(訂正済) - 北海道大学公共政策大学院

2013
新 た な 政 策 領 域 の 創 造 に 向 け て 、
政 策 プ ロ フ ェ ッ ショ ナ ル へ の 新 し い 道 を 拓 く 。
A new way to the policy professional is opened aiming at the creation of a new policy area.
「文系と理系」、
「官と民」、
「グローバリゼーションと地方分権」
こうした対照的な分野を、掘り下げた専門を確固とした基礎としながら、
学際的・専門横断的に統合して、現代社会が必要とする公共政策の担い手を育てること、
これが北海道大学の公共政策大学院の使命です。
01
Hokkaido University Public Policy School
ご挨拶
北海道大学公共政策大学院の実質的な生みの親である前中村研一院長は、日本の大
学について次のように整理しています。
「日本の大学は、明治以来、欧米で成立した学問の
成果を圧縮し、
その「専門家」を育成することを使命としてきました。法学部も、経済学部も、
公共政策大学院院長
宮 脇 淳
工学部も、カリキュラムの体系は、
まるで美しい花壇のように秩序立っています。各学士課
程に関する限り、
日本の大学は他の途上国のモデルとされる水準を誇っています。それは、
欧米がはじめて近代の課題に取り組んだ成果を、遅れて出発した我々日本人が後発者の
利益として享受できたからです。しかし、今や直面する問題群自体が新しくなり、急速な少子
高齢化をはじめとして日本や東アジアが欧米より先に直面し解決すべき課題が山積してい
ます。後発者から先に取り組まねばならない時代となったのです。」
こうした時代認識を根底に踏まえ、我々公共政策大学院は、
「学部から大学院への一貫
した専門教育」という考え方をとるのではなく、学際的、包括的な課題意識と学識の広がり
を持つことを教育、研究の基本とします。今、直面している問題群に対して、
「法学」、
「経
済学」、
「工学」といった学部別に細分化された伝統的縦割りではなく、
「文理融合」という
理念を掲げ、文系・理系を問わず学内の多くの研究分野を結合して、考え、活用できるカリ
キュラムを提供します。また、公共政策大学院は、
「社会と隔絶した大学」ではなく「社会と
共に実践し学ぶ大学」を実現します。21世紀の新しい問題群への挑戦に取り組んでいる
知性の多くは大学の外にあります。本大学院が「大学と社会の架橋」を目指し、多彩な実
務家と研究者から構成する教員が一体となり、社会人を含めた多彩な院生とともに学んで
いるのは、われわれが直面する問題群に関する冒頭の知の変容の認識に基づいています。
そして、我々は単なる「How to」の政策技法だけを目指すことはしません。我々は、単な
る政策の批判者ではなく政策の創造者を生みだしたいからです。そのためには、同時に未
知の課題に取り組む根底の力となる思想、哲学をも重視します。なぜならば、未知の新たな
問題群に対する普遍力、応用力、挑戦力は先人の英知の蓄積である思想、哲学の中に存
在しているからです。
公共政策大学院は、国、地方の政治家、公務員を目指す人はもちろんのこと、民間企業
のグローバル展開や地域に向けたパートナーシップ事業の展開、NPOや中間支援組織活動、
そして現役社会人の経験を通じた知識の再整理と向上など、幅広い領域の幅広い学生を
受け入れています。教育と研究の両面を通じて大きく変わろうとしている内外、文理、理論
と実践、官民そして時空の壁を超えた社会空間を担う人のチャレンジを心からお待ちしてい
ます。
02
公共政策大学院の目指すもの
北海道大学公共政策大学院は、
開設7年目の今年3月に、
6期生を社会に送り出しました。
今後さらなる教育や研究の充実を図っていく
ことが求められていますが、
その目指すところや特色について紹介します。
文理融合
「文理融合とパートナーシップ」
本大学院は、いわゆる専門職大学院という位置づけで2005
年4月に開設されました。従来の大学院が研究者の養成という
目的で設置されているのに対し、専門職大学院は高い専門性を
想像力と
実現力
パートナー
シップ
新しい
政策課題
持つ職業人の養成という目的を付与されていますが、本大学院
では広くパブリックセクターの実務者養成を目指しています。
全国に設置されている他の公共政策大学院とは異なる本大
学院の特色として、
「文理融合」というコンセプトをあげることが
学部など様々な教育課程を経た進学者、現役の自治体職員、
できます。従来は、専門領域に特化するのが、高等教育におけ
NPO職員など多様な社会人が集い、二重の意味で望ましい教育
る学ぶスタイルでしたが、一方で、今日の縦割り社会の閉塞感も、
環境が実現しています。こうした環境によって、お互いが多様な
そうした教育の延長上にある問題ではないかと考えられています。
発想を学び、切磋琢磨する機会を持つことができるのが、本大学
そうした反省に立って、公共政策に本来必要な学問領域を、文系・
院で学ぶ何よりのメリットだと言えます。
