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貝塚市役所本庁舎建替等事業計画素案について
市役所庁舎が抱える問題とは?
貝塚市役所本館は、昭和 40 年 3 月に竣工された、地下 1 階、地上 4 階建、鉄筋コンクリート造の
建物で、建築後、約 50 年になります。一般に鉄筋コンクリート造の耐用年数は 50 年*と言われて
おり、耐用年数を超える建物の継続した利用にあたって、色々な問題を抱えています。
建物や設備の老朽化が進んでいることに加え、耐震強度(Is値 0.51)についても防災拠点施設と
しての判定指標数値(Is値 0.90)を大きく下回っています。
また、行政機能も市役所本館周辺に集まる市の施設(別館・第 2 別館・教育庁舎・市民福祉センタ
ーなど)に分散してしまい、市民の皆様方にとって利用しやすい窓口サービスを提供しているとは言
えない状況で、また、バリアフリーなどの問題も抱えています。
このように、建替あるいは耐震改修を検討する時期を迎えていると言えますが、耐震改修は、建物
の耐震性の向上を図るもので、経年変化に伴う耐用年数を超えた躯体の老朽化を改善するものではあ
りません。また、行政機能の分散化やバリアフリー等の問題も解決できません。
そこで、貝塚市では、周辺施設の複合化を含めた建替を有効な手法と定め、事業計画素案の検討を
進めて参りました。
*「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められた鉄筋コンクリート造の事務所建物における耐用年数です。
従来型と民活型手法(PFI)何が違うの?
これまでの公共事業(従来型)では、施設を整備する場合、先ず、設計を発注して、その設計に基づき、
建設工事を入札で発注していました。この場合、施設の仕様は設計で既に決まっていますので、建設
工事は、決まった仕様の建築をいくらで請け負うかを競う入札となります。また、施設が完成した後
は、施設の維持管理を入札で発注することになります。
一方、民活型手法(PFI)では、施設がどんな性能を必要としているかを市が提示し、設計、建設及
び、施設が完成してから一定期間内の維持管理について、一体的な事業提案を受け付けて、施設の内
容、維持管理の内容、事業期間内の総費用を総合的に評価して事業者を選定します。この場合、提案
の段階から設計者が建設や維持管理を行う事業者と一緒になってプランを検討しますので、より使い
勝手が良く、維持管理が容易で、整備費用と維持管理費用の合計が最も安くなる提案を期待すること
ができます。
さらに、これまでの公共事業では、施設の整備に必要な資金のうち、一部は市が手持ちの資金から
一括して支払う必要がありましたので、当初に大きな財政負担が発生していましたが、PFI では民間
の資金を活用することが可能とされていますので、当初に必要となっていた財政負担額を、事業期間
(今回は 25 年間を想定)で分割でき、無理なく事業を実施することが可能となります。
市の財政状況はどうなっているの?
市の財政状況については、平成 25 年度決算において、歳入面で基本的な収入である市税収入が、
償却資産税の落ち込みにより、固定資産税等が減少したものの、景気の回復傾向を受け、個人・法人
市民税が増加したことや、税源移譲による市たばこ税の増加などもあり、全体的に微増となりました
が、今後については税収の伸びは見込みづらく、国の地方財政対策の動向についても不確定な要因を
含んでいます。
また歳出面においても、岸貝クリーンセンターの建設公債費負担が高水準で続いている上に、扶助
費や医療費などの社会保障関係経費の増加や道路・橋りょうなどのインフラ施設の耐震化や長寿命化
など、新たな課題への対応が求められることから、今後も厳しい財政状況が続くと見込まれます。
このような中で、平成 25 年度決算では、2年ぶりに公共施設等整備基金から4億 1200 万円を取
り崩し、黒字決算となったことから、財政規律を堅持し、持続的・安定的な財政運営を展開していく
ことが求められています。