平成28年11月4日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 【株式相場レポート】 ~楽観が後退、リスクオフへ~ 今週の総括 4日終値 前週末比 日経平均 (円) 16,905.36 -541.05 ドル (円) 103.24-26 -2.02 NYダウ (ドル) 17,930.67 -230.52 長期金利 (%) -0.065 -0.020 NY原油 (ドル) 44.66 -4.04 ※NYダウ・NY原油は3日終値、ドル・長期金利は4日15時現在 ★米大統領選の不透明感からドル円が103円台に逆戻り 今週のプラス材料 ・2Q決算発表で複数の主要企業が上方修正、還元追加 今週のマイナス材料 ・円高(105円→103円台へ) ・原油価格が1バレル50ドル割りこむ 今週の株価は先週までの市場心理回復が後退して下落、下落幅はその間の上昇分を取り消す形となった。 今週は、米大統領候補クリントン氏の私用メール問題についてFBIが再捜査するとの報道から、ドル円相場 が先週の1ドル105円台から104円台となったことを受けて、反落してスタート。その後、原油価格下落もあり、 さらに1ドル103円前後の円高となったことで市場心理は一気に後退、2日と4日に大きく下落した。 業種別では、石油・鉱業や輸出関連、海運、医薬品の下げが目立つ一方、食品、鉄鋼、電力、空運などは 堅調だった。下落した業種には先週と今週の決算発表で下方修正を発表した銘柄が多かった一方、堅調 だった業種は上方修正や自社株買い、増配を発表した銘柄が多い。ドル円レートや原油価格下落の影響と いうよりも、2Q決算発表への個別反応の合計という印象の方が強い。 来週以降の見通し ★米大統領選次第 想定レンジ 15,800~17,600円 来週以降の注目材料 リスク要因 ・米雇用統計(11/4深夜) ・米大統領選後の市場乱高下 ・米大統領選(11/8) ・為替市場の乱高下 ・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは12/14) ・原油価格の乱高下 ・2Q決算発表 先週までは米大統領選は株価材料ではなかった。それはここまでずっと「クリントン氏勝利」が市場参加者 の前提で、その可能性に変化がなかったからだが、ここにきて不透明感が強まっている。来週の株価は良く も悪くも8日の米大統領選結果次第ということになろう。仮にクリントン氏勝利となれば、1ドル105~106円と 17,400~600円に戻った上でFRBの12月利上げを待つ展開が予想される。一方、トランプ氏が勝利した場合、 今後に対する不安感からドル売り・円買いが発生、大幅な円高となり株価も大きく下落する可能性がある。 もう1つ注目されるのが、4日深夜に発表される米雇用統計。米大統領選の次のイベントに挙げられるのは 12月の米利上げの有無だが、その可能性を見通す上で重要な統計となる。今週発表された米ISMの製造業 と非製造業の景況指数はどちらも10月に引き続き50.0を上回り堅調だったが、雇用統計も堅調であれば、 12月利上げの可能性が一段と高まり、株価にもプラスに働きやすいと考えられる。 来週の2Q決算発表は、大型株ではトヨタ、日産、NTT、ソフトバンクが発表するほか、今週までは発表の少 なかった建設、不動産、銀行、保険なども発表される。今回は修正の有無などに対する個別銘柄への反応 幅も大きくなっており、引き続き注目が続こう。 平成27年8月26日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 来週・再来週の主なイベントカレンダー 国内 海外 米雇用統計:10月 4(金)深夜 米貿易収支:9月 7(月) 決算:小野薬品工業、日産、いすゞ、ソフトバンク、 LIXIL、王子HD、帝人、住友ゴム、ヤマハ、ヤマダ 電機、島津製作所、三菱地所、静岡銀 8(火) 決算:トヨタ、味の素、東レ、三菱ケミカル、ダイキ ン、JX、大林組、清水建設、鹿島建設、博報堂、 三越伊勢丹 中国貿易収支:10月 貿易収支:9月 中国消費者物価指数:10月 9(水) 米大統領選 決算:ブリヂストン、セコム、西武HD、千葉銀、ス ルガ銀、クレディセゾン、東急不動産 10(木) 機械受注:9月 決算:テルモ、昭和シェル、アマダ、大日本印刷、 日清食品、東急電鉄、楽天、リクルート 11(金) 決算:大塚HD、大成建設、りそなHD、T&D、NTT、 東芝、三井不動産、コンコルディアFG、凸版印刷 14(月) GDP:7-9月期 中国鉱工業生産:10月 決算:三菱UFJ、三井住友FG、日本郵政、かんぽ 生命、ゆうちょ銀行、三井住友トラスト、ソニーフィ ナンシャル、住友不動産、めぶきFG 中国小売売上高:10月 15(火) EU GDP:7-9月期 米小売売上高:10月 16(水) 英失業率:10月 17(木) 米住宅着工件数:10月 18(金) 決算:東京海上、MS&AD、SOMPO リスクおよび手数料等の説明 株式取引は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。 ■株式取引の委託手数料はインターネット経由の場合1日の約定代金の合計により決定し、100,000円(税抜)が上限です ■上場有価証券等書面、取引規程、取引ルール等をご覧いただき、内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任により お申込みください ■口座基本料は個人の場合には原則無料です ※各種書面の郵送交付には、年間1,000円(税抜)をご負担いただく場合があります ■本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証 するものではありません ■本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません ■投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします ■本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません ■本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります ■本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願い いたします 次回発行予定:11月11日(金)17:00以降 業者名等 松井証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第164号 加入協会名 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会 Copyright (c) 1998 Matsui Securities Co.,Ltd.
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