社会資本整備

資料1
社会資本整備
平成28年10月20日
【目
次】
Ⅰ.社会資本整備を取り巻く状況
1.公共事業関係費等の推移
2.平成28年度補正予算(第2号)における公共事業関係費の主な内容
Ⅱ.潜在成長率の向上に資する公共事業
1.潜在成長率及び社会資本ストックの現状等
2.今後の方向性
(1)新規投資の重点化・効率化の徹底
(2)既存ストックの最大限の活用
(3)労働生産性の向上等
Ⅲ.安全・安心のための公共事業
1.近年の気象状況と被害状況等
2.今後の方向性
(1)防災・減災に資するインフラ整備の重点化・効率化の徹底
(2)ハード対策とソフト対策の適切な組合せ
(3)インフラ老朽化への計画的・効率的な対策
Ⅰ.社会資本整備を取り巻く状況
Ⅱ.潜在成長率の向上に資する公共事業
Ⅲ.安全・安心のための公共事業
1
公共事業関係費等の推移
○ ここ15年程度の間、公共事業関係費の抑制を継続しており、ピーク時に比して当初ベースで4割減、補正
後ベースで半減の水準となっている。
○ その間、事業実施箇所数も大幅に抑制している。
(兆円)
16.0
14.0
12.0
主要分野の事業実施箇所数の推移
区
分
平成8年度
増△減(%)
(8→28)
平成28年度
ダ
ム
394 箇所
228 箇所
△ 42.1
道
路
3,797 箇所
1,665 箇所
△ 56.1
1,356 箇所
225 箇所
△ 83.4
重 要 港 湾
10.0
14.9兆円
(補正後ピーク)
( 国際戦略港湾・ 国際
拠 点 港 湾 を含 む)
農 地 整 備
3,997 箇所
1,237 箇所
0.6
社会資本特会の
一般会計化
5.9
5.0
2.8
4.0
1.6
0.8
地域自主戦略
交付金相当額(非公共)
2.0 1.9
1.6
△ 69.1
1.5
0.2 1.1
1.2 0.8 0.8
0.5
1.7
0.3 0.6 0.6 0.4 0.6
0.1 0.1
0.7
6.0
当初予算
地方道路整備臨時交付金の
一般会計計上による影響
1.8
8.0
補正追加
1.7
0.6
0.4 0.5
(0.7)
0.6 5.4
0.3
4.0
5.5
2.9
6.5 6.7 6.7 6.7 6.7 6.5 6.4 6.2
6.1
8.6
7.8 8.2
7.4
7.4
7.3
9.7 9.8
9.5 9.5 9.5
9.1
9.0 9.3
(0.4)
0.4 0.6
5.21.0(0.6)
(0.7)
8.5 8.2
7.9 7.6
7.1
7.2 7.0
6.7
6.0 6.0 6.0
5.8
5.0
2.0
1.5
2.4
4.6
5.3
9.8兆円
(当初ピーク)
0.0
53' 54' 55' 56' 57' 58' 59' 60' 61' 62' 63' 元'
2
(注)NTT-A、B(償還時補助等を除く)を含む。
2'
3'
4'
5'
6'
7'
8'
9'
10' 11' 12' 13' 14' 15' 16' 17' 18' 19' 20' 21' 22' 23' 24' 25' 26' 27' 28'
近年のIgの推移
○ 平成24年度の大型補正(公共事業関係費の追加額2.4兆円)により、平成24年度後半から平成25年度前半
にかけてIgが成長に寄与。
○ 平成28年度に入り、早期執行等により4-6月期においてIgが成長を下支え。平成28年度補正予算(第
2号)により、引き続き成長に寄与することが期待。
(%)
(%)
12
0.6
Igの実質GDP成長率への寄与度(右軸)
10
0.5
Ig成長率(左軸)
8
0.4
実質GDP成長率(左軸)
6
0.3
4
0.2
2
0.1
0
0
平成21年度
平成22年度
出典:内閣府「国民経済計算」より作成
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
4月- 6月
1月- 3月
10月-12月
7月- 9月
4月- 6月
1月- 3月
10月-12月
7月- 9月
4月- 6月
1月- 3月
10月-12月
7月- 9月
4月- 6月
1月- 3月
10月-12月
7月- 9月
4月- 6月
1月- 3月
10月-12月
7月- 9月
4月- 6月
1月- 3月
-0.4
10月-12月
-8
7月- 9月
-0.3
4月- 6月
-6
1月- 3月
-0.2
10月-12月
-4
7月- 9月
-0.1
4月- 6月
-2
平成28年度
3
公共事業における供給制約の課題
○ 人材不足や資材価格の問題はこれまで解消される傾向にあったが、足元ではこうした傾向が反転しつつあ
る。
○ 人口減少社会の下では、公共事業関係費の量的追加の経済効果は逓減していくことに留意しながら、人材
不足や資材価格の動向を注視する必要。
(%)
不 5.0
≪建設技能労働者の過不足率≫
足
≪建設資材価格指数(建築・土木指数)≫
6職種ピーク
3.9(25年9月)
4.0
8職種ピーク
2.8(26年3月)
ピーク
109.5(26年10月)
110.0
8職種
3.0
108.0
2.0
106.0
1.2
1.0
0.9
均
衡
(22年度平均=100)
112.0
6職種
104.5
104.0
102.0
0.0
100.0
‐1.0
98.0
96.0
‐2.0
94.0
‐3.0
4
出典:国土交通省「労働需給調査」より作成
平成28年07月
平成28年04月
92.0
平成28年01月
平成27年10月
平成27年07月
平成27年04月
平成27年01月
平成26年10月
平成26年04月
平成26年07月
平成26年01月
平成25年10月
平成25年07月
平成25年04月
平成25年01月
平成24年10月
平成24年07月
平成24年04月
平成24年01月
平成23年10月
平成23年07月
平成23年04月
平成23年01月
平成22年10月
平成22年07月
平成22年04月
平成22年01月
平成21年10月
平成21年07月
‐4.0
平成21年04月
6職種:型枠工(建築・土木)・左官・とび工・鉄筋工(建築・土木)
8職種:型枠工(建築・土木)・左官・とび工・鉄筋工(建築・土木)・配管工・電工)
12年 4月
6月
8月
10月
12月
2月
13年 4月
6月
8月
10月
12月
2月
14年 4月
6月
8月
10月
12月
2月
15年 4月
6月
8月
10月
12月
2月
16年 4月
6月
8月
過
剰
(平成24年度)
(平成25年度)
(平成26年度)
出典:一般財団法人経済調査会「建設資材価格指数」より作成
(平成27年度)
平成28年度補正予算(第2号)における公共事業関係費の主な内容
○ 「未来への投資を実現する経済対策」(平成28年8月2日閣議決定)に基づき、①観光振興のためのインフ
ラ整備等を図るための21世紀型のインフラ整備、②熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災
対応の強化に重点化。
○ 熊本地震等に係る災害復旧に対応できるよう追加措置をするとともに、経済対策に沿って、重点的に平成
28年度当初予算において措置した事業を加速化。
①.21世紀型のインフラ整備
○ 外国人観光客4000万人時代に向けたインフラ整備 (496億円)
・大型クルーズ船の受入環境改善
・羽田空港等の機能強化
等
○ 物流ストックの強化に向けたインフラ整備(3,107億円)
・大都市圏環状道路等の物流ネットワークの強化、渋滞対策
・国際コンテナ戦略港湾等の機能強化
・地域の競争力強化等を図る社会資本の総合的整備(社会資本整備総合交付金)
等
②.熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化
○ 熊本地震からの復旧・復興(1,936億円)
・熊本地震における公共土木施設等の災害復旧
等
○ 東日本大震災からの復興の加速化(628億円)
・復興道路・復興支援道路の整備加速化
等
○ 災害対応の強化・老朽化対策等(6,863億円)
・河川、道路、港湾等の防災・減災、老朽化対策の推進
・地域における防災・減災、老朽化対策等の集中的支援(防災・安全交付金)
等
③.その他
○ 一億総活躍社会関連 (305億円)
・既存住宅流通・リフォーム市場の活性化、子育て世帯等の住まいに係る支援
○ 地方創生関連(484億円)
・無電柱化の推進、交通安全対策
等
5
21世紀型のインフラ整備
○ 外国人観光客4000万人時代に向けたインフラ整備や物流ネットワークの強化等の未来に向けた成長の基盤
となるインフラ整備に重点化。
⼤型クルーズ船の受⼊環境改善
28年度補正(第2号):166億円
○ 超大型クルーズ船に対応できる港湾が少なく、供給制約の解消が課題。
○ 引き合いの多い港湾(横浜、博多等)において、クルーズ船の大型化に対応
目標
するための港湾整備を重点的に実施。
(万人)
500万人
500
400
300
200
100
0
「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」
(16.8万トン、最大乗客定員4,905人)
26.9 17.4 41.6
⼤都市圏環状道路等の物流ネットワークの強化、渋滞対策
28年度補正(第2号):1,295億円
○ 圏央道など放射方向の高速道路を連結し、沿線での民間投資を活性化。
111.6
2012 2013 2014 2015
2020
(年)
【クルーズ船の大型化に対応するための港湾整備】
桟橋
新しく設置した防舷材
オアシス
新しく設置した係船柱
クルーズ
センター
既設の係船柱
ぼうげんざい けいせんちゅう
防舷材・係船柱の整備
桟橋の延伸
⽻⽥空港等の機能強化
28年度補正(第2号):101億円
○ 羽田空港において、飛行経路の見直し等により、2020年までに発着容量を約
4万回増加。
○ このため、発着容量の拡大のために必要となる駐機場、誘導路、航空保安
施設等の整備に着手。
注1:※1区間の開通時期については土地収用法に基づく手続きによる用地取得等が速やかに完了する場合
注2:久喜白岡JCT~木更津東IC間は、暫定2車線
注3:圏央道の釜利谷JCT~戸塚IC、栄IC・JCT~藤沢IC、大栄JCT~松尾横芝IC区間以外のIC・JCT名は決定
国際コンテナ戦略港湾等の機能強化
28年度補正(第2号):141億円
○ 国際コンテナ戦略港湾(京浜港、阪神港)において、大型コンテナ船に対応できる岸壁・
コンテナヤード等を整備し、大型コンテナ船の日本への寄港を確保することにより、欧州
・北米への輸送コストを低下。
■コンテナヤードの整備
→大量のコンテナの一時保管に対応できるヤード
を整備し、大型コンテナ船の入港に対応
誘導路の整備
夜間駐機場の整備
C滑走路
誘導路の整備
国内線
旅客ターミナルビル
A滑走路
B滑走路
誘導路の整備
都心側からの着陸誘導のための
航空無線施設の整備
■岸壁(水深18m)の整備
→世界最大級(20,000個積み)のコンテナ船の入港にも対応
国際線
国際線旅客ター
旅客ターミナルビル
ミナルビル
6
出典:商船三井HP
■物流施設用地の護岸整備
→コンテナヤード背後に流通加工機能を有する物流施設用地
を造成
熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化
○ 熊本地震等の災害復旧を推進するとともに、東日本大震災からの復興の加速化を図る。
○ 地震、豪雨などの自然災害に強い強靭な国づくりを進め、防災対策を推進し、国民の安全・安心の確保を
図る。
28年度補正(第2号):1,712億円
熊本地震に係る災害復旧等事業