理系というこれまでの枠を超えて体系化して学ぶことができるよ
ようやく5期までの院生を社会に送り出しましたが、国、地方公
うにしたのが、
「文理融合」という考え方です。本大学院では、
共団体、
シンクタンク、マスコミ、民間企業と幅広い分野に地歩を
工学研究科、法学研究科、経済学研究科という3つの部局が母
築いています。今後は、
こうしたネットワークがさらに広がりながら、
体になり、
その他の部局の支援も受けて、
こうした枠組みを形成
社会に一定の影響力を持っていくものと期待されます。
してきています。
研究者に加え、中央省庁、政府機関など、各界の第一線で活
「カリキュラムの特色」
躍されている方々を実務家教官として迎え入れ、
「政策現場と
学問拠点の融合」
「構想力と実現力の融合」を目指している点
本大学院では「公共経営コース」
「国際政策コース」
「技術政
も大きな特色となっています。新しい政策課題の解決には、多
策コース」の3コースを併設していますが、文理融合を支えるカリ
様な主体のパートナーシップが不可欠になっており、
それぞれの
キュラムの特色について触れていきます。
立場からの政策発信を学んでもらう必要があるからです。同時に、
専任の教員のみならず、多くの教員の協力を仰ぎ、開設当初
個別の政策課題の解決に当たっては、深い構想力と、政策を現
から、隔年開講も含めて90科目以上の授業を設定しています。
実に展開する実現力の双方を必要としているからです。
また、多様な教育履歴を持つ学生が幅広い知識、実践的なノウ
こうしたコンセプトによって、教授陣に多彩な顔ぶれを揃える
ハウを取得できるように、
「前提科目」
「根幹科目」
「展開科目」
ことができたほか、学生にも、法学部、経済学部、教育学部、工
というように、階層的な科目編成を行っている点も大きな特色に
なっています。前提科目には、例えば「経済政策論」
「技術政策学」
といった科目が用意されていますが、文理融合を進める一環として、
文系学生が技術政策学を履修し、理系学生が経済政策論を履
修するといった形で、基礎知識を補完してもらう狙いもあります。
そうした基礎的知識の上に、より専門性の高い科目群を配置し、
各人の問題意識に対応した科目履修ができるようにカリキュラム
を設定しています。
また、主要な政策課題別に「政策事例研究」を開設しています
03
が、少数の受講者を対象に、各政策分野の第一線で活躍される方々
の話を直接うかがい、活発
「多様な活動」
なディスカッションも行って
大学院としては、常に教育の質を高めていくことが求められて
いくことが特色となっており、
いますが、実践的な討議能力を高めることを目的に、新年度から「政
実践的な政策能力の向上
策討議演習Ⅰ
・Ⅱ」の授業を設けることとしています。また、
リサー
につながっていると考えられ
チ奨学金を新設し、
リサーチペーパーのテーマ選定にかかる様々
ます。この他にも、実際の実
な研究活動を支援することとしています。
務体験を行うエクスターンシ
また、院生が自ら企画したシンポジウムを開催することも恒例
ップなども、重要な科目とし
化しており、昨年度は「セーフティネット」をテーマに、学生も参加
て位置づけられています。
して興味深い議論を展開しています。また、持続可能な北大キャ
ンパスの構築を目指した「サステナブル・キャンパスコンテスト」
「独自の入学制度の設立」
では、有志が参加して校内掲示板の管理を学生自らが行う形に
するというプロジェクトを提案し、最優秀賞を受賞しています。教
次に、本大学院の入試制度の特色について紹介します。
育効果をいかに向上させていくかについては、
こうした取り組みを
本大学院の入試については、
「一般選考」のほか、顕著な業
通じて、努力を積み重ねていく必要があると考えています。
績を持つ者を対象とする「基準特別選考」、実務経験を持つ者
同時に、多彩な教授陣を中心に、大きな変革の時代にあるわ
を対象とする「社会人特別選考」など、多様な選考方法を準備し
が国の方向づけに積極的に情報発信していくことも重要になっ
ています。
ています。これまで、喜茂別町及び網走市と包括連携協定を締
なかでも、実務経験を評価して、大学卒業の資格にとらわれな
結し、地域づくりに協力してきているほか、
これも恒例となってい
い独自の出願資格を付与できることとしているのが大きな特色と
る「地方議員向けサマースクール」を開催するなど、社会に開か
なっており、
この制度を活用して、多くの現役社会人が意欲を持
れた大学院として、様々な活動が定着してきています。
って入学しています。
また、本大学院の研究部門として、公共政策学研究センターが
また、社会人には、1年履修や長期履修も制度として認めてい
設置されています。同センターでは、大学内の理論研究と大学外
るほか、一部授業を土曜開講にするなど、できる限り仕事などと
の政策現場の垣根を壊して実践志向の学術領域を形成するとと
両立しながら学ぶ環境も整えてきています。
もに、大学内で根強かった文理の区分を超えた学術的な公共政
策学を生み出して行く目的で、年報発刊やシンポジウム開催など、
「経済支援制度の拡充」
