を済 ませ た 後 に 質 問 紙 を配 布 し、 記 入 後 、 看 護 師 が 個 別 に 回収 した 。 3.デ ー タ の分 析 方 法 質 問 紙 法 に よ り、不 安 の 強 さや 、 手 術 経 験 の 有 無 等 の 条 件 で 区分 し比 較 を行 った 。 有 意 差 検 定 はX2検 定で 行 っ た。 時 間 的制 約 を され た入 院 に お け る術 前 不安 へ の援 助 4.倫 理 的配 慮 入 院 後 患 者 に研 究 方 法 ・目的 を説 明 し、 デ ー タ は研 究 佐 藤 真 里 工 藤 聖 子 小 金 山奈 津 子 以 外 で は使 用 しな い こ と、 質 問紙 は無 記 名 で 個 人 名 が 宮 田 真 紀 子 越 田 明 子 特 定 さ れ な い こ と、 参 加 は任 意 で あ り、拒 否 に よ り不 青森県立中央病院 利 益 が 生 じな い こ とを説 明 した 。 Key Words:① 手 術 前 日入 院 ② 不 安 ③ 時 間 的 制 約 .結 果 Ⅳ 1.手 術 前 日仁 不 安 を感 じ て い る 人 は全 体 の61%で ④ 納 得 ⑤ 術 前 あっ た。 I.は じめ に 2.不 安 の 要 因 と して最 も強 か っ た の は、 手 術 後 の 痛 み に 手 術 目的 で 入 院 した患 者 は、 疾 患 ・治 療 ・予 後 に対 し、 つ い て の 不 安 が68%で さ ま ざ ま な 心 理 的 反 応 を示 す 。 こ の心 理 的 反 応 は さ ま ざ これ を経 験 の 有 無 で 比 較 す る と手 術 経 験 の あ る 人 が 、 有 ま な要 因 に よ っ て影 響 を 受 け 、また 、個 人 差 が あ る。 「手 意 に 不 安 が 弱 か っ た。 術 を 受 け る 患 者 の70%以 3.看 護 師 の 対 応 で 安 心 感 が 得 ら れ た と答 え た 人 は85% 上 が 何 らか の 心 理 的 反 応 を抱 え なが ら手 術 に 臨 ん で い る」 と さ れ 、 「入 院 して くる患 者 は 、 計 り しれ ない ほ どの病 気 へ の大 きな 不 安 と、 ま た あった。 と高 く、 手 術 経 験 に よ る有 意 差 は 認 め られ なか っ た 。 .考 察 Ⅴ 不 慣 れ な病 院環 境 に対 す る漠 然 と した不 安 と を持 っ て い 1.理 解 が あ っ て も納 得 が な い ゆ え の 不 安 る 」1)と 指 摘 す る よ うに 、 手 術 患 者 の 多 くは 混 沌 と した オ リエ ン テ ー シ ョン で手 術 に対 す る 理 解 が 得 られ た直 心 理 的 反 応 を基 盤 とす る不 安 の 中で 術 前 を過 ごす 。 さ ら 後 に も関 わ らず 、61%も に 当 病 院 に お い て は、 入 院 日数 の 短 縮 に伴 い 手 術 前 日入 が 即 座 に不 安 の 解 消 に は な ら な い こ と を示 して い る。 人 院 が 増 え て お り、 適 応 す る た め の 絶 対 的 な 時 間 が 限 られ 間 は、 状 況 や 環 境 へ の 適応 に一 定 の 時 間 を必 要 とす る も る事 と な り、 看 護 師 は患 者 の心 理 の 理 解 と、 そ の 心 理 に の で あ り、対 象 と な っ た患 者 は 、頭 の 中 で の 理 解 に続 く、 影響 を与 え て い る要 因 を把 握 した う え で 、 適 切 に援 助 し 納 得 や 肪 に 落 ち る とい う気 持 ち の うえ で の 適 応 に 至 っ て て い くこ とが 求 め られ る 。 しか し、 手 術 前 日入 院 で は看 い ない 状 況 にあ る と考 え られ る。 つ ま り、 短 時 間 で 合 理 護 師 が 援 助 で き る時 間 も限 られ 、 患 者 の心 理 状 態 の 把 握 的 に理 解 が 得 られ て も、 そ れ を反 甥 す る時 間 的猶 予 が な や 適 切 な援 助 も容 易 で は な い 。 