○ 平成28年熊本地震によって被災した公共土木施設等を速やかに復旧。
○対象施設
⽔害・⼟砂災害対策
28年度補正(第2号):871億円
○ 近年災害が発生した地域など人命被害や国民生活に大きな支障が生じる
おそれのある地域において、ハード・ソフト一体となった対策を緊急的に実施。
阿蘇大橋地区
ハード対策
河川、砂防施設、港湾、道路
急傾斜地崩壊防止施設、公園 等
○主な補助率、負担率
地すべり対策工
2/3 ・ 1/2 ~
河道掘削により流下能力を向上
東名高速道路
国道1号
※ 平成28年熊本地震は、4月26日の
激甚災害指定より、補助率の嵩上げを
措置。
28年度補正(第2号):589億円
復興道路・復興支援道路の整備加速化
JR東海道本線
○ 東北・被災地域の速やかな復興、再生の鍵となる路線として、復興道路・復興
支援道路の整備を加速化。
<復興道路・復興支援道路>
ソフト対策
<成果事例 (東北横断自動車道釜石秋田線)>
岩手県
東北横断⾃動道 釜⽯秋⽥線(釜⽯~花巻)
⾄ ⻘森
宮古南IC
遠野道路
平成30年度
開通予定
約11km
遠野道路、釜石道路
花巻JCT
花巻空港IC
東和IC
⼭⽥IC
急傾斜地の崩壊
土石流
地すべり
⼭⽥南IC
釜⽯北IC
遠野IC
釜⽯両⽯IC
⾄
北上産業
江刺⽥瀬IC
宮守IC
釜⽯⻄IC(仮)
横⼿
北上南部
業務団地
⾦ケ崎
釜⽯道路
平成30年度
開通予定
約6km
遠野住⽥IC
釜⽯中央
IC(仮)
重要港湾
釜石港
釜⽯JCT(仮)
⼯業団地
⼯業団地
H30全線開通
を公表
▼釜⽯港利⽤企業数の変化
30
20
(社)
内陸
遠野~宮守
H27開通を公表
沿岸
4
2
1
H21
1
2
H22
▼釜⽯港のコンテナ取扱量の変化
6
H23
5
7
2
H24
14
2
H25
H30全線開通
を公表
(TEU)
8
県外
10
0
遠野道路
H30開通を公表
遠野~宮守
H27開通を公表
遠野道路
H30開通を公表
監視カメラ
14
土砂災害警戒区域等の指定に向けた基礎調査
5
H26
資料:釜⽯市
(年)
資料:釜⽯市ホームページより
7
Ⅰ.社会資本整備を取り巻く状況
Ⅱ.潜在成長率の向上に資する公共事業
1.潜在成長率及び社会資本ストックの現状等
Ⅲ.安全・安心のための公共事業
8
潜在成長率の現状と目標
○ 生産年齢人口の減少、企業による新規投資の低迷等を背景に日本の潜在成長率は+0%前半まで低下。
○ 構造改革の推進等により、潜在成長率を+2%近傍に引き上げることにより、2020年に向け経済再生と財
政再建の両立を目指している。
○ 公共事業において、需要創出による一時的な成長への寄与以上に、資本効率や民間投資誘発効果が高く、
潜在成長率向上に資する事業に重点化していくべき。同時に、労働生産性向上と技術革新を促進すべき。
Δ 潜在成長率 = Δ 資本 + Δ 労働力 + Δ 全要素生産性(技術革新等)
(%)
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
≪内閣府「中長期の経済財政に関する試算」の成長見通し≫
≪潜在成長率の推移≫
内閣府
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
日銀
(年度)
出典:内閣府の数値については、内閣府HPより作成(四半期データ)。
なお、2011年1月~12月は東日本大震災の影響により数値を算出していないため前四半期の数値を横置き。
日銀については、日銀HPより作成(年度半期データ)。
なお、公表データが年度半期のため各年度半期の数値は四半期毎で横置き。
(平均成長率、%)
≪2001年~2007年までの潜在成長率の国際比較≫
5.0
4.0
資本寄与度
3.0
2.0
1.0
0.0
‐1.0
TFP寄与度
潜在GDP成長率
2.3 0.9 0.5 0.7 ‐0.2 日本
1.3 2.9 1.6 0.9 0.1 0.8 0.5 アメリカ
イギリス
出典:内閣府
労働寄与度
1.7 3.1 0.5 1.0 2.1 0.9 ‐0.2 0.5 ドイツ
フィンランド
第3回「選択する未来」委員会(平成26年2月24日)資料より
○主要な前提
・経済再生ケース
① 全要素生産性(TFP)上昇率
足元の水準(2015年度(平成27年度):0.4%程度)で2016年度(平成28年度)まで推移した後、
2020年代初頭にかけて2.2%程度(第10循環から第11循環(1983年(昭和58年)2月から1993年
(平成5年)10月)の平均)まで上昇。
② 労働力
「平成27年度雇用政策研究会報告書」(2015年(平成27年)12月1日)において示された「経済
成長と労働参加が適切に進むケース」の労働力需給推計を踏まえ、女性、高齢者を中心に性別年
齢階層別労働参加率が上昇。
・ベースラインケース
上記「経済再生ケース」との違いは以下の通り。
① 全要素生産性(TFP)上昇率
足元の水準(2015年度(平成27年度):0.4%程度)で2016年度(平成28年度)まで推移した後、
2020年代初頭にかけて1.0%程度まで上昇。
② 労働力
性別年齢階層別労働参加率が足元の水準で横ばい。
出典:内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(平成28年7月26日
経済財政諮問会議提出)より
9
社会資本ストックの現状と公共投資の生産性効果
○ 社会資本ストックは、800兆円水準に達しており、民間資本ストック1,200兆円と相まって、日本の総資本
を形成。
○ 社会資本の資本効率(限界生産性)は整備水準の向上に伴い低下傾向。
○ 今後の公共事業においては、新規投資を生産性効果の高い事業に重点化していくとともに、既存ストック
の最大限の活用を図り、社会資本の資本効率を高めていくべき。
10
≪社会資本の限界生産性(平成22年推計)≫
≪社会資本粗ストックと民間企業資本ストック≫
(兆円)
2,200
民間企業資本ストック
2,000
社会資本粗ストック
1,800
1,600
1,400
1,188 1,200
1,056 ※社会資本の限界生産性:追加的な社会資本ストック額1単位により生じる生産の
増加額。限界生産性が大きいほど、同じ額を整備した場
合の生産力効果が大きいことを意味する。
1,000
800
≪社会資本の限界生産性(平成25年推計)≫
709
600
400
370
200
661
786
402
214
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
0
(年度)
出典:内閣府「社会資本ストック推計」「民間企業資本ストック」より作成
注1)社会資本粗ストックは2005暦年基準
注2)民間企業資本ストックは有形固定資産(取付ベース)のストック額
注3)民間企業資本ストックの1980年度~1993年度は平成21年度確報値(H12基準:93SNA)、1994年度~2009年度は平成26年度確報値(H17基準:93SNA)
出典:内閣府「経済財政白書」(上図:平成22年度、下図:平成25年度)
2.今後の方向性
(1)新規投資の重点化・効率化の徹底
・費用便益分析の徹底
・施設等の集約化の推進
・PPP/PFIの推進
・社会資本整備総合交付金制度の見直し
11
12
費用便益分析の徹底
○ 新規採択事業のB/Cは全体として低下傾向にあるが、公共投資の生産性効果を高めるためB/Cの高い
事業を厳選し、全体水準の維持・向上を図るべき。
○ 便益面においては、その内容を安易に拡大することなく積算の客観性や説明責任の向上を図るべき。
○ 費用面においては、優良事例の横展開、施設の集約化、民間活用等により、不断にコスト縮減の徹底を図
るべき。
≪国土交通省公共事業における新規採択箇所のB/C平均値の10年前との比較≫
事業名
河川
道路
港湾整備
住宅市街地総合整備
都市公園
14年度
9.4
2.8
4.0
1.6
5.9
15年度
16年度
7.6
3.4
2.2
1.5
5.5
17年度
3.4
2.9
3.6
1.5
6.1
24年度
8.6
3.1
3.6
1.5
6.4
25年度
6.6
1.7
5.3
-
26年度
16.0
1.9
3.5
1.2
4.2
27年度
2.7
1.9
2.7
1.0
4.1
※平成24~27年度については、平成22年度に創設された社会資本整備総合交付金等に個別補助の多くが移行したことから、母数である箇所数は減少している。このため、平均値の変動が大きくなっている。
(河川の例:14年度37箇所、15年度19箇所、16年度23箇所、17年度25箇所、24年度5箇所、25年度3箇所、26年度11箇所、27年度2箇所)
≪国土交通省における主な事業毎の費用便益分析に係る評価項目≫
事業区分
主な便益
主な費用
道路
移動時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少
事業費、維持管理費
港湾
輸送コストの削減、既存ターミナル・道路の混雑緩和
事業費、維持管理費、再投資費
鉄道
移動時間の短縮、鉄道事業者の収益改善
事業費、維持管理費
空港
移動・輸送時間の短縮、空港管理者の収益改善
事業費、再投資費
土地区画整理
事業地区とその周辺地域の地価の上昇
事業費、維持管理費
市街地再開発
再開発ビルの収益改善、周辺地域の地価の上昇
施設整備費、維持管理費
事業実施により発生する分譲・賃貸収入、周辺地域の地価の上昇
事業費、維持管理費
健康・レクリエーション空間の提供(健康促進、レクリエーションの場の提供等)
都市環境の維持・改善(緑地保存、ヒートアイランド現象緩和等)
都市景観、都市防災(洪水調整、地下水涵養等)
事業費、維持管理費
建物、自動車等の浸水被害の軽減
浸水による事業所や公共サービスの生産等の停止・停滞の被害の軽減
浸水世帯の清掃等の事後活動や飲料水等の代替品購入に伴う新たな出費等の被害の軽減
事業費、維持管理費
住宅市街地総合整備
都市公園
治水
7.2
2.0
4.6
1.4
2.9
コスト縮減に向けたこれまでの取組みとその全国展開
○ 平成9年以来、累次の行動計画等に基づき公共工事コストの縮減を実施。平成15~19年度において14%、
平成20~24年度において12%の縮減を実現し、その後も国を中心としてコスト縮減に取り組んでいる。
○ これまで行ってきたコスト構造改善の取組み事例を集積し、ICT技術の進展等も踏まえて先進事例を更
新しながら、地方公共団体発注の公共事業も含めて全国展開を図るべき。
コスト構造改善の事例
計画・設計の見直し
国道のIC整備において、トンネル付近の連結
路の車線幅が広がらないIC構造を採用する
ことにより、トンネル杭口部の断面積を抑え、
約25%のコスト改善を実現
トンネル断面積を縮小
戦略的な維持管理
航路標識(灯浮標)の整備において、塗装等
の長寿命化を図り、交換周期を長くすることに
より(2年⇒4年)、ライフサイクルコストを縮減
し、約36%のコスト改善を実現
民間技術の積極的活用
高速道路におけるトンネル照明設備の更新に
おいて、高効率の新技術を活用することにより
照明数を814灯から424灯へと減らし、22.6%
のコスト改善を実現
13
施設等の集約化の推進
○
○
14
人口減少等を踏まえ、施設等の集約化を通じたコンパクト+ネットワークを推進するべきである。
その際、過去の成功と失敗の教訓を生かした支援制度の設計が必要である。
人口密度が高いほど、行政コストは低下する傾向
コンパクト+ネットワークの推進に向けた財政支援の例:都市再構築戦略事業
1人当たりの財政支出と人口密度の関係
