システムの構築に努め、経済の ため、イノベーション型の経済 2%に達し、初めて 合が増えつつあり、 ・ %を超え 年に (ニューノーマル)が定着しつつある中、経済の減速が鮮明になっている。中 中国経済の「新常態」 国政府はイノベーション(技術革新)による発展を掲げ、2020年の国内総生産(GDP)を 年 比で倍増させようとしている。経済減速か、 イノベーションによる新たな成長か。分岐点に差し掛かっ た中国経済の現状を考察した。 起業ブーム起きる た。以前は、第3次産業の成長 年からは 構造転換を急ぐ必要がある。そ たように見えたが、 率はGDP成長率と同調してい 〜 月に中国政 年 次5カ年計画( うした中で、 府は「第 10 を 唱 え て い る。 「 大 衆 創 業・ 万 衆創新」 (大衆による起業およ ている。GDP倍増を実現する P成長率は 年の9・5%から しかし「新常態」とは経済の 減速であり、実際、中国のGD 達成させようとしている。 した 年にGDP倍増の目標を で、中国政府は、自らが打ち出 ある。ベンチャー育成を通して、 GDPに占める産業別の割合 を見てみると、第3次産業の割 ている。 による発展に力を入れようとし た。とりわけ、イノベーション う五つの発展方針を打ち出し および「分かち合う発展」とい 「グリーンな発展」 「開放的発展」 「双創」には良い兆 しが見えてきている 特にICTやネット関連の起業 ノ ベ ー シ ョ ン の 重 要 性、 起 業、 李 克 強 首 相 は 多 く の 場 で、 イ る。 こ う い う 背 景 も あ り、 流関連のビジネスの活況であ CT)の進展やネット関連、物 第3次産業の堅調な発展を支 えているのが情報通信技術(I 「中関村創業大街」にはビジ ネスチャンス、エンジェル資金、 る。 持つカフェも次々進出してい る。起業コミュニティー機能を エリアとして注目を浴びてい リート)が生まれ、起業を促す 4 出典:中国統計年鑑を基に作成 注:2015 年のGDPに占めるR&Dの割合は過去の平均 値に基づいて計算した予想値 ベ ー シ ョ ン・ イ ン 「グローバル・イノ PO)が発表した 所 有 権 機 関( W I ード)と世界知的 大 学 院( イ ン シ ア ネ ル 大、 欧 州 経 営 次は基礎研究の強化である。 これまでの工業化では「以市場 育成が重要である。 実行するイノベーション精神の 堅実な積み重ねと強い忍耐力で め、物事に果敢にチャレンジし、 ない。イノベーション意識を高 ションは一朝一夕には実現でき 進技術を入手する)が主流で、 ンにし、その代わりに海外の先 デックス2016」 位から 位 へ 上 昇 し、 中 所 技術のキャッチアップはある程 ップ 25 した。 いままである。 得国として初のト 年の 換技術」 (中国の市場をオープ 万社 500 度実現できたが、基礎研究が弱 29 入りを果た 25 に よ る と、 中 国 は 16 12 15 15 10 05 2000 0 1992 年 95 2 300 250 200 150 100 50 出典:中国国家工商行政管理総局の統計を 基に作成 注:会社新規登記数のデータは 13 年から 2013 年 14 15 (富士通総研 経済研究所 チョウ・イーリン 上級研究員 趙瑋琳) る。 それなりの意味があると思われ ンの創出につながるのならば、 華でき、結果的にイノベーショ の提唱と企業家精神の育成へ昇 「双創」は単なる雇用確保の 起業促進から、ベンチャー精神 ている。 の強化に対するニーズが高まっ 中国企業でも知的財産権の保護 在では、海外の企業だけでなく、 ョンに対する保護でもあり、現 ノベーションを行うモチベーシ 最後に知的財産権保護の強化 である。知的財産権の保護はイ 350 年の6・9%まで低下し続け GDPに占める R&D費用の割合 6 06 2016.11.7 び万人によるイノベーション、 「双創」と略す)が打ち出され、 中国では「双創」ブームが起き ている。 活気あふれるエリア 中国政府は「双創」の一環と して、会社登記手続きの簡略化 をはじめ、資金支援など政策支 援を促している。その結果、新 規登記の会社の数は 年の約2 50万社から 年に約444万 社まで増えた(図表) 。 中国のシリコンバレーとして 知られている北京中関村地区に 年に長さ約200㍍の「中関 人 脈・ 技 術 ネ ッ ト ワ ー ク な ど、 イノベーションに力を入れる北 よ う で あ る が、 中 国 村創業大街」 (中関村創業スト 起業に必要な要素がそろってい 京、深圳のような活発な地域先 ン で、 新 た な 成 長 の を克服する必要があ 8 400 リ・コクキョウ る。そのため、起業しようとす 独自のイノベーショ て い る。 「中関村創業大街」は 中国のイノベーションシステ ムの全体状況を見てみると、1 る。 と り わ け 三 つ の 支えになるために 992年から研究開発(R&D) 強化が挙げられる。 活気あふれるエリアとなり「双 いる。 費用が増え続け、GDPに占め 12 は、 今 後 多 く の 課 題 圳では既存産業基盤 一方、深 の活用によって、ハードウエア るR&D費用の割合は2015 まずイノベーション意識の強 化 で あ る。 「ローマは一日にし GDP成長率 創」の実現のシンボルとなって イノベーションを起点としたメ 年には約2・ %まで上昇した。 て成らず」のように、イノベー 10 シンセン ーカーズムーブメントが盛んで 年8月に米コー 450 11 20 第3次産業成長率 14 0 三つの強化策 行モデルが現れてきている。 ョンによる発展」 「協調的発展」 昇している(図表) 。 13 10 50 GDP成長率の低下と真逆に上 12 15 年) 」 を 公 表 し「 イ ノ ベ ー シ 16 2012年以降、中国経済は 年率7%程度の「中高速成長」 へ シ フ ト し て い る。 「中高速成 長」が中国経済の「新常態」 (ニ 13 る人たちが全国から集まってき ューノーマル)と呼ばれる一方 20 15 50 15 会社新規登記数 15 % 16 2016.11.7 07 14 International 中国経済、成長か減速か 技術革新力が鍵握る 国際 — International
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