遺産分割(2)

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第 21回
遺産分割
(2)
-遺産分割の対象
弁護士 間瀬まゆ子
1 はじめに
相続人がその相続分に応じてこれを承継
普段、遺産分割の対象が何かという点
するものと解すべきである」と判示して
を明確に意識している税理士は少ないの
います(最二小判昭和 34 年 6 月 19 日民
ではないかと思います。一般的に、税理
集 13 巻 6 号 757 頁)。
士が関与する場合、相続税の申告書に記
ただ、話し合いの場面(調停を含みま
載される相続財産をほぼ踏襲して遺産分
す)においては、相続人の一人が遺産の
割協議書の原案を作成することが多いか
多くを取得する代わりに、債務の全額を
と思いますが、それ自体に問題があるわ
負担するという内容の遺産分割協議を成
けではありません。
立させることがよくあります。この場
ただ、遺産分割の場面で当事者間に争
合、当該債務の債権者が承諾しない限
いがある場合、特に調停や審判の場面で
り、他の相続人は当該債権者に対して債
は、遺産分割の対象が何かというのが問
務を免れたと主張することはできません
題になることがあります。
が、相続人間の内部の負担を定めるとい
2 遺産分割の対象となる財産
う限りにおいては上記のような遺産分割
問題となる具体的な事例については後
協議は意味があることになります。
述することとし、まずは遺産分割の対象
誤解の多いところなので、事例に基づ
となる遺産とはどのようなものかについ
いて説明しておきます。
て確認しておきます。
被相続人の子1
(1)プラスの財産であること
500万円
遺産分割の対象となる財産は、プラス
の財産に限られます。債務と葬儀費用等
の費用は、遺産分割の対象には含まれま
せん。
求償
債権者
この点、可分債務に関して最高裁は、
500万円
被相続人の子2
「債務者が死亡し、相続人が数人ある場
合に、被相続人の金銭債務その他の可分
例えば、相続人が子 2 人というケース
債務は、法律上当然に分割され、各共同
において、そのうちの 1 人が遺産を全て
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No.666 2016.11.14
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