ラズパイ×FPGA! クルマ用画像認識コンピュータ

第 2 部 Linux×並列演算チップ! スパコン構成小型コンピュータを作る
第
3章
ダウンロード・データあります
無償ツール× C プログラムで動かせる
ご購入はこちら
ラズパイ× FPGA!
クルマ用画像認識コンピュータ
中原 啓貴
カメラ画像からリアルタイムに
道路標識を抽出する
写 真 1 ラズベリー・ パイと高 性 能リアルタイム演 算が得 意な
FPGA をうまく組み合わせて道路標識を自動認識させる
カメラの画像から道路標識を抽出したら音で通知する
ラズベリー・パイは安価で Linux & GUI が動作し,
かつ小型でさまざまなシステムに組み込むことが可能
です.また,周辺機器も充実しており,サード・パー
ティ製品を組み合わせてオリジナルなシステムを安価
USBメモリ
FPGAボード
Nexys 4 DDR
(Digilent社)
Artix-7 100T搭載
ハードウェア
製作した道路標識抽出システムを写真 2 に示しま
す.自動車のダッシュボードに設置できるサイズを目
標に,入手が容易な部品で組み立てました.
USBカメラ
ラズベリー・パイ
(a)カメラ面
で実現可能になってきました.
しかし,デスクトップ PC と比べると,まだまだ性
能は低く,特に,カメラを用いたリアルタイム認識処
理はつらい状況です.
そこで今回は,回路を書き換え可能な LSI である
FPGA(Field Programmable Gate Array)を ラ ズ ベ
リー・パイと組み合わせた,カメラ画像によるリアル
タイム道路標識抽出処理コンピュータ作りにトライし
てみます(写真 1,写真 2).
プログラムから回路を作成するためのツール(高位
合成ツールという)の無償版 Vivado HLS を使いまし
た.
画像処理において,プログラムから高性能な演算回
路を作成する(高位合成の)勘所も解説します.
タッチ・スクリーン・ディスプレイ
(b)ディスプレイ面
写真 2 ラズベリー・パイと FPGA ボードをベースに構築した自動車向けリアルタイム画像認識コンピュータ
46
2016 年 12 月号