(15) 間接血球凝集反応の手技

感 染 症 学雑 誌
216
第46巻
第6・号
実 験 手 技 シ リー ズ
(15)
問 接血 球 凝集 反 応 の手 技
赤 痢へ の応用 例
国立公衆衛 生院 衛生微生物学部
中
間 接 血 球 凝 集 反 応(hemagglutinationtest,HAと
谷
略)
は,菌 体 抗 原 を 赤 血 球 表 面 に 吸 着(感 作)し た ものを 菌
体 の代 わ りに 抗 原 と して 用 い る凝 集 反 応 で,赤
痢 菌1)-5)
や 大 腸 菌6)7)に対 す る抗 体価 を測 定 す る の に使 わ れ る.
HAは
菌 体 凝 集 反 応(ウ
て,(i)鋭
敏(ii)迅
ィ ダ ール 反 応 な ど)に
速,(iii)判
定 が容 易,(iv)
感 作 用 抗 原 の 長期 保存 が可 能,(v)多
能,(vi)抑
比 べ
価 抗 原 の作 成 可
制 試 験 で 微 量 抗 原 の検 出 可 能 な どの 特 徴 が
あ る.し か しそ の反 面,(i)特
異 性 は 同 じ,(ii)感
作 血 球 の調 整 が や や 煩 雑 で,テ
ス トご とに 新 し く作 る
必 要 が あ る.(iii)鋭
敏 す ぎて 結 果 の意 義 づ け がむ ず か
林
太
郎
b.
1.
培 地 と培 養 法
ト リプ チ ケ ー ス ・ソイ寒 天(BBL)に
ン(特 級)を5%に
加 え た培 地(斜 面 ま た は平 板)に 菌
を 接 種 し,ジ ャ ーの 中 に 入 れ て ロー ソ ク培 養 に よ り5%
CO2下
2.
で37℃,18∼24時
また は,1と
間培 養 す る.
同 じ 培 地 を 用 い,30℃
これ らの方 法 を 用 い れ ば 活 性 のあ る多 糖 類 抗 原 が 多 量
得 られ る.
c. 抗 原 を抽 出す るた め の菌 の培 養
1.
b-1の 培 地 の 入 つ た2∼3本
株 か ら 菌 を 移植 し,b。1ま
る.
で 培 養 す る.
個 々 の症 例 の感 染 菌 の血 清 学 的 診 断 や 血 清 疫 学
的 調査 研 究 に利 用 で き る.な お マ イ ク ロ タ ィ タ ー法 で の
で好気的 に
18∼24時 間培 養 す る.
しい 場 合 もあ る な ど,欠 点 とは い え な い ま で も短 所 が あ
HAは
グ リセ リ
2.
の中試験管斜面 に原
た はb-2の
いず れ か の 条 件
15枚 の 平板 培 地 に,斜 面 の菌 を綿 棒 な どで濃 厚 に
塗 布 し,1と
同 じ条 件 で24時 間 培 養 す る.
実 施 も可 能 で あ る か ら,将 来 は 自動 化 も期 待 で き る.こ
B.
抗 原 分 画 の作 成
こで は 代 表 的 応 用 例 と して,赤 痢 菌に 対 す る抗 体 検 出 の
a.
集菌
た め のHAの
1平 板 あた り2.5mlの 滅 菌 生 理 食 塩 液 を 加 え,菌 を コ
手 技 を説 明す る.も ち ろ ん他 の細 菌 感 染 症
ン ラー ジ棒 で 懸濁 させ,駒 込 ピペ ッ トで100∼150mlの
に つ い て は,多 少 の 修 正 も必 要 で あ ろ う.
I. 血 球 に 感作 す る抗 原 の 作 成
三 角 フ ラス コに 集 め る.全 量 約35mlの
菌 液 と な る.
A.
菌 の培 養
b.
菌 液 に 等 量 の0.1NNaOHを
a.
菌 株 は 患 者 か らの 新 鮮 分 離株 の 中 か ら選 ぶ か,保
c.
これ を 蒸 し器 ま た は常 圧 下 の オ ー トク レー プ で,
100QC,70分
存 株 な らば ス ム ー・ズ形 の菌 株 を 選 ん で 用 い る.
