子どもの人権 久留米市人権啓発センター 子どもたちをとりまく現状と課題 わたしたちにできることは何でしょうか? 子どもたちは、幸せに 生きていますか? 誰もが尊重され、幸せに生 きる権利を持っています。こ れは年齢を超えて、全ての人 に平等に与えられた権利で す。 しかしながら、世界的に見 1いじめ いじめは深刻な社会問題です。 いじめが原因となって自殺に至る 場合や障がいなどの事件となるケ ースなど、痛ましい事故が後を絶 ちません。 いじめる側に、いじめに対する 認識、自覚が不足していることが 根本的な原因です。軽い気持ちで 始めたことが次第にエスカレート し、重大な結果に至ってから気づ いても遅いのです。また、自らが ターゲットになることを恐れ、い じめに荷担したり、見て見ぬふり をしたりすることもいじめを助長 する要因となっています。 ると、子どもは歴史的に「小さ な大人である」や「大人の所有 2不登校 物」だと捉えられていた時期 不登校の背景も様々です。いじ めや教師の体罰、対人関係、授業 についていけないなどの学校生活 に起因するものや、家庭内不和、 生活の急激な変化、親子関係、虐 待などの家庭生活に起因するもの などがあげられます。 もあり、今も続いているとこ ろもあります。そこには、子 どもが大人と同じように労働 をする姿や、子どもは大人の 児童虐待の主な種類 いうことを聞くのが当然であ 〇身体的虐待 〇性的虐待 〇ネグレクト 〇心理的虐待 るといった考えのもと権利の 主体としての人権はありませ んでした。 そして今、これからの社会 を担う子どもたちがいじめ、 3虐待 家庭内における、親や親族など 保護者による子どもへの虐待が大 きな社会問題になっています。虐 待は子どもの心身に重大な影響を 体罰、虐待などの犠牲となる など、大きな社会問題となっ ています。 また、子どもの貧困など、 大人の生活状況が社会的に弱 い立場にある子どもたちの生 活や生命を脅かし深刻な影響 を与え続けています。 いずれの場合にも、学校だけの 対応や保護者だけでの対応では解 消できないことが多いと思われま す。家庭・学校・地域・児童相談所 などの関係機関などが協力をして 解決する必要があります。 4子どもの貧困 今、子どもの貧困率は 16.3% です。これは、およそ6人に1人 の子どもが貧困であると言われて います。 子どもたちは、貧困が原因で、 「食事が食べられない」「病気やケ ガをしても病院に行けない」「修 学旅行に参加できない」など、 及ぼし、中には死に至るような深 刻なケースもあります 貧困率とは 社会の標準的な所得の1/2を基準と し、その基準以下の所得しかない人の占め る割合 様々な場面で困難な状況に置かれ ています。 子どもはお金がないことで、や りたいことができないというだけ でなく何かをしたいという意欲も 持てなくなる状況に置かれていま す。 子どもたちの人権を考えて みましょう。 子どもの姿は、現在の社会を映す鏡であり、未来を映す鏡です。子どもの 人権を考えるということは、現在の社会がどうなのかを見つめ、わたしたち 大人のありようも考えてみるということです。わたしたちみんなで、子ども の自立・成長を支援していきましょう。 参考図書:人権ポケットブック⑨(公益財団法人人権教育啓発推進センター発行)、子どもの人権を考える(福岡県人権啓発情報センター)
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