様々な活動を展開しています。
特に、昨今の経済環境なども踏まえ、2013年度から奨学金制
度を大幅に拡充することとしました。
従来からの入学金及び初年度授業料の全額免除に加え、入
学金及び初年度授業料の半額免除に相当する奨学金(1人40
万円)を創設し、顕著な業績を持つ者を対象とする基準特別選
考合格者全員に支援制度が行き渡るようにするなど、院生が研
究に集中できる環境づくりに注力しています。
04
コースとカリキュラム
理念をかたちにするカリキュラムで多様な関心に応える。
世代も経験も多様な人々が門をたたく公共政策大学院。その学習と研修のシステムは、政策研究の前提となる「前提科目」から3つ
のコースに沿った「根幹科目」、
そして「展開科目」へと積み上げられる科目群がいわば主柱となります。
これに、実務家と研究者が協働する「政策事例研究」、政策の実現力を育む「実践科目」が、有機的に組み合わされています。
■リサーチペーパー
様々な授業で学んだ知識を体系化して、今日的な公共政
策に関するリサーチペーパーを書き、単位を得ることが修
了要件となります。履修に当たっては、
それぞれの学習ス
■実践科目
ケジュールなどにより、4つのタイプのリサーチペーパー
から選択することができます。
政策の立案、合意形成、執行という政策推進を支える技
公共政策特別研究Ⅰ・ⅡA・ⅡB
法を修得するための科目です。政策ペーパーの書き方、
交渉や合意形成の方法、
さらには外国語のトレーニング
などが含まれます。
■政策事例研究
公共政策実務演習(エクスターンシップ)Ⅰ・Ⅱ
官民連携実務演習(エクスターンシップ)Ⅰ・Ⅱ
実際の政策事例を取り上げ、これを検討、評価しながら
法政策ペーパー技能演習/社会調査法/交渉・合意形成手法/
学んできた知識を総合化するための科目です。実務家教
政策討議演習Ⅰ・Ⅱ/英語実務演習Ⅰ・Ⅱ/中国語実務演習
官と研究者教官のチーム・ティーチングや、実務と理論の
融合などが特色です。
公共経営事例研究/福祉労働政策事例研究/
国際政治経済政策事例研究/都市交通政策事例研究/
環境政策事例研究/災害危機管理事例研究/
各コースにわたり、専門性の高い、幅広い知識を身につ
公
共
経
営
コ
国
際
政
策
コ
技
術
政
策
コ
けるための科目です。政策分野毎の理念、政策課題、対
ス
ス
ス
■展開科目
応方策などについて学びます。
■根幹科目
各コースを学ぶ上で、基本となる科目です。主に、政策を
地域政策論/金融政策論/開発経済学/環境政策論/リーダーシップ論/
比較政府間関係論/国際人権法/行政法制度論/地方自治法/
構想し、分析するための理論や方法に関する科目を配置
立法過程論/環境法Ⅰ/環境法 Ⅱ/競争法政策/国際協力論/
しています。
租税政策論/現代労働法政策/福祉法政策学/福祉社会政策論/
現代社会保障論/比較地域福祉論/ジェンダー政策論/
現代日本政治外交論/現代法思想/現代アジア政治外交論/
現代アメリカ政治外交論/現代ヨーロッパ政治外交論/現代比較アジア法/
現代犯罪論/NGO/NPO経営論/情報過程論/
現代政治分析/現代政治思想論Ⅰ・Ⅱ/公共経営特論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/
公共哲学/政策評価論/国際関係法/民事法入門/
グローバル・ガバナンス論/現代社会と私法秩序/行政法秩序論/
ミクロ経済学/マクロ経済学/環境経済学/国際経済学/
プロジェクト・マネジメント論/
環境技術政策論/都市技術政策論/運輸交通政策論
国際政策特論Ⅰ・Ⅱ/公共経済学/財政学/労働経済学/日本経済論/
社会資本整備論/環境リスク管理論/自然災害論/
イノベーション・マネジメント論/廃棄物技術政策論/技術政策特論Ⅰ・Ⅱ/
農業政策論/森林環境保全論
■前提科目
様々な分野から、本大学院に集まる全ての学生に、公共
政策を学ぶ前提となる知識を身につけるための科目です。
公共政策学/政治過程論/法政策学/
国際公共政策学/経済政策論/統計分析/技術政策学
※科目が変更になる場合があります。
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Hokkaido University Public Policy School
■公共経営コース
公共政策に関わる人々が増大する中で、
それぞれの立場からいかに政策過程にかかわっていくか。
公共的価値と個別的利益、公正と効率の調和を図るかを学びます。
私は経済学部で学んだことだけで社会へ出ることに不安を感じていました。社会で起きている様々な事象を把握し理解できる素養を
身に付けた上で自らの進む道を決めたいと思ったのがHOPS進学の理由です。
鳥屋尾天平
HOPSの特徴は様々な背景を持つ学生が集まっていることです。一つの問題について複数の視点から考えることで新たな気付きが得
られます。また社会人学生とのハイレベルな議論も醍醐味の一つです。
カリキュラムは金融、財政、法政策、政府間関係など多種多様な問題に触れることができ、視野の広さを獲得できます。エクスターンシ