○事業の特徴
・生活に必要な都市機能(医療・社会福祉・教育文化・商業等)を都市機能誘
導区域内へ誘導するため、社会資本整備総合交付金により整備を支援
○事業の主な構成
(1)中心拠点区域内における誘導施設(医療施設、社会福祉施設、教育文化
施設、商業施設等)の整備事業
(2)上記と一体的に実施する道路、公園、地域交流センター等の整備事業
出典:日本の「稼ぐ力」創出研究会(経済産業省)
○事業イメージ
○誘導施設整備の例
①低・未利用地を活用し、教育施設を整備
②細分化された複数の敷地の集約・整序を
行い、医療施設を整備
居住誘導区域
都市機能
誘導区域
公共交通
誘導施設
駅
③既存ストック(空きテナント)を活用し、
子育て支援施設や社会福祉施設等を整備
④民間事業者がスーパー、公共が図書館を
整備し、都市機能を複合整備
アウガ(青森県青森市)とオガールプラザ(岩手県紫波町)との事例比較
○ 成功例では、PPPの考え方に基づき、民間金融機関による厳しい事業審査の下で進めるとともに、優良
なテナントを事業前に先付けするなど民間事業者の創意工夫を最大限生かすことにより施設の規模を適正
化。また、官と民の役割を明確にし、地方自治体は公共公益施設の整備に重点化。
○ 失敗例では、大規模開発による事業費の増大、それに伴うテナント獲得の困難化等の悪循環に陥り、地方
自治体の商業施設への積極関与と補助金前提の事業計画が進行し、開発後、経営破たんと追加財政支援が発
生。
≪中心市街地の官民複合施設整備事業≫
アウガ(青森県青森市):H13 開業
オガールプラザ(岩手県紫波町):H24 開業
JR青森駅前に老朽化した低層木造建築物が密集。こうした中、青森市が主導し、
土地の高度利用と商業の近代化により中心市街地を活性化するため、駅前に官民複
合施設(アウガ)を整備。
◆公益施設:図書館、男女共同参画プラザ、まちなか保健室、 駐車場等
◆民間施設:新鮮市場(個人商店)、商業テナント、レストラン、金融機関
JR紫波中央駅前の町有地に町が公益施設の建設を予定するも目途が立たず。こ
うした中、民間事業者が町有地を借り受け、民間金融機関によるプロジェクトファイナ
ンスによって官民複合施設(オガールプラザ)を整備。
◆公益施設:図書館、地域交流センター、子育て支援センター
◆民間施設:産直市場、眼科・歯科、カフェ・居酒屋、学習塾・オフィス
大規模開発による建設費・維持費の増大
適正規模による建設費・維持費の抑制
大規模開発によりテナント獲得が困難
着工前にテナント需要を把握・確認し、優良なテナントを先付け
補助金前提の事業計画
民間金融機関による厳しい事業審査、プロジェクトファイナンス
商業施設への市の積極的関与
町は公共公益施設の整備に重点
開発後、経営破綻し、追加財政支援
開発後、固定資産税など財政収入増
○ 都市機能誘導区域における施設整備について、将来の人口減少や需要の動向等を無視した過大な施設整備
を行った場合には、行政コストが縮減するどころか、無駄な維持管理費の発生等により行政コストが無用に
増大する。
○ 施設整備にあたっては、こうした事業リスクを関係者間で十分に認識・共有した上で、PPPの仕組みを
活用して施設規模の適正化を図るとともに、施設整備に対する財政支援もそうした適正化を促すようなもの
にすべき。その際には、様々な事例を検証しながら、成功のための教訓を導き出し、事業内容や財政支援の
あり方に反映していくべき。
15
16
具体的な財政支援の見直しの方向性
○
コンパクト+ネットワークを推進する「都市再構築戦略事業」において、
・民間事業者の積極的活用の要件化(商業施設は原則民間等)
・隣接市町村による共同整備への誘導
等を推進するよう財政支援の見直しを進めるべき。
民間事業者の積極的活用
隣接市町村による共同整備
【これまで】主に自治体が誘導施設を整備
【これまで】自治体毎に、誘導施設を整備
○商業系の誘導施設
は、民間事業者によ
る整備を原則化
○医療・福祉系の誘導施設へ
の支援は、地域への貢献度
合いの高いものに重点化
○民間事業者も活用しつつ隣接市町村による共同の施設整備を
誘導することにより、公共施設の計画的な統廃合を効率的に推進
○国は、周辺公共施設への支援に重点化
誘導施設の共同利用
フルセットの施設整備
都市機能誘導区域
自治体による整備
誘導施設
都市機能誘導区域
病院
民間事業者による整備
A市
B町
児童館
病院
病院
A市
病院
病院
誘導施設
図書館
図書館
図書館
病院
児童館
駅
駅
病院
B町
駅
図書館
児童館
駅
駅
児童館
駅
PPP/PFIの推進①(PPP/PFI推進アクションプログラム)
○ 本年5月に平成34年度までの事業規模目標等を定めたアクションプログラムを策定し、PPP/PFIを積
極的に推進。
○ しかしながら、現状では事業数が限られており、先導的事例の横展開、新たな事業モデルの発掘等により、
公共事業における民間活用を推進すべき。
≪PFIの仕組みとVFM≫
政府全体の取組
「PPP/PFI 推進アクションプラン」(平成28年5月18日 民間資金等活用事業推進会議決定)
1. 新たな事業規模目標の設定
10年間(平成25年度~34年度)の事業規模目標:12兆円→21兆円に引き上げ
(1) 公共施設等運営権制度(コンセッション)型 : 7兆円(関空・伊丹約5兆円を含む)
(2) 収益施設の併設・活用型 : 5兆円
(3) 公的不動産の有効活用型 : 4兆円
(4) その他のPPP/PFI事業 : 5兆円
2. コンセッション事業等の重点分野
現行: 空港 6件、水道 6件、下水道 6件、道路 1件 (平成26~28年度)
追加: 公営住宅 6件* 、文教施設 3件 (平成28~30年度)
*収益型事業や公的不動産活用事業も含む
3. 推進のための施策
○ 国及び人口20万人以上の地方公共団体等における実効ある優先的検討の枠組みの構築・運用
○ 地域の民間事業者の案件形成力を高めるための地域プラットフォームを通じた案件形成の推進
○ 民間提案を促進するための事業者選定プロセスに関する運用の明確化等、提案した民間事業者
に対するインセンティブ付与の在り方を検討等
(出典:内閣府HP)
同一の公共サービスの提供水準の下で評価する場合
「日本再興戦略2016」 「経済財政運営と改革の基本方針2016」
(平成28年6月2日閣議決定)
アクションプランに掲げる事業規模目標21兆円が位置付けられ、PPP/PFIの推進に取り組むこととされ
ている。
PFI方式
契約期間
従来方式
◇長期、複数年に及ぶ
◇基本的に単年度
◇同一の事業者に包括的に性能発注
◇個別業務/工事毎に分離し、仕様発注
リスク分担
◇契約書等に基づき、公共と民間とでリスクを
事前に分担
◇公共がリスク負担、又は顕在化した時点で
甲乙協議
資金調達
◇民間部門
◇公共部門 (一般財源、起債等)
◇SPC (特定目的会社)
◇個別企業
規定
公共の契
約相手方
公的財政負担の見込額
≪PFI方式と従来方式の比較≫
リスク管理費
支払利息
VFM
リスク管理費
利益・配当等
支払利息
運営費
(維持管理を含む)
設計、建設、
運営費
(維持管理を含む)
設計、建設費
PSC
PFI-LCC
(公共自ら実施)
(PFI 事業として実施)
(出典:内閣府HP)
17
18
PPP/PFIの推進②(VFMの現状とPPP/PFIの優先的検討)
○ 国土交通省関連のPFI事業のVFMを見ると、ほとんどの事業で公的財政負担の見込額が低減。
○ PPP/PFIの優先的検討を実効的に進めるとともに、財政効果が最大限発揮される仕組みを構築する
べき。
「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」
(平成27年12月15日 民間資金等活用事業推進会議決定) (抜粋)
3 優先的検討の手続
二 対象事業
イ 対象事業の基準
公共施設等の管理者等は、次に掲げる公共施設整備事業であって、民間事業者の資金、経営能力及び技術的
能力を活用する効果が認められる公共施設整備事業を、優先的検討規程において、優先的検討の対象とするも
のとする。
ただし、民間事業者の資金、経営能力及び技術的能力を活用する効果が認められるかどうかの判断は、資金
調達コストの差異のみで行うべきでなく、業務効率化による効果等を総合的に勘案して行うべきである。
(1) 事業費の総額が10億円以上の公共施設整備事業(建設、製造又は改修を含むものに限る。)
(2) 単年度の事業費が1億円以上の公共施設整備事業(運営等のみを行うものに限る。)
≪国土交通省関連PFI事業VFM一覧≫
VFM
VFM
(特定事業選定時)
(事業者選定時)
1
2.3%
2.3%
空港関連施設
2
4.0%
24.7%
まちづくり
6
7.5%
13.2%
都市公園
11
9.2%
12.3%
下水道関連施設
8
4.7%
19.3%
官庁庁舎・建築物
23
5.5%
19.5%
複合施設
2
8.8%
17.2%
公営住宅等
15
6.0%
16.6%
駐車場
2
13.8%
17.9%
道の駅
3
7.6%
17.6%
その他
4
8.6%
29.9%
事業区分
件数
空港
※件数は各事業において重複しているものがある。
※特定事業選定時より事業者選定時のVFMが高くなった事業は65事業/71事業(91.5%)。
※一般的に、特定事業選定時のVFMは「⑤詳細な定量評価」において算定され、事業者選定時のVFMは
「⑥PPP/PFI手法を導入」することが決まった以降に算定されることになる。
出典:内閣府政策統括官(経済社会システム担当)「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」より
※各事業において複数の事業がある場合は、その中央値。
※「特定事業選定時のVFM」とは、PFI事業として実施するか否かを判断するに際して、国や地方公共団
体が算出するVFMであり、「事業者選定時のVFM」とは、選定された民間事業者が算出するVFMである。
PPP/PFIの推進③(空港施設等の運営権のコンセッション)
○ 空港運営の自由度を高め、既存ストックを活用した新規需要の開拓や交流人口の拡大による地域活性化に資
するため、地方自治体と連携しながら、赤字空港を含め原則としてすべての国管理空港にコンセッションを拡
大していくべき。
○ あわせて、空港整備勘定の収支を改善すべき。
第三セクター等
(空港ビル等を所有)
国
(滑走路等を所有)
運営権を設定
運営権対価
譲渡
対価
運営会社
運営会社は着陸料、空港ビル収入等を基に、空港を一体的に運営
地域活性化
・ 自由度の高い経営により、空港ビルの物販収入等を原資に着陸料を引き下げて新規路
線を誘致し、更なる空港ビル収入の増加につなげるといった好循環を実現できる。
・ 交流人口の拡大は地域において新たな産業の創出や雇用の拡大につながる。
VFM(Value For Money)
・ 滑走路等の維持管理、更新は運営会社が民間のノウハウを活かして行うこととなるため、
維持管理費等の削減につながるとともに、運営権対価の確保や需要増による航空機燃料
税収入の増加など空港整備勘定の歳入面への貢献も期待。
・ 個別空港ごとの独立採算性を導入することで、特別会計の透明性向上につながる。
課題
・ 仙台空港では検討から委託開始まで4年程度を要しており、プロセスのスピードアップが
求められる。
・ 赤字空港も含めて聖域なく検討を進める観点から、他の空港のコンセッション導入に向
けた課題を整理の上、今後の対応方針を検討すべき。また、こうした検討に際しては、今
後、個々の空港においてコンセッションが導入される可能性が高いかを明らかにし、コン
