ベトナムの発行体格付BB-[安定的]を維持

NEWS RELEASE
2016年10月25日
【格付維持】
ベトナム社会主義共和国
外貨建発行体格付: BB- [格付の方向性:安定的]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
経済は堅調に推移し、インフレは抑制されている。経常収支はおおむね均衡し、対外面での安定感も
保たれている。公的債務の増加にみられるように財政面では引き続き課題が多いが、資金調達環境は取
りあえず安定し、債務の持続可能性が懸念される状況ではない。以上を踏まえ、外貨建発行体格付BB-を
維持し、格付の方向性も引き続き安定的とした。国有企業改革や不良債権処理といった構造的課題や財
政健全化への取り組みを注視していく。
実質国内総生産(GDP)成長率は、2014年以降、6%前後で推移している。2016年上半期の成長率は、
農業生産の落ち込みや輸出減速の影響で前年と比べやや鈍化した。こうした影響が薄れる下半期には経
済は持ち直し、通年の実質GDP成長率は6%程度を維持する公算が高い。中期的に6%の成長を続けること
は可能とR&Iはみているが、長期的な成長は楽観視できない。
生産年齢人口の割合が減少に転じており、投資や生産性の改善が進まなければ経済の成長力は徐々に
低下しかねない。こうした観点から、国営企業の改革は極めて重要だが、その進展ははかばかしくな
い。また、銀行部門の不良債権問題についても、資産管理会社(VAMC)に移転された不良債権の処理が
進んでおらず、取り組みは道半ばだ。
2015年の消費者物価指数の上昇率は、前年比0.6%に減速した。2016年に入りやや上昇しているもの
の、1-9月期平均で2.1%にとどまる。通貨ドンの対米ドル為替レートの減価圧力も抑えられている。貿
易黒字が縮小したため、2015年の経常収支の黒字幅はGDP比0.5%と小幅に終わった。今後も経常収支は
ゼロ近傍で推移するとR&Iではみている。経常収支が慢性的に赤字となっていた頃と比べると、直接投資
の流入にも支えられ外貨準備高が積み上がり、対外面での安定感は保たれている。外貨準備高は、2016
年6月末時点で財サービス輸入の2カ月強をカバーする規模となっている。
近年、財政は拡張傾向にあり、財政収支は趨勢的に悪化してきた。これまでの財政運営を見る限り、
財政健全化に向けた政府の強い意思はみえてこない。国際通貨基金(IMF)による他国との比較が可能な
一般政府財政収支では、2015年にGDP比5.9%の赤字となった模様。前年からやや改善しているが大幅な
赤字であることに変わりはない。財政は構造的課題を抱えたままで2016年も6%強の赤字となる見込み。
IMF発表の政府保証債を含む公的債務残高は、2015年末時点でGDP比58%に達した模様。2016年には
60%を超えるとみられる。債務の増加に歯止めが掛からない状況は、信用力評価上の懸念材料だ。政府
は、2020年までに財政赤字を3%まで削減するとしている。それが実現できれば債務の増加を抑制するこ
とができそうだが、これまでの財政運営をみる限り達成は容易ではないだろう。思惑通りに財政赤字を
削減できるか、政府の取り組みが注目される。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:ベトナム社会主義共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BB-(維持)
安定的
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
原 一樹
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年10月19日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
ベトナム社会主義共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
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際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
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