11月の見通し 不透明感の陰に「持たざるリスク」

2016年
11月9日号
Vol.329
11月の見通し
不透明感の陰に「持たざるリスク」
 今年の一大イベント!
今年の一大イベント、米国の大統領選挙の
開票が進んでいます。
選挙人獲得数を見ると、民主党のクリントン
氏が218、共和党のトランプ氏が276となりま
した(日本時間午後16時半現在)。
選挙が近づくにつれ、クリントン氏優勢に傾
いていましたが、接戦のなか、まさかまさ
か!?の展開となりました。
米国では、大統領選が終わった12月にも利
上げが実施されると予想されていましたが、
市場では将来の利上げ期待も低下していま
す。
 イベント終了後は、リスク資産の・・・
10月は、債券市場が急落する一方、株式市
場は全体として驚くほど平静を保っていまし
たが、米大統領選挙を控えて局地的には値
動きが大きくなりました。
「金」や「メキシコペソ」はトランプ氏の支持率
と連動して上下する展開となった他、クリント
ン氏の薬価引き下げに関する発言を受けて
「ヘルスケアセクター」は下げ足を強めまし
た。
ピクテでは、クリントン氏勝利の場合、相場に
大きな動きはないと見ていましたが、トランプ
氏が勝利するようなことがあれば、株式・債
券市場共に下落し、ドル安・円高が進むと予
想しています。
同じような展開が今年の6月にもありました。
英国のEUブレグジットです。想定外に離脱派
が勝利したことから、当初株式市場は急落
し、大幅な円高が進みました。しかし、下げ局
面は短期間で終了しており、振り返ってみれ
ば「ブレグジット」というイベントの終了直後
は、リスク資産の買い場となりました。同様の
ことが、起きる根拠はありませんが、株式市
場の変動は大きくなると想定されます。
11月9日現在、日経平均株価が一時1,000円
下げたことが物語っていますね。
 日本株、年末に19,000円期待
さて、そんな日本株ですが、2016年7-9月期
の企業決算は総じて底固く、業績面でも過度
な悲観論の修正が入り始めました。
年初から、外国人投資家はアベノミクスや日
銀緩和の限界を先取りして日本株を大幅に
売り越していましたが、ここに来て日本株を持
たないリスクを感じ始めています。
日本株に対する見方は次第に前向きなもの
に変わりつつあり、ひとたび外国人投資家が
本格的に日本株の買い戻しに動けば、年末
には19,000円に向けたサンタクロース・ラリー
も十分に期待できると考えています。もちろ
ん、大統領選挙での波乱は日本株にとって
十分に警戒が必要で、今月は株式中立を維
持するものの、不透明感が薄れた後の買い
出動の準備を怠るべきではないと考えていま
す。
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