セッション事業に参入を図る事業者の予測可能性を高めるべき。
【最近の動き】
但馬空港 :平成27年1月に事業を開始し、運営事業を実施中。
関空・伊丹:平成27年12月にオリックス、ヴァンシ・エアポートコンソーシアムの
新会社(SPC)と実施契約を締結。平成28年4月から
事業を開始し、運営事業を実施中。
⇒【運営権対価等】約2.2兆円(税抜)
※収益が一定額を上回った場合、収益連動負担金を追加支払。
仙台空港:平成27年12月に東急前田豊通グループの新会社(SPC)
と実施契約を締結。平成28年2月からビル事業を開
始、7月から全体運営開始。
⇒【運営権対価】22億円(税抜)
※全額一括前払い。
高松空港:平成30年4月頃の事業開始に向け、平成27年10月から
マーケットサウンディングを実施。
平成28年7月に実施方針を公表、9月に募集要項を公
表。
神戸空港:平成30年4月頃の事業開始に向け、平成28年9月に実
施方針を公表、10月に募集要項を公表。
静岡空港:平成31年4月頃の事業開始に向け、平成28年5月から
マーケットサウンディングを実施。
福岡空港:平成31年4月頃の事業開始に向け、平成28年7月から
マーケットサウンディングを実施。
※この他、北海道内の複数空港の一体的な委託を検討中。
19
PPP/PFIの推進④(コンセッションの課題)
○ これまでのコンセッションでは、運営権対価が占める割合が低く、VFMの趣旨に合致しない結果につなが
る面がある。
○ 運営権対価を適切に評価するなど、VFMを最大化する方法を検討するべき。
<仙台空港コンセッションにおける優先交渉権者の選定例>
配点基準(200点満点)
選定結果(A~Cの3グループからAグループを選定)
180.0
全体計画、運営基盤 61点
○全体事業方針
○安全・保安に関する計画
○騒音対策事業等 ○事業実施体制 等
160.0
140.0
空港活性化
財政健全化(運営権対価)
財政健全化(その他)
財政健全化 68点
全体計画、運営基盤
○設備投資に関する計画
空港機能維持に係る
投資施策・総額
空港活性化に係る
投資施策・総額
○収支計画及び事業継続に関する提案
120.0
100.0
80.0
60.0
161.5
152.7
57.7
45.3
113.3
16.0
24.0
23.9
36.7
34.1
27.3
51.1
49.3
47.1
A
22億円
B
40億円
C
20億円
15.0
40.0
20.0
0.0
運営権対価の提示額
○運営権対価等 24点(全体の12%)
空港活性化 71点
○空港活性化に関する計画
旅客数・貨物量の目標
着陸料等料金施策
エアライン誘致施策 等
20
・ 上位2グループを見ると、空港活性化に関する点数でほぼ決まっている。
・ 空港を活性化し、収益を拡大できる計画となっているのであれば、提示される
運営権対価の額も高くなることが整合的ではないか。
・ 配点のあり方の見直しや総合評価落札方式で用いられている除算方式の導
入など、適切な選定方法を検討すべき。
空港利用者の利便性向上等
航空サービス利用者の
利便性向上等
(参考1)愛知県道路公社のコンセッションでは、配点基準200点満点のうち、運営権対価の額
に80点が配分されている(最低提案価格を超えた場合、一律30点を付与)。
(参考2)財・サービスの購入の際の総合評価落札方式の下では、原則として、技術評価点を入
札価格で割る除算方式(有利な価格を提示すれば選定されやすくなる)が用いられている。
PPP/PFIの推進⑤(下水道事業における民間活用の現状と課題)
○ 下水道事業については、施設の老朽化に伴い、更新需要の増大が課題。
○ 下水道事業では、単純で単年度ごとに発注する維持管理業務の民間委託は相当程度活用されているが、民
間活用による効果が高い維持管理業務の包括的民間委託や汚泥有効利用施設へのPFI等の導入等は道半ば
の状況。
○ さらに、コンセッションを具体的に検討している自治体は浜松市など4市のみの状況。
コンセッションの意義
下水道事業の概要
汚泥有効
利用施設
汚泥処理施設
下水処理施設
(全国約2,200施設)
(約100施設)
・PFI事業:11件
・DBO事業:23件
うち単純業務民間
委託施設 9割以上
うち包括的民間委託
(処理施設)
約380件
34件の契約期間
(概ね20年)におけ
るコスト削減効果
合計840億円
包括的民間委託の契
約期間(3~5年間)に
おける導入以前と比較
したコスト削減効果
合計約340億円
消毒
設備
沈砂池
※包括的民間委託は、下
水道施設の巡視・点検・
調査・清掃・修繕、運転管
理・薬品燃料調達・修繕な
どを一括して複数年にわ
たり民間に委ねるもの。
最初
沈殿池
反応
タンク
水処理施設
最終
沈殿池
・ 下水道施設の運営権を民間事業者に設定することで、
民間事業者が中長期的な視点に立って、施設の改築更
新や料金収受、維持管理を一体的に行うことが可能とな
る。
これにより、民間の創意工夫の余地が広がり、コスト削
減等の効果が期待。
(浜松市における検討例)
・ 市町村をまたぐ流域下水道として静岡県が管理をして
いた区域について、市町村合併(平成17年)を背景に、平
成28年4月より浜松市が公共下水道として管理を開始。
・ 浜松市の人員を大幅に増強することなく効率的に事業
の運営するため、コンセッション方式を検討した結果、運
営期間(20年間)において、改築と維持管理について約
7.6%(VFM)のコスト削減が期待できることが判明。
・ 平成30年4月からの導入に向け、現在、運営権者の選
定手続きを実施中。
※DBOは、PFIのように
民間が資金調達を行
わず、設計・建設・管
理・運営を 民間が行
い、自治体が対価を
支払うもの。
(今後の課題)
・ 事業スキームの検討、導入に向けた事前評価等のコス
トが大きいことや、導入後のモニタリング等に管理者側の
技術力を要することなどから、導入に向けた機運が高
まっていない状況。
21
PPP/PFIの推進⑥(下水道事業における民間活用の現状と課題)
○ 下水道事業について、執行体制の脆弱化と老朽化施設の増大が進行している中、今後、サービス水準を持
続的に確保していくため、PPP/PFIの導入を抜本的に拡大すべき。
○ 既設施設への包括的民間委託の導入はもとより、一定規模の自治体について、施設の改築に際してコン
セッションの検討を財政支援の要件とするとともに、汚泥有効利用施設の新設にあたってはPFI等の導入
を原則とするなど抜本的な対策が必要。
PPP/PFI導入の必要性
執行体制の確保
① 執行体制の脆弱化
・行財政改革
・熟練者の退職
・下水道公社の廃止や縮小
このままでは
サービス水準
低下
・流域下水道の移管
・個別工事の発注や管理を
包括的に民間に委ね、自
治体はモニタリングやトー
タルマネジメント等の管理
者業務に専念
・地元企業を含めた民間の
事業機会の創出
社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金
における配分の考え方(抄)
社会資本整備総合交付金における下水道事
業においては、持続可能な経済社会の実現に
資するとの考えの下、以下の事業に特化して
策定される整備計画に対して重点配分を行う
こととする。
① PPP/PFIの事業手法により民間活力の
活用を促進する下水道事業
② 老朽化施設の増大
コストの削減
・「少数、大規模の工事」から
「多数、小規模の工事」へ
・設計、施工の複雑化
・維持管理と工事のトータル
マネジメントの必要性
22
・外注コスト
の増加
・内部コスト
の増加
このままでは
経営悪化
・発注ロットの増大
⇒スケールメリット
・民間の技術力と経営ノウハ
ウの導入
・発注、管理等の内部コスト
削減
② 下水汚泥のエネルギー利用を促進する下
水道事業(バイオガス活用事業、下水汚泥固
形燃料化事業等)
③ 下水道整備推進重点化事業により低コスト
な未普及対策を実施する下水道事業
PPP/PFIの推進⑦(道路分野におけるコンセッション方式の導入)
○ 愛知県からの提案により、構造改革特区法の下で、地方の道路公社が管理する有料道路分野に民間企業の
参入が実現し、平成28年10月から民間事業者が運営を実施。
○ このコンセッション方式により、商業施設等との連携による道路の利便性向上、民間の創意工夫による
サービス改善、沿線開発等による地域経済の活性化が期待。
愛知県道路公社におけるコンセッションの概要
発注者
愛知県道路公社
対象路線
愛知県道路公社が管理する8路線72.5km
(右図参照)
事業内容
①対象路線の維持管理・運営業務
②改築業務(知多4路線)
③附帯事業及び任意事業
優先交渉権者
「前田グループ」
代表企業:前田建設工業(株)
構成企業:森トラスト(株)
大和ハウス工業(株)
大和リース(株)
セントラルハイウェイ(株)
連携企業:Macquarie Corporate Holdings Limited
対象路線図
⑧名古屋瀬戸道路
⑥猿投グリーンロード
⑦衣浦豊田道路
運営権対価
1,377億円(税抜)
うち一時金150億円(税抜)
事業期間
平成28年10月1日から料金徴収期間満了まで
(最大約30年)
①知多半島道路
③知多横断道路
⑤衣浦トンネル
④中部国際空港連絡道路
②南知多道路
※ 試算では、優先交渉権者が運営等業務をPFI事業として
実施した場合、公社自らが運営等業務を実施した場合の収
支を170億円上回る。
23
PPP/PFIの推進⑧(PFI手法の活用による無電柱化の推進)
○ 無電柱化は、道路の防災性能の向上、通行空間の安全性・快適性の確保、良好な景観形成に資するもので
あるが、関係者との調整の時間を要していること、整備コストが高いことが課題。
○ 電線地下埋設に係る規制緩和に加え、PFI手法を導入することにより、管路整備に精通した技術・ノウ
ハウを活用しつつ、円滑な事業調整と更なるコスト縮減を図るべき。
【無電柱化の費用負担】
○
電線共同溝本体(管路、特殊部)の整備は、建設負担金を除
き、国と地方公共団体が1/2ずつ負担(地方公共団体が整備
する場合は、国が交付金により支援)。
○ 地上機器(トランス等)・電線等の整備や建設負担金は、電
線管理者が負担。
【低コスト手法の取組状況】
管路の浅層埋設
現行より浅い位置に埋設
小型ボックス活用施設
直接埋設
小型化したボックス内にケーブルを設置
ケーブルを地中に直接埋設
【PFI手法による無電柱化のスキーム(イメージ)】
24
社会資本整備総合交付金制度の見直し(フォローアップ)①
○ 昨年秋の財政審の指摘を踏まえ、平成28年度当初予算において社会資本整備総合交付金等について大幅な見
直しを実施し、国土交通省において平成28年度から順次、運用を開始している。
社会資本整備総合交付金制度に対する指摘
① 要望措置率の低下、不用率・未契約繰越率のバラツキ
○ 地方公共団体からの要望額は年々増加傾向にあり、要望に対して配
分される金額の割合(要望措置率)は年々低下傾向。
○ 社会資本整備総合交付金等は、地方公共団体の自由度を高めてい
るにもかかわらず契約しない状態での繰越や不用が多い都道府県が散
見される。
○ 次年度の国に対する要望や国からの配分について、このようなバラツ
キを反映させることが考えられないか。
② 優先的に取り組むべき事業に対する支援の強化
○ 個別事業について、どれが重点配分対象であるか、国と地方とで共有
がされていない。
見直し内容
① 不用率・未契約繰越率の把握・公表
○ 執行状況を踏まえた適切な要望・配分を行うた
め、計画毎の不用率・未契約繰越率の把握・公表
