情報提供資料 オーストラリアの投資環境 2016年10月12日 ケント総裁補佐は物価に前向きな見方 10月4日の豪州準備銀行(RBA)理事会では、市場の予想通り政策金利が1.5%に据え置かれました。今回の 理事会は、フィリップ・ロウ氏が新総裁となってから、はじめての開催であることから注目が集まりました。結 果は「金融政策が維持され、声明文の内容も前回からの大きな変更なし」となったことから、相場への影響は限 定的となりました。 声明文では引き続き「豪州の実体経済は緩やかなペースで加速している」、「家計や企業のセンチメント指標 は平均を上回っている」など、底堅い景気動向について指摘しています。一方で、「インフレ率は低水準であり、 しばらく同様の水準が続くだろう」と、物価に対しては慎重な見方を継続しており、今後も「底堅い景気」と 「低調な物価」が金融政策の見通しを難しくすると考えられます。 そのような中、9月のケント総裁補佐のスピーチが注目を集めました。ケント氏は2012年から総裁や理事会の 経済アドバイザーとなっており、RBAの経済分析や経済研究部門の責任者でもあります。ケント氏は講演で①交 易条件の悪化に歯止めがかかり始めたこと、②鉱業部門の最悪期は過ぎ、見通しが改善し始めたこと、③賃金・ インフレ率が徐々に押し上げられる良い展望が見られること、について言及しました。RBAは、今まで物価に対 しては慎重なコメントを発信することが多かっただけに、③のケント氏の発言は真新しいものです。まだRBA内 で浸透している認識ではないかもしれませんが、少しずつ内部での認識に変化が出始めている可能性もあり、注 意が必要です。 上記を踏まえ、今後の豪ドルは底堅い推移を予想します。豪州の景気動向は引き続き良好であり、他の先進国 とは一線を画す環境が続いています。特に、鉱業部門に偏った経済成長からのリバランスが徐々に進んでいるこ とや、長期的に人口の増加が見込まれることなども明るい材料です。また、米国の早期利上げ観測の後退や、豪 州の利下げ観測が後退する可能性は豪ドルの下値を支える要因と考えられます。今後もリスク回避の動きなどに よって一時的に下落する局面は想定されますが、中長期的には底堅い推移になると予想します。 豪州政策金利の推移 (%) 9.0 (2006年9月29日~2016年10月4日:日次) 7.0 5.0 3.0 1.5 1.0 06年9月 08年9月 10年9月 12年9月 14年9月 16年9月 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。 ※上記グラフは、将来における豪州政策金利の推移を示唆、保証するものではありません。 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 商号等/ 加入協会/ アセットマネジメントOne株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1 9月の豪ドル相場は、対米ドルで上昇、対円でほぼ横ばい 相場動向 9月の豪ドルは、対米ドルで上昇しました。4~6月期の豪州経常収支が予想比良好な内容となったことや、豪州 準備銀行(RBA)理事会の声明文で追加緩和への踏み込んだ記載がなかったこと、米国の早期利上げ観測が後退し たことなどが上昇要因となりました。対円では、リスク回避志向の高まりを背景に下落しましたが、米国の早期利 上げ観測の後退などを背景に月末にかけて反発し、最終的にほぼ横ばいとなりました。 今後の見通し 底堅い推移を予想 豪ドルは対米ドルで、底堅い推移を予想します。引き続き豪州の底堅いファンダメンタルズや、米国の早期利上 げ観測の後退が豪ドルの下値を支える要因になると思われます。一方、豪州の物価の伸びが低調なことによる追加 利下げ観測などが上値を抑える要因になると考えられます。 プラス要因 マイナス要因 ・豪州経済の改善 ・豪州経済のリバランス(鉱業輸出中心の経済から、 農産物・乳製品輸出などの拡大によるバランスのと れた経済への移行) ・米国の早期利上げ観測の後退 ・消費者物価指数の低下によるさらなる追加利下げ観 測 ・RBA当局者による豪ドル高牽制発言 図表2:中国向け鉄鉱石価格の推移 図表1:豪ドルの推移 (2013年9月30日~2016年9月30日:日次) (2016年8月31日~2016年9月30日:日次) (円) 86 豪 ド ル 高 豪 ド ル 安 豪ドル/円(左軸) 豪ドル/米ドル(右軸) (米ドル) 0.78 (米ドル) 180 84 0.77 150 82 0.76 120 80 0.75 90 78 0.74 60 76 0.73 30 74 0.72 0 8月31日 9月10日 9月20日 9月30日 図表3:豪州実質GDP成長率 (2006年4-6月~2016年4-6月:四半期) (前期比、%) 13年9月 図表4:豪州 (万件) 4 2.0 1.5 14年9月 3 15年9月 住宅着工許可件数と住宅ローン件数 (2011年8月~2016年8月:月次) ※住宅ローン件数は2016年7月まで 住宅着工許可件数(左軸) 住宅ローン件数(右軸) 1.0 0.5 0.0 16年9月 (万件) 8 6 2 4 1 2 ▲ 0.5 06年6月 0 0 ▲ 1.0 09年6月 12年6月 15年6月 11年8月 13年8月 15年8月 出所:ブルームバーグおよびデータストリームが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。 ※上記グラフは、将来における豪ドルの推移、中国向け鉄鉱石価格の推移、豪州実質GDP成長率および豪州の住宅着工許可件数と住宅ローン 件数を示唆、保証するものではありません。 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 2 豪ドルの為替レートの推移 (円) (2013年9月末~2016年9月末:月次) 110 豪 ド ル 高 豪 ド ル 安 (米ドル) (基準日:2016年9月末) 1.2 100 1.1 16年9月末 90 1.0 1ヵ月前 80 0.9 6ヵ月前 70 0.8 豪ドル/円(左軸) 60 1年前 0.7 3年前 豪ドル/米ドル(右軸) 50 14年9月 15年9月 77.76 (▲ 0.2%) 86.20 (▲ 10.0%) 84.12 (▲ 7.7%) 91.51 対米ドル 0.7659 0.7519 (1.9%) 0.7657 (0.0%) 0.7017 (9.1%) 0.9317 (▲ 15.2%) (▲ 17.8%) 0.6 13年9月 対円 77.62 - ※カッコ内は期間騰落率 16年9月 主な先進国の政策金利の推移 (%) 4 (2013年9月末~2016年9月末:日次) (基準日:2016年9月末) 政策金利 ニュージーランド(NZ) 豪州 1.50 ニュージーランド 2.00 ユーロ圏 0.00 3 豪州 2 1 米国 ユーロ圏 0 日本 米国 0.25~0.50 日本 ▲0.10~ 0.10 ※ ▲1 13年9月 14年9月 15年9月 16年9月 ※2013年4月の日銀金融政策決定会合以降、日本の金融市場調節の操作目標が無担保コールレート(翌日物)から マネタリーベースに変更されています。