回想法実施後の考察

回想法実施後の考察
昔を思い出し、思い出を語り合う回想法は脳機能の活性化に有用な心理療法です。
福生クリニック・通所リハビリテーションで懐かしの紙芝居「黄金バット」を上演し、回想法の効果を検証し
ました。
利用者様が幼かった頃に演じられていた街頭紙芝居。その時代の情景を可能な限り再現し、上演前には昔懐か
しい「水あめ」をお配りしました。「水あめ」は全員の方が当時食べたと発言され、麻痺のある方も上手に水
あめを練っておられました。
「黄金バット」上演中は水を打ったように静かになり、真剣なまなざしで紙芝居に熱中しておられました。
今回、あらかじめ認知症の利用者様5名について【N式老年者用精神状態尺度】の認知機能評価シートを用い、
3項目について上演10日前と上演後の評価を比較しました。
【結果】
評価者の感覚的な尺度によるデータではありますが、全て
に改善傾向が見られました。
顕著な結果が出たのは重度から中等度の知的機能低下のあ
る方でしたので、軽度の方は特に差異は見られませんでし
た。
しかし、実施後数日を経ても水あめや紙芝居のことを話す
方が多く、記憶への刺激になったことは確かです。