期待される効果
○ 地方公共団体間の
不公平感の解消
※ 平成29年度当初予算から公表予定
② 重点計画の策定、国としての配分の考え方の例示
期待される効果
○ 重点配分にあたり、重点配分対象を明確化し、重
点配分対象のみで構成される計画の策定を要件化
○ 重要な要望に対す
る措置率の向上
○ 交付金の政策的位置づけを明確にするとともに、国と地方公共団体に
おいて配分に対する認識を共有する方策を講ずるべきではないか。
○ あわせて、一部の事業に対して国としての配分の考
え方を例示
○ 配分に対する
予見可能性の向上
③ 「整備計画」の目標設定
③ 望ましい目標例の提示
○ 重点配分した事業にどれだけの交付金が充てられたか把握できてい
ない。
○ 一部の自治体において、不適切な目標や評価指標が見受けられ
る。
○ 目標と評価指標の設定が適切に行われるよう、国による一定の指
針などを検討する必要があるのではないか。
○ 事業分野毎に整備計画の望ましい目標例を提示
④ 事業の評価の要件化
④ B/Cの算出の要件化
○ 交付金事業では費用便益分析などの事業評価を要件とされてい
ない。
○ 一定の線引きを行った上で、事業の評価を要件化するべきではな
いか。
○ 交付金創設前にB/Cを算出していた事業など、一
定の線引きを行った上で、B/Cの算出を要件化
期待される効果
○ 計画策定や地域へ
の説明のノウハウ向
上
期待される効果
○ 事業効果の見える化
による交付金事業に対
する国民の理解の向上
25
社会資本整備総合交付金制度の見直し(フォローアップ)②
○ 限りある財源を政策的に優先すべき事業に重点化するために、道路、河川などの事業類型ごとに、交付金
を重点的に充てるべき事業内容を明確化し、そうした事業内容に特化された整備計画に対して重点配分を実
施。
○ 更に、現在の整備計画は事業内容や実施状況がわかりにくいため、今後、PDCAの改善や事業の重点化
が実効性をもったものになるよう、交付金事業の「見える化」を推進するとともに、重点化対象事業への重
点化を着実に進めるべき。
事業名
重点配分対象となる主な事業
道路事業
ストック効果を高めるアクセス道路の整備(アクセス道路の供用時期について他事業と連携し、早期の効果発現が見込める事業について
は特に重点配分)、連続立体交差事業
インフラ長寿命化計画(行動計画)を踏まえた橋梁、トンネル等に係る老朽化対策
港湾事業
既存ターミナルを活用しつつ、クルーズ船の受け入れを図るために実施する防舷材、係船柱等の改良、緑地の整備
港湾施設の老朽化等に伴い利用が制限されている港湾施設の整備
河川事業
「水防災意識社会 再構築ビジョン」の趣旨に沿って、氾濫リスクが高く浸水被害が想定される地域において、ハード・ソフ
ト対策を一体的に実施する事業
砂防事業
要配慮者利用施設、防災拠点を保全し、人命を守る土砂災害対策事業、重要交通網にかかる箇所における土砂災害対策事業
下水道事業
海岸事業
都市再生整備計画事業
広域連携事業
南海トラフ地震又はその他の大規模地震に対して、背後地に重要交通網又は人口が集中する地域において実施する海岸堤防等
の地震・津波対策
立地適正化計画に適合する事業等国として特に推進すべき施策に関連する事業
連携中枢都市圏の形成等の広域圏域としての取組の推進に資する計画
都市公園・緑地等事業
国家的関連事業の開催に向けた都市公園の整備等に関する事業、PFI事業による都市公園の整備等に関する事業
市街地整備事業
立地適正化計画を作成、又は確実に作成が見込まれる地域において実施され、かつ立地適正化計画に適合する事業
都市水環境整備事業
地域住宅計画に基づく事業
26
PPP/PFIの事業手法により民間活力の活用を促進する下水道事業(下水道整備推進重点化事業に係るものを除く)
住環境整備事業
水辺の賑わい創出に向けた取組を推進するため、「かわまちづくり計画」に位置づけられた事業
公営住宅及び改良住宅の耐震改修(耐震診断を含む)事業、耐震性のない公営住宅及び改良住宅の建替事業
改正耐震改修促進法において耐震診断が義務付けられた住宅・建築物の耐震診断・耐震改修等を実施する事業
(2)既存ストックの最大限の活用
・高速道路の料金体系の見直し
・高速道路における物流効率化に向けた取組
・首都圏空港の機能強化
・空港における跡地の有効活用
・大型クルーズ船への対応
・最適な交通ネットワークの形成
27
高速道路の料金体系の見直し(首都圏)
○ 新規整備を検討・実施するに際しては、既存ストックについて小さな追加投資や規制・制度の見直しによ
り大きな生産性向上の効果を実現できないか不断に検討していくことが必要。
○ 首都圏3環状道路の整備に併せ、首都圏の高速道路の料金体系を整備重視から利用重視のものに整理・統
一することで渋滞を緩和し、物流の効率化を通じて生産性を向上。
■首都圏内の料金水準
境古河IC
加須IC
東松山IC
東
北
道
埼玉県
道
新東名
磐
茨城県
京葉
高井戸IC
中央道
首都高速
均一区間
東京IC
大橋J
湾
京 東
海老名J
海老名南J
寒川北IC 戸塚IC
伊勢原J
小
田
茅ヶ崎J
原
厚
湘 横 栄IC・
木
藤沢道
路道
J
新湘南バイパ ス
IC
ス
パ
イ
バ
西湘
横
横
道
道
千葉東
J
東
千葉県
八王子IC
八王子J
成田空港
東
関
道
※土地収用法に基づく手続きによる用地取得等
が速やかに完了する場合
大橋J
第
新東名
太平
海老名IC
厚木IC
木更津南IC
木更津南J
馬堀海岸IC
道
茨城県
大井J
横
道
道 ※
路
東
京湾
アク
アラ
イン
東
宮野木J
岸
東 三
道
名 京※
路
高
浜
横
速
新
神奈川県
道
海老名J
海老名南J
寒川北IC 戸塚IC
京 東
京葉
大栄J
成田IC
東京湾
伊勢原J
横
小
木更津金田IC
田
道
茅ヶ崎J
木更津J
原
湘 横 栄IC・
木厚
釜利谷J
藤沢道
木更津南IC
路道
J
新湘南バイパ ス
朝比奈IC
IC
ス
木更津南J
イパ
バ
馬堀海岸IC
西湘
木更津J
相模湾
H32年度
開通予定
首都高速
東京IC
松尾横芝IC
東金J
磐
※
湾
木更津金田IC
釜利谷J
高井戸IC
中 央 道※
千
葉
東金
道路
イン
東京湾
道
新空港IC
関
央
谷田部IC
道
く 環状道 ※
か
路
外
三郷J
京 川口J
三郷南IC
東
中 央 環状
大泉J
成田IC
宮野木J
大井J
第
岸
東 三
道
名 京
路 東
高
京湾
横 浜
速
アク
新
神奈川県
アラ
道
東京都
圏
常
関
越
道
央
道
路
東
北
道
埼玉県
圏
大栄J
つくば
中央 つくば
IC
J
久喜白岡J
鶴ヶ島J
道
開通予定
八王子IC
海老名IC
厚木IC
央
関
越
道
央
八王子J
東松山IC
谷田部IC
境古河IC
加須IC
圏
常
道
均一区間
か く 環状道 路
外
三郷J
京 川口J
三郷南IC
東
H29年度
中 央 環状
大泉J
圏
28年4月~
つくば
中央 つくば
IC
J
久喜白岡J
鶴ヶ島J
東京都
H28年度
開通予定
千葉東
J
新空港IC
関
千葉県
成田空港
松尾横芝IC
千
葉
東金
道路
東
関
道
※
東金J
太平
相模湾
C
: 高速国道の大都市近郊区間より料率が高い
: 高速国道の大都市近郊区間と概ね同じ
: 高速国道の大都市近郊区間より料率が低い
: 利用距離により料率が変化
: 大都市近郊区間外の高速国道等
: 高速国道の大都市近郊区間と概ね同じ
: 高速国道の大都市近郊区間と概ね同じ(激変緩和措置)
: 大都市近郊区間外の高速国道等(普通区間)
C
注) 点線は整備中区間
※1 上限料金を設定するなどの激変緩和措置を実施
注) 点線は整備中区間
※2 埼玉外環については、圏央道の概成(境古河~つくば中央の開通時)
に合わせて、新たな料金を導入予定
■起終点を基本とした継ぎ目のない料金の実現
(例:厚木→桜土浦)
都心経由
3,930円
圏央道経由 5,050円 ⇒ 3,930円
(圏央道が不利にならないよう引下げ)
28
■主な効果
 東名⇔東北道間の都心通過5割減(用賀~川口間を通過する台数)
・平成27年 5,400台/日 → 平成28年 2,700台/日
 首都高速全体の渋滞損失時間約1割減
・平成27年 32,500台・時間/日 → 平成28年 29,700台・時間/日
 圏央道の交通量約3割増(相模原~高尾山間を通過する台数)
・平成27年 34,300台/日 → 平成28年 45,000台/日
高速道路の料金体系の見直し(近畿圏・中京圏)
○ 近畿圏・中京圏の高速道路においても、交通渋滞や整備重視の料金体系といった首都圏の高速道路と同じ
問題が存在しており、課題等を整理した上で、料金体系の整理・統一により、既存ストックの最大限活用・
生産性の向上を図るべき。
(注)本年9月に国土交通省・社会資本整備審議会において「近畿圏の高速道路を賢く使うための料金体系 基本方針(案)」を公表。
○ さらに、物流の効率化や渋滞対策等を考慮した料金体系(混雑状況に応じて一定時間毎に変動する機動的
な料金等)について、検討を進めるべき。
■ 近畿圏内の料金水準の現状
多くの路線が均一料金区間など利用距離により料率が
変化。
■中京圏内の管理主体の現状
ネットワーク内に管理主体が異なる道路が存在。
29
高速道路における物流効率化に向けた取組
○ 既存ストックを最大限活用する観点から、高規格の高速道路における速度規制見直しやダブル連結トラッ
クの導入など、高い規格のストックについてはそれに見合った使い方をすることで、移動時間の短縮や物流
コストの低減を通じた生産性の向上を図っていくべき。
○ さらに、こうした高い規格のストックについては、その機能を最大限活用し、自動運転の社会実験など技
術革新を進める実験場としても積極的に活用できないか検討すべき。
高規格の高速道路における速度規制見直し
ダブル連結トラックによる省人化
「高規格の高速道路における速度規制の見直しに関する調査研究
委員会」の提言(平成28年3月)(抜粋)
現状、トラック輸送は、深刻なドライバー不足が進行(約4割が50歳
以上)。民間からの提案や将来の自動運転・隊列走行も見据え、特
車許可基準を緩和し、1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能
な「ダブル連結トラック」の導入を図り、トラック輸送の省人化を促進。
今年度より、トラック輸送の主要幹線であり、道路線形も良い「新東
名」で実験開始予定。
上下線とも現状の標準的な高速道路の平均自由流※時死傷事故
率より3割程度以上低い区間である、例えば、
①新東名高速道路(御殿場JCT~浜松いなさJCT)、
②東北自動車道(花巻南IC~盛岡南IC)
等において、現状の実勢速度や車線数等をも踏まえつつ、段階的
に、100km/hを超える規制速度を導入し、実勢速度の変化や事故
の発生状況等についてモニタリングを行うことが考えられる。
現在
通常の大型トラック(10tトラック)
※自由流:交通量が少なく、ドライバーが自由に走行速度を決定できる交通状態
平成28年10月13日 試行区間の選定公表
①東北自動車道(花巻南IC~盛岡南IC)
<区間延長約30.6km> 規制速度:110km/h
約12m
今後
ダブル連結トラック:1台で2台分の輸送が可能
②新東名高速道路(新静岡IC~森掛川IC)
<区間延長約50.5km> 規制速度:110km/h
(注)大型貨物車等の規制速度はこれまでと同様の80km/h
30
特車許可基準の車両長を緩和
(現行の21mから最大で25mへの緩和を検討)
首都圏空港の機能強化