ップでは杉並区と財務局でお世話になり、行政の現場を体験することができました。
理論と実践を組み合わせ、課題発見能力と政策提起能力を身に付ける。そして自分に合った働き場所を見つけるのがHOPSという場
だと思います。
■国際政策コース
著しく変化する世界のなかでいかに国際的公共秩序を展望するか。日本を含む東アジア、アメリカ、
ヨーロッパにおける
内外諸政策の政策課題をとらえ、
グローバルな文脈をふまえて、
その打開の道を展望します。
私は途上国でボランティア経験をし、開発援助の問題は一つの専門知識だけでは解決できないと実感しました。多様な専門知識と
総合的に問題を解決する力を身につけるべく、HOPSに進学しました。この複合的能力は現代の社会的課題を解決する上でどの分
齊藤 彩乃
野にも求められています。HOPSでは公共政策を根幹とし文理融合からなる様々な領域の科目から、多角的な視野で物事を捉える力
を養います。
私は国際政策コースで世界情勢を読み解く力を養い、
自身の問題意識の解決につながるヒントをたくさん得ていると実感しています。
また、
それぞれ専門を異にする学生と、各分野の第一線で活躍されている先生が集まったHOPSでの出会いは刺激的です。HOPSは
みなさんのすでに持つ専門知識や経験をさらに深みあるものにし、大きな成長をもたらしてくれることと思います。
■技術政策コース
急速に発展するテクノロジーをいかに社会のニーズにむすびつけ、
そのように公共的秩序形成に寄与していくか。
多様なプロジェクトの推進や評価、危機管理にかかわる技術政策のエキスパートを育成します。
地球温暖化やエネルギー問題など多様な環境問題に立ち向かうためには、技術研究のみならず社会資本整備や法制度など総合
的な問題意識が不可欠であるという信念のもと、工学部からHOPSへの進学を決意しました。
諏訪部 力
多彩なカリキュラムにおいては知識の広がりを得る一方で、ディスカッション及びグループワークでは実務能力やアウトプットを問わ
れることが多く、慣れない環境に戸惑いながらも成長を感じています。また、世代や背景の異なる学生との交流では価値観のギャップ
を感じることもありますが、
そこは公共政策の実践として、多様性を認め合いながら自己形成に努めています。
HOPSは、文理を解する想像力豊かな人材になるための新しいフィールドです。公共政策という根幹かつ包括的な視点を持って、学
部時代に培ってきた専門性や見識が内外から刺激を受けて発展していくのを実感する日々を過ごしています。
修了要件および一年修了、長期履修制度
修了要件
一年修了、長期履修制度
42単位以上の取得が卒業要件です。
すでに公共政策関連での実務経験を有する社会人等に、一年修了の可能性を開いています。ただし、
ただし、科目ごとの要習得単位が決
通常の履修条件をベースに出願時に1万字のレポートを提出し、1年前期に「政策評価論」を履修、1年末
められています(前提科目8、根幹科
までにリサーチペーパーを提出するなどの条件を満たしたものに限ります。
目4、展開科目6、実践科目と政策事
また、職業を有している等で、通常の学生よりも単位取得のための学習時間が制限され、標準修業年限
例研究科目8以上、
リサーチペーパー
(2年)を超えて在学しなければ課程を修了できないと考える学生のために、長期履修制度も用意していま
2以上)。
す。申請に基づき、教授会が審査・許可した上で、一定の期間(4年以内)にわたり在学し、計画的に履修
して修了することになります。
私は専門学校の教員として社会福祉士養成に携わっています。社会福祉士は、介護や障害、経済問題などに直面する方々の生活を支援する専門
職ですが、個別支援を中心としながら、社会的不利益を解消するために広く政策に働きかけることも活動となります。しかし、私自身、政策的関与は十分
で無かったため、学びを深めたいと考えたことがHOPS入学の動機です。幸い長期履修制度が利用できましたので、週に3∼4科目程度の履修で仕事と
の両立を図ることができます。
HOPSでは、基礎学問から理論、実践を広く学ぶことができます。実践知の深まりに加え、議論を重ねることによる視野の広がりを実感しています。
丸山正三
長期履修者
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実践的な講義内容
事例研究
事例研究は、現に展開されている先進的な公共政策の事例
原発問題を考える」をテーマに、第一線で活躍するゲストをお迎
について、資料による検討とともに、実際の政策形成に携わっ
えしました。飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所長)、開沼
ている、国・地方の行政官、
ジャーナリスト、企業経営者、研究者
博氏(東京大学大学院)、玄田有史氏(東京大学社会科学研究
などを招き、報告と討議を通じた多面的検討により、政策分析・
所)、仁平典宏氏(法政大学社会学部)、奥山俊宏氏(朝日新聞
形成の能力を高めていくことを目的にしています。
経済部)、水野倫之氏(NHK解説委員)、外岡秀俊氏(元朝日新
平成22年度は、
「環境政策事例研究」