1.
ソ ンネ菌,ソ
ンネ 菌 は か な らず1相 菌 を 用 い る.
1相 菌 を選 択 す る に は まず,SS寒
ス ム ー ズ形 集 落 を 数 コ選 び,そ
天 平 板 に 菌 を培 養 し,
れ らをA-bに
示 す 方法
d.
間 加 熱 す る.
乳 白色 に な つ た 液 を 冷 却 後,1NHCIでpH7.0
に 修 正 す る.
e.
セ ロ フ ァ ンチ ュ ー ブに 液 を 入 れ,精 製 水 に 対 し,
で寒 天斜 面 に培 養 す る.こ れ ら の培 養 菌 株 の 中 か ら,ソ
24時 間氷 室 内で 透 析 す る.こ
ンネ菌1相 抗 原 血 清 に強 く凝 集 し,500倍
る.
ア ク リフ ラ ビ
ン溶 液 に凝 集 しな い も のを 選 定 し,原 株 とす る.
2.
フ レキ シ ネ ル菌 お よび そ の他 の菌,ス
ム ーズ 形 集
加 え る.
の 間数回精製水を交換 す
f. 透 析 内液 を遠 心 管 に 移 し,高
rpm30分
速 遠 心 器 で8,000
間 遠 心 し,上 清 を 集 め る.通 常 の遠 心 器 な らば
落 を 作 り,そ れ ぞ れ の 菌 に対 す る 因子 血 清 に 強 く凝 集
3,000∼4,000rpmで30分
し,500倍
障 の な い 程 度 の 上 清 が得 られれ ば よい.
ぶ.
ア ク リフ ラ ビ ン溶 液 に 凝 集 しな い もの を 選
9.
間 遠 心 し,次 の操 作 の ろ過 に 支
上 清 を0.45μ の メ ンブ ラ ソ フィ ル タ ー 〔HA(日
昭 和47年6月20日
本 ミ リ ポ ア,リ
217
ミ テ ッ ド)〕 を 用 い て ろ 過 す る.こ
の操
h.後
述IVの
C.
方 法 で こ の 抗 原 分 画 を ,標
凍 結 保 存 す る.も
リー ザ ー で
し凍 結 乾 燥 が で き れ ば,標
重 量 単 位 で の 換 算 が 可 能 で あ る.い
準化の際に
ずれの方法で保存 し
期 間 安 定 で あ る.
(注)用
長 さ14cmの
B-cの
乳 白 色 液1.Omlを
こ の カ ラ ム に 通 す .こ
らか じめ10倍
リ ス 緩 衝 食 塩 液,H-A-a参
ら,全
量 約8mlの
照)を1.Oml入
れ た メス フ
つ の 精 製 水 を カ ラ ムに 注 入 しな が
精 製 水 を 通 し,抗
原を十分に洗浄流
後 に メ ス フ ラ ス コ の 目 盛 りの10mlに
達す
る ま で 正 確 に 水 を 加 え る.
5.
に 希 釈 され た
も の で あ る.
使 用す る血 液
a.
血 液 銀 行 か ら で き る だ け 新 鮮 な0型(な
の 保 存 ヒ ト血 液 を 購 入 し て 用 い る.こ
ク エ ン 酸 ナ ト リ ウ ム0.89,塩
た つ て か ら,一 応 試 験 採 血 し
分 に 高 い値 に達 して い た ら全
採 血 して,血 清 を 分 離 保 存 す る.菌 種 に よ り注 射量 や 間
隔,回 数 を 加 減 す る こ と も必要 で あ る.
菌 体 凝 集反 応 に よる凝 集素 価 の測 定
免 疫 注 射 に 用 い た の と同 じ菌 液 を抗 原 と し,試 採 血 清
C.
を加えて
球 を 洗 浄 す る.こ
イ ド菌 に 対 す る免 疫 血 清 で は 高 く,
位 の 力価 が 得 られ る.こ れ に 対
し,ソ ンネ菌 や 志 賀 菌 に 対 して は2,560倍
程 度 の もの し
か 得 られ な い こ とが 多 い.そ れ で も菌 体 凝 集 素 価 に 比 較
す る と,一 部 の菌 型(た
IV.