○ 首都圏空港(羽田、成田)では、オリンピック・パラリンピックに向けた訪日外国人旅客の増加を見据え
て、滑走路を増設することなく、既存ストックを有効活用し相対的に小さな追加的投資を行うことで、発着容
量を約8万回増加することとしている。
○羽田空港
飛行経路の見直し等により、航空保安施設や誘導路等の整備
のみ(約400億円)で発着容量約4万回の増加(約45万回→約49万
回)を実現。
※ D滑走路の建設等の再拡張事業では、約7,300億円で発着容量
14.4万回増加
○成田空港
管制機能の高度化、高速離脱誘導路の整備の
みにより、発着容量約4万回の増加(約30万回→
約34万回)を実現。
※ 総事業費約202億円(うち国費約38億円)
【高速離脱誘導路の整備】
【飛行経路の見直し】(南風時)
A滑走路
B滑走路
現在の航空機の性能に合わせた、最適な高速離脱誘導路の取付位置への
変更などにより、到着機の滑走路占有時間を短縮。
31
空港における跡地の有効活用
○ コンセッション方式の活用を含め、空港整備勘定のストックを最大限活用することで、同勘定の収支を改
善すべき。
○ 例として、羽田空港では沖合展開事業等に伴い生じた跡地を利用して、ホテルや産業交流施設等を建設予
定。
○ 空港周辺で民間資金を活用したまちづくりが進展することで、空港の魅力向上につながるとともに、土地
貸付料収入が増加。
羽田空港跡地利用の概要
第1ゾーン(活用イメージ)
第1ゾーン
【約20ha (開発面積 約16.5ha)】
《産業交流施設等エリア》
・産業交流施設(展示機能等)
・駅前広場
・多目的広塲(防災機能等)
※大田区に空港用地を売却する方向で検討
第2ゾーン
【約17ha (開発面積 約4ha)】
《エアポートホテル・複合業務施設エリア》
・エアポートホテル
・複合業務施設(国際交流関連、観光関連等)
※国から空港用地の貸付を受けた民間事業者( 「住友不動産・東
京国際空港プロジェクトチーム」を選定(H28.6.17) )が宿泊施設
等の整備・運営を行う。土地の貸付期間は平成30年4月1日から
平成80年3月31日までの原則50年(一般定期借地権)。土地の貸
付料として毎年度約27億円が支払われる見込み。
出典:官邸HP「東京圏 国家戦略特別区域会議」配布資料より
第3ゾーン
【約16ha 】
再拡張事業後の需要動向を見極めながら検討
第2ゾーン(活用イメージ)
32
大型クルーズ船への対応
○ 大型クルーズ船により訪日する外国人が急増しており、港湾における大型クルーズ船受入能力の拡充が課
題。
○ このため岸壁を新たに作るのではなく、既存の岸壁に大型クルーズ船用の防舷材や係船柱を整備すること
で、少ない費用で受入能力を拡大。
ぼうげんざい
けいせんちゅう
【クルーズ船の寄港回数】
(回)
1,454
1,105
808
1,204
1,001
2016年6月29日、高知港に初寄港した「クアンタム・オブ・ザ・シ
ーズ」(16.8万トン、最大乗客定員4,905人)
【既存ストックを活用した大型クルーズ船の受入環境改善】
新しく設置した
防舷材
新しく設置した
係船柱
うち、15万トン超のクルーズ船寄港回数
2014年まで
0回
2015年
46回
※港湾管理者への聞き取りを基に国土交通省港湾局作成
【クルーズ船による外国人入国者数(概数)】
既設の係船柱
防舷材・係船柱の整備
桟橋
オアシス
(年)
クルーズ
センター
桟橋の延伸
世界最大級(23万トン級)のクルーズ船が着岸する際に必要となる整備費
・防舷材・係船柱を整備する場合:5億円(※1)
・岸壁を新たに作る場合:50億円(※2)
※1:大型クルーズ船に対応する防舷材・係船柱の整備費用(実績)の平均値
※2:水深10m岸壁の整備費用(実績)の平均値
【クルーズ船寄港地の経済効果】
・乗客1人当たり最大14万円※程度にも及ぶ。
※2015年8月1日那覇港の例
※飲食、土産品、ツアー参加などの直接効果を計上
※法務省入国管理局の集計による外国人入国者数で概数
33
最適な交通ネットワークの形成
○ 高度成長期以降のインフラ整備により、高速道路、新幹線、空港等、高速交通ネットワークの全国的な整
備水準が飛躍的に向上。
○ 今後の整備に当たっては、各交通手段を総合的に捉え、連携・役割分担を図るとともに、新規整備の重点
化・選択を行い、最適な交通ネットワークを構築することが重要。
現在の高速ネットワーク(2014年3月末時点)
(点線は事業中及び未事業区間)
新幹線
: 515.4km
高規格幹線道路 : 190km
空港
: 5箇所
(滑走路長2千m以上)
1965年時点の高速ネットワーク
新幹線
: 2,620km ( 5.1倍)
高規格幹線道路 :10,685km (56.2倍)
凡例
高規格幹線道路等(供用区間)
高規格幹線道路等(整備・計画区間)
新幹線(営業区間)
新幹線(整備・計画区間)
リニア中央新幹線(計画区間)
拠点空港
その他空港
(滑走路長 2,000m以上)
34
空港
: 66箇所
(滑走路長2千m以上)
出典:国土交通省「国土のグランドデザイン2050」参考資料より
(13.2倍)
(参考)社会資本の整備水準の向上
○ この四半世紀で社会資本の整備水準が大きく向上し、日本の強みと認識される一方で、建設国債残高が約
2.5倍になるなど財政状況は悪化。
≪社会資本整備の進捗状況≫
平成2年度
(1990年度)
○
道路延長(高規格幹線道路)
○
重要港湾以上の岸壁数
(水深 14m以深)
○
ジェット化空港数
(原則 2000m以上)
○
汚水処理人口普及率
(km)
都市公園等の一人当り
公園面積
(参考)
○ 名目GDP
平成27年度
90年度比
(2015年度)
5,076 →
11,266 (+122%)
(箇所数)
7 →
76 (+986%)
(箇所数)
48 →
69 (+44%)
(%)
62 →
※平成 9 年
○
≪国際競争力調査(WEF)≫
(㎡/人)
5.8 →
インフラは世界ランク5位、一方、マクロ経済環境(財政状況、
物価等)は104位
89.5 (+44%)
※平成 26 年度
10.2 (+76%)
※平成 26 年度
(兆円)
452 →
(千円)
2,923 →
490 (+8.4%)
※平成 26 年度
○
一人当たり国民所得
2,868 (▲1.9%)
※平成 26 年度
○
人口
(千人)
○
建設国債残高
(兆円)
123,611 →
127,110 (+2.8%)
※平成 2 年
※平成 27 年
102 →
270 (+264.7%)
出典:(参考)は内閣府「国民経済計算」、総務省「人口推計月報」「平成27年国勢調査」、財務省「日本の財政関係資料」より作成
出典:WORLD ECONOMIC FORUM
「The Global Competitiveness Report(2016-2017)」より
35
(3)労働生産性の向上等
・建設現場へのICTの導入(i-Construction)
・最先端のサプライチェーンマネジメントの導入
・施工時期の平準化
36
建設就業者数の現状
○ 建設現場の技能労働者数は、近年概ね横ばいで推移しているが、年齢構成別に見ると高齢者が多く、自然
体では2025年には高齢者の離職等により現在の水準から大幅に減少するものと見込まれる(日本建設業連合
会は、新規入職者がゼロであると仮定した場合、2025年には216万人まで減少すると推計)。
○ 生産年齢人口の継続的な減少、潜在成長率の向上の必要性等を踏まえると、労働生産性の向上を図り技能
労働者数が減少する中でも必要な事業が遂行できる環境づくりが重要。
技能労働者等の推移
担い手確保の必要性
建設業における高齢者の大量離職の見通し
○建設業就業者: 685万人(H9) → 498万人(H22) → 500万人(H27)
○技術者
:
41万人(H9) →
31万人(H22) → 32万人(H27)
10年後には大半が引退
(年齢)
○技能労働者 : 455万人(H9) → 331万人(H22) → 331万人(H27)
(万人)
その他
800
販売従事者
700
588
600
604
24
22
640
619
26
26
26
27
25
22
655 663
670
27
24
31
24
29
24
29
25
685
662 657
653 632
24 23
31 32
131 133
127 128
131 128 126
127 128
500
400
118
29
127
36
33
41
43
43
42
42
20
34
43
42
42
20
33
管理的職業、事務従事者
618
604
19
32 19
34
584
568 559
17
35
技術者
552
537
14
34
技能労働者
517 502 503 505 500
499
498
14 17
8 10
15
32
8
7
31
9
116
31 14
114
13
29
30
113 107
29 30 28
29 32
107 103
103
37
39
100
36
94 98 98 96 98 99
34 32 31
31
30
32 31 31 32 27 28
32
124
35.7
60~64
33.8
55~59
32.4
50~54
39.1
45~49
47.7
40~44
36.4
35~39
27.1
30~34
300
200
42.4
65~
433 438 442 455 434 432
399 408 420
395
432
415 414 401 385
381 375 370
19.2
25~29
358 342 331 334 335 338 341 331
100
13.9
20~24
2.6
15~19
0
0
H2 3
年
4
5
6
7
8
9
若年入職者の確保・育成が喫緊の課題
10
20
30
40
50
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
出典:総務省「労働力調査」(暦年平均)を基に国土交通省で算出
(※平成23年データは、東日本大震災の影響により推計値)
出典:総務省「労働力調査」基に国土交通省で算出
(万人)
37
建設現場へのICTの導入(i-Construction)
○
国土交通省では、測量から施工・管理段階まで全ての建設工程にICT技術の導入を行う「i-Constru
ction」を推進し、建設現場の生産性を2025年までに2割向上することを目指している。
○ しかしながら、生産性2割向上の考え方が曖昧であることから、目標についてKPIとして数値化し、
「見える化」を図ることにより、効果がしっかりと発現するような形で着実に推進するべき。
≪ICT土工の例≫
測量
≪ICT土工の生産性向上効果(例)≫
≪建設業における休日の状況≫
3次元測量(UAVを用いた測量マニュアルの導入)
現在4週8休は1割以下
4週8休
4週7休
4週6休
4週5休
4週4休
4週4休未満
1.1%
従来測量
施⼯
UAV(ドローン等)による3次元測量
5.7% 15.5% 13.7%
ICT建機による施工(ICT土工用積算基準の導入)
0%
20%
52.8%
40%
60%
11.2%
80%
100%
注:日建協「2015時短アンケート」を基に国土交通省作成
従来施工
ICT建機による施工
≪生産性向上のイメージ≫
検査
人・日
当たりの仕事量
(work)
検査日数・書類の削減
i-Constructionにより、これまで
より少ない人数、少ない工事日
数で同じ工事量の実施を実現
i
‐con
人力で200m毎に計測
計測結果を
書類で確認
3次元データを
パソコンで確認
建設現場の
