + A
ρg
ρg
2g
pB = ρgh + p A +
3
(
2
ρ v A -vB
2
2
)
3
pB = 1.0×10 ×9.8×30 + 25×10 +
(
1.0×103 4.02-6.32
2
)
pB = 307155[Pa] ≒307[kPa] --- 答(2)
(C)電験 3 種 WebHandMade
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