第4章 事業計画 4-1 事業方式 ■ 設計・施工分離発注方式の採用 市庁舎等複合施設整備の事業方式としては、公共施設整備において従来から広く採用されて きた公共主体の「従来型公共事業方式」のほか、民間活力導入手法として、設計・施工を一括 発注する「DB(デザインビルド)方式」、民間の資金、経営能力などを活用する「PFI 方式」 があり、各方式の概要などは以下の表のとおりです。 事業方式 従来型公共事業方式 (直営方式) DB方式 (民活型:デザインビルド) 概 要 公共が資金調達し、設計業務と施工業務をそれぞれの段階で市が個別に 選定・発注する方式 公共が資金調達し、設計業務と施工業務を一括して応募企業に発注する 方式 PFI方式 民間の資金・ノウハウを利用して、民間主導で設計・施工から運営・管 (民活型) 理までを行う方式 市庁舎部分は、民間の経営ノウハウを発揮できる収益部分が少なく、PFI 方式には不向きな 事業である上、DB 方式や PFI 方式では、平成 31 年度末が期限である合併特例債を活用するた めの工事着手までの期間の圧縮は、難しいものがあります。 加えて、発注者の意向を設計者が十分に汲み取りながら、建築計画の立案が可能な点や、発 注者や設計者のチェック機能が働きやすい点などを考慮し、「従来型公共事業方式」を採用し ます。 ■ 基本設計・実施設計の発注方式について 設計の発注方式については、基本設計と実施設計を分離発注する方式と、基本設計と実施設 計を包括発注する方式が考えられますが、全体工期の短縮や品質の確保を図るため、「基本設 計・実施設計包括発注方式」を採用します。 また、本市の要望を適切に反映しながら、設計者の創造性、技術力、経験などを審査の上、 総合的に最も適した設計者を選定することができる「プロポーザル方式」を採用します。 48 4-2 概算事業費 市庁舎等複合施設の建設費は、市庁舎部分の規模を 13,900 ㎡、市民交流活動センター部分 の規模を、現時点においては、上限 5,000 ㎡と想定し概算建設費を算出しました。 その結果は下記のとおりです。 ① 建 設 費 概算事業費 建設費(市庁舎等複合施設) 82.5 億円 また、基本構想時の算定に入っていなかった、現市庁舎の解体費、消防庁舎の改修費、業 務委託費、備品購入費などの概算事業費は、下記のとおりです。 ② その他の経費 概算事業費 解体費(現市庁舎、市民会館、旧消防庁舎など) 改修費(現消防庁舎、南館など) 1 億円 その他(業務委託費、備品購入費など) 小 10 億円 計 12.5 億円 23.5 億円 現時点において想定する市庁舎等複合施設の整備に要する総事業費としては、これらを合 計した下記の金額を見込んでいます。 ① 建設費 + 概算事業費の合計 概算総事業費 ② その他の経費 106 億円 なお、事業費は資材価格の高騰など社会経済情勢により変動することも考えられますが、 今後の設計段階において事業内容を十分精査し、本市の将来の財政運営への影響を見据え、 可能な限り事業費の縮減に努めます。 49 4-3 財源計画 市庁舎等複合施設整備の財源としては、現段階においては合併特例債を最大限活用すること を予定しています。また、これ以外の財源としては、モーターボート競走事業からの繰入金を 考えていますが、可能な限り国の交付金などの確保に努めます。 なお、今後の設計段階における市庁舎等複合施設の詳細の決定に合わせて、引き続き財源構 成を検討するものとします。 現段階における合併特例債の活用可能想定額 表 4-1 4-4 50 億円程度 市庁舎等複合施設整備事業の財源構成 整備スケジュール 「従来型公共事業方式」の基本設計・実施設計包括発注方式をもとに、整備スケジュール を次のように想定しています。 平成28年度 基本計画 平成29年度 発注 準備 平成30年度 平成31年度 平成32年度 平成33年度 基本設計・実施設計 建築 確認 発注 準備 建設工事 市民会館解体工事 埋蔵文化財調査 旧市庁舎解体工事 表 4-2 50 市庁舎等複合施設整備スケジュール 第5章 今後の課題について 5-1 生涯学習センターのあり方について 平成 19 年度に策定した丸亀市都市計画マスタープラン(以下「マスタープラン」という。 ) では、大手町地区は本市の都市機能が集積したシビックゾーンとして、公共公益施設の郊外移 転を防止し、機能の集積と適切な維持、更新、再編を促進する地区として位置付けています。 現在のマスタープランは、 平成 38 年度までの本市の都市づくりの基本的な方針を示すもので すが、策定後の社会情勢の変化に対応するため、平成 29 年度までの期間で見直しを進めていま す。 そこで、この見直しの中で、市庁舎等複合施設の整備に伴い変化する大手町地区の将来的な 街区の再編についてもマスタープランに位置づけ、それと並行して大手町地区 4 街区の再編計 画において、老朽化した生涯学習センターのあり方も検討します。 5-2 新市民会館の整備について 今後着手する新市民会館の整備に向けた具体の作業は、まず新市民会館が目指す施設コンセ プトや求める機能を検討し、必要な客席数や舞台規模、その他付随する諸室などの施設構成と 規模、その建設に適した場所の検討が必要です。 さらに、来館者数や運営収支の予測など運営管理に関わる検討とともに、整備に要する事業 費、維持管理経費などに基づく、費用対効果の検証も必要です。 これらと併せ、財政状況なども総合的に判断し、整備の時期を検討する必要があると考えて おり、新市民会館の整備に向けては、段階的にこれらの具体の作業を着実に進めます。 51
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