「都市交通政策事例
聞解説委員)、杉山晋輔氏(外務省アジア大洋州局長)、山口昇
研究」
「福祉労働政策事例研究」
「国際政治経済政策事例研
氏(防衛大学校総合安全保障研究科・元内閣参与)、鈴木達治
究」など、前期・後期合わせて8科目が開催され、多くの学生が
郎氏(原子力委員会委員長代理)
といった日本を代表する方々
履修しました。
にお越しいただき、議論を深めました。過去にはムハマド・ユヌス氏、
このうち、
「公共経営事例研究」では、公共分野を取り巻く環
田原総一朗氏、森達也氏、枝野幸男氏、田中均氏、北田暁大氏、
境変化にとどまらず、地域経営を巡る課題について広く取り上
雨宮処凛氏、湯浅誠氏などにも講師としてお越しいただいていま
げています。22年度は、
「震災復興を考える」
「地域産業を考え
す。
る」などのテーマを設定し、授業を行いました。
授業は毎回、前半1時間を講師にお話しいただき、後半1時間
震災復興に関しては、読売新聞社論説委員会副委員長の飯
を議論にあてています。HOPS専任教員との討論と共に、学生か
らの質問も活発で、いつも議論が白熱します。事例研究の最大
の特徴は、第一線の現場で活躍する方々に、直接、自分の意見
をぶつけることができることでしょう。授業終了後も、常に講師の
周りには学生の人だかりができ、議論が続きます。
こうした生の感覚に接することで、公共政策の現場をリアルに
体感し、目標を具体化することが可能となります。大学院で学び
ながら、現場感覚を身につける。それが事例研究の大きな目的で
す。
なお、
「国政政治経済政策事例研究」の一部は、ニコニコ動
画で放送しました。議論を外へ開くことを通じて、今後も活発な
議論を展開していく予定です。
田政之氏をお迎えして震災後のわが国の課題についてお話い
ただいたほか、
日本政策投資銀行東北支店長の鈴木貴博氏を
お迎えして、震災復興の現状と課題について様々な視点から討
議を行いました。また、地域産業に関しては、北海道銀行頭取の
堰八義博氏、キャリアバンク代表取締役の佐藤良雄氏、セイコ
ーマート社長の丸谷智保氏などをお迎えし、
それぞれの専門の
立場から、北海道産業の今後の可能性についてお話いただき
ました。恒例となっている現地調査では、下川町、名寄市を訪問
し、森林バイオマス活用、地域医療についての、現場からの視
点で議論を深めることができました。
平成22年度の「国際政治経済政策事例研究」では「震災・
07
エクスターンシップ
公共政策プロフェッショナルには、バックボーンとなる体系的な専門知識と共に、新しい政策課題に挑戦する構想力と実現力が求められ
ます。北海道大学公共政策大学院では、公共政策の理論・事例研究等に加え、交渉やプレゼンテーションなど、政策をめぐる実現力の養
成にむけた実践科目を展開しています。
「エクスターンシップ」はその一環として、学生が、行政機関、民間企業、国際機関等に一定期間出向き、実務の現場に触れることを通じ
て、多彩な領域で公共政策の実践力の向上をめざします。専門職大学院の学生として、進路選択を具体化する上でも、絶好の社会体験
の機会と位置づけることができることから、専任の教員がアレンジを支援し、単位認定を伴う授業科目として開講しています。
私は、人事院主催の霞が関インターンシップを活用して、厚生労働省医政局総務課において10日間の実習を
させていただきました。医療広告規制と医療情報提供制度の今後のあり方に関する調査・研究として、広告規制
の比較研究や情報提供制度の検討に携わらせていただきました。
佐 藤 有
厚生労働省
実際に政策を企画立案する場では、未知の問題に対して自分で考えて行動する姿勢、
そして多くの意見や考え
方をよく聞いて調整する力が大切であると強く実感しました。また、政策を執行する時には法の根拠があるかどうか、
あるいは法をうまく使いこなせるかどうかが常に問われることもわかりました。特に、政策課題を考える時には、問題
となっている事象の本質を適切に理解することがとても重要なことだとわかりました。
エクスターンシップに参加したことは、
お世話になった職員の方々や他大学の学生からの良い刺激も受けるなど、
今後の研究を進めていく上でも大変貴重な経験となりました。
私は、エクスターンシップのプログラムを活用して、札幌市役所において2週間の実習をさせていただきました。
実習内容は大変充実しており、経済局や保健福祉局、区役所の職場訪問や、産業・文化政策に関する政策提案
等を行いました。
エクスターンシップでは、公共政策が実践させる場に触れることができたとともに、公共政策の具体的なイメージ
を持つことができました。例えば、各種施策を進める上で、市民の方とどのように接しているかを学ぶことができた
ことや、
また政策提案において、職員の方から実務を踏まえたアドバイスをいただいたことが特に印象に残ってい
川村 亮太
札幌市
ます。
その他、他の参加者から刺激を得ることができた等、今回のエクスターンシップは大変貴重な経験となりました。
本大学院は、多様な教員の方から多くのことを学べることに加え、エクスターンシップにより実務の世界に飛び
