ケースレポート

NEUROINSIGHT
分枝を伴う未破裂動脈瘤
バルーン支援下コイル塞栓術における
HyperForm の有用性
豊見城中央病院
脳神経外科 部長
孫 宰賢 先生
Fig.1
Fig.2
Fig.2
Fig.3
症例概要
使用器材
部位:
ガイディング:
ガイドワイヤー:
内頚動脈−後交通動脈分岐部動脈瘤
FUBUKI アングル付 7Fr 90cm
CHIKAI 10 200cm(朝日インテック)
サイズ:
(朝日インテック)
X-pedion 10 200cm(Covidien)
長径12mm超×短径9mm×奥行10mm、ネック6mm
Inner Catheter CXカテーテル - AⅡ
NEUROUTE14 200cm(メディコスヒラタ)
形状:
5Fr 125cm(ガデリウス)
バルーンカテーテル:
ネック近傍から発達した後交通動脈を伴う動脈瘤
マイクロカテーテル:
HyperForm7mm×7mm(Covidien)
Excelsior SL-10(Stryker)
コイル:
Headway17 Advanced(Terumo)
Axium 3D(Covidien)
実際の手技
ED TypeR(カネカメディックス)
全身麻酔下に、右大腿動脈に7Fr メディキットスーパーシース
(メディキット)
に7Fr FUBUKIアングル 90cm(朝日インテック)を挿入し、診断脳血管撮影を施
行した。左内頚動脈撮影にて、内頚動脈部に長径12mm、短径9mm、奥行
10mm、ネック6mmで、ネック近傍から後交通動脈が絡むワイドネック型の動
考察
内頚動脈−後交通動脈分岐部動脈瘤の治療には、様々なテクニックを使用
脈瘤を認めた(Fig.1)。血流量も多い後交通動脈を温存する治療戦略とし、バ
した報告があるが、本症例では1本のバルーンとマイクロカテーテルの緻密な
ルーン支援下でコイル塞栓術を施行する事とした。
コントロールによって、後交通動脈を保護することができた。
7Fr ガイディングを内頚動脈に留置し、X-pedion10(Covidien)とHyperForm
特に血管の形に沿って拡張するバルーン柔軟性は、保護したい分枝を伴う
7 m m × 7 m m(C o v i d i e n)を動 脈 瘤ネック部 分 に誘 導し、H e a d w a y 1 7
動脈瘤治療では重要な性能である。
また、バルーンが柔らかいからこそ、血管
(Terumo)をCHIKAI10(朝日インテック)で瘤内へ誘導した。後交通動脈を確
への損傷リスクも低いという点も考慮し、本症例では、その性能に適した
実に温存する為、マイクロカテーテルの先端を瘤内の奥目にポジショニング
HyperForm7mm×7mmを選択し、治療戦略に即した治療ゴールを行うこと
し、分枝にかからぬようにバルーンインフレーションした状態で瘤内に安定し
ができた。
たFramingを形成した(Fig.2)。
コイル塞栓術時は、マイクロカテーテルをコン
本 症 例 のように 、分 枝 を 伴う内 頚 動 脈 の ワイド ネック動 脈 瘤 に は 、
トロールしな がら分 枝 にか からぬように、慎 重 なコイリングを実 施した
HyperForm7mm×7mmが有用であると考えている。
(F i g . 2)。コイル 塞 栓 術 は、治 療 戦 略 に 則した 治 療 が 可 能となり、1 9 本
(173cm)のコイルを留置し、塞栓を終了した(Fig.3)。
販売名:AXIUM デタッチャブル コイルシステム
医療機器承認番号:22200BZX00838000
販売名:ハイパーフォーム/ハイパーグライド オクリュージョンバルーンカテーテル
医療機器承認番号:21600BZY00243000
販売名:MTI ハイドロフィリック ガイドワイヤー
医療機器承認番号:21400BZG00026000