生産性2割向上
≪土工以外の分野へのICTの活用≫
3次元モデルを用いた監督検査の効率化
38
省人化
施設管理の効率化・高度化

点検結果を3
次元モデルに
反映し、施設
管理を効率
化・高度化
トンネル覆工の出来形をレーザースキャナ
を用いて計測を行い、 監督・検査を効率化
人
(men)
工事日数(term)
ダムの管理用管路の点検
工事日数削減 
(休日拡大)
ICTの導入等により、
中長期的に予測され
る技能労働者の減
少分を補完
現場作業の高度化・効率化
により、工事日数を短縮し、
休日を拡大
i-Constructionによるコスト構造の改善
○ i-Constructionは、現在、土工(盛土等の工事)の分野で導入が進められているが、そのコスト構造を見
ると施工効率向上と少人化により労務費は低下するものの、ICT機器のレンタル費やメンテナンス経費等
が増加するため、トータルではコスト増となっている。
○ ICT機器のレンタル経費やメンテナンス経費等は、ICT機器の普及が進めば低廉化するものであるこ
とから、i-Constructionにより労働生産性の向上と処遇改善を進めるのにあわせて、ICT機器の普及と経
費低廉化の見通しを整理し、ICT技術による工事全体の生産性向上・コスト縮減の効果がICT機器メー
カーのみならず、広く納税者にも及ぶようにすべき。
≪ICT土工に係る経費≫
直接工事費_労務
直接工事費_機械
間接費・一般管理費
積算例
(直轄工事)
≪ICT土工の普及イメージ≫
直接工事費_材料
ICT導入経費
経費
1.2
1.0
標準
現状はレンタル経
費やメンテナンス
経費が高い
1
0.8
1.1
ICT積算基準
省人化効果
0
0.6
ICT導入による費用増
1,000
項目
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
ICT土工の普及促進
によるコストダウン
(千円)
0.4
標準 ⇒ ICT
直接工事費_機械
1.5倍
直接工事費_労務
0.6倍
直接工事費_材料
0.9倍
←工期短縮に伴う燃料費減
間接費・一般管理費
1.3倍
←ICT機器メンテナンス
←ICT習得の訓練等にかかる経費 等
合計
1.1倍
0.2
※実際の工事では、土工以外の工種も含めるため、全体工事費が約1.1倍になるわけではない。
0
0
0.5
1
1.5
普及数
39
最先端のサプライチェーンマネジメントの導入
○ 建設現場では、一品生産が基本であり、納期に時間がかかるため、待ち時間によるロスが生じるといった
非効率な部分があるため、他業種における最先端のサプライチェーンマネジメントを導入することにより、
コスト削減が図れないか検討を急ぐべき。
地質調査会社
測量会社
コンサルタント
建設会社
建設会社
建設会社
コンサルタント
調査・測量
設計
施工
検査
維持管理・
更新
発注者
【建設生産プロセス上の課題】
• 設計と現地条件の不一致
• 施工性や管理の効率化等ま
で含めて設計の段階では配
慮されにくい
専門工事会社
組立等
(現場or工場)
部材(部品)
建材メーカー
生コン会社
(鉄筋、型枠、
生コン等)
原材料
材料メーカー
40
(鋼材、木材、
セメント、骨材等)
建設現場の各生産段階(例えば施工段階におい
て効率的なサプライチェーンマネージメントを
導入)
手戻りの
発生
メンテナンス
しづらい構造
【施工段階でのサプライチェーン上の課題】
• 過去の需要などによる見込み生産
• 一品生産が基本であり、発注後、仕様の
確認、製作という順となり、納期に時間
がかかる
待ち時間によるロス、
在庫のロス
施工時期の平準化①
○ 公共工事の工事量については、民間工事に比して、閑散期(年度当初)と繁忙期(年度末)の差が著し
く、人材・資機材の効率的な活用や良好な労働環境を実現する上での障害となっている。
○ マクロの労働生産性向上を図るとともに、労働環境の改善を実現していくためには、公共工事の工事量の
平準化が重要。
建設総合統計 出来高ベース(全国)
(億円)
【施工時期の平準化イメージ】
30,000
25,000
<技能者>
・閑散期は仕事がない
・収入不安定
・繁忙期は休暇
取得困難
20,000
<発注者>
・監督・検査が
年度末に集中
<受注者>
・繁忙期は監理
技術者が不足
・閑散期は人材・
機材が遊休
15,000
平準化
10,000
5,000
民
間
公
共
H24年度
H25年度
H26年度
<発注者>
・計画的な業務遂行
1月
10月
7月
4月
1月
10月
7月
4月
1月
10月
7月
4月
1月
10月
7月
4月
0
H27年度
<技能者>
・収入安定
・週休二日
<受注者>
・人材・機材の
効率的配置
出典:2015年国土建設総合統計年度報より算出
41
施工時期の平準化②
○ 平成28年度予算において2ヵ年国債(国庫債務負担行為※1)を活用するとともに、国土交通省関係部局
及び地方公共団体に平準化に向けた計画的な事業執行を推進するよう国土交通省より通知。これにより、平
準化に一定の効果。
○ 適正な工期の設定により、2ヵ年国債の更なる活用のほか、地域単位での発注見通しの統合・公表、計画
的に事業を執行するためのゼロ国債(国庫債務負担行為※2)の活用の検討等財政面でのできる限りの対応
を講じることで、更なる平準化を推進するべき。
※1:国庫債務負担行為とは、工事等の実施が複数年度に亘る場合、あらかじめ国会の議決を経て後年度に亘って債務を負担(契約)することが出来る制度であり、2ヵ年度
に亘るものを2ヵ年国債という。
※2:ゼロ国債とは、国庫債務負担行為のうち、初年度の国費の支出がゼロのもので、年度内に契約を行うが国費の支出は翌年度のもの。
【2ヵ年国債活用のイメージ】
≪28年度当初予算における2ヵ年国債活用の取組み≫
無理に年度内完了とせず、必要な工期を確保
契
約
工事
年度内に完了させるため、人材・機
材を無理(集中)して投入
+約500億円
○ 28年度~29年度 ⇒
1月
208
237
H27年
H28年
対前年度比(3ヵ月毎)
契
約
工事
適正工期を確保し、人材・機材
投入を平準化
※2ヵ年国債等の活用
発注年度
○
○
翌年度
○
発
注
42
契
約
工事
※一般的に契約行為を初年
度に行い、2年目の年度当
初より工事を開始
2月
297
308
3月
1,629
2,160
4月
1,164
1,297
1.3
5月
300
424
6月
559
590
1.1
平準化の取組に対する現場の声
○
【ゼロ国債活用のイメージ】
約700億円
≪直轄新規工事契約件数≫
翌年度
発注年度
発
注
約200億円
翌年度
発注年度
発
注
○ 27年度~28年度 ⇒
○
天候が良い時期に作業ができ、作業効率もよく早期発注はありがたい。
取組みをさらに進めてほしい。(A県建設業協会)
平準化の取組みで、安定的な雇用を生み、経営の効率化に繋がる。
(B県建設業協会)
平準化の取組みは、まだ市町村等全体に波及していない。
(C県建設業協会)
雇用の確保(技術者・技能者・下請け業者)に一定の目途が計算でき
る。
(D県建設業協会)
過去と比べると、上半期の前倒し発注や年度境での平準化については、
努力いただいていると感じている。(E県建設業協会)
Ⅰ.社会資本整備を取り巻く状況
Ⅱ.潜在成長率の向上に資する公共事業
Ⅲ.安全・安心のための公共事業
1.近年の気象状況と被害状況等
43
平成28年に発生した災害の被害状況と対応
○ 平成28年は熊本地震や北海道・東北等における豪雨、台風など大規模災害が発生したが、激甚災害の指定
など迅速な対応を実施。
主な災害と被害状況
<熊本地震> (主な被災地:熊本県、大分県)
被害報告額:3,200億円程度
主な被害
全壊 8,198棟
土砂災害
半壊 29,761棟
・土石流等 57箇所
一部半壊 138,102棟
・地すべり
10箇所
・がけ崩れ 123箇所
港湾施設 4港湾で岸壁沈下等
<梅雨前線豪雨>
被害報告額:1,000億円程度
主な被害
全壊 15棟
土砂災害
半壊 14棟
・土石流等 62箇所
一部半壊 143棟
・地すべり
9箇所
床上浸水 352棟
・がけ崩れ 442箇所
床下浸水 1,325棟 河川 4箇所で破堤等が発生
政府の対応
熊本県 県道熊本⾼森線
○災害救助法の適用 (4月14日)
○激甚災害の指定 (4月26日)
・公共土木施設・農地等の災害等の補助率嵩上げ
等
○大規模災害復興法の非常災害の指定
(5月13日)
・災害復旧事業に係る工事の国による代行を実施
広島県 猪之⼦川
○激甚災害の指定 (8月18日)
・農地等の災害復旧事業の補助率嵩上げ
・公共土木施設等の熊本県美里町等6町村を対象
に補助率嵩上げ 等
<台風7・9・10・11号> (主な被災地:北海道、岩手県、青森県、山形県、新潟県ほか)
被害報告額:3,000億円程度
主な被害
全 壊
395棟
土砂災害
半 壊
2,135棟
・土石流等 171箇所
一部半壊 1,515棟
・地すべり
2箇所
床上浸水 595棟
・がけ崩れ 59箇所
床下浸水 2,159棟
河川 26箇所で決壊等が発生
44
北海道 空知川
○災害救助法の適用(8月30日)
○激甚災害の指定 (9月23日)
・公共土木施設、農地等の災害等の補助率嵩上げ
等
出典:内閣府HPより作成。
(被害報告額は、国土交通省及び農林水産省からの聞き取り(28年9月末時点)によるものであり、今後、変動がありうる。)
近年の気象状況と被害状況
○ 近年、気候変動等の影響を受けて、災害が頻発化・大規模化。
【平成28年 台風11号】
常呂川水系常呂川(国管理)
越水
(年)
【平成28年 熊本地震 】
九州自動車道 緑川PA付近(府領跨道橋)
高速道路上に落橋
※ 上記グラフはいずれも気象庁公表データより作成
(年)
45
2.今後の方向性
(1)防災・減災に資するインフラ整備の重点化・
効率化の徹底
(2)ハード対策とソフト対策の適切な組合せ
(3)インフラ老朽化への計画的・効率的な対策
46
豪雨・台風災害への対応力の強化
ろっ かく がわ
○ これまでの河川整備やダム建設により、過去と同程度の洪水が起こった場合でも被害を大幅に低減するな
ど、豪雨・台風災害への対応力が強化されている。
河川改修(河道拡幅等)による被害軽減効果 : 六角川(佐賀県)
ダムによる被害軽減効果 : 淀川上流ダム群の連携した洪水調整(京都府)
・改修を行わなければ、平成28年6月の豪雨で越水や堤防決壊のおそれ
があったが、改修により被害が大幅に軽減。
昭和55年8月出水の状況
・平成25年台風18号の豪雨により淀川水系で大規模な出水が発生し、桂
川下流の久我橋付近で洪水が堤防を乗り越え、いつ決壊してもおかし
くない状況。
・日吉ダム、天ヶ瀬ダム等の淀川上流ダム群による最大限の洪水調節に
より水位を低減させ、堤防決壊を回避。
①
新
橋
六角川(武雄市北方町新橋周辺)
六角川位置図
➁
久我橋
(京都市伏見区)
小城市
多久市
武雄市
①
江北町
➁
大町町
東海道新幹線
白石町
凡 例
S55浸水範囲
S55決壊箇所
H28浸水範囲
嬉野市
六角川流域平均6時間雨量(mm)
牛津川(小城市牛津町)
越水区間
浸水戸数(戸)
約1.2倍
久我橋
約1/100に軽減
鴨川
桂川
想定浸水範囲
※ダムがなく堤防が決壊した場合
47
インフラ整備の重点化
○ 費用便益分析の徹底を図るだけではなく、他の整備手法との比較検証を行う等により、整備の重点化・優
先順位付けを客観的に行うべき。
○ また、既存ストックの最大限の活用を図ることにより、効率的・効果的な整備を図るべき。