込む機会に恵まれています。学生の皆さんは、ぜひ参加されることをお勧めいたします。
私は人事院主催の霞が関インターンシップに参加し、防衛省にて「国際安全保障環境改善の取り組み」という
課題で実習をさせていただきました。防衛省の場合は講義形式の実習が中心で、毎日様々な部署から部員(課長
補佐)級の現役官僚の方に来ていただいて講義を受けました。講義だけでなく、市ヶ谷台ツアーや大臣会見の見
畠山 彩夏
防衛省
学など盛りだくさんな内容で、充実した2週間でした。
このインターンを通じて、強く感じたのは研究と実務との大きな違いです。実習内では政策立案ワークショップ
も行ったのですが、いかに国防と国際貢献のバランスを取るか、
あるいは国民の理解を得るかといった、大学での
勉強だけではわからない部分について考える非常にいい機会となりました。こういった実務面について理解を深
めることが出来る点がインターンの最も有意義な点だと思います。
08
教 員 紹 介
教員からのメッセージ
Yoshiharu
Ishii
Shoko
Kohama
Hiroyuki
Tanaka
石井 吉春
小浜 祥子
田中 洋行
教 授
准教授
教 授
地域政策論、
日本経済論などを担当しています。
「アメリカ政治外交、特に紛争解決について研
前に所属していた工学研究院とは異なり、様々
長年、政策金融機関での仕事を通じて、現場感
究しています。例えば超大国アメリカがイランや
な分野の学生や教員と交流できることを楽しみに
覚を持ちながら、地域づくりやわが国経済の持続
北朝鮮との核問題を迅速に解決することができ
しています。専門は聞き慣れないかもしれませんが、
的発展について考えてきました。北海道という地
ないのはなぜか?皆さんには公共政策大学院で
地盤工学です。地盤は空気と水と同じで、
日常生
域を考えたとき、財政依存による発展から自立的
の授業を通じて、
このような未解決の難題を精緻
活では、
その存在をあまり気にしていませんが、地
な発展への転換が求められており、
そのためにさ
に分析し、自分なりの解決策を見つけ、それを効
震時や大雨時には地盤の液状化や土石流が発
まざまな知恵が必要になっています。公共政策大
果的にプレゼンテーションする能力を身に付けて
生し、多くの人命や財産を失ってしまいます。災
学院で、地域という政策横断的な視点から新しい
欲しいです。その力は皆さんが将来どのような職業・
害に強い国土の形成について、皆さんと一緒に
発展モデルを考えてみませんか。
生き方を選ぼうときっと役に立つものと信じてい
勉強していきたいと思います。
ます。」
Hyunjoo
Naomi Chi
Takeshi
Nakajima
Masahito
Fukami
池 周 直美
中島 岳志
深見 正仁
講 師
准教授
教 授
21世紀の東アジアの国々は、大きな変容を経験してい
公共政策大学院では「出会い」が重要です。
一口に環境問題と言っても、近隣騒音問題か
ています。安全保障、歴史認識、領土問題などといった
これは人との出会いだけではなく、
「自分の問い」
ら成層圏オゾン層破壊まで千差万別・多種多様
な問題群であり、
それを統合的に解決するような
問題も抱えながら、一方で少子高齢化、ケア、労働、環境
との出会いも含まれます。ちょっとしたときに感じ
といった共通の政策課題にも直面しています。公共政策
た疑問や違和感を「問い」へと昇華され、深く追
政策があるわけではありません。しかも人間の暮
大学院においては、こういった問題に取り組み、人間にも
求していく力。これこそ、大学院で必要な能力だ
らしの成り立ちを無視して環境だけを綺麗にしても、
環境にも優しい社会をどう実現していくかを一緒に考え
と思います。自分の問いと出会い損ねないように、
それが解決ではないことは自明です。問題事実と
ていきたいです。学生の皆さんには、自分の立場だけで
常に敏感に生きてください。
社会・経済の現実を踏まえ、人類社会が末永く存
なく、異なる立場に立つ人間の観点も考慮して、
「考える
続するためには何をなすべきか、一緒に考えてい
力」を習得してもらいたいと願います。教員として、学生
きましょう。
一人一人の成長を手助けし、多角的視野で物事をとらえ
られ、そしてこれらの基礎の上に専門知識を身につけて
もらえるよう、一緒に探究して行きたいと思います。
09
教員および担当科目
最先端の研究者と第一線の実務家の協働が、高水準の少人数教育を実現。
安部由起子
労働経済学 野田 昌吾
現代ヨーロッパ政治外交論
荒井 眞一
公共経営特論Ⅱ
人見 剛
地方自治法
樋渡 雅人
開発経済学
石井 吉春 【前 日本政策投資銀行四国支店長】
地域政策論、
日本経済論、
公共政策実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
深見 正仁 【環境省より出向】
環境政策論、公共経営特論Ⅱ、環境政策事例研究
官民連携実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、公共経営事例研究
板谷 淳一
公共経済学
古市 徹
廃棄物技術政策論