また、2016年1月の金融政策決定会合では、日銀の当座預金の一部に ▲0.1%のマイナス金利の導入を決定しました。 主な先進国の10年国債利回りの比較 (%) 3 (2016年9月末) 2.27% 1.59% 2 1.91% 1 0 ▲1 ▲0.12% ▲0.09% ドイツ 日本 米国 豪州 NZ 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。 ※上記グラフは、将来における豪ドルの為替レートの推移、主な先進国の政策金利および10年国債利回りを示唆、保証するものでは ありません。 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 3 オーストラリアのマクロデータ (2013年9月~2016年8月:月次) (前月比、千人) 100 雇用者数(左軸) 失業率(右軸) 80 (2013年9月~2016年9月:月次) (%) (前年比、%) 10 7.5 小売売上高(前年比)(左軸) 130 ウエストパック消費者信頼感指数(右軸) 7.0 8 60 6.5 6 110 40 6.0 20 5.5 4 100 0 5.0 2 90 ▲ 20 4.5 0 ▲ 40 4.0 ▲2 13年9月 14年9月 (2013年9月~2016年9月:月次) 14年9月 15年9月 70 16年9月 (2013年7-9月~2016年4-6月:四半期) (%) 4 ナショナル・オーストラリア銀行企業景況感指数 20 80 ※小売売上高データは2016年8月まで 13年9月 15年9月 120 ナショナル・オーストラリア銀行企業信頼感指数 15 インフレ率 インフレ率加重中央値 3 10 2 5 0 1 ▲5 インフレ目標 2~3% 0 ▲ 10 13年9月 14年9月 15年9月 16年9月 13年9月 (2013年9月~2016年8月:月次) (億豪ドル) 30 貿易収支 20 14年9月 15年9月 (2013年9月~2016年9月:月次) (10億豪ドル) 100 外貨準備高 80 10 0 60 ▲ 10 40 ▲ 20 ▲ 30 20 ▲ 40 0 ▲ 50 13年9月 14年9月 15年9月 13年9月 14年9月 15年9月 16年9月 出所:ブルームバーグおよびIMFが提供するデータを基にアセットマネジメントOneが作成。 ※上記グラフは、将来におけるオーストラリアの各種経済指標の推移を示唆、保証するものではありません。 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 4 投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項 【投資信託に係るリスクと費用】 ● 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式、債券および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクも あります。)に投資をしますので、市場環境、組入有価証券の発行者に係る信用状況等の変化により基準価額は変動します。 このため、購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。 ● 投資信託に係る費用について [ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。] ■お客さまが直接的に負担する費用 購入時手数料 :上限4.104%(税込) 信託財産留保額:上限0.5% 公社債投信およびグリーン公社債投信の換金時手数料:取得年月日により、1万口につき上限108円(税込) その他の投資信託の換金時手数料:ありません ■お客さまが信託財産で間接的に負担する費用 運用管理費用(信託報酬):上限 年率2.6824%(税込) ※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の加算によってご 負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により変動するため、あらか じめ上限の額等を示すことができません。 ■その他費用・手数料 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認ください。 ※上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 費用の料率につきましては、アセットマネジメントOne株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用 における最高の料率を記載しております。 ※税法が改正された場合等には、税込手数料等が変更となることがあります。 【ご注意事項】 ●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が作成したものです。 ●当資料は、情報提供を目的とするものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しておりますが、その内容の完全性、 正確性について、同社が保証するものではありません。また掲載データは過去の実績であり、将来の運用成果を保証するもので はありません。 ●当資料における内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。 ●投資信託は、 1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。加えて、 証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象ではありません。 2.購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。 3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することとなります。 161012JSオーストラリアの投資環境 5
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