「継往開来経営」のすすめ 中小企業は大企業のマネをしない 「先代の事業を受け継ぎ、発展させながら、会社 の未来を切り開かなければなりません。現状を守 ることに捉われすぎると、衰退してしまいます。 古いモノに、何か新しいモノを吹き込まないと成長 はありません。 ■ 「継往開来」の精神 中小企業の多くは先代から承継しており、経営者は ■ 多くの中小企業の特徴 多くの中小企業には、社員力・組織力アップのため 2代目・3代目の経営の厳しさや組織管理・事業の展開 に改善すべき課題が見られます。 の展開の難しさを肌で感じています。 これを乗り切れる経営者と現状を変えられない経 ①口頭伝達が多く曖昧で不具合が発生しやすい 営者がいます。乗り越えられない経営者は会社が成熟 ③重要な案件の報告・連絡・相談が稀薄 期から衰退期に入り縮小を余儀なくされます。 ④深堀りをしないので、仕事の成長が遅い ②管理監督者の役割がぼやけている ⑤エビデンスが少なく、信頼性に欠ける 企業の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」ですが、中小企 ⑥その他 業は大企業に比べいずれも劣るかもしれません。 それに代わるものとして、汎用性の低い資源である技 日常業務は経験と技術で継続できるが、仕事の出 術を磨き、固定制の高いブランドに育て上げることで競 来栄え・結果にはあまり留意しません。そういう傾向が 争優位に立つことを目指します。 あります。そのため問題が発生し易く、改善も表面的で 進歩があまり見られません。 ■ 大企業のマネをしない 大企業とは経営資源に量と質の大きな差異がある ■ 組織風土を成長させる ので、中小企業がマネをしても中途半端な形で終わっ 社内活性化のため「挨拶励行・身だしなみの徹底」 てしまいます。 などを実行している会社があります。 ヒト・モノ・カネで劣る企業は、大企業のマネでなく、 社員のパワー・知恵&工夫・志気を高め信頼できる製 大変良いことですが、それだけで活性化させようとする にはムリがあります。 品と強い組織をつくるべきです。絵に描いた理想的シ ステムを目指すのではなく、努力して作り上げたものが 組織風土変革、は業務のレベルアップと大きく関係 最適システムであり、その方が運営もやり易いものにな しています。業務が改善されるなかで社員意識が変わ ります。つまり、独自性を持ったオンリーワンを目指すべ り、前向き姿勢の職場が生まれます。 きです。 Product Portfolio Managementモデル ■ トップの指示の影響を認識する 中小企業の経営者は大きな権限を持っています。 高 花形(代表的事業) ↑ 収益性高いが、先 市 行投資がかさむ それに気づかず社員と話し合いをしたり会議をしている 問題児 成長には多大な投 資が必要。 場 成 金のなる木 負け犬 長 資金流入が多く、次 収益性低く、いずれ 率 ↓ の事業育成の資金 撤退検討の必要あり 経営者が多いでしょう。 経営者が指示を余り出さない (出しても中途半端) 会社は、モメごとは少ないが社員が勝手に仕事をして、 現状を何も変えられないことが多い。 低 源 経営者が指示・命令を出す会社は、会議で意見な ど出しても結局はトップの指示待ちになります。 高 ← - 2 - 相対的市場シェア → 低
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