遠藤 乾
グローバル・ガバナンス論、国際政治経済政策事例研究
堀口 健夫
環境法Ⅱ
眞壁 仁
眞鍋 知子
NGO/NPO経営論
政策討議演習Ⅰ
・Ⅱ、公共経営事例研究
町野 和夫
経済政策論
岡田 信弘
立法過程論
松井 佳彦
環境リスク管理論
尾崎 一郎
英語実務演習Ⅰ
松本 勝明 【厚生労働省より出向】
加藤 智章
福祉法政策学
岸本 大樹
法政策学、行政法秩序論
官民連携実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
工藤 教孝
マクロ経済学
政策討議演習Ⅰ
・Ⅱ、福祉労働政策事例研究
久保田 肇
ミクロ経済学
宮本 太郎
福祉労働政策事例研究
後藤 篤志
情報過程論 宮脇 淳
公共政策学、政策評価論
武藤 俊雄
公共政策実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
生沼 裕 【総務省より出向】
公共経営特論Ⅰ、公共政策実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
官民連携実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
現代社会保障論、比較地域福祉論、
公共政策実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ、
小浜 祥子
官民連携実務演習(エクスターンシップ)
Ⅰ
・Ⅱ
小山 光一
財政学
権左 武志
現代政治思想論Ⅰ 元田 結花
国際協力論
須賀 宣仁
国際経済学
山口 二郎
政治過程論
鈴木 一人
技術政策学
山崎 幹根
比較政府間関係論、公共経営事例研究 鈴木 英一
技術政策学
吉田 徹
国際政治経済政策事例研究
空井 護
現代政治分析
吉田 文和
技術政策学、環境経済学、環境政策事例研究
高木 真吾
統計分析
若生 幸也 【富士通総研より出向】
高野 伸栄
都市技術政策論、運輸交通政策論、
プロジェクト・マネジメント論、都市交通政策事例研究
高橋 正宏
環境技術政策論
田中 洋行
技術政策学
池 周 直美
国際政策特論Ⅰ、英語実務演習Ⅱ、国際政策特別講義
辻 康夫
公共哲学
戸村 肇
金融政策論
中川 寛子
競争法政策
中島 岳志
現代アジア政治外交論、国際政治経済政策事例研究
中村 研一
国際公共政策学
中村 信之
社会資本整備論
社会調査法、政策討議演習Ⅰ
・Ⅱ
亘理 格
環境法Ⅰ
は公共政策大学院専任教員
※担当教員・科目は変更になる場合があります。
10
進路と学生生活
就職支援
国家公務員試験対策として、サークル「北公会」が試験対策のための勉強会を行っています。民間企業や国際機関、NPOなどへの
就職を考えている学生には、北大キャリアセンターと連携して就職支援を行っており、必要に応じてHOPSの指導教員が個別にアドバイ
スや支援を行います。また、本大学院の特色であるエクスターンシップ(民間企業や地方自治体、中央省庁などで一定期間働くことによ
って、政策が実践される現場での経験を積むプログラム)を通じて、本人の適性や進路を考える機会を得ることができます。
修了後の主な就職先
主な就職先一覧
内閣府 / 総務省 / 外務省 / 財務省 / 文部科学省 / 厚生労働省 / 農林水産省 / 国土交通省 / 環境省 / 最高裁判所 / 家庭裁判所 /
北海道労働局 / 北海道 / 青森県 / 岩手県 / 石川県 / 富山県 / 千葉県 / 東京都 / 兵庫県 / 岡山県 / 札幌市 / 苫小牧市 / 横浜市 /
名古屋市 / 京都市 / 広島市 / 全国市長会 / 日本郵政公社 / 北海道ガス / 北海道電力 / Citibank, N.A. / 三菱東京UFJ銀行 / 新生銀行 /
ゆうちょ銀行 / 日本政策金融公庫 国民生活事業 / 農林中央金庫 / 日興コーディアル証券 / 住友生命保険 / NHK / 毎日放送 / HBC /
朝日新聞社 / 共同通信社 / 読売新聞 / 北海道新聞社 / 神戸新聞社 / 東奥日報 / 日本医事新報社 / 全国農業協同組合連合会 /
産業技術総合研究所 / みずほ情報総研 / 野村総研 / リクルート / 都市再生機構 / 東急不動産 / ヤマト運輸 / 帝国データバンク /
ベンチャー・リンク / NTTデータ / NTTコミュニケーションズ / 富士ゼロックス / バンダイ / 双日 / 日本能率協会コンサルティング / ブリヂストン /
東芝 / JR東日本 / 新日鉄エンジニアリング / 東日本高速道路 / JFEエンジニアリング / ダイキン工業
私はHOPSを平成23年に修了し、現在は関西の毎日放送で報道カメラマンとして働いています。大阪にご当地ヒーロ
ー誕生などの明るい話題だけでなくカメラを向けることをためらう凄惨な殺人事件、歴史の転換点となった大阪の府知事
市長ダブル選挙など世の中で起こるあらゆる「今」を切り撮るべく、関西中を奔走しています。テレビニュースは映像がな
くては成立しませんので、
カメラマンの責任は重大です。プレッシャーもありますが、一年目にもかかわらず報道の最前線