け れ ば、 本 質 的 な不 安 の軽 減 に十 分 な効 果 が 得 られ ない 手 術 前 に お け る患 者 心 理 の 研 究 は これ ま で多 く行 わ れ こ とが 示 唆 され る。 て い る もの の 、 手術 前 日 とい う時 間 的 制 約 下 で の 心 理 状 2.理 解 が あ っ て も経 験 が な いが ゆ え の 不 安 態 につ い て は 、 ま だ 十 分 に検 討 され て い な い 。 そ こで 、 オ リエ ンテ ー シ ョ ンで 「痛 み は コ ン トロ ー ル され る 」 手 術 前 日入 院 の患 者 を対 象 と し、 オ リエ ンテ ー シ ョ ンを こ との 説 明 を して い る に もか か わ らず 、 痛 み は最 大 の 不 終 え た 時 点 で の心 理状 態 を 、 質 問 紙 法 を用 い て 調 査 した 安 の 要 因 で あ った 。 手 術 経 験 の あ る 人 は 有 意 に不 安 が 弱 の で こ こ に報 告 す る 。 く、 経 験 的 に痛 み を イ メ ー ジ で きる こ とが 、 不 安 の 軽 減 目的 の 人 が 不 安 を感 じて お り、 理 解 に 影響 して い る と考 え られ る 。 「痛 み を伴 う検 査 や 手 術 で Ⅱ. 手 術 前 日入 院 の 患 者 が抱 く術 前 の 心 理 状 態 を探 り、 具 あ って も、 あ らか じめ十 分 な 説 明 を 受 け、 行 わ れ る 所 業 体 的 な 看 護 援 助 の 方 法 を考 え る を理 解 して い れ ば不 安 は少 な い」3)と .研 究 方 法 1.対 象 者:平 Ⅲ 成20年7月 ∼9月 述 べ て い る。 手 術 経 験 の な い場 合 、 時 間 の な い 状 況 に お い て、 理 解 ・納 得 に、 耳 鼻 科 の 手 術 目的 とい う切 り口 で不 安 の軽 減 を求 め る難 し さ も示 唆 して い で 前 日入 院 した患 者 の う ち、 調 査 協 力 に 同 意 を得 られ る。 た 患 者41名 3.理 解 ・納 得 よ り も、 信 頼 と保 障 に よ る安 心 感 2.調 査 方 法:先 行 研 究2)に 基 づ き、術 前 の 主 な 心 理 要 因 につ い て10項 目作 成 し、 ア ンケ ー ト調 査 を行 っ た 。 手 術 前 日、 マ ニ ュ ア ル に基 づ い た オ リエ ン テ ー シ ョン −90− 絶対 的 に不 安 が 強 い状 況 にお い て も、看 護 師 の 説 明 に よ り安 心 感 が得 られ た 人 は85%と 高 い 。注 目す べ きは 、手 術 経 験 の 有 無 に 関 わ らず安 心 感 が 得 られ る点 で あ り、既 に理 解 ・納 得 ・経 験 が あ る人 に と って もプ ラス に な っ て い る。 つ ま り、看 護 師 の働 きか け は、手 術 や 麻 酔 、疹 痛 管 理 等へ の 理 解 や納 得 を第 一義 と して 行 わ れ たが 、 一方 で 、 そ の 直 接 的 な結 果 の如何 で は な く、 そ の働 きか け の過 程 で 明 らか に な る、援 助 者 と して の信 頼 や援 助 を受 け られ る保 障 な ど が 安 心 感 を もた ら して い る と考 え られ る。 4.ま とめ 不 安 の 軽 減 に は 、単 な る理 解 の み な らず 、 納 得 が 不 可 欠 で あ る。 看 護 師 の 働 きか け が 安 心 感 を与 え 患 者 を力 づ け る こ とか ら、入 院 後 の 説 明 で は、 信 頼 に も重 点 を 置 く こ とが 効 果 的 で あ る。 .文 献 1)小 林 司,患 Ⅵ 者 の 心 を 開 く(看 護 とカ ウ ンセ リ ング), メ ヂ カ ル フ レ ン ド社,p.90,1988. 2)野 田 美 紀:一 泊 入 院 に よ り 白 内 障 手 術 を 受 け る患 者 の 心 理 第37回 日本 看 護i学会 論 文 集,p.64- 66,2006. 3)横 田敏勝 ナ ー ス の た め の 痛 み の 知 識,南 江 堂,p. 87, 1994. −91−
© Copyright 2024 ExpyDoc