公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関 する条例の一部改正(案)の骨子 1 粗暴行為と卑わいな行為の明確化 現行条例では,痴漢や盗撮等の「卑わいな行為」の禁止規定は,第2条「粗暴行為等の 禁止」において規定されていますが,第2条の見出しを「粗暴行為の禁止」に改め, 「卑わ いな行為」の禁止規定を第2条の2「卑わいな行為の禁止」として新設し,それぞれを独立 条文化することにより,粗暴行為と卑わいな行為を明確化することを検討しています。 2 卑わいな行為の類型化及び適用場所の拡充 「卑わいな行為」の規制対象となる行為や場所を具体的に明示し,適用場所を公共の 場所以外にも拡充することを検討しています。 (1) 卑わいな行為の類型化(痴漢・のぞき見・盗撮・卑わいな言動) 公共の場所にいる者又は公共の乗物に乗っている者に対し,著しく羞恥させるような又は不安を 覚えさせるような次に掲げる行為その他の卑わいな言動を禁止 ア 痴漢行為 イ 下着等ののぞき見行為 ウ 盗撮行為 (2) 通常衣服を着けない場所における盗撮行為等の禁止(公衆浴場,公衆便所等) 公衆浴場,公衆便所,公衆が利用することができる更衣室等,人が通常衣服等の全部又は一部を 着けない状態でいるような場所において当該状態でいる者に対し,次に掲げる行為を禁止 ア 下着等ののぞき見行為 イ 盗撮行為 (3) 公共の場所,公共の乗物,通常衣服を着けない場所以外の場所における盗撮行為の禁止 (集会場,事務所等) 集会場,事務所,教室等,特定多数の者が利用するような場所にいる者に対する盗撮行為を禁止 ※ 規制対象事例(下記事例は規制対象の一例です。) 【事例1】 女性のスカート内をかがみ込むなどして下からのぞき見る行為 【事例2】 キスをしようとしたり,耳元等に息を吹きかける行為 【事例3】 浴場(脱衣場)内に秘匿でカメラ等を設置し,入浴中の人にカメラを向ける行為 【事例4】 事務所の机下にビデオカメラを設置し,女子社員のスカート内の下着を撮影する行為 3 つきまとい行為等を8項目に類型化 特定の者に対する「つきまとい行為等(ストーカー規制法に抵触する事案は除く。)」を8項 目に類型化して規制することを検討しています。 正当な理由なく,特定の者に対し,執ように,次に掲げる行為をしてはならない。 (1) つきまとい,待ち伏せし,進路に立ち塞がり,住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所 (以下「住居等」という。)の付近において見張りをし,又は住居等に押し掛けること。 (2) その行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。 (3) 面会,交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。 (4) 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。 (5) 電話をかけて何も告げず,又は拒まれたにもかかわらず,連続して,電話をかけ,ファクシミリ 装置その他の電気通信を行う装置を用いて送信し,若しくは電子メールを送信すること。 (6) 汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又はその知り 得る状態に置くこと。 (7) その名誉を害する事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。 (8) その性的羞恥心を害する事項を告げ,若しくはその知り得る状態に置き,又はその性的羞恥心を 害する文書,図画その他の物を送付し,若しくはその知り得る状態に置くこと。 ※ 参考 「その他の電気通信」 … 携帯電話やスマートフォンなどの電気通信機器を用いて「Facebook」,「mixi」,「LINE」な どのメッセージ機能等により送信される情報 「電子メール」 … インターネットによる電子メール,携帯電話のメール機能等により送信される情報 ※ 規制対象事例(下記事例は規制対象の一例です。) 【事例1】 帰宅直後に「お帰りなさい。」と電話する行為 【事例2】 「土下座して謝れ!」「遺産相続から手を引け!」などと要求する行為 【事例3】 会社を解雇されたことを根に持ち,深夜に上司に対して無言電話をかける行為 【事例4】 アダルトグッズなどを郵送する行為 4 常習者に対する罰則の強化 現行条例では,「「粗暴行為」 粗暴行為」,「卑わいな行為」 卑わいな行為」,「押売行為等」,「 ,「押売行為等」,「つきまとい行為等」 つきまとい行為等」の常習者に対する罰 の常習者 則を 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 としていますが,犯罪の抑止効果を高めるために,より重い罰則で規制する必要性があることから,今回 の改正に伴い 1年以下の懲役又は100万 万円以下の罰金 1年以下の懲役又は に引き上げることを検討しています。
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