とえば フ レキ シ ネル 菌3型)を
の高 値 を 示 す のが 通 常 で あ る.
感作用抗原の標準化
Iで 作 成 した抗 原 を赤 血 球 に 感 作 す る際 の最 適 量 を 決
光 純 薬)6.059,0.2MHC1210
製水 に 溶 か す.
血 球 沈 査 を 正 確 に 一 定 量 は か り,こ
以 上 あ れ ば 対 照 血 清 と して 使
用 して よい.凝 集 素 価 は 菌 の血 清 型 に よつ て 異 な るが,
除 い て は,2∼16倍
6H200.19,CaCl2・2H200.029,tris(hydroxymeth-
な る よ うに,精
加
方 法 で 測 定す る.
凝集素価
容 易 に5,120∼10,240倍
のTBSを
く りか え す.TBS〔Tris(hydroxymethyl)
に 入 れ て10%(V/V)の
D.
フ レキ シ ネル 菌,ボ
定 化 さ せ る.
aminomethanebuEeredsaline:NaCl7.59,MgCl2・
ml〕 を 全 量1,000m1に
い ずれで も
血 球 凝 集 反 応 に よ る凝 集 素価 の測 定
血 球 凝 集 素 価 が2,560倍
の 血 液 に3容
希 釈 血 清0.2ml)
釈 血 清0.5mI)の
Bで 用 い た 血 清 に つ い て,IVの
室 に 保 存 す れ ば 約1
間 遠 心 し,血
yl)-aminomethane(和
原0.5ml+希
果 は 肉眼 で 読 み取 る.-
球 が 使 え る.
試 験 の 直 前 に,1容
え,1,800rpmで3分
b.aの
て 凝 集 素 価 を 測 定 し,十
の保存血
血 球 浮 遊 液 の作 成
の 操 作 を3回
次 第 に 増 量 しな が ら静脈 内 に注 射 す
よい が,反 応 は50℃ の水 浴 中 で1夜 静 置 して行 な い,結
ド ウ糖2.059,
自 家 製 の 血 液 を 使 う と き は,Alsever液
数 日 間 氷 室 中 に 保 存 し て,安
a.
のわ りで,0.5ml,1.0ml,2.0ml,
4.0ml,4.0mlと
る べ くな
化 ナ ト リ ウ ム0.429,精
加 え られ て い て,氷
月 間 は 溶 血 が 起 ら ず,血
B.
4日 ご とに 週2回
また は(抗
は 通 常 新 鮮 な 血 液 に 等 量 のAlsever液(ブ
b.
ルマリ
ン加 生 理 食 塩 液 に 赤 痢 菌 を 約109/ml〔O.D.(650mμ)=
測 定 す る.反 応 液 量 は(抗 原0.2ml十
A.
製 水100ml)が
ウサ ギ を 用 い る.ま ず 注 射 前 に試
疫 用 の 赤 痢 菌液 は0.3%ホ
と免 疫 完 了 後 の血 清 両 方 に つ い て常 法 に よ り凝 集 素 価 を
正常人血球の調整
らRhつ
体 重2.5∼3.0kgの
B.
こ の 方 法 で 得 られ る 抗 原 液 は,10倍
II.
免疫法
る.最 終 注 射 か ら7∼10日
一 度 に1mlず
照)を 調 製 す る と き,
0.4∼0.45〕 に 浮遊 した もの を用 い る.こ の菌 液 を3∼
濃 厚 なTBS(ト
ラ ス コ 中 に 集 め る.
出 さ せ る.最
manerythrocytes(ASHE)〕(IV参
験 採 血 して お く.免
れ に よ つ て 荷 電 粒 子 は す べ て 除 去 され る.
4.
対 照 に用 い る ウサ ギ免 疫 血 清 の 作 成
抗 原 で 感 作 した 赤 血 球 浮 遊 液 〔antigensensitizedhu-
A.
直径約
イ オ ン交 換 樹 脂 カ ラ ム を 作 る.
流 出 す る 液 を,あ
III.
て 使 う.市 販 の 免疫 血 清 を使 用 して も よい.