ダム検証に関する基本的なポイント
・平成22年9月から開始。
・検討作業は、基本的に事業主体(地方整備局・県等)が洪水調節、
利水対策(水道用水・工業用水)、渇水対策など「目的」別に代替案
と比較するなど、総合的な評価を実施。
【代替事例】
○洪水調節 : 河道掘削、 堤防かさ上げ、 遊水地整備
○利水対策、渇水対策
: 水系間導水、 地下水取水、 ため池整備
○ダム検証対象83事業のうち、79事業は対応方針を決定済み (継続54事業、中止25事業、検証中4事業)
(平成28年10月1日時点)
・中止25事業のうち、19事業は検証の過程で「①ダム事業の残事業費 」 と「②代替案の事業費」を算出・比較。
・その19事業に係る両者の差額(①-②)は約 1,900億円となっている。
① 中止事業の残事業費の合計
約 4,900億円
※
② 代替案の事業費の合計
約 3,000億円
※ 洪水調整・利水対策など「目的」別に最も安価な代替案を合計。
○ダム検証の趣旨・検証結果を踏まえると、既存ダムの更なる徹底活用を図るなど効率的・効果的な整備が重要。
○放流管の増設による容量の確保
○土砂バイパストンネルによる排砂
貯水容量の増大
既存ダム徹底活用を図
るための対策イメージ
48
○既存ダムのかさ上げによる容量の拡大
恒久的な堆砂対策
ハード・ソフト対策
○ 豪雨・台風災害の頻発化・激甚化を踏まえると、社会全体が「施設の能力には限界があり、施設では防ぎ
きれない大洪水は必ず発生するもの」へと意識を変革する必要。
○ そのため、従来のハード対策に加え、実効性のあるソフト対策等を組み合わせ、洪水氾濫に備える必要。
洪水氾濫の
頻度を減らす
施設の能力を高める
(従来のハード対策)
洪水氾濫による
被害を軽減する
<ソフト対策例>
<洪水を安全に流すためのハード対策>
○優先的に整備が必要な区間における堤防のか
さ上げや浸透対策などを推進
【例】佐賀県六角川
(河道改修)
S55.8 豪雨 : 浸水戸数 4,835戸
↓
H28.6 豪雨 : 浸水戸数
46戸
⇒ 27年12月より順次公表し、28年7月時点で直轄河川
<住民目線のソフト対策>
109水系のうち58水系で公表済み。29年の出水期(6月
頃)までに、残る51水系で公表予定。
○住民等の行動につながるリスク情報の周知
住民等の避難行動を
支援する
・立ち退き避難が必要な家屋倒壊等氾濫想定区域の
公表
・住民のとるべき行動を分かりやすく示したハザードマ
ップへの改良 等
○避難行動のきっかけとなる情報をリアルタイムで
提供
・スマホ等によるプッシュ型の洪水予報等の提供 等
<危機管理型ハード対策>
避難のための時間
を稼ぐ
○越水が発生した場合でも決壊までの時間を少し
でも引き延ばすよう堤防構造を工夫する対策の
推進
⇒ 28年9月より2市で配信開始。29年5月頃に135市町村
へ配信拡大の予定。
49
規制の適切な運用
○ 平成26年8月の広島災害等を受けて改正された「土砂災害防止法」を踏まえ、すべての都道府県におい
て、警戒区域指定の前提となる危険箇所の基礎調査を平成31年度末までに完了するとの目標が設定。
○ この基礎調査の早期完了に向けて、防災・安全交付金の重点配分制度を活用し都道府県に対する支援をし
ているが、基礎調査を終えた17府県のうち、特別警戒区域指定完了に至っているのは9県にとどまる。
○ 基礎調査完了から警戒区域指定までには一定期間を要するが、新規宅地開発の抑制をはじめとする土砂災
害防止対策の実効性を確保する観点から速やかに、警戒区域指定を進めるべきであり、更に防災・安全交付
金の重点配分を進めるとともに、国がフォローアップを行うことが重要。
土砂災害警戒区域等の指定状況(平成28年7月末時点)
基礎調査の完了予定年度(平成28年3月31日時点)
平成31年度 (19道県)
平成30年度 (5都県)
平成29年度 (1県)
平成28年度 (5府県)
完了済み (17府県)
 土砂災害警戒区域 及び 土砂災害特別警戒区域の指定完了
9県 :青森県・山梨県・福岡県・群馬県・栃木県・石川県
山形県・岐阜県・福井県
 土砂災害警戒区域の指定が完了
4県 :山口県・鳥取県・島根県・奈良県 ■ 土砂災害警戒区域の総区域数の推計値※1
(区域数)
35,000
全国
651,321
■ 土砂災害警戒区域数※2(イエロー)
445,324
■
290,167
土砂災害特別警戒区域数※3(レッド)
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
50
沖縄県
鹿児島県
宮崎県
大分県
熊本県
長崎県
佐賀県
福岡県
高知県
愛媛県
香川県
徳島県
山口県
広島県
岡山県
島根県
鳥取県
和歌山県
奈良県
兵庫県
大阪府
京都府
滋賀県
福井県
三重県
愛知県
静岡県
岐阜県
石川県
富山県
新潟県
長野県
山梨県
神奈川県
東京都
千葉県
埼玉県
群馬県
栃木県
茨城県
福島県
山形県
秋田県
宮城県
岩手県
青森県
北海道
0
※1. 土砂災害警戒区域の総区域数の推計値
都道府県が推計した、土砂災害警戒区域の総数(平成27年3月末時点)。
※2. 土砂災害警戒区域 (通称: イエローゾーン)
土砂災害が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる
区域。ハザードマップや住民の避難計画の作成が市町村に義務付けられる。
※3. 土砂災害特別警戒区域 (通称: レッドゾーン)
土砂災害警戒区域のうち、土砂災害が発生した場合に建築物の損壊が生じ住民等の生命又は
身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域。宅地開発行為等の規制、建築物
の構造規制などが行われる。
社会資本の老朽化の現状
○ 今後、高度成長期以降に急速に蓄積された膨大な社会資本の老朽化が急速に進行し、何ら対策を講じなけ
れば維持管理・更新費が増加していく見込み。
○ このため、点検により損傷状況を把握し、計画的なメンテナンスを行うことによりインフラの長寿命化を
図り、長期的なコストの圧縮を図る必要。
≪建設後50年以上経過する社会資本の割合≫
道路橋
【約40万橋(橋長2m以上の橋70万橋のうち)】
トンネル
【約1万本】
河川管理施設(水門等)
【約1万施設】
下水道管きょ
【総延長:約45万km】
港湾岸壁
【約5千施設(水深-4.5m以深)】
≪予防保全によるコスト圧縮の例≫
2013年3月
2023年3月
2033年3月
約18%
約43%
約67%
約20%
約34%
約50%
約25%
約43%
約64%
約2%
約9%
約24%
約8%
約32%
約58%
50年間で約2,000億円
のコスト縮減
長崎県橋梁長寿命化修
繕計画(27年3月)より
平成25年12月 社会資本整備審議会・交通政策審議会
「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について(答申)」
年度
推計結果
2013年度
約3.6兆円※)
2023年度
(10年後)
約4.3~5.1兆円
2033年度
(20年後)
約4.6~5.5兆円
50年間で約1,540億円
のコスト縮減
岡山県道路橋梁維持管
理計画(27年7月)より
※1)推計結果は国、地方あわせた事業費ベースの数値
※2)2013年度の値(約3.6兆円)は、実績値ではなく、今回実施した推計と同様の条件のもとに算出した推計値
1.国土交通省所管の社会資本10分野(道路、治水、下水道、港湾、公営住宅、公園、海岸、空港、航路標識、官庁施設)の、
国、地方公共団体、地方道路公社、(独)水資源機構が管理者のものを対象に、建設年度毎の施設数を調査し、過去の維
持管理、更新実績等を踏まえて推計。
2.今後の新設、除却量は推定が困難であるため考慮していない。
3.施設更新時の機能向上については、同等の機能で更新(但し、現行の耐震基準等への対応は含む。)するものとしている。
4.用地費、補償費、災害復旧費は含まない。
5.個々の社会資本で、施設の立地条件の違いによる損傷程度の差異や維持管理・更新工事での制約条件が異なる等の
理由により、維持管理・更新単価や更新時期に幅があるため、推計額は幅を持った値としている。
51
計画的な老朽化対策の推進
○ インフラ長寿命化のため、インフラ管理者(各省及び地方自治体)は、平成28年度までにインフラ長寿命
化計画(地方自治体の場合は公共施設統合管理計画)を策定し、施設の種類に応じて遅くとも平成32年度ま
でに個々の施設ごとの長寿命化計画を策定することとされている。
○ 長寿命化計画の策定を促進し、無計画な更新・維持管理を避けるためにも、防災・安全交付金を含め、イ
ンフラの老朽化対策は個々の施設の長寿命計画に基づくものに重点化を更に進めるとともに、「情報の見え
る化」等により、長寿命化がコスト圧縮に確実につながるようにすべき。
≪インフラ長寿命化に向けた計画の体系(イメージ)≫
≪個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)の策定率≫
道路(橋梁)
現状
年度
平成27年度
道路(トンネル)
平成27年度
インフラ長寿命化基本計画
(国)
○インフラの長寿命化に関する基本方針
・目標とロードマップ
・基本的な考え方
・インフラ長寿命化計画の基本的事項
・必要施策の方向性
・国と地方の役割
・産学界の役割 等
インフラ長寿命化計画
(国の全分野)
※省庁毎に策定
インフラ長寿命化計画
(自治体レベルの全分野)
○基本計画の目標達成に向けた行動計画
・対象施設
・計画期間
・所管インフラの現状と課題
・中長期的な維持管理・更新コストの見通し
・必要施策の具体的な取組内容と工程
・フォローアップ計画
※施設特性に応じて必要施策を具体化
※自治体毎に策定
(施設毎の長寿命化計画)
公共施設等
総合管理計画
河川
公共建築物
道路
河川
○施設の状態に応じた詳細な点検・修繕・更新の計画
52
公共建築物
→
目標
年度
平成32年度
―※
→
平成32年度
河川 [国、水資源機構]
平成27年度
99%
→
平成28年度
[地方公共団体]
平成27年度
84%
→
平成32年度
ダム [国、水資源機構]
平成27年度
84%
→
平成28年度
[地方公共団体]
平成27年度
37%
→
平成32年度
砂防 [国]
平成27年度
83%
→
平成28年度
[地方公共団体]
平成27年度
45%
→
平成32年度
海岸
平成27年度
7%
→
平成32年度
下水道
平成27年度
23%
→
平成32年度
港湾
平成27年度
98%
→
平成29年度
空港(空港土木施設)
平成27年度
100%
→
平成32年度
鉄道
平成27年度
100%
→
平成32年度
自動車道
平成27年度
0%
→
平成32年度
航路標識
平成27年度
100%
→
平成32年度
公園 [国]
平成27年度
94%
→
平成28年度
[地方公共団体]
平成27年度
84%
→
平成32年度
官庁施設
平成27年度
62%
→
平成32年度
公営住宅
平成27年度
88%
→
平成32年度
※
道路
数値
―※
数値
100%
これまでも、国土交通省及び地方公共団体等において、橋梁の長寿命化修繕計画等を策定し、計画的な
点検・修繕を実施しているところ。
平成26年度に、橋長15m未満の橋梁やトンネル等についても、個別施設計画を策定することとしたため、
現在、橋梁(約73万橋)・トンネル(約1万本)等の道路施設について、個別施設計画の策定に向け調
整中であり、平成27年度末時点の計画策定状況を調査して把握する予定。