新金属サブナノ粒子の創製と次世代 機能材料への展開 東京工業大学 科学技術創成研究院 ハイブリットマテリアル研究ユニット 准教授 今岡 享稔 1 サブナノ粒子とは 新物質群の創出 サブナノ ヘテロ 合金 ナノ 2 従来のサブナノ粒子合成法 原子精度 (Atom precise) 自在構築 (Scalable) 大量合成 (Non-preparative) ★1mg得るのに数ヶ月∼数年 3 デンドリマー = カプセル ⇨ 分子の器 3 - 5 ナノメートル 樹木のような 4 デンドリマ−の種類 NN NN N N N N N TPA-DPAG4 N N N N N N S N N S N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N TPP-DPAG4 N NN DPA-G5 N N N N N N N N N N N N N S N N N N N N N NN N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N NHN NHN N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N N 5 デンドリマ−=分子の樹(樹状球状構造)に着目 1 4 8 16 32 64 128 Dendrimer 枝の数 6 本発明のデンドリマ−の特徴 ポテンシャル勾配を持つ M 金属と錯形成する DPA G4 dendrimer 四面体の構造 7 白金サブナノ粒子の合成 PtCl4 n = 4, 12, 28, 60 DPA NaBH4 (還元剤) (PtCl4)n@DPA (Pt)n@DPA 8 どの金属が精密集積可能か H He Li Be B C N O F Ne Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe Cs Ba [La] Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn Tr Ra [Ac] Rf Db Sg Bh Hs Mt 1:1 精密集積を確認 (La, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb) 錯形成を確認 9 量子サイズ半導体粒子(酸化チタン) オゾンによりデンドリマ−を分解 10 燃料電池触媒への利用 11 白金サブナノ粒子(TEM画像) (Pt)12@DPAG4 粒径 0.86nm (Pt)28@DPAG4 粒径 0.97m (Pt)60@DPAG4 粒径 1.16nm 12 最も触媒活性の高い白金サブナノ粒子 Angew Chem Int. Ed,54, 2015 13 Pt12を用いた水素化反応 44 times higher Activity !! 14 4種類の金属を集積したデンドリマ− 特願2015-221482 三元金属ナノクラスター触媒 15 触媒の展開 アルケンの水素化 H2 酸素還元 ニトロ還元 アミノ化 アルコール酸化 脱ハロゲン化 電極反応 (燃料電池) アルキンの水素化 水素化・還元反応 アルコール酸化 C−Cカップリング反応 アルカン酸化 サブナノ合金粒子触媒 空気酸化反応 PtxAuy, PtxPdy, PtxCuy, PtxFey, PtxGay, PtxSny, PtxVy, , Au12Pt16Cu32 (TiO2), (V2O5), (Fe2O3), (SnO2) (Ga2O5) CNT合成 16 発光デンドリマ−の構築 DPAデンドリマ−にBiCl3を段 階的に集積させることで、発 光デンドリマ−を構築 500∼800nmの発光特性を示 した。その強度はBiCl3の化学 量論により調整できた Silent Intensity / a.u. Active 500 hν 600 700 Wavelength / nm 800 T. Kambe, T. Imaoka and K. Yamamoto, to be submitted. 17 発光のスイッチング特性 :BiCl3 NEt3 Absorption 1.2 トリエチルア ミンを利用し たN-Biの乖離 により発光の 消失を確認 Emission Intensity 1 Abs. 0.8 0.6 0.4 0.2 0 270 370 470 Wavelength / nm 570 Wavelength / nm 電気化学の酸化還元による配位結合の可逆性を利用する ことで、スイッチング特性を達成 18 新技術の特徴・従来技術との比較 • サブナノ粒子合成は、ハイパ−ブランチポリマ−を用 いた方法もあるが、“自在に”“数を決めて”“安定し て”扱うことができない。本発明のデンドリマーは、 様々な金属に対して原子数や配列を事前にプログラ ムすることで簡単に単一の集積構造を得ることが可 能である。 • デンドリマーを用い、112種類ある元素の内90以上の 金属物質を無数のバリエーションで組み合わせること で、新たな物質の創製が可能となる。 19 想定される用途 触媒活性、発光特性、磁気特性を持つことから 以下の用途展開が考えられる。 •発光機能、磁気機能を持つ有機EL材料。 •有機太陽電池、有機トランジスタ・有機メモリな どの有機エレクトロニクスデバイス材料。 •石油化学工業におけるメタンやアルカンガスを メタノ−ルなど有効な資源への転換する触媒。 20 実用化に向けた課題 • 現在、クラスター精密大量合成の実現について量産 が可能な目途がついてきた。 • 連続自動合成への展開を進めている。これが実現す れば原料(デンドリマーおよび金属塩)の溶液をセット し、画面上で組成を選択するだけで所望のクラスター が生成する、といったことも可能になる。 • 今後実用化に向けて、高機能化と低コストを目指した 触媒、発光、磁性機能を持つ最適な金属数の制御、 および最適な金属の組合わせと数の制御ができるよ うな技術を確立する予定。 21 企業への期待 実装化のためには、触媒活性、発光特性、磁性 特性を、デバイスや電池に組み込んだ状態での 評価が必要となる。 • 触媒やエレクトロニクスデバイス技術を持つ企 業から、具体的なスペックの提案、及び評価を 希望。 • 企業の望む新たな機能の提示と、それに対す る両者の共同研究を希望。 22 本技術に関する知的財産権 •発明の名称 •出願番号 •出願人 •発明者 :金属ナノクラスター触媒 :特願2015-221482 :東京工業大学 :山元公寿、今岡享稔、高橋正樹、小泉宙夢 •発明の名称 • •出願番号 •出願人 •発明者 :フェニルアゾメチンデンドリマーに内包された白金異種金属複合ナノ微粒子を用いた燃料電池用触媒 :特願2009-139497 :東京工業大学 :山元公寿、今岡享稔 23 お問い合わせ先 東京工業大学 産学連携コーディネーター 佐々木 俊夫 TEL 03-5734-7637 FAX 03-5734-7694 e-mail [email protected] 24 24
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