の 方 法 を 行 な つ て も よ い.
1.AmberliteMB3(FisherChemicalCo.)で
3.
希釈
して 凝 集 反 応 の 対 照
抗 原 が標 準 化 され て い るか ど うか を 試 す た め の対 照 と し
具 が 備 わ つ て い る 実 験 室 で は,B-d∼B-9の
操 作 の 代 わ りに,次
2.
一 部 を さ ら にTBSで1%に
に 用 い る.
5℃ 以 下 の 冷 蔵 庫 に 保 存 す る か ま た は,フ
0.9cm×
10%NHEの
し,正 常 人 血 球 液(1%NHE)と
準 化 す る.
保 存
て も,長
E)・ この液 は赤 血 球 に 抗 原 を 感 作 す るの に 使 用 す る.
c.
作 に よ つ て 透 明 な 液 が 得 ら れ る.
れ をTBS
血 球 浮 遊 液 と す る(10%NH
め る た め の操 作 で あ る.ウ サ ギ免 疫 血 清(皿)を
用いて
本 操 作 に よつ て血 球 凝 集 素 価 を 測 り,2,560∼20,480倍
の範 囲 の 値 が得 られ た時,血 球 感 作 に用 い た抗 原 液 の最
感 染 症 学 雑誌
218
高 希 釈 倍 数 の 希 釈抗 原液 を実 際 に使 用 す る.
抗原感作
a.
抗 原 希 釈TBSで1:5,10,20,40,80の5
h.
0.5mlの10%NHEを
小 試 験 管 に 取 り,こ れ に 各
混 合 液 を よ く振 りまぜ,37℃
の 水 浴 中 で2時 間保
d.
TBSで3回
e.
この よ うに して抗 原 で 感作 し た人 赤 血 球(ASH
洗 浄す る.
沈 査 に5.0mlのTBSを
加 え,1%ASHEと
試験 の実施
9本 の小 試 験 管 を1列 に 立 て る.
b.
別 の小 試 験 管 を 用 い て ウサ ギ 免疫 血 清 を56℃,30
分 間非 働 化 し,TBSで1:40に
うす め る(血 清0.1ml
(ii) TBS十1%NHE
(iii) TBS十ASHE
釈 血 清4.0ml).
第2管 以 下 の8本 の 小試 験 管 に2.0mlのTBSを
に 作 つ た1:40希
釈 血 清 を 第2管 に 加 え
る.
e.
以 下倍 数 希 釈 液 を第9管
f.
各抗 原 希 釈液 ご とに9本 の小 試 験 管 列 を 作 る.合
まで 作 る.
k.
反 応 が 終 つ た ら静 か に試 験 管 台を 取 り出 し,凝 集
状 態 を 観 察 記 録 す る.+,-の
判 定 規 準 はV-Eを
参照
以上 の方 法 で 実 施 した 例 を 表1に 示 す.
反応 の実 施 方法
A.
正常 人血 球(NHE)の
a.
各 検 査 血 清 ご とに 対 照 と して1%NHE0.2mlを
1:4希
b.
釈 血 清0.2mlに
準 備 と使 用
加 え る.
同 様 にTBS0.2mlに1%NHE0.2mlを
加え
対 照 とす る.こ れ は 検 査 血 清 の 数 に 関 係 な く,同 じ血 球
とな る.
つ を5組 の それ ぞれ の試 験 管
表1.
*こ
自発 凝 集 を 起 さな い こ とを 確 め る 対
照 で あ る.
V.
各 希 釈 血 清0.2mlず
血 清 に ヒ ト血 球 凝 集 素 が な い こ とを確 め る対
す る.
加 え る.
9.
つ 加 え て 対 照 とす る.,
釈 血 清 十1%NHE
で2時 間 保 温 す る 。
a.
計5組
1:40希
た は,
j. 試 験 管 台 ご と よ く振 と うした の ち,37℃ の 水 浴 中
清 浄 な もの を 用 い る.
第1管
と同 じ も
注 し,他 の2管 に はTBSを0.2mlず
照,(ii),(iii)は
本 反 応 に 使 用す る 小試 験 管 は,他 の血 清 反 応 と同 様 に
d.
