【新刊図書(平成28年10月)の紹介】 『陸王』 集英社 池井戸潤 『もしもし

【新刊図書(平成28年10月)の紹介】
『陸王』 集英社
池井戸潤
勝利を、信じろ――。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。
埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。
といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の
宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんな
ある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってき
た足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その
前には様々な障壁が立ちはだかる。チームワーク、ものづくりへの情熱、そ
して仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。
はたして、彼らに未来はあるのか?
『もしもし山崎方代ですが』 かまくら春秋社
山崎方代
しみじみと三月の空ははれあがりもしもし山崎方代ですが
戦争で右目を失明し、わずかに視力の残る左目で、靴の修理などをしながら各地を
旅した「漂泊の歌人」山崎方代。自らを無用の人と言い、世間から離れて暮らしてい
た孤独な生活から、ありのままをつづった方代の歌は、ざらついた心にすっと沁みこ
み、あたたかいもので満たしてくれる。異能の歌人・方代の歌、エッセイ、おしゃべ
り。月刊『かまくら春秋』連載をまとめる。
『ロベルトからの手紙』 文芸春秋
内田洋子
イタリア半島じゅうを回り、まだ知られていないこの地の暮らしを見つけて
皆に伝えていきたい。そう思いながら住み続けて集めた、〈イタリアの足元〉
の話です。(あとがきより)
仕事で海外を飛び回る妻と離別した主夫。無職で引きこもりの息子と暮らす
老母。弟を想う働き者の姉三人。
さまざまな家族の形とほろ苦い人生を端正に描く、大人の随筆集。
『ミラノの太陽シチリアの月』 小学館
内田洋子
「曇天続きのミラノにも晴れ間はあり、太陽に溢れるシチリアにも夜は訪れる」
イタリアに生きる人々の「光と陰」を描いて感動を呼ぶ傑作随筆集。
カフェで知り合った大学教授から自宅を半分にするから買わないかと誘われ
る『ミラノで買った箱』
。リグリア地方の田舎駅の駅員を襲った悲劇の事故と温
情のドラマ『鉄道員オズワルド』
。シチリア青年の結婚式で遭遇した幻想の光景
『シチリアの月と花嫁』
。冬の海辺のホテルで出会った老いたロシア皇女が語っ
た波乱の人生『ロシア皇女とバレエダンサー』ほか全 10 話。
『ギリシア人の物語Ⅰ』 新潮社
塩野七生
あのローマ人の偉大なる先人たちを描く、鮮烈な新シリーズの幕開け!
この作品の中では、民主主義はどうあるべきとか、民主政下のリーダーはどう
行動すべきか、また有権者の側はそれにどう関与すべきか、についてはいっさい
言及されない。その代わり、なぜ彼らは、それまでは誰一人考えつかなかった民
主政を創り出す気になったのか。また、いつ誰が、どのようにしてそれを機能さ
せ、また国家存亡の危機に際して有権者はどう関与し、なぜそれが可能であった
のか。そしてその後はどのような結果につながっていったのか、という事柄のす
べてをたどることになるだろうーー
古代ギリシアの民主政はいかにして生れ、いかに有効活用され、機能したのか。
その背後には少ない兵力で強大なペルシア帝国と戦わねばならない、苛酷きわまる戦争があった――。
不朽の名作『ローマ人の物語』の塩野七生が、それ以前の世界を描く驚異の新・三部作第一弾!
タイトル
著者
出版社
ジャンル
ページ数
陸王
池井戸潤
集英社
小説
592
もしもし山崎方代ですが
山崎方代
かまくら春秋社
評論・随筆
167
ロベルトからの手紙
内田洋子
文芸春秋
評論・随筆
213
ミラノの太陽シチリアの月
内田洋子
小学館
評論・随筆
372
ギリシア人の物語Ⅰ
塩野七生
新潮社
歴史
360