に立たせてもらっており、充実した日々を過ごしています。
HOPSは異なったバックグラウンドを持った学生や教授が集まった「雑多な大学院」です。あまりにも個性的な人が多
丸尾 陽樹
いので、個の中に自分が埋没してしまう危険も孕んでいますが、
そのような人と毎日でも議論できるHOPSは知識の充実
毎日放送 勤務
はもちろん思考力の向上にはうってつけの環境でしょう。
ニュースの根幹にある「なぜ伝えるのか?」を掘り下げていくときにHOPSで培われた力が生きてくるのではないかと感
じています。カメラの世界は奥深くまだまだ技術の修練に勤しまなくてはなりませんが、HOPSでの経験を生かし、世の中
に訴えかける映像を撮る「ええ」カメラマンを目指して精進していきたいと思います。
私は平成23年度に横浜市に入庁し、中区役所の高齢者や障害者を支援する課で、庶務・労務・経理の担当として、
そ
して窓口での市民対応の担当として働いています。
日々、窓口で市民のお話を聞いていると、地方自治体の仕事が市民の生活に、彼らの命にいかに密接に関わっている
かということを実感します。一方で、HOPSで学んだ公共性=「価値観の異なる他者との協力関係を形成し、維持する事」
の難しさも痛感しています。
地方自治体というのは、
たくさんの会社が寄り集まったようなもので、隣の課を見ると、仕事内容は180度異なり、職種
が異なる職員とは考え方が180度も360度も異なる事もあります。ただ、市民と一番近いところで、市民にとって安心・安
全なまちづくりをしていく、
という点では一致しており、共に協力すべき同僚であります。また、窓口にいらっしゃる市民も、
子どもから高齢者、外国人と、実に様々です。そんな時、文理融合を掲げるHOPSで過ごした2年間で、専門分野や、年齢
もこれまでの人生経験も全く異なる仲間や先生方と、共に学んだ経験が活きていると思います。
相手がどんな背景を持っている、
どんな人間なのか、
そういった「想像力」を持って接する事は、公務員だけではなく民
間の企業人として働く上でも重要な素質であり、
それを身につけることが出来たHOPSの2年間は、
とても貴重な2年間で
した。今後もこの素質を十分に発揮し、
より良い市民生活を実現する一助となりたいと思っています。
11
廣 佳美
横浜市 勤務
経済支援制度
充実の奨学金制度!
2013年度から、ほぼすべての学生に奨学金が給付されます。HOPSでは、多種多様な独自の奨学金制度を用意し、学生生活を全面
的にバックアップします。資金的に留学・国家公務員総合職試験合格を後押しします。他大学院に先駆けた充実の奨学金制度を利用し、
思う存分、勉学に励んでください。
①入学金・初年度授業料の免除
入学試験において特に成績が優秀な入学者(3名)
②HAT奨学金
1人40万円を支給(技術コース2名)
③HOPE奨学金
1人40万円を支給(基準特別選考に合格し入学した者から4名程度)
④リサーチプログラム奨学金
学習計画書をリサーチペーパーのテーマに結び付けていくためのリサーチ(学会出席、事例調
査、文献調査、研究会開催など)に1人5万円の奨学金を給付(20∼25名)
⑤霞ヶ関フェロー
入学後に国家公務員総合職試験に合格した者に、官公庁訪問費用などを支援するため、1人
10万円を支給
⑥パリ政治学院留学奨学金
1人35万円(2名)
⑦バルカンプログラム奨学金
1人20万円(2名)
このほかにも、日本学生支援機構の奨学金が利用できるほか、2年時にも返済義務のない独自の奨学金が用意されています。また、
経済的な理由等による授業料減免制度の利用も可能となっています。
院生協議会
院生協議会とは、院生間の親睦の深化による研究交流の活性化、研究条件・生活環境
の維持・向上を目的とした北海道大学公共政策大学院の院生による自治的な組織です。
主な活動内容
●定期的な研究会の開催
●生活・研究環境の改善
●Webページの作成・運営
また、院生協議会は院生全員で組織され、幹事は院生の意見を集約し、
その活動・運営の
●セミナー・シンポジウムの企画・開催
中心を担っています。
●ニュースレター「HOPSTEP」の発行
留学制度
公共政策大学院では、
グローバル化時代に対応した人材養成を推進するため、様々な
留学制度やプログラムがあり、提携した海外の有力校に留学する道が開けています。部
局(公共政策大学院)
レベルで、台湾の国立政治大学(法律学院・社会科学院・国際事
務学院)
と提携しており、年間に1名枠(1年間)を確保しているほか、全学(北大)
レベル
で、世界各国の約30の協定校があり、交換留学を積極的に進めています。また、公共政
策大学院独自の留学奨学金制度としては、パリ政治学院への短期研修やマケドニアの「日
本救援行動センター」への研修派遣事業(バルカン・プログラム)などがあります。
12
〒060-0809 札幌市北区北9条西7丁目
北海道大学法学研究科・法学部教務担当(公共政策大学院担当)
TEL(011)706-3120,3121 E-mail:[email protected]
http://www.hops.hokudai.ac.jp/