釈 血 清(上 記 血 清 希 釈 列 の 第1管
(i)は
+TBS3.9ml=1:40希
つ 全 部 の試 験 管 に加 え る.
つ 分 注す る.こ れ らに は 次 の よ うに1%NHEま
(i)
す る.
c.
には1:40希
ASHEをO.2m1ず
温 す る.そ の 間,と き どき振 りまぜ る.
B.
ASHEを0.2mlず
の)を0.2m1分
抗 原 希 釈 液 を0.5m至 加 え る.
E)の
まで の血 清希 釈 列 が5組
i . 別 に3本 の 小 試 験管 を 用意 す る.そ の うち の1管
段 階 の 希釈 液 を作 る.
c.
か ら第9管
第6号
で き あ が る.
A.
b.
に 分 注 す る.第1管
第46巻
の 例 で は 抗 原 希 釈 に1:10が
フ レ キ シ ネ ル 菌2aの
最 適 量 で あ る.1:5希
液 を用 い る検 査 ごと に1管 行 なえ ば よい.
感 作 用 抗 原 の 標 準 化(例)
釈 抗 原 の 方 が こ れ よ り高 い 値 を 示 し て い る が,
凝 集 素 価 が 高 い と き は あ ま り濃 い 抗 原 を 使 用 し な い 方 が よ い.血
球 が 溶 血 し や す くな つ た りす る.
昭 和47年6月20日
219
表2.
c.
ASHEを
フ レキ シ ネル菌2a感
染 患 者 血 清 の間 接 血 球 凝 集 反 応 に よ る凝 集 素 価測 定 例
作 成 す るの に 必 要 な10%NHEの
量に
つ い て は次 項Bを 参 照 して 決 め る.最 少 必 要 量 の30∼50
B.
ASHEの
準備 と使 用
a.
各 検 査 血 清 あ た り全 量 と して1.8mlのASHEが
c.
IVで あ らか じめ 決 め た,最 適 希 釈倍 数 に従 つ て う
c.
所 要 量 の10%NHEと
等 量 の 抗 原液 を混 合 す る.
d.
混 合 液 を37℃,2時
間 水 浴 中 に 保 温 し,そ の 間 と
血球を洗浄す
る.最 後 の 遠 心 で沈 殿 した血 球 を メス ピペ ッ トで 正 確 に
a.
検 査 血 清0,15mlを
希 釈 す る.
小 試 験 管 に と り,56℃
釈
つ て 第2管
で30分
を1列
お 別 の1本
釈 血 清(第1管)の
に 加 え,他
注 し て お く(V-A-aに
ま で す ん だ ら,余
e.
に 並 べ,TBSを0.2mlず
に はASHEの
対照 用として
分 注 し て お く.
1:4希
9管
き どき振 りまぜ る.
検査血清の希釈
TBSO.2mlを
d.
す め た 抗 原 液 を 所 要 量 準 備 す る.
C.
清0.15ml+T8SO.45m1=1:4希
小 試 験 管8本
つ 分 注 す る.な
混 合 した もの1管 を 作 り,対 照 とす る.
な る よ うにTBSで
え て1:4
血 清0.6ml).
必 要 で あ る.ほ か に 検 査 ご とに0.2mlをTBS0.2mlと
測 りと り,1%に
希 釈 す る.
非 働 化 が す ん だ らTBSを0.45ml加
に 希 釈 す る(血
e. 抗 原 感作 が 終 つ た ら,TBSで3回
時 に 対 照 と して 使 うウサ ギ 免 疫血 清 を
非 働 化 し,1:40に
b.
%位 多 い 目に準 備 す る.
b.
間 非 働 化 す る.同
の0.2m1を
う ち か ら0.2mlを
と
別 の対 照 用 試験 管 に分
使 用 す る).以 下 倍 数 希 釈 し て,第
分 な0.2mlを
捨 て る.
ウ サ ギ 免 疫 血 清 に つ い て もIVの 方 法 で1列
の希 釈
列 を 作 る.
D.
血 球 の添 加 と保 温
a.
ASHEを0.2mlず
第9管
ま で に 加 え る.ま
つ,血
たTBSを
清 希 釈 列 の 第1管
か ら
分 注 した 対 照 管 の う
220
感染 症 学雑 誌
ち の1管 に も,0.2ml加
b.
1%NHEを
TBSを
c.
c.
え る.
別 に用 意 した1:4希
釈 血 清 お よび
含 む 試験 管 の それ ぞれ に,0.2m1ず
検 査 血 清,対 照 血 清,お
つ 加 え る.
よび対 照 試 験 管 に所 定 の
血 球 液 を 加 え 終 つ た ら,試 験 管 台 ご と よ く振 りまぜ,37
E.
HA試
a.
反 応 が 終 つ た ら,静
験 の判 定
とき は,管 底 の 中心 に 日の丸 の旗 の
る.軽
く振 つ て み る と,反 応 前 の血 球 液 と同 様 に な る.
対 照 試 験 管 で は す べ て この 像 を 呈 す るは ず で あ る.ま た
陰 性 血 清 で は,第1管
か ら第9管
まで 同 一 の 像 を 呈 す る.
非 凝 集 血 球 の 一 部 がcの
よ うに 管 底 中 心 に た ま
り,そ の上 部 周 辺 に凝 集 した 血 球 の薄 い 環 状 帯 が み られ
か に 台 を 水 浴 中 よ り取 り出
す.判 定 に適 当 な 明 る さ の電 燈 を 準 備 して お く.
b.
各管 の反 応 の陽 性,陰 性 は血 球 が 管 底 に 作 るパ タ
る とき は,(±)と
判 定 す る.こ れ は 陰 性 とみ な し,陽
性 管 に 数 え な い.
患 者 血 清 に つ い て の 例 を,表2に
ー ンに よつ て 判定 す る.そ の た めに は下 か ら管 底 を 見 る
か,ま た は 凹 面 鏡 に写 して読 み取 る.す べ て の感 作 血 球
が 完 全 凝 集 を示 した もの の み を(+)と
判 定 す る.
完 全 凝 集 のパ タ ー ンに も次 の よ うな い くつ か の像 が あ
るが,す べ て(+)と
1.
記 録 す る.
血 球 が 管 底 の曲 面 部 全 体 に 一様 に 広 が っ て 薄 い膜
状 に 附 着 し,そ の上 縁 が 不 ぞ ろ い に なつ て い る.
2.
凝 集 が 強 い 場 合 は,血 球 の膜 が 折 り重 な つ た よ う
に な る.
3.
ザ ラザ ラ した感 じの膜 の塊 りの よ うに 見 え る完 全
な凝 集 塊が,管 底 に沈 ん で い る.
以 上 の パ タ ー ソは いず れ も完 全 凝 集 した 場 合 で あ る
が,確
第6号
赤 い 円 形 部 の よ うに,凝 集 して い な い血 球 が沈 殿 して い
d.
℃ の水 浴 中 で2時 間 反 応 させ る.
陰 性(-)の
第46巻
め る 意 味 で 試 験 管 を軽 くた た くか,振
るか して
み る と(丁 度 サ ル モ ネ ラのH凝 集 反 応 を み る と きの よ う
に),凝 集 の 状 態 が よ くわ か る.
文
献
1) Chun, D. and Park, B.:
82, 1956.
2)
中 谷 林 太 郎:
3) Yamada, C.:
77, 1960.
4)
宮 田 義 人,
山 茂 彦:
示 す.
日 細 菌 誌,
J. Infect. Dis., 98:
12:
35,
1957.
Japan. J. Med. Sci. Biol., 13:
北 浦 敏 行,
日 伝 染 会 誌,
平 方 達 二,
43:
中村
稔, 杉
217, 1969.
5) Takasaka, M., Honjo, S., Imaizumi, K.,
Ogawa, H., Nakaya, R., Nakamura, A. and
Mise, K.: Japan. J. Med. Sci. Biol., 22:
389, 1969.
6) Young, V.M., Sochard, M.R., and Gillem,
H.C.: Proc. Soc. Exp. Biol. and Med., 105:
635, 1960.
7) Young, V.M., Sochard, M.R., and Gillem,
H.C.: Proc. Soc. Exp. Biol. Med., 105: 638,
1960.