金属くず回収業に関する条例・施行規則の一部改正(素案) 1 改正の趣旨 金属くず回収業に関する条例(昭和32年北海道条例第4号。以下「条例」という。) は、金属くずが古物営業法(昭和24年法律第108号)の適用を受けないことから、金属 くずに関する盗犯を防止するため制定されました。 しかし、条例の制定以降大きな改正が行われていないため、条例の規定が実態にそ ぐわなくなっています。例えば、リサイクルに対する意識の高まりから、一般家庭か ら排出される少量の金属くずの取引の要望が寄せられているものの、条例では量に関 係なく全ての取引において取引相手の身分確認等が義務づけられているため、スムー ズなリサイクルの推進ができない状況となっています。 また、財産罪を犯した金属くず回収業者に関する許可取消しの規定がないことから、 窃盗罪で有罪とされた金属くず回収業者が、金属くず商の許可を取り消される等の行 政処分を何ら受けることなく、引き続き金属くず回収業に従事しているという事例が 生じています。 このような金属くずの取引の実態に鑑み、金属くず回収業に係る許可制度等を見直 すこととするため、条例及び条例の施行規則を改正します。 2 改正の概要 ⑴ 許可の名称及び単位の変更 「金属くず行商」を「金属くず商」に統合するとともにその名称を「金属くず回 収業」に改め、許可単位を「事業者」ごととします。 ⑵ 許可の基準(欠格事由)の見直し 次の者は、許可を取得できないこととします。 〇 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの 〇 禁錮以上の刑や、金属くず回収業に関する条例違反、背任、遺失物・占有離脱 物横領、盗品等有償譲受け等の罪で罰金刑に処せられ、刑の執行後5年を経過し ない者 〇 住居の定まらない者 〇 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 〇 許可を取り消されてから5年を経過していない者 〇 許可の取消しに係る聴聞期日等の公示日から当該取消しをする日又は当該取消 しをしないことを決定する日までの間に相当な理由なく許可証を返納してから5 年を経過しない者 〇 上記のいずれかに該当する役員及び管理者を置く者 〇 ⑶ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(除外規定有り) 許可の取消しに関する規定の整備 次の場合は、許可を取り消すことができることとします。 〇 偽りその他不正の手段により許可を受けた場合 〇 欠格事由に該当している場合 〇 6か月以上営業実態が存在しない場合 〇 3か月以上所在不明になっている場合 ⑷ 標識の規格の変更 許可証番号の表示を追加するなど、標識の表示内容、材質及び形状を変更します。 ⑸ 行商の証明書の携帯に関する規定の整備 金属くず回収業者が行商を行う場合は、事業者が行商従事者証を作成して、行商 に従事する者に携帯させ、取引の相手方の求めに応じて提示させなければならない こととします。 ⑹ 取引相手の身分確認・帳簿記載に関する規定の見直し 少額(※)の取引に係る取引相手の身分確認及び帳簿記載を不要にします。 ※一般家庭から1か月間に排出される程度の金属くずに相当する金額 ⑺ 取引に係る帳簿の保存に関する規定の見直し 帳簿の保存期間を3年間とします。 ⑻ 従業者名簿の備付け義務の廃止 従業者名簿の備付けの義務を廃止します。 ⑼ 行政処分に関する規定の整備 ア 指示に関する規定の新設 許可の取消し又は営業の停止命令を行うまでに至らない程度の比較的軽微な条 例違反に対応するため、指示処分を新設します。 イ 許可の取消し又は営業の停止命令の対象違反行為の追加 業務に関して窃盗等一定の罪を犯した者又は条例に基づく指示若しくは命令に 従わない者に対し、許可の取消し又は営業の停止命令を行うことができることと します。 ウ 行政処分に従わない場合の罰則の追加 許可の取消し又は営業の停止命令に従わない場合の罰則を設けます。 ⑽ 経過措置 従前、金属くず商の許可又は金属くず行商の届出により営業していた者に対し、 必要な